セミナー室

酵素や微生物を用いた希少糖の生産イズモリングに基づいた希少糖の大量生産

Akihide Yoshihara

吉原 明秀

香川大学国際希少糖研究教育機構

Shiro Kato

加藤 志郎

香川大学国際希少糖研究教育機構

Susumu Mochizuki

望月

香川大学国際希少糖研究教育機構

Kouhei Ohtani

大谷 耕平

松谷化学工業株式会社

Ken Izumori

何森

香川大学国際希少糖研究教育機構

Published: 2018-10-20

はじめに

希少糖は国際希少糖学会により「自然界に存在量が少ない単糖およびその誘導体」と定義されている.単糖とは糖質の最小単位であり,単糖が2つグルコシド結合により重合すれば二糖,数個結合すればオリゴ糖,多数結合すると多糖になる.また,単糖のうちアルデヒド基をもつものはアルドース,ケト基をもつものはケトースと呼ばれている.糖は植物の光合成によって合成されるが,自然界の糖は多くが多糖として存在し,その構成単糖はブドウ糖(D-グルコース)が最も多い.また,そのほかにも果糖(D-フルクトース)や乳糖の構成単糖であるD-ガラクトースなど7種類のみが自然界に多く存在する.われわれのグループでは,自然界に多量に存在する単糖を出発原料にして希少糖の生産について研究を進めている.希少糖を生産するために重要なものは,生産するための「原料」を何にするか,生産するために使用する「方法」をどのようなものにするか,そしてどのような経路で目的の希少糖を生産するのかを示した「設計図」である.まず,希少糖自体は天然にほとんどもしくはまったく存在しないため,植物など天然物から抽出して直接多量に得ることは不可能に近く,それを希少糖生産の原料とすることは難しい.そのため,大量に希少糖を生産するための原料としては,自然界で一番多いD-グルコースとすることが有利である.次に,希少糖を生産する方法としては,有機合成などの化学法や各種酵素を用いる酵素法が考えられるが,酵素を用いる方法は通常一つの原料から一つの生産物ができるため有利である.実際に酵素を用いた転換法はデンプンから異性化糖(D-グルコースとD-フルクトースを主成分とする液糖)の生産などでも用いられている.この場合は3つの酵素がその反応にかかわっている.まず,デンプンに水とα-アミラーゼを加え95度程度で反応することでデンプンが分解される.α-アミラーゼによる作用は,大きなデンプンをある程度小さくするもので,「液化」と呼ばれる.次にグルコアミラーゼを用いることでデンプンが最小単位のD-グルコースにまで分解される.この最終的に得られたD-グルコースに異性化酵素(グルコースイソメラーゼ)を加えて反応することでD-フルクトースへの転換反応が起こる.この反応は可逆的な平衡反応であり,最終的にD-グルコースとD-フルクトースの平衡比はおよそ1 : 1となる.

上記と同じようにD-グルコースを原料に用いて酵素によって希少糖を作ることが考えられるが,希少糖は自然界に存在する量こそ少ないがその種類は多く,炭素数6の単糖および糖アルコールでは30種類,炭素数5の単糖および糖アルコールでは14種類,炭素数4の単糖および糖アルコールは9種類と多数存在する.このように数多く存在する希少糖をすべて作ろうとする場合,どのような順番で目的の希少糖を作るかの指標となる「設計図」が必要となる.希少糖を含む単糖すべてを酵素反応で連結できれば,それが希少糖生産の「設計図」となる.単糖であるアルドースとケトースを結びつける酵素はアルドースイソメラーゼ,ケトースと糖アルコールを結びつける酵素はポリオール脱水素酵素,アルドースと糖アルコールを結びつける酵素はアルドースレダクターゼが存在すると知られていたが,ケトースとケトースを結びつける酵素が存在しなかったため,全部の単糖を結びつけることはできなかった.遊離のケトースに作用するエピ化酵素が発見される前は,リン酸化したケトースから構造の異なるリン酸化されたケトースへ転換するエピ化酵素が存在することがわかっていたが,遊離のケトースに作用するエピ化酵素は存在しないと思われていた.われわれは希少糖の転換反応を触媒する微生物をスクリーニングする過程で,偶然に遊離ケトースに作用し3位をエピ化する全く新しい酵素,D-タガトース3-エピメラーゼを見いだした.そしてこの酵素を用いることでケトースとケトースを結びつけることができた.また,長年の希少糖生産研究を進めるなかで,さまざまな希少糖の生産に使用可能な各種の微生物や酵素を獲得しており,それらの微生物や酵素を用いることでこれまでに炭素数4, 5, 6のすべての希少糖の生産に成功してきた.多くの単糖の生産方法を体系化して,希少糖を生産するための「設計図」イズモリング(Izumoring)を構築した(1)1) K. Izumori: Naturwissennshaften, 89, 120 (2002).図1図1■全希少糖生産戦略の設計図であるイズモリング(Izumoring)).これにより希少糖生産の「原料」,使用する「酵素」,希少糖生産の「設計図」がそろい,われわれのグループではすべての希少糖が作れるようになった.

