解説

メイラード反応生成香気成分が有する新たな可能性への挑戦食品メイラード反応の最新の香り研究

Novel Possibility for Odorants Generated by the Maillard Reaction: The Latest Research of Odor from the Maillard Reaction in Foods

Motoko Ohata

大畑 素子

日本大学生物資源科学部食品生命学科

Issei Yokoyama

横山 壱成

北里大学獣医学部動物資源科学科

Keizo Arihara

有原 圭三

北里大学獣医学部動物資源科学科

Published: 2019-12-01

食品の加工や調理工程で新たに生成する香りのうち,メイラード反応で生成する香りは一般的には高嗜好性を示し,“おいしい香り”として人々に認識されている.しかし,時にメイラード反応で生成される香りが食品の嗜好性を低下させることもあるため,非常に複雑な機構をもつメイラード反応を効率的に制御し香りの生成を抑制することも必要である.本稿ではまず,食品におけるメイラード反応とそれによって生成される香り成分を解説し,メイラード反応で生成されるオフフレーバーとその制御についての研究成果を紹介する.また,メイラード反応によって生成される高嗜好性を示す香気成分は,嗅ぐことにより生体にさまざまな影響を与えることが近年明らかになってきている.そこで,香りによって生理作用が引き起こされるメカニズムを解説する(コラム)とともに,メイラード反応で生成される香り成分の新たな機能性についての研究成果を紹介する.

食品におけるメイラード反応

加工食品の製造工程あるいは食品の調理過程における加熱によって,ほとんどの食品は褐色に変化するだけでなく,味や香りなどの風味も向上する.そのため嗜好性に大きく影響する.加熱により生成される香気は加熱前の食品素材には存在しないものが多く,それらはさまざまな成分間で起こる反応によって生じる.加熱による食品成分間反応のなかでもメイラード反応(アミノ・カルボニル反応)は非常に頻繁に起こり,食品の品質に大きな影響を及ぼしている.

食品におけるメイラード反応は,アミノ酸やペプチド,タンパク質などのアミノ化合物と還元糖などのカルボニル化合物がかかわって起こる.高温に加熱された場合に反応は特に進行しやすいが,低温であっても長期間の保存や熟成過程で穏やかに反応は進む.多くの食品素材はアミノ化合物と還元糖を含んでおり,そして調理・加工における加熱や熟成などのプロセスもよくあることから,前述のように食品においてメイラード反応は非常に身近なものである.メイラード反応の食品学的な意義として,まず食品の褐変や香気の形成,そして旨味増強やコク味にかかわるメイラードペプタイドなどが生成されることによる味質への影響など,嗜好にかかわることが挙げられる.そのほか,レダクトン類やメラノイジンなどの抗酸化物質や抗変異原性物質が生成されることなど,保健的機能にかかわるものもある.また,メイラード反応にかかわるアミノ化合物のうちリジンなどの必須アミノ酸が損失することによる栄養価の低下や,ヘテロサイクリックアミンなどの変異原性物質の形成などもある.このようなさまざまな食品学的な意義うち,食品の第一印象やこれから食べようとするきっかけに深くかかわることから,香気形成は特に重要であると考えられる.このようなメイラード反応によって生成される香気成分は非常に多種類におよび,主に香ばしい匂い,ロースト臭,ナッツ様の匂い,甘い匂いなどの香気特性(香調)を示し,一般的に“おいしい香り”として人々に認識され,食品の嗜好性に大きく貢献しているのだ.

メイラード反応で生成する香り

メイラード反応における香気成分の生成は極めて複雑である.Jousseら(1)1) F. Jousse, T. Jongen, W. Agterof, S. Russell & P. Braat: J. Food Sci., 67, 2534 (2002).の提唱している香気成分生成機構をもとに,筆者が図1図1■食品メイラード反応における香気成分の生成機構に簡単にまとめた.メイラード反応の初期段階でアミノ化合物とカルボニル化合物から生成したアマドリ化合物が,中期段階において分子内閉環しピロール類やピリジン類が生成し,一方でアマドリ化合物が開裂した後に閉環するとフラン類やフルフラールなどの含酸素ヘテロ化合物が生成する.また,アマドリ化合物が脱水,加水分解,脱アミノ反応などを経てジカルボニル化合物などの多種類のカルボニル化合物が生成すると,これらは終期段階において生成する香気成分の重要な前駆体となる.終期段階では,カルボニル化合物が脱水,閉環または逆アルドール反応などのさまざまな反応を経て,低分子の香気成分が生成する.また,終期段階ではストレッカー分解反応が同時に起こり,α-ジカルボニル化合物とアミノ化合物が反応し,アルデヒド類やピラジン類などが生成する.なお,ストレッカー分解反応については,本稿の次項に示したのでそちらを参考にされたい.

