解説

微生物によるマンガン酸化物の生成:微生物–金属相互作用と環境技術への応用マンガン酸化菌研究における4つの課題

Biogenic Manganese Oxide Production by Microorganisms: Microbe–Metal Interactions and Application to Environmental Technology: Four Issues on Studies of Microbial Manganese Oxidation

Naoyuki Miyata

宮田 直幸

秋田県立大学

Yukinori Tani

幸則

静岡県立大学

Published: 2020-10-01

生物圏での元素の循環には多様な微生物の活動が大きく関与する.これらの微生物の生態や機能の解明は生物地球化学の分野で重要な課題であるが,近年では,自然プロセスを模倣した低環境負荷の生物利用技術を創出する応用研究の重要性も増している.遷移金属元素マンガンの溶存態であるMn2+は,好気的な環境では微生物の触媒作用によって酸化物を形成して析出する(=バイオミネラリゼーション).マンガン酸化物は環境中で金属イオンの吸着剤として,また無機・有機化合物の酸化剤として機能する.近年,マンガン酸化物の形成過程やその金属イオンとの相互作用など基礎的な研究が進展するとともに,金属含有廃水の処理など環境技術分野への展開も活発に行われている.本稿では,はじめに環境中でのマンガン酸化物の形成と微生物の関与,元素循環における役割について概説した後,マンガン酸化菌研究の現状と課題について,4つの観点から述べてみたい.

Key words: マンガン酸化菌; マンガン酸化物; マンガン酸化酵素; 元素循環; 金属除去・回収

環境中でのマンガン酸化物の形成と微生物の関与,元素循環における役割

マンガンは地殻中の存在比が0.1%で,遷移金属としては鉄に次いで二番目に豊富な元素である.環境中では通常,+II, +IIIおよび+IVの酸化数をとり,溶存マンガンイオン(Mn2+)の酸化によって不溶性の酸化物(Mn(III, IV))が生成する.pH中性付近,低マンガン濃度(数mMレベルまで)の条件では,酸素による化学酸化はほとんど進行しないため,そのような環境条件でのマンガン酸化には微生物の触媒作用が大きく寄与すると考えられている(1)1) B. M. Tebo, J. R. Bargar, B. G. Clement, G. J. Dick, K. J. Murray, D. Parker, R. Verity & S. M. Webb: Annu. Rev. Earth Planet. Sci., 32, 278 (2004).図1図1■微生物によるマンガン酸化物の生成と環境中での機能).また,環境中で生成するマンガン酸化物はさまざまな元素を高い濃度で濃縮している.近年では,日本近海で生成するマンガンノジュールやマンガンクラストがレアメタルやレアアースの重要な鉱物資源として期待されている(2)2) 臼井 朗,高橋嘉夫,伊藤 孝,丸山明彦,鈴木勝彦:“海底マンガン鉱床の地球科学”,東京大学出版会,2015..筆者らが以前に調査した茶畑を集水域とする河川では活発なマンガン酸化が起こり,河床の礫の表面にマンガン酸化物が析出していた(3)3) Y. Tani, N. Miyata, K. Iwahori, M. Soma, S. Tokuda, H. Seyama & B. K. G. Then: Appl. Geochem., 18, 1541 (2003)..礫表面の生物膜にはマンガン酸化細菌および真菌が数多く存在し,沈積したマンガン酸化物には亜鉛,ニッケル,コバルトなど多くの元素が取り込まれて濃縮されていた.すなわち,マンガン酸化を担う微生物はマンガン動態に直接関与するだけでなく,マンガン酸化物の形成を通して間接的に種々の元素の動態にも影響を与えていることになる.

図1■微生物によるマンガン酸化物の生成と環境中での機能

好気的な環境中では,マンガンイオンは微生物による触媒作用によって酸化され,マンガン酸化物として沈積する.微生物細胞の表層で酸化物が生成した場合,細胞はマンガン酸化物で覆われるようになる.図はマンガン酸化物で覆われた細菌の細胞を薄切し,透過型電子顕微鏡で観察した結果を示している.細菌および真菌では,マルチ銅オキシダーゼ(電子受容体:O2)とペルオキシダーゼ(電子受容体:H2O2)がマンガン酸化酵素として働く.またスーパーオキシドアニオン(O2)によるマンガンイオンの酸化も報告されている.生成したマンガン酸化物は,自然環境中で金属イオンの吸着剤,無機・有機化合物の酸化剤として働く.