図1■全希少糖生産戦略の設計図であるイズモリング(Izumoring)

希少糖の生産が可能になるまでは,希少糖は自然界にほとんど存在せず,分子量は100~200程度の低分子化合物であるため,多くの研究者が希少糖には機能などはないと考えていた.さらに,その希少糖を試薬として購入する場合は安価ではないことからそれら希少糖を用いたスクリーニング試験や応用研究が行われていなかった.しかし,イズモリングに基づいて希少糖が自然界に多量に存在する糖から大量に生産できるようになり,食品,医薬品,植物や微生物や動物などの幅広い分野で応用研究が進むことで,希少糖のもつさまざまな生理活性が明らかになり,希少糖にはさまざまな未知の可能性が秘められていることがわかってきた.そこでイズモリングよって希少糖を生産するときに用いる微生物やその酵素である①ケトースエピメラーゼ,②アルドースイソメラーゼ,③ポリオール脱水素酵素,④アルドースレダクターゼに着目し,その性質や有意性について紹介する.

基盤酵素D-タガトース3-エピメラーゼ(DTE: D-tagatose 3-epimerase, EC 5.1.3.31)

ケトース3-エピメラーゼの一種であるD-タガトース3-エピメラーゼ(DTE)は1991年に香川大学農学部キャンパス(図2図2■DTE酵素をもつ微生物Pseudomonas cichoriiが単離された香川大学農学部キャンパス内のモニュメント)から単離された微生物Pseudomonas cichoriiから見つかった新規酵素である.本酵素はD-ガラクトースを還元することで得られるガラクチトールをタガトースへ酸化する微生物をスクリーニングする過程で発見された.P. cichorii株はガラクチトールからD-タガトースへ酸化した後にD-ソルボースへ転換することがわかり,ガラクチトールの酸化により作られたD-タガトースによってD-タガトース3-エピメラーゼが誘導されていることが明らかとなっている(2)2) A. R. Khan, S. Takahata, H. Okaya, T. Tsumura & K. Izumori: J. Ferment. Bioeng., 74, 149 (1992).P. cichorii株由来D-タガトース3-エピメラーゼは,D-タガトースの炭素第3位の水酸基の向きを反転してD-ソルボースに転換する.このように本酵素は世界で初めて発見された遊離の単糖に作用する酵素である.さらに,この反応は可逆的な平衡反応であり,D-タガトースとD-ソルボースの平衡比は20 : 80である.また,本酵素はD-タガトースとD-ソルボースだけでなく,D-フルクトースとD-プシコース(英語ではD-allulose)(平衡比70 : 30),L-タガトースとL-ソルボース(平衡比27 : 73),L-プシコースとL-フルクトース(平衡比24 : 76)といったすべての炭素数6のケトースに作用すること,D-キシルロースとD-リブロース(平衡比85 : 15)やL-キシルロースとL-リブロース(平衡比70 : 30)といった炭素数5のケトースのエピ化反応も触媒することが可能な広い基質特異性を示している(3, 4)3) K. Izumori, A. R. Khan, H. Okaya & T. Tsumura: Biosci. Biotechnol. Biochem., 57, 1037 (1993).4) H. Itoh & K. Izumori: J. Ferment. Bioeng., 81, 351 (1996).図3図3■Pseudomonas cichorii由来D–タガトース3–エピメラーゼの基質の構造と平衡比).さらに本酵素は,炭素第1位や炭素第6位がメチル基となったデオキシケトヘキソースの炭素第3位の水酸基のエピ化反応も触媒できる(5)5) P. Gullapalli, A. Yoshihara, K. Morimoto, D. Rao, K. Akimitsu, S. F. Jenkinson, G. W. J. Fleet & K. Izumori: Tetrahedron Lett., 51, 895 (2010)..さらに,1位のメチル基となった1-デオキシ3-ケトD-ガラクチトールを基質とすることもでき,その際には4位の水酸基を認識して触媒反応を行う非常にユニークな酵素でもあり,X線立体構造も明らかになった(6, 7)6) H. Yoshida, M. Yamada, T. Nishitani, G. Takada, K. Izumori & S. Kamitori: J. Mol. Biol., 374, 443 (2007).7) H. Yoshida, A. Yoshihara, T. Ishii, K. Izumori & S. Kamitori: Appl. Microbiol. Biotechnol., 100, 10403 (2016).図4図4■Pseudomonas cichoriiのD–タガトース3–エピメラーゼ(DTE)の立体構造とその活性部位).本酵素の発見により,香川大学では多数存在する希少糖の生産が可能になるとともに,希少糖生産酵素研究を進める原動力になったと言える.