図1■食品メイラード反応における香気成分の生成機構

以上のような香気成分の生成機構には,アミノ化合物やカルボニル化合物の種類,反応温度や反応時間,pH,水分含量などさまざまな条件が関与している(2, 3)2) K. H. Wong, S. A. Aziz & S. Mohamed: Int. J. Food Sci. Technol., 43, 1512 (2008).3) J. E. Hodge: J. Agric. Food Chem., 1, 928 (1953)..生成されるフラン類やフラノン類,ピラン類などの含酸素ヘテロ化合物は,基本的にカルボニル化合物の化学構造に由来することが多く,生成量に差があるものの生成化合物の種類は類似したものが多い.一方,アミノ化合物由来の生成香気成分は,種類や生成量,香調が大きく異なるとされている.実際の食品中では,ペプチドやタンパク質組成が非常に複雑であり,調理や加工工程で遊離するアミノ酸組成も多岐にわたることから,それらがメイラード反応に関与して生成する香気成分も多種類となり,食品の全体的な香りの質に大きく影響している.

メイラード反応で生成する調製粉乳中のオフフレーバーとその制御

本稿の最初にも示したように食品中ではメイラード反応は非常に頻繁に起こっているため,メイラード反応を積極的に利用する加工食品は多い.しかし,一方で加工食品の中にはメイラード反応を可能な限り抑制することが望ましいものもある.もちろん,白色の食品はメイラード反応による褐変は極力避けたいが,それ以外にメイラード反応によって生成される香りがオフフレーバーとなる場合にも調理・加工工程において極力メイラード反応を起こさないような工夫が必要不可欠となる.たとえば,調製粉乳いわゆる乳幼児用のミルクなどである.筆者らは以前,調製粉乳におけるオフフレーバーとしてのメイラード反応生成香気成分について研究していたことがあり,それについてここで少し紹介する.

調製粉乳は,「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(乳等省令)」において「生乳,牛乳若しくは特別牛乳またはこれらを原料として製造した食品を加工し,又は主原料とし,これに乳幼児に必要な栄養素を加え粉末状にしたもの」と定義されている(4)4) 和泉裕久:ミルクサイエンス,58, 169 (2009)..一部の乳幼児は,育児用ミルクに含まれている未消化の牛乳タンパク質の摂取によりアレルギーを発症することがあり,その対策として大豆を原料とした大豆調製粉乳やアミノ酸混合物を利用した調製粉乳などが存在する.しかし一般的には,牛乳タンパク質をプロテアーゼやペプチダーゼで加水分解し,抗原性を低下させた牛乳タンパク質分解物を主原料とした乳児用ミルク(加水分解乳)を使用することが多い(5)5) 木村光明:薬局,64, 497 (2013)..加水分解乳に配合されている牛乳タンパク質分解物はかなり分子量が小さいことから抗原性はほとんどないが,ペプチド独特の苦味や製造工程で生じる不快臭によって嗜好性が低下し,それが大きな課題となっていた.特に匂いについては,Leksrisompongら(6)6) P. P. Leksrisompong, R. E. Miracle & M.-A. Drake: J. Agric. Food Chem., 58, 6318 (2010).によって市販ホエイタンパク質分解物のヘッドスペースにおける香気分析が行われているが,検出された主な香気成分の不快臭に対する寄与度やそれら香気成分の生成を制御する方法の提案などには至っておらず基礎的な研究が急がれていた.