マンガン酸化を担う微生物には多様な細菌,真菌および微細藻類が含まれ,これらは好気的な環境であれば普遍的に分布している.細菌では,Leptothrix discophoraBetaproteobacteria綱),Pedomicrobium manganicumAlphaproteobacteria綱),Pseudomonas putidaGammaproteobacteria綱),海洋性Bacillus spp.(Firmicutes門)等がマンガン酸化細菌のモデルとして扱われ,詳細な検討が行われてきた(1, 4)1) B. M. Tebo, J. R. Bargar, B. G. Clement, G. J. Dick, K. J. Murray, D. Parker, R. Verity & S. M. Webb: Annu. Rev. Earth Planet. Sci., 32, 278 (2004).4) B. M. Tebo, H. A. Johnson, J. K. McCarthy & A. S. Templeton: Trends Microbiol., 13, 421 (2005)..マンガン酸化を担う酵素触媒として,酸素分子,過酸化水素をそれぞれ電子受容体とするマルチ銅オキシダーゼ,ペルオキシダーゼが同定されている(5)5) K. Geszvain, C. Butterfield, R. E. Davis, A. S. Madison, S.-W. Lee, D. L. Parker, A. Soldatova, T. G. Spiro, G. W. Luther III & B. M. Tebo: Biochem. Soc. Trans., 40, 1244 (2012).図1図1■微生物によるマンガン酸化物の生成と環境中での機能).また,酸化剤であるスーパーオキシドアニオン(O2)を生成してMn2+を酸化する機構も見つかっている(後述).

真菌では,担子菌類,子嚢菌類ともにマンガン酸化能をもつ(6)6) N. Miyata, Y. Tani, M. Sakata & K. Iwahori: J. Biosci. Bioeng., 104, 1 (2007)..担子菌(いわゆる,きのこの仲間)では,以前から木質成分である高分子リグニンの分解酵素—ラッカーゼおよびマンガンペルオキシダーゼによるマンガン酸化が知られている.ラッカーゼはマルチ銅オキシダーゼに属する酵素である.両酵素ともに,リガンド存在下でMn2+→Mn3+の酸化反応を触媒し,生成物Mn3+はキレート錯体として存在する.一方,子嚢菌ではマンガン酸化によるマンガン酸化物の生成が数多く報告されてきた(6)6) N. Miyata, Y. Tani, M. Sakata & K. Iwahori: J. Biosci. Bioeng., 104, 1 (2007)..これまでに,河川や土壌,鉱山廃水処理施設などさまざまな環境からマンガン酸化活性を有する子嚢菌が分離されている.以前に調査した茶園を集水域とする河川の生物膜では,Pleosporales目,Hypocreales目,Xylariales目に属するものが分離されたが,これらの分類群に属する真菌はほかでも高い頻度で分離されている(7, 8)7) N. Miyata, K. Maruo, Y. Tani, H. Tsuno, H. Seyama, M. Soma & K. Iwahori: Geomicrobiol. J., 23, 63 (2006).8) C. M. Santelli, S. M. Webb, A. C. Dohnalkova & C. M. Hansel: Geochim. Cosmochim. Acta, 75, 2762 (2011)..子嚢菌によるマンガン酸化にはマルチ銅オキシダーゼが関与するほか,スーパーオキサイドによる酸化も報告されており(9)9) C. M. Hansel, C. A. Zeiner, C. M. Santelli & S. M. Webb: Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 109, 12621 (2012).,細菌,真菌におけるマンガン酸化機構には共通性が見られる.