図2■DTE酵素をもつ微生物Pseudomonas cichoriiが単離された香川大学農学部キャンパス内のモニュメント

図3■Pseudomonas cichorii由来D–タガトース3–エピメラーゼの基質の構造と平衡比

図4■Pseudomonas cichoriiのD–タガトース3–エピメラーゼ(DTE)の立体構造とその活性部位

DTEは活性部位に二価の金属イオン(黒丸)が結合して触媒活性を示すホモ二量体の酵素である(上図).本来の基質であるD–タガトースは,2位のケト基(=CO)と3位の水酸基(-OH)が認識されて金属イオンと結合し,2つの触媒残基(Glu152とGlu246)により3位の水酸基の向きが反転される(下図左).一方,1位にメチル基,3位にケト基をもつ1–デオキシ3–ケトD–ガラクチトールは,3位のケト基と4位の水酸基が金属イオンと結合し,4位の水酸基の向きが反転される(下図右).
DTE C66SはCys66がSerに置換されているが,野生型酵素と同等の活性を示す変異酵素である.

D-プシコースを生産する酵素D-プシコース3-エピメラーゼ(D-allulose 3-epimerase(DAE),EC 5.1.3.30)

D-プシコース3-エピメラーゼ(DAE)は前章のDTEと同様に,ケトヘキソースの3位の水酸基の異性化(エピ化反応)を触媒する酵素である.DTEaseファミリー酵素の一つとして見いだされた同酵素は,D-プシコースに対して高い活性を有するとともにD-タガトースに対する活性は低いというその基質特異性からDAEと命名され,EC番号による酵素分類においてもDTEとは異なる番号が付されている.DAEはAgrobacterium属,Clostridium属,Ruminococcus属などさまざまな微生物に由来する酵素が報告されており,その平衡比はおよそ27 : 73~33 : 67(D-プシコース:D-フルクトース)とされている.香川大学の研究チームにおいても希少放線菌Arthrobacter globiformis由来の高活性なDAE(AgDAE)を取得しており(8)8) A. Yoshihara, T. Kozakai, T. Shintani, R. Matsutani, K. Ohtani, T. Iida, K. Akimitsu, K. Izumori & P. K. Gullapalli: J. Biosci. Bioeng., 123, 170 (2017).,本酵素はD-プシコースに対して高い反応性を示し,D-プシコースとD-フルクトース間の反応平衡比はおよそ24 : 76である.また,AgDAEは比較的高温域に至適反応温度を示し,マグネシウムイオンを至適補因子として要求する特徴を有していることから,優れた利用性および安全性をもつD-プシコースの生産への利用が期待されている.