筆者らは,アレルギー乳幼児用調製粉乳の原料である牛乳タンパク質分解物のうち,特にホエイタンパク質分解物に含まれる香気寄与成分を特定し,その生成量を測定するとともに官能評価によって不快臭の抑制効果を検討した.ホエイタンパク質分解物の不快臭に高く寄与する香気成分として,3-(メチルチオ)-プロパナール,フェニルアセトアルデヒド,3-メチルブタン酸の3種類が検出された(7)7) H. Nakada, M. Ohata, M. Hosaka, H. Ochi, F. Abe & K. Arihara: Anim. Sci. J., 2018, 1 (2018)..これら3種の香気成分は,食品の香気について研究している者にとっては特に珍しいものではなく,メイラード反応の終期段階におけるストレッカー分解反応によって生成されることがすでに報告(8)8) T. Hofmann, P. Münch & P. Schieberle: J. Agric. Food Chem., 48, 434 (2000).されている.ストレッカー分解反応とは,メイラード反応の中間生成物であるα-ジカルボニル化合物がα-アミノ酸と反応し,酸化的に分解することで元のアミノ酸よりもCが一つ少ないアルデヒドと二酸化炭素が生成する反応のことである(9)9) 奥村烝司:醸協,88, 178 (1993)..この生成したアルデヒドは特にストレッカーアルデヒドと呼ばれており,特徴的な香調をもつものが多い.ホエイタンパク質分解物の香気寄与成分である3-(メチルチオ)-プロパナールおよびフェニルアセトアルデヒドは,それぞれメチオニンおよびフェニルアラニン由来のストレッカーアルデヒドであり,また3-メチルブタン酸はロイシン由来のストレッカーアルデヒドの酸化物であると推測された(図2図2■ホエイタンパク質分解物の不快臭の原因となる香気成分とその生成機構).ホエイタンパク質分解物を製造する際の酵素分解および失活や乾燥を目的とした加熱工程で起こるメイラード反応によって,これら3種の香気成分が生成されると考えられた.そこで筆者らは,ホエイタンパク質分解物を調製する際にメイラード反応の進行を抑制することで,これら3種の香気成分の生成量を低減できると仮説を立て,原料や製造工程でメイラード反応にかかわると考えられる数種の糖類を制限した新しいホエイタンパク質分解物を調製した.この新しいホエイタンパク質分解物中からは上記の3種の香気成分は極微量の検出程度に抑えることができ,さらには官能評価によっても不快臭の改善が認められた.

図2■ホエイタンパク質分解物の不快臭の原因となる香気成分とその生成機構

この研究では,オフフレーバーの原因となっている香気成分を特定し,その生成機構を推測してメイラード反応を制御することで,嗜好性改善の可能性を提案した.さらに,実際にオフフレーバーが抑制された原料(新しいホエイタンパク質分解物)を調製することができた.この原料を用いた嗜好性向上アレルギー乳幼児用調製粉乳の開発は,利用する乳幼児の食のQOLの向上に貢献するだけでなく,調乳する保育者の授乳意欲にもつながるものと考えている.

メイラード反応で生成する香気成分が有する機能性

ハーブやスパイス,果実といった植物性食品などの香気を吸入することによる生体への薬理的な作用は比較的多数の研究報告が存在するが,調理や加工によって新たに生成したいわゆるプロセスフレーバーを吸入した際の生理応答についての報告はとても少ない.プロセスフレーバーによる生理応答のなかでもやはりメイラード反応生成香気成分に関するものがいくつかあり,たとえば,煎った大豆の香りによるヒト大脳の鎮静化(10)10) C. Konagai: J. Int. Soc. Life Inf. Sci., 24, 76 (2006).や,焙煎コーヒー豆の香りによるヒト大脳の覚醒あるいは鎮静化(11)11) Y. Koga: J. Int. Soc. Life Inf. Sci., 22, 179 (2004).やマウスに対する抗不安作用や疲労回復作用による運動促進効果(12)12) 林 泰資:Aroma Res., 69, 28 (2017).,さらには焙煎コーヒー豆の香りによるラットの脳内タンパク質の発現の変化(13)13) 増尾好則:Aroma Res., 9, 354 (2008).などが報告されている.香りを吸入することによる生理応答の発現経路については,本稿のコラムを参照されたい.