細菌と真菌では,生成するマンガン酸化物の特性もよく一致している.自然環境中で微生物が形成するマンガン酸化物は低結晶性であるが,粉末X線結晶回折(XRD)や高輝度放射光を利用したX線吸収スペクトル(XANESおよびEXAFS)等による構造解析により,多くは,MnIVO6が平面状に配置したナノシートが積層したバーネス鉱((Na,Ca)Mn7O14·2.8 H2O; δ-MnO2)様であることが明らかにされている(1)1) B. M. Tebo, J. R. Bargar, B. G. Clement, G. J. Dick, K. J. Murray, D. Parker, R. Verity & S. M. Webb: Annu. Rev. Earth Planet. Sci., 32, 278 (2004).図2図2■微生物が生成するマンガン酸化物による金属陽イオンの吸着).シート構造中のMn(IV)結晶欠陥が高密度で存在することが大きな特徴であり,たとえば,マンガン酸化細菌P. putida MnB1で結晶欠陥密度は6~17%(10)10) M. Villalobos, B. Lanson, A. Manceau, B. Toner & G. Sposito: Am. Mineral., 91, 489 (2006).L. discophora SP-6で12%(11)11) L. Saratovsky, P. G. Wightman, P. A. Pastén, J. F. Gaillard & K. R. Poeppelmeier: J. Am. Chem. Soc., 128, 11188 (2006).と見積もられている.真菌では,Acremonium strictum KR21-2(図3図3■真菌Acremonium strictum KR21-2およびその酵素によるマンガン酸化物の生成33, 34))をはじめとする数種の子嚢菌で層状マンガン酸化物のナノ構造が解析され,結晶子のサイズは~10 nm(マンガン35原子程度),シートの積層は2~3層であり,欠陥密度は22~30%と見積もられている(12)12) S. Grangeon, B. Lanson, N. Miyata, Y. Tani & A. Manceau: Am. Mineral., 95, 1608 (2010)..シート構造中のMn(IV)結晶欠陥はマイナス4価の電荷をもたらすため,微生物のマンガン酸化物は高い負電荷密度を有することになる.ただし,微生物の酸化物で結晶欠陥が多くなる原因は不明である.欠陥密度17%のシート構造では約850 meq/100 gに相当する負電荷密度に達し(13)13) S. Bodei, A. Manceau, N. Geoffroy, A. Baronnet & M. Buatier: Geochim. Cosmochim. Acta, 71, 5698 (2007).,イオン交換容量の大きな粘土鉱物として知られるモンモリロナイト(約100 meq/100 g)の8倍以上に相当する.この負電荷を解消するように金属陽イオンが吸着するほか,結晶サイズが小さいため,結晶端面への吸着の寄与も大きいことが報告されている(14)14) Y. M. Nelson, L. W. Lion, M. L. Shuler & W. C. Ghiorse: Environ. Sci. Technol., 36, 421 (2002)..金属陽イオンの吸着量を固相マンガンに対するモル比で表すと,Pb2+で最大0.55(L. discophora(14)14) Y. M. Nelson, L. W. Lion, M. L. Shuler & W. C. Ghiorse: Environ. Sci. Technol., 36, 421 (2002).,Cd2+で0.69(Bacillus sp.)(15)15) Y. T. Meng, Y. M. Zheng, L. M. Zhang & J. Z. He: Environ. Pollut., 157, 2577 (2009).,Co2+, Zn2+およびNi2+で各々0.3, 0.23および0.13(A. strictum(16)16) Y. Tani, M. Ohashi, N. Miyata, H. Seyama, K. Iwahori & M. Soma: J. Environ. Sci. Health A, 39, 2641 (2004).,UVIO22+で0.32(Bacillus sp.)(17)17) S. M. Webb, C. C. Fuller, B. M. Tebo & J. R. Bargar: Environ. Sci. Technol., 40, 771 (2006).に達し,微生物のマンガン酸化物が金属イオンに対して高い収着収容力をもつことが明らかになっている.一方で,マンガン酸化物に陰イオンを単独で吸着させた場合,直接的な吸着能力は高くない.しかしながら,ヒ酸イオン(AsVO43−)等の陰イオンは金属陽イオンと共吸着し,マンガン酸化物に高い効率で取り込まれることが示されている(18, 19)18) Y. Tani, N. Miyata, M. Ohashi, T. Ohnuki, H. Seyama, K. Iwahori & M. Soma: Environ. Sci. Technol., 38, 6618 (2004).19) J. Watanabe, Y. Tani, N. Miyata, H. Seyama, S. Mitsunobu & H. Naitou: Chem. Geol., 306–307, 123 (2012)..河川床で生成したマンガン酸化物には主として,オキソ陰イオンとして存在するモリブデン,タングステン,アンチモンが高い濃縮率で取り込まれていた(3)3) Y. Tani, N. Miyata, K. Iwahori, M. Soma, S. Tokuda, H. Seyama & B. K. G. Then: Appl. Geochem., 18, 1541 (2003)..自然環境中において,金属陽イオンを強く吸着したマンガン酸化物は,共吸着を通してオキソ陰イオンの動態にも影響を及ぼしていると考えられる.

図2■微生物が生成するマンガン酸化物による金属陽イオンの吸着

微生物が生成するマンガン酸化物は,MnIVO6八面体ユニットが配列したシート構造をもつが,MnIV結晶欠陥が高密度で存在する.このため,MnIV結晶欠陥の負電荷(−4価)を打ち消すように,金属陽イオン(a~d)が吸着する.図中,金属陽イオンaおよびbは結晶欠陥の外側に吸着している.金属陽イオンの吸着には,結晶端面への結合(c)や取込み(同型置換,d)も大きく寄与する.