新しい希少糖の生産

アルドースイソメラーゼはケトースとアルドースを相互変換する異性化酵素である.炭素数6の単糖では16種のアルドヘキソースがそれぞれに対応する8種のケトヘキソースに相互変換することができる.その基質特異性に応じてさまざまな酵素名で呼ばれる.最も有名なアルドースイソメラーゼはD-キシロースをD-キシルロースに変換するD-キシロースイソメラーゼであるが,D-グルコースをD-フルクトースに変換するD-グルコースイソメラーゼやD-マンノースをD-フルクトースに変換するD-マンノースイソメラーゼとともに生体内で代謝酵素として働いているものも多い.これまでにわれわれのグループではさまざまな基質特異性を示す異性化酵素を見いだしており,D-キシロースイソメラーゼ,D-アラビノースイソメラーゼ,L-アラビノースイソメラーゼ,L-リボースイソメラーゼ,L-ラムノースイソメラーゼなどがある.希少糖生産の観点からアルドースイソメラーゼを考えた場合,DTEとともに基盤酵素と言えるのが,Pseudomonas stutzeriから単離されたL-ラムノースイソメラーゼ(L-rhamnose isomerase; LRhI, EC 5.3.1.14)である.LRhIはL-ラムノース–L-ラムニュロース間の可逆的な異性化反応を触媒する酵素であるが,P. stutzeri由来LRhIはL-ラムノース–L-ラムニュロース間だけでなくL-リキソース–L-キシルロース間,L-マンノース–L-フルクトース間,D-グロース–D-ソルボース間,D-リボース–D-リブロース間,D-アロース–D-プシコース間,L-タロース–L-タガトース間にも作用できる幅広い基質特異性が明らかとなった(9)9) S. H. Bhuiyan, Y. Itami & K. Izumori: J. Ferment. Bioeng., 84, 319 (1997).図5図5■Pseudomonas stutzeri由来L–ラムノースイソメラーゼの基質の構造).これらの構造を考えたところ炭素第2位と炭素第3位の水酸基が右側にあるアルドースと対応するケトース間の異性化反応を触媒することが明らかとなり,この広い基質特異性を利用し,D-プシコースからD-アロースへの変換を中心に,イズモリング上のさまざまな希少アルドース生産が可能である.

図5■Pseudomonas stutzeri由来L–ラムノースイソメラーゼの基質の構造

また,アルドースと糖アルコール間をつなぐアルドースレダクターゼやケトースと糖アルコール間を繋ぐポリオールデヒドロゲナーゼ(ポリオールオキシドレダクターゼ)などの酸化還元酵素を用いた単糖間の変換は,イズモリングによるすべての希少糖の生産を実現するための重要なツールとなっている.これらの酸化還元反応を触媒する酵素の反応には補酵素が必要不可欠であり,酵素反応を用いて大量生産するためには大量の補酵素の添加や補酵素の循環系を組む必要がある.そのためわれわれのグループでは,酸化還元酵素を有する微生物の生菌体を使用して菌体内で補酵素を循環させる方法により基質の酸化還元を行っている.たとえば,生体内での糖代謝では,D-グルコースをD-フルクトースに変換する過程において,グルコースレダクターゼによるD-グルコースからソルビトール(D-グルシトール)への変換と,ソルビトールデヒドロゲナーゼによるソルビトールからD-フルクトースへの変換が行われている(ポリオール経路).このように糖アルコールを中間産物とした一連の反応は希少糖生産でも同じであり,ポリオールデヒドロゲナーゼを有するEnterobacter agglomeransGluconobacter frateuriiを用いることでD-プシコース→アリトール→L-プシコースの変換が可能になったことで,D-体だけでなく,L-体の希少糖生産への道も開かれた.

さらに,ラネーニッケルなどの金属触媒を用いた化学的な還元反応を組み合わせれば,生産できる希少糖「自然界に微量もしくは全く存在しない単糖およびその誘導体」の種類は無限に広がる.近年,柑橘類に含まれるラムノリピッドの構成単糖であるL-ラムノース(6-デオキシ-L-マンノース)や褐藻に含まれている多糖フコイダンの構成単糖であるL-フコース(6-デオキシ-L–ガラクトース)を出発原料にすることで,新規希少糖の生産を目指したデオキシ希少糖の生産も可能になってきている.さらに香川大学では,糖の有機合成を専門とするOxford大学のGeorge W. J. Fleet教授(香川大学客員教授)らのグループと連携することで有機合成によって作られた希少糖誘導体より5-C-メチル–ケトヘキソース,4-C-メチル–ケトペントースや6-デオキシ-6-アザイド希少糖などさまざまな新しい希少糖誘導体の生産も可能となってきており,有機化学と酵素利用学といった異なる分野が連携することで誰も見たことのないような希少糖誘導体が驚くべき速度で生産可能となってきている(10~13)10) D. Rao, A. Yoshihara, P. Gullapalli, K. Morimoto, G. Takata, F. P. da Cruz, S. F. Jenkinson, M. R. Wormald, R. A. Dwek, G. W. J. Fleet et al.: Tetrahedron Lett., 49, 3316 (2008).11) N. A. Jones, D. Rao, A. Yoshihara, P. Gullapalli, K. Morimoto, G. Takata, S. J. Hunter, M. R. Wormald, R. A. Dwek, K. Izumori et al.: Tetrahedron Asymmetry, 19, 1904 (2008).12) G. M. J. Lenagh–Snow, S. F. Jenkinson, S. J. Newberry, A. Kato, S. Nakagawa, I. Adachi, M. R. Wormald, A. Yoshihara, K. Morimoto, K. Akimitsu et al.: Org. Lett., 14, 2050 (2012).13) A. F. G. Glawar, S. F. Jenkinson, S. J. Newberry, A. L. Thompson, S. Nakagawa, A. Yoshihara, K. Akimitsu, K. Izumori, T. D. Butters, A. Kato et al.: Org. Biomol. Chem., 11, 6886 (2013).