筆者らは近年,メイラード反応生成香気成分を吸入することによって誘発される生理作用とそのメカニズムに関する研究を行ってきており,非常に興味深い結果が得られているので,ここで少し紹介することにする.筆者らの論文や著書などを引用文献14~2214) M. Ohata, L. Zhou, C. Owashi & Arihara: IMARS Highlights, 3, 21 (2014).15) L. Zhou, M. Ohata & K. Arihara: Food Funct., 7, 2574 (2016).16) L. Zhou, M. Ohata, C. Owashi, K. Nagai, I. Yokohama & K. Arihara: J. Sci. Food Agric., 98, 923 (2018).17) M. Ohata, I. Yokoyama & K. Arihara: IMARS Highlights, 13, 9 (2018).18) 大畑素子:香料,278, 41 (2018).19) 大畑素子:食品と開発,53, 18 (2018).20) 大畑素子,横山壱成,有原圭三:特願2017-142580 (2017).21) K. Arihara & M. Ohata: “Advances in Meat Processing Technology,” ed. by B. A. Alaa El-Din, CRC Press, 2017, p. 505.22) K. Arihara, I. Yokoyama & M. Ohata: “Advances in Food and Nutrition Research,” ed. by F. Toldra, Elsevier, 2019, p. 239.として掲載した.

食肉タンパク質をプロテアーゼ処理して得た分解物(主にアミノ酸とペプチドが含まれる)とキシロースによるメイラード反応物の香気をラットに曝露すると,ラットの血圧は降下し生体が鎮静化することを見いだした.この血圧降下にかかわるメイラード反応生成香気成分を検索し,それによる血圧降下メカニズムを検討したところ,2,5-ジメチル-4-ヒドロキシ-3(2H)-フラノン(DMHF)が嗅覚系を介して自律神経系に影響し,特に交感神経活動を抑制し副交感神経活動を促進することで血圧が降下したということが明らかになった.

測定した副交感神経活動は特に胃迷走神経であったが,この神経活動が促進されることによって胃の蠕動運動や消化吸収能を増加させる可能性があり,食欲を亢進させる作用を有することも示唆された.実際に,毎日一定時間DMHFを吸入したラット群では,有意に採食量が増加していることを筆者らの研究チームが確認している(23)23) I. Yokoyama, M. Ohata, Y. Komiya, J. Nagasao & K. Arihara: “64th Int. Congr. Meat Sci. & Technol. Congr. Handbook,” ICoMST, 2018, p. 14..さらに最近筆者らは,DMHFの有する機能性をさらに解明するために,ラットの脳内遺伝子発現をDNAマイクロアレイで網羅的に解析しており,DMHFを曝露したラットである種の遺伝子発現が変化していることを突き止めている(24)24) 横山壱成,小宮佑介,大畑素子,中井雄治,有原圭三:“日本農芸化学会2018年度大会講演要旨集”,日本農芸化学会,2018, p. 477.

またDMHFのヒトへの効果も徐々に検討しており,少しずつその効果および作用メカニズムを明らかにしてきている.本稿のコラムにも示したが,ヒトでの生理評価の場合,嗅覚系は大脳辺縁系と密接な神経線維連絡があることから香気吸入による気分や感情の変化がもたらされる可能性があるため,主観的な気分や感情の評価を行うことが重要である.この主観的気分評価にはさまざまな種類が存在し多くの場合質問紙に回答するものであるが,筆者らのDMHFによる気分や感情への影響はProfile of Mood States(POMS)という質問紙で評価した.POMSでの評価でDMHFの吸入は,ヒトの怒りの感情や疲労感,緊張感や不安感を有意に緩和することが示され,この気分の変化は生体の鎮静化に伴うものである可能性が考えられた.そこで簡易的な脳波の測定,瞳孔の対光反射による縮瞳率および指先の末梢皮膚温の測定による自律神経活動の評価,大脳の血中酸素化ヘモグロビン量を測定することによる脳活動量の評価を行った.その結果,脳波には顕著な影響は見られなかったが,DMHFの吸入はやはりヒトにおいても交感神経活動を抑制することで副交感神経活動を活発にし,さらには大脳を鎮静化させることが明らかになった(25)25) 大畑素子,横山壱成,周 蘭西,矢田幸博,有原圭三:“日本味と匂学会第51回大会プログラム・予稿集”,日本味と匂学会,2017, p. 126..また,末梢皮膚温が上昇したことにより,末梢循環機能の向上効果の可能性も考えられた(図3図3■メイラード反応で生成したDMHFを吸入することによる生理作用).