図3■真菌Acremonium strictum KR21-2およびその酵素によるマンガン酸化物の生成33, 34)

マンガン酸化物を生成する子嚢菌では,A. strictum KR21-2で初めてマンガン酸化酵素(Mco1)が精製,クローニングされた.精製酵素を用いたマンガン酸化反応では,直径約3 µmのほぼ完全な球状のマンガン酸化物粒子が形成される.またZn2+混在下で反応させるとZn2+は高濃度で酸化物粒子に取り込まれる(ZnのMnに対するモル比=0.36).酵素反応によって,どのようにミクロンサイズの粒子が成長するのかは不明である.また図中では酵素Mco1のホモロジーモデルを示している.アミノ酸配列で高い相同性が見い出された真菌Albifimbria verrucaria由来ビリルビンオキシダーゼ(AvBOX)の結晶構造(PDB: 2XLL)を用いて作製した.A, Mco1モデルとAvBOXの結晶構造を重ね合わせ,Mco1モデルの全体構造とAvBOXの活性中心にある4つの銅原子をそれぞれ虹色のリボンモデルと黄土色の球モデルで示す.B, Mco1モデルの銅結合部位(T1)の拡大図である.銅原子と配位しているアミノ酸残基は,残基番号と共に球棒モデルで示す.C, Mco1モデルの銅結合部位(T2とT3)の拡大図である.ホモロジーモデルは,鈴木龍一郎博士(秋田県立大学)から提供を受けた.

マンガン酸化の生物学的な意義—なぜ,マンガンを酸化するのか?

マンガンを酸化する微生物は生物圏のマンガン循環を駆動するキープレイヤーであり,これまでに多様なマンガン酸化細菌および真菌が分離されてきた.しかしながら,最も根本的な問いである「なぜ微生物はマンガンを酸化するのか」に対する明確な答えは得られていない.第一鉄イオン(Fe2+)や単体硫黄をエネルギー源とする独立栄養細菌(鉄細菌,硫黄細菌)はよく知られている.マンガンに関しても,細胞膜電子伝達系の酸化還元電位から,Mn(III)→Mn(IV)の酸化過程であれば,O2を電子受容体とする呼吸系で熱力学的にエネルギーを獲得できるとの予測がなされている(20)20) H. L. Ehrlich & D. K. Newman: “Geomicrobiology, 5th ed.,” CRC Press, 2009..しかしながら,マンガンをエネルギー源として独立栄養(autotrophy)や混合栄養(mixotrophy)で生育する微生物が実在するかは不明である*1本論文脱稿後に,炭酸マンガン(MnIICO3)をエネルギー源とする独立栄養細菌の報告がなされた.H. Yu & J. R. Leadbetter: Nature, 583, 453 (2020).

既知のマンガン酸化細菌はすべて従属栄養であり,生育のために何らかの有機性基質を要求する.マンガン酸化物によって腐植物質が酸化分解を受けると酢酸などの低分子化合物が生成することから,マンガン酸化が基質を獲得するのに役立つとの仮説や,無酸素条件で最終電子受容体として働くため,電子受容体をプールするためにマンガン酸化を行っているとの仮説も提唱されているが,実態は不明である(4, 20)4) B. M. Tebo, H. A. Johnson, J. K. McCarthy & A. S. Templeton: Trends Microbiol., 13, 421 (2005).20) H. L. Ehrlich & D. K. Newman: “Geomicrobiology, 5th ed.,” CRC Press, 2009..マンガン酸化が進行すると細胞全体がマンガン酸化物で覆われるようになるため,この覆いが有害な紫外線や原生生物による捕食から細胞を保護するとの考え方もある.細胞呼吸の過程で生成する活性酸素種の細胞内消去系としてMn2+が機能していることが知られていたが,近年,スーパーオキサイドによるMn2+酸化機構が細菌(21)21) D. R. Learman, B. M. Voelker, A. S. Madden & C. M. Hansel: Front. Microbiol., 4, 262 (2013).,真菌(9)9) C. M. Hansel, C. A. Zeiner, C. M. Santelli & S. M. Webb: Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 109, 12621 (2012).,微細藻類(22)22) D. L. Chaput, A. J. Fowler, O. Seo, K. Duhn, C. M. Hansel & C. M. Santelli: Sci. Rep., 9, 18244 (2019).で相次いで見つかっているため,活性酸素種の消去が生物学的意義の一つとして注目されるであろう.ただし酵素(マルチ銅オキシダーゼおよびペルオキシダーゼ)によるマンガン酸化も主要な機構であり,すべてのマンガン酸化菌で活性酸素種消去系として機能しているかは今後明らかにする必要がある.

環境中のマンガン酸化物形成に寄与する微生物は特定できるか?