このようにしてほとんどの希少糖生産が可能になってきた反面,希少糖生産にも課題がないわけではない.一つは,生理活性が明らかになった希少糖の実験室レベルの大量生産から産業化へつながる市場規模の大量生産へのシフトであり,もう一つは生産した希少糖の分離精製である.前者ではより高効率な酵素の取得と酵素反応条件の最適化が,後者では各希少糖の物性に適した糖分離条件の確立が必須である.われわれ香川大学の研究グループではこれらの問題を解決するために,希少糖生産の一連の工程に対応したさまざまな規模での生産研究を進める希少糖生産ステーションを設置し(図6図6■香川大学農学部内にある希少糖生産拠点「希少糖生産ステーション」),そこで基礎研究を進めるとともに,産官学連携研究による希少糖生産の実用化に向けて,松谷化学工業をパートナーとして生産実用化研究も進めている.もちろん,生産された希少糖も有効利用できなくてはその価値は半減する.香川大学では国際希少糖研究教育機構(https://www.kagawa-u.ac.jp/IIRSRE/)を立ち上げ,学部の境界を取り除いた全学体制で希少糖の物性(特徴)や用途解析(用途開発の分析や開発研究)も進めている.そこで次回からの2回の連載では「希少糖の物性」と「希少糖の用途」について紹介したい.

図6■香川大学農学部内にある希少糖生産拠点「希少糖生産ステーション」

Reference

1) K. Izumori: Naturwissennshaften, 89, 120 (2002).

2) A. R. Khan, S. Takahata, H. Okaya, T. Tsumura & K. Izumori: J. Ferment. Bioeng., 74, 149 (1992).

3) K. Izumori, A. R. Khan, H. Okaya & T. Tsumura: Biosci. Biotechnol. Biochem., 57, 1037 (1993).

4) H. Itoh & K. Izumori: J. Ferment. Bioeng., 81, 351 (1996).

5) P. Gullapalli, A. Yoshihara, K. Morimoto, D. Rao, K. Akimitsu, S. F. Jenkinson, G. W. J. Fleet & K. Izumori: Tetrahedron Lett., 51, 895 (2010).

6) H. Yoshida, M. Yamada, T. Nishitani, G. Takada, K. Izumori & S. Kamitori: J. Mol. Biol., 374, 443 (2007).

7) H. Yoshida, A. Yoshihara, T. Ishii, K. Izumori & S. Kamitori: Appl. Microbiol. Biotechnol., 100, 10403 (2016).

8) A. Yoshihara, T. Kozakai, T. Shintani, R. Matsutani, K. Ohtani, T. Iida, K. Akimitsu, K. Izumori & P. K. Gullapalli: J. Biosci. Bioeng., 123, 170 (2017).

9) S. H. Bhuiyan, Y. Itami & K. Izumori: J. Ferment. Bioeng., 84, 319 (1997).

10) D. Rao, A. Yoshihara, P. Gullapalli, K. Morimoto, G. Takata, F. P. da Cruz, S. F. Jenkinson, M. R. Wormald, R. A. Dwek, G. W. J. Fleet et al.: Tetrahedron Lett., 49, 3316 (2008).

11) N. A. Jones, D. Rao, A. Yoshihara, P. Gullapalli, K. Morimoto, G. Takata, S. J. Hunter, M. R. Wormald, R. A. Dwek, K. Izumori et al.: Tetrahedron Asymmetry, 19, 1904 (2008).

12) G. M. J. Lenagh–Snow, S. F. Jenkinson, S. J. Newberry, A. Kato, S. Nakagawa, I. Adachi, M. R. Wormald, A. Yoshihara, K. Morimoto, K. Akimitsu et al.: Org. Lett., 14, 2050 (2012).

13) A. F. G. Glawar, S. F. Jenkinson, S. J. Newberry, A. L. Thompson, S. Nakagawa, A. Yoshihara, K. Akimitsu, K. Izumori, T. D. Butters, A. Kato et al.: Org. Biomol. Chem., 11, 6886 (2013).