図3■メイラード反応で生成したDMHFを吸入することによる生理作用

ところでこのDMHFも,食品の香気について研究している者にとっては特に珍しい香気成分ではない.メイラード反応で生成される非常によく知られた香気成分であり,たとえば加熱した食肉(牛肉,豚肉,羊肉,馬肉)からも検出されており,特に牛肉と馬肉の加熱香気に対して寄与度が高いことがわかっている(26)26) 横山壱成,遠藤 南,大畑素子,小宮佑介,長竿 淳,有原圭三:“第60回日本食肉研究会60周年記念大会講演要旨”,日本食肉研究会,2019, p. 29..また,天然物中ではイチゴ(27)27) X. Du, A. Plotto, E. Baldwin & R. Rouseff: J. Agric. Food Chem., 59, 12569 (2011).やパイナップル(28)28) C. B. Wei, S. H. Liu, Y. G. Liu, L. L. Lv, W. X. Yang & G. M. Sun: Molecules, 16, 5104 (2011).などの主要香気成分としても有名である.水溶液中の閾値は非常に低く,さらに発がん性がないため食品香料や香粧品香料として多くの国で認可され,広く利用されている.抗酸化活性や抗菌作用などの保健的機能性も報告されている(29)29) W. S. Sung, H. J. Jung, K. Park, H. S. Kim, I. S. Lee & D. G. Lee: Life Sci., 80, 586 (2007).が,DMHFの香気吸入による生体への影響についてはこれまで研究されておらず,筆者らの研究によって初めて示された作用である.最近筆者らは,DMHF以外のメイラード反応生成香気成分にも着目しており,自律神経活動への影響だけでなく短期記憶や認知などの脳実行機能についての評価も行っているところである.

おわりに

本稿で紹介した調製粉乳は嗜好性改善や向上のために香料等を添加することが規則上できないものであり,嗜好性を改善するためにはオフフレーバーの検索や特定,さらにはオフフレーバーの生成にかかわるメイラード反応を制御することが重要であった.この研究成果が応用され,オフフレーバーが抑制された新しいアレルギー乳幼児用調製粉乳が完成し,多くの子どもたちが安心しておいしく利用できることを願っている.

一方,本稿で紹介したDMHFに限らず,メイラード反応で生成される香りを吸入することによる機能性は,日常の調理の場面や食卓の場面で大いに発揮されることから,食品におけるメイラード反応の積極的な利用による食品価値の向上や,新たな機能性をもつ香料の提案,さらにはセイボリーフレーバーの差別化などがますます期待される.

Reference

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20) 大畑素子,横山壱成,有原圭三:特願2017-142580 (2017).

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22) K. Arihara, I. Yokoyama & M. Ohata: “Advances in Food and Nutrition Research,” ed. by F. Toldra, Elsevier, 2019, p. 239.

23) I. Yokoyama, M. Ohata, Y. Komiya, J. Nagasao & K. Arihara: “64th Int. Congr. Meat Sci. & Technol. Congr. Handbook,” ICoMST, 2018, p. 14.

24) 横山壱成,小宮佑介,大畑素子,中井雄治,有原圭三:“日本農芸化学会2018年度大会講演要旨集”,日本農芸化学会,2018, p. 477.

25) 大畑素子,横山壱成,周 蘭西,矢田幸博,有原圭三:“日本味と匂学会第51回大会プログラム・予稿集”,日本味と匂学会,2017, p. 126.

26) 横山壱成,遠藤 南,大畑素子,小宮佑介,長竿 淳,有原圭三:“第60回日本食肉研究会60周年記念大会講演要旨”,日本食肉研究会,2019, p. 29.

27) X. Du, A. Plotto, E. Baldwin & R. Rouseff: J. Agric. Food Chem., 59, 12569 (2011).

28) C. B. Wei, S. H. Liu, Y. G. Liu, L. L. Lv, W. X. Yang & G. M. Sun: Molecules, 16, 5104 (2011).

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