湖沼水柱(23)23) L. Y. Stein, G. Jones, B. Alexander, K. Elmund, C. Wright-Jones & K. H. Nealson: FEMS Microbiol. Ecol., 42, 431 (2002).,内湾底質(24)24) P. Yli-Hemminki, K. S. Jørgensen & J. Lehtoranta: Geomicrobiol. J., 31, 263 (2014).,坑廃水処理システム(25)25) D. L. Chaput, C. M. Hansel, W. D. Burgos & C. M. Santelli: Appl. Environ. Microbiol., 81, 2189 (2015).などで形成されたマンガン酸化物の微生物群集構造を解析することにより,マンガン酸化に関与する微生物種を特定しようとする試みがなされてきた.しかしながら,16S rRNA遺伝子配列に基づいた解析によって細菌群集構造を明らかにしても,そのなかでマンガン酸化を担う細菌を特定することは難しい.たとえば,既知のマンガン酸化細菌であるPseudomonas putidaに近縁の細菌が検出されたとしても,すべてのP. putidaがマンガン酸化能力を有するわけではないため,検出されたP. putidaが試料中でマンガン酸化を担っていると結論付けることはできない.また,マンガン酸化細菌自体が多様であることを考えると,未知のマンガン酸化細菌(マンガン酸化活性をもつことが知られていない細菌)も数多く存在すると予測され,上記の解析だけでマンガン酸化能力をもつ細菌を特定することはできない.このため研究のアプローチとしては,群集構造の解析と同時に,マンガン酸化細菌を分離・培養することが必要である.しかしながら,通常,マンガン酸化細菌が分離できても細菌群集内では非常にマイナーな存在であるため,その寄与を見積もることは難しい.北米のコロンビア川河口域で水中のマンガン酸化物粒子の生成を解析した事例(26)26) C. R. Anderson, R. E. Davis, N. S. Bandolin, A. M. Baptista & B. M. Tebo: Environ. Microbiol., 13, 1561 (2011).では,マンガン酸化細菌Aurantimonas sp.の全細菌に対する存在割合は16S rRNA遺伝子コピー数ベースで0.05%以下に過ぎなかったが,Aurantimonas sp.のマンガン酸化酵素(ペルオキシダーゼ)遺伝子のホモログは,Aurantimonas sp.の100倍程度存在していたと見積もられ,未知のマンガン酸化細菌の寄与が大きいと述べている.

すなわち,多くの研究において,微生物群集内でマンガン酸化を担う主要な微生物が分離培養できていない可能性がある.一般的に,環境中に生息する微生物の大部分は培養が困難とされており,多くのマンガン酸化菌が未分離であることは否定できない.加えて,最近“培養可能な”マンガン酸化細菌について興味深い研究結果が報告されている.Arthrobacter sp. QXT-31を単独で培養してもマンガン酸化活性を示さないが,ほかの細菌と共培養するとそのストレスによりマンガン酸化酵素(マルチ銅オキシダーゼ,BoxA)の遺伝子発現が起こり,マンガン酸化が進行することが明らかにされた(27)27) J. Liang, Y. Bai, Y. Men & J. Qu: ISME J., 11, 67 (2017)..この研究はほかの細菌が存在することによる生理学的応答としてマンガン酸化が機能することを示唆している.このような細菌は単離する際にマンガン酸化細菌とみなされないため,群集内で存在量が多くても分離培養の過程でふるい落とされる可能性が高いであろう.

湖沼深層部でのマンガン酸化では,フィラメント状のマンガン酸化物粒子が形成されることがある(コラム参照)(28)28) 一瀬 諭,若林徹哉,岡本高弘,藤原直樹,井上 健,加賀爪敏明,宮島利宏:用水と廃水,48, 439 (2006)..どのような微生物が関与してフィラメント状粒子が生成するのか謎であったが,最近,琵琶湖の湖水から分離されたマンガン酸化細菌が特定の環境条件におかれて初めて,フィラメント状粒子を生成することが明らかにされた(29)29) S. Furuta, H. Ikegaya, H. Hashimoto, S. Ichise, T. Kohno, N. Miyata & J. Takada: Geomicrobiol. J., 32, 666 (2015).

これらの研究事例は,マンガン酸化細菌を分離培養するときにその生態を理解することが非常に重要であることを示している.従来とは異なる環境条件を設定して分離培養することにより,環境中でマンガン酸化を担う微生物の新しい姿が明らかになるものと期待される.

マンガン酸化物はどのように形成されるか?

細菌および真菌によるMn2+イオンの酸化機構として,酵素(マルチ銅オキシダーゼ,またはペルオキシダーゼ)の触媒作用およびスーパーオキサイドによる酸化反応が挙げられる.海洋性Bacillus属細菌において,マルチ銅オキシダーゼ(MnxG)がほかのアクセサリータンパク質(MnxEF)とともにクローニングされ(30)30) C. N. Butterfield, A. V. Soldatova, S.-W. Lee, T. G. Spiro & B. M. Tebo: Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 110, 11731 (2013).,銅4原子を活性中心に保持するMnxGによってMn2+から2電子が順次引き抜かれる反応過程が明らかにされている(Mn(II)→Mn(III)→Mn(IV))(31)31) A. V. Soldatova, C. A. Romano, L. Tao, T. A. Stich, W. H. Casey, R. D. Britt, B. M. Tebo & T. G. Spiro: J. Am. Chem. Soc., 139, 11381 (2017)..生成したMn(IV)からマンガン酸化物の結晶が成長する過程は十分に明らかにされていないが,30分程度の酵素反応で1~10 nmのサイズをもつ微結晶(crystallite)が形成され,その後,酵素分子から放出されて凝集することで,数ミクロンサイズの粒子へと成長する機構が提唱されている(32)32) C. A. Romano, M. Zhou, Y. Song, V. H. Wysocki, A. C. Dohnalkova, L. Kovarik, L. Paša-Tolić & B. M. Tebo: Nat. Commun., 8, 746 (2017)..サブユニットMnxEおよびMnxFの機能は不明であるが,マンガン酸化物形成において必須である.また,マンガン酸化細菌Roseobacter sp.の培養液上清中では,スーパーオキサイドによるMn2+の酸化が進行するが,反応初期に20~100 nmのコロイド状微結晶が生成する(21)21) D. R. Learman, B. M. Voelker, A. S. Madden & C. M. Hansel: Front. Microbiol., 4, 262 (2013)..その後,培養液中のタンパク質,細胞外ポリマーなど何らかの分泌物によって微結晶の凝集が起こると報告されている(21)21) D. R. Learman, B. M. Voelker, A. S. Madden & C. M. Hansel: Front. Microbiol., 4, 262 (2013).

真菌では子嚢菌Acremonium strictum KR21-2において,初めてマンガン酸化物を析出させるマルチ銅オキシダーゼが精製された(33)33) N. Miyata, Y. Tani, K. Maruo, H. Tsuno, M. Sakata & K. Iwahori: Appl. Environ. Microbiol., 72, 6467 (2006).図3図3■真菌Acremonium strictum KR21-2およびその酵素によるマンガン酸化物の生成33, 34)).さらにXANESによる酵素反応の解析によって,反応初期からMn(IV)を主成分とする酸化物が生成することが明らかにされた.ごく最近,本酵素(Mco1)の遺伝子がクローニングされ,Pichia酵母の発現系を用いて酵素タンパク質の生産が可能になった(34)34) F. Tojo, A. Kitayama, N. Miyata, K. Okano, J. Fukushima, R. Suzuki & Y. Tani: Catalysts, 10, 686 (2020)..Mco1のアミノ酸配列は真菌のビリルビンオキシダーゼ(E.C. 1.3.3.5)と高い相同性を示し,ホモロジーモデリングの結果からもMco1はビリルビンオキシダーゼに帰属された(34)34) F. Tojo, A. Kitayama, N. Miyata, K. Okano, J. Fukushima, R. Suzuki & Y. Tani: Catalysts, 10, 686 (2020)..しかし,真菌のビリルビンオキシダーゼにマンガン酸化活性があるかどうかは不明である.興味深いことに,Mco1によるMn2+酸化反応では直径約3 µmと,細菌と比較してかなり大きな球状のマンガン酸化物粒子が生成する(34)34) F. Tojo, A. Kitayama, N. Miyata, K. Okano, J. Fukushima, R. Suzuki & Y. Tani: Catalysts, 10, 686 (2020)..酵素反応液は酵素,硫酸マンガン(基質)およびHEPES緩衝液で構成され,細菌の培養液で報告されているような凝集促進因子は含まれていない.さらに,微結晶が凝集して形成したとしても,ほぼ完全な球形であることから,ランダムな凝集が起こっているとは考えにくい.真菌A. strictum KR21-2の特筆すべき点として,生成したマンガン酸化物粒子には酵素分子が活性を保持したまま結合していることが挙げられる(35)35) J. Chang, Y. Tani, H. Naitou, N. Miyata & H. Seyama: Environ. Technol., 34, 2781 (2013)..つまり,無機材料を担体とした固定化酵素が自然に作り出されているようである.酸化物相に結合した酵素の働きにより,微結晶がミクロンサイズの粒子にまで生成している可能性も否定できないだろう.

細菌および真菌によるマンガン酸化物生成において,ナノサイズの微結晶からどのようにミクロンサイズの酸化物相へと成長するのか現時点ではほとんど解明されておらず,今後の詳細な検討が待たれる.

さらにA. strictum KR21-2が生成したマンガン酸化物と金属元素の相互作用(吸着,酸化還元反応)において,マンガン酸化物に担持されたマンガン酸化酵素が重要な役割を担うことも明らかになってきている(図4図4■真菌Acremonium strictum KR21-2のマンガン酸化物における自己再生機能).前述のとおり,微生物が作るマンガン酸化物にはZn2+やNi2+等の金属陽イオンが高濃度で収着するが,この際には酸化物相に収着していたMn2+がイオン交換反応によって放出されるはずである.しかしながら,マンガン酸化酵素の活性が保持されている酸化物相ではMn2+の放出が起きない(36, 37)36) J. Chang, Y. Tani, H. Naitou, N. Miyata & H. Seyama: Appl. Geochem., 47, 198 (2014).37) J. Chang, Y. Tani, H. Naitou, N. Miyata, F. Tojo & H. Seyama: Chem. Geol., 383, 155 (2014)..同様の現象は,真菌Paraconiothyrium sp.においても報告されている(38)38) Q. Yu, K. Sasaki, K. Tanaka, T. Ohnuki & T. Hirajima: Geomicrobiol. J., 30, 829 (2013)..さらに,マンガン酸化物によって,亜ヒ酸イオン(As(III)),Co(II),Cr(III)はそれぞれAs(V),Co(III),Cr(VI)に急速に酸化されるが,この際にマンガン酸化物が還元されてMn2+が蓄積するため,やがてAs(III)等の酸化速度は低下する.しかしながら,マンガン酸化酵素が存在するとMn2+が再酸化されてマンガン酸化物相が“自己再生”するため,As(III)等を持続的に酸化できることになる(39~41)図4図4■真菌Acremonium strictum KR21-2のマンガン酸化物における自己再生機能).その結果,コバルトの取り込みでは,酸化物相のマンガンに対するモル比で2.5倍にまで増加することが示されている(40)40) J. Chang, Y. Tani, H. Naitou, N. Miyata, H. Seyama & K. Tanaka: Appl. Geochem., 37, 170 (2013).

図4■真菌Acremonium strictum KR21-2のマンガン酸化物における自己再生機能

KR21-2が生成したマンガン酸化物とAs(III)等の金属イオンの反応において,酵素Mco1が働かないようにした条件ではマンガン酸化物からMn2+イオンが放出される.しかし,Mco1が働く条件ではMn2+イオンの速やかな再酸化が起こり,マンガン酸化物が再生する.

これらの結果は,マンガン酸化酵素がマンガン酸化物の生成を担うだけでなく,生成したマンガン酸化物とほかの金属元素との相互作用にも影響を及ぼすことを示している.ただし,細菌が作るマンガン酸化物ではCo(II)やCr(III)に対する高い反応性が報告されているものの,真菌で見られるような酵素が関与する自己再生機能は報告されていない.マンガン酸化物–金属元素の相互作用は,種々の元素の環境動態を理解するうえで重要であるばかりでなく,後述するように環境技術への応用を考えるうえでも重要であるといえる.マンガン酸化酵素の機能について解析を一層進める必要がある.

環境技術に応用するうえで何が課題となるか?

数mg/L以下の比較的低濃度のマンガンを含む地下水では,かなり以前から,マンガン酸化菌を砂ろ過槽内に定着させてマンガン酸化物として沈積させる除鉄・除マンガン処理装置が用いられている(42)42) 宮田直幸,谷 幸則:水環境学会誌,28, 68 (2005)..As(III)が混在する地下水ではマンガン酸化物によるAs(V)への酸化と吸着によってマンガンおよびヒ素の同時除去が可能である(43)43) I. A. Katsoyiannis, A. I. Zouboulis & M. Jekel: Ind. Eng. Chem. Res., 43, 486 (2004).

地下水の処理では外部から有機物を供給することはないが,地下水中に微量含まれる有機物に加えて,アンモニウムイオンが混在する場合は増殖した硝化菌によって,太陽光があたる環境では微細藻類によって有機物が産生される.従属栄養性であるマンガン酸化菌は,これらの独立栄養生物が産生した有機物をエネルギー源,炭素源として利用すると考えられる.外部からアンモニウムイオンを供給することで,マンガン酸化菌の活性を増強させるバイオリアクターも開発されている(44)44) L. T. T. Cao, H. Kodera, K. Abe, H. Imachi, Y. Aoi, T. Kindaichi, N. Ozaki & A. Ohashi: Water Res., 68, 545 (2015)..微細藻類によるマンガン酸化反応を利用すれば,光エネルギーを利用した処理も可能であろう.

マンガンの負荷量が大きい(=濃度が高い,あるいは時間当たりの流入水量が多い)場合は,マンガン酸化菌の増殖を促すための有機物供給が課題になってくる.鉱山で排出されるマンガン含有坑廃水の処理技術として,海外では石灰石等のろ材を導入した接触酸化プロセスが実用化されているが,その前段に人工湿地を設置することが効果的であるとされている(45)45) C. M. Neculita & E. Rosa: Chemosphere, 214, 491 (2019)..人工湿地からは,植栽植物や微細藻類の一次生産により有機物が供給される.また,前段に堆肥充填槽や木材チップ充填槽の設置を検討した事例もあるが,有機物が過剰に供給されることでマンガン除去率が低下したとの報告があり(46)46) F. Luan & W. D. Burgos: Mine Water Environ., 38, 130 (2019).,外部から供給する場合は供給量にも注意する必要がある.有機物濃度が高い条件では,ほかの従属栄養細菌が旺盛に増殖し,マンガン酸化菌の働きが排除されてしまうことがよくある.

また,マンガン酸化菌はpH中性で働くため,酸性坑廃水のように酸性条件ではpH調整が必要である.一方でpH 5~6の弱酸性で働くマンガン酸化細菌が近年見つかっており(47)47) D. M. Akob, T. Bohu, A. Beyer, F. Schäffner, M. Händel, C. A. Johnson, D. Merten, G. Büchel, K. U. Totsche & K. Küsel: Appl. Environ. Microbiol., 80, 5086 (2014).,今後の研究によって酸性環境で適用可能な生物処理プロセスが開発されることが期待される.

マンガン酸化物は金属陽イオンに対する高い収着容量をもつため,亜鉛や鉛等の有害金属イオンの同時除去やセリウム等の希土類元素イオンの回収が検討されている(48)48) 谷 幸則,宮田直幸:環境技術,48, 341 (2019)..従来,細菌によるマンガン酸化は微量の重金属イオンにより阻害されることが報告され,Leptothrix discophora SS-1では10 μM(=0.65 mg/L)のZn2+により阻害を受ける(49)49) L. F. Adams & W. C. Ghiorse: J. Bacteriol., 169, 1279 (1987)..マンガン酸化細菌の集積培養系では,5 mg/L Mn2+とともに1 mg/LのZn2+またはNi2+を添加するとマンガン酸化が大きく阻害され,マンガン酸化物によるZn2+やNi2+の取り込みも強く制限された(50)50) N. Miyata, D. Sugiyama, Y. Tani, H. Tsuno, H. Seyama, M. Sakata & K. Iwahori: J. Biosci. Bioeng., 103, 432 (2007)..ただし,真菌では重金属イオンに対する感受性はかなり低く,さらに酵素活性を担持したマンガン酸化物が生成した後であれば,0.5 mM Zn2+(=33 mg/L)が混在していてもMn2+は速やかに酸化されることが明らかになっている(37)37) J. Chang, Y. Tani, H. Naitou, N. Miyata, F. Tojo & H. Seyama: Chem. Geol., 383, 155 (2014)..Co2+イオン(40)40) J. Chang, Y. Tani, H. Naitou, N. Miyata, H. Seyama & K. Tanaka: Appl. Geochem., 37, 170 (2013).やCe3+イオン(51)51) H. Zheng, Y. Tani, H. Naitou, N. Miyata & F. Tojo: Appl. Geochem., 71, 110 (2016).の酸化・吸着においては,酵素の関与によりマンガン酸化物の自己再生機能が起こりうるが,この機能を活用できれば効率的な金属回収が可能である.ただし,ほかの金属イオンの混在下でどのような影響が現れるかは,酵素反応における金属イオン間の競争,生成したマンガン酸化物と金属イオン間の相互作用,さらには酸化物相上の酵素活性の働きによって決まると考えられるため,詳細な検討が必要であろう.

微生物が作るマンガン酸化物は有機化合物の酸化剤としても機能することから,最近では微量化学物質の酸化処理への利用も活発に研究されている.マンガン酸化細菌を含む生物汚泥を用いたバイオリアクター試験では,ビスフェノールA, 17α-エチニルエストラジオール,テトラサイクリン等の分解への寄与が報告されている(52)52) Z. He, Q. Zhang, Z. Wei, Y. Zhao & X. Pan: Sci. Total Environ., 690, 417 (2019)..一方で,ごく低濃度(ppbレベル)の化学物質分解では,処理水中に残存する有機物質との競合によって分解効率が低下することも示唆されており(53)53) K. M. Furgal, R. L. Meyer & K. Bester: Chemosphere, 136, 321 (2015).,今後詳細を明らかにする必要がある.

結びに代えて

1900年代初めにマンガン酸化菌の存在が報告されて以降,世界中で多くの研究が行われ,微生物の生理・生態やマンガン酸化機構,マンガン酸化物の生成過程,マンガン酸化物–金属元素等の相互作用に関する成果が集積してきた.しかし一方で,湖沼のフィラメント状粒子の生成など以前から解決されずに残されている課題や,酵素反応によるマンガン酸化物の粒子成長過程など,研究の進展により新たに提示された課題が多くある.さらには,環境技術への展開や,ここでは取り上げなかったが,微生物が作り出す酸化物を高機能触媒などに利用しようとする試みも始まっている.マンガン酸化菌の研究は,原子スケールから生物圏での元素循環のスケールまで,非常に大きな広がりをもっている.また,ここで扱う研究領域は微生物学・微生物生態学,生物地球化学,無機化学,環境工学にまたがっており,研究分野の点でも大きな広がりをもつ.多様な視点と技術をもった研究者が参画して学際的に取り組むことにより,この先マンガン酸化菌の研究がさらに進展することに期待したい.

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