セミナー室

バイオプラスチックビジネスで循環型社会の構築をプラスチック問題への産業界の挑戦

Hiroshi Sano

佐野

三菱ケミカル株式会社

Published: 2020-12-01

はじめに

人が今の時代に生まれ落ち,成長して死を迎えるまで,人が作り出してきた素材,たとえばプラスチックに触れない日は希ではないだろうか.手にとって直接使うことはなくても,衣食住にかかわる物品の生産や流通のどこかで使われているに違いない.今も石油採掘量の6%を使って年間4億トンのプラスチックが生産され,さまざまな製品は人々の生活を支え,またプラスチック産業に携わる人々の暮らしを支えている(1, 2)1) R. Geyer, J. Jambeck & K. Law: Sci. Adv., 3, e1700782 (2017).2) World Economic Forum: “The new plastics economy—Rethinking the future of plastics,” 2016..いっぽう,私たちが今後も幸せに生存を続けていくためには,心地よく暮らせる環境の維持と十分なエネルギーの供給が必要なことに異論を挟む余地はないだろう.社会は今,よりよい暮らしを求める70億人の声に応えていくため,経済活動をはじめとする人の生業と,これがもたらす種々の影響について学び,人の未来のために行うべきことを模索している状況といえる.

プラスチック廃棄物の問題は,人の生活に必要な物資やエネルギーについて,どのような原料を使ってどう作るか,作ったものをどう使うか,使ったあとをどうすべきかについて,根源的かつ具体的に見直す契機をもたらした.本稿は,本セミナー室のテーマであるプラスチック廃棄物の問題を一つの切り口とし,官庁およびアカデミアの講師の方々に続いて,将来に向けたプラスチックのあり方,特にバイオプラスチックの可能性を産業界の立場から紹介する.

プラスチックがもたらしたもの

科学と技術の発展の成果として,化学工業の主要な生産物であるプラスチックが私たちの生活に浸透し始め四分の三世紀になる.プラスチックという言葉は,本来は可塑性,つまり高熱など適当な条件で軟化して形を変えることができ,その形状を維持できる性質を意味するギリシャ語plastikosに由来している.私たちが一般的にプラスチックとして認識している素材の多くは,主に石油を原料とする合成樹脂(synthetic resin)であり,可塑性のものだけでなく熱や光で硬化するものや,2つの物質の混合で硬化する素材なども含んでいる.本稿では,さまざまな原料から製造される合成樹脂全般をプラスチックと呼ぶこととしたい.

さて,プラスチックの利点は,第一に木や紙,金属やガラスなどの素材より成形加工が容易なこと,同じ機能なら軽量にできること,耐久性が高いこと,比較的安価で安定した供給が可能なことといった基本的な性能に優れている点にある.さらに,耐熱性,耐薬品性,絶縁性と導電性,透明性・光学特性などの特性をもったプラスチックが開発され,機能とコストがバランスした素材が次々と生み出されてきた(3)3) 石油学会:“新版石油化学プロセス”,第9章汎用樹脂,第10章熱硬化性樹脂,第11章エンジニアリングプラスチック,講談社,(2018).またプラスチックは,プラスチック同士やほかの素材と混合したり層を作って機能を組み合わせたりが可能であり,多様な機能で私たちの暮らしの隅々にまで浸透している.市場からのさまざまな要望に応える形で種類が豊富になり,製造技術や使いこなし方が進化するにつれて,それまで使われてきた素材を徐々に置き換え,プラスチック関連の産業は急成長を果たしてきた.現在もプラスチックの需要は伸び続けており,特に中国やインドを含む新興国,中所得国での消費量の伸びは,生活水準の向上にプラスチック製品が貢献してきたことを如実に示している.

プラスチックはpollution?,solution?

では,なぜプラスチック問題といわれるまでになったのだろう? 第2次世界大戦前後にごく限られた代替用途で始まったプラスチックの開発は,その後,汎用向け素材の大量供給と,金属やガラスの代替を狙える素材へ高機能化との2方向に進んだ.用途としては,容器包装,日用品,建築資材,電化製品,医療器具,機械部品などへの展開が進んだ.特に,包み紙やガラス瓶といった,商品を保存,流通するための資材をプラスチックで置き換えることで,商品の品質を長く保ち,軽量化によって輸送の負荷を下げるといった絶大な効果を得ることができた.包装用途の成長は,成形加工が容易なポリエチレン(PE),ポリプロピレン(PP)に代表されるポリオレフィン類,ポリスチレン(PS)類,ポリエステル(PEs)類,ポリカーボネート(PC)類,およびポリウレタン(PU)類などの素材の大量供給と低価格化によって加速され,現在ではプラスチック生産量の約40%をいろいろな包装資材用途が占めるに至っている.

このように包装用途のプラスチックは,携わる産業とユーザーの両方に利益をもたらしてきた.ところが,物を包む,保存する,運ぶという用途でのプラスチックの利用の急速な拡大は,再利用可能な容器の利用から,短期間だけ使用する包装材料の利用へ世界的な移行を導くことになった.実際に,中高所得国では,都市の廃棄物にプラスチックが占める割合が,1960年の1%未満から2017年では10%以上となり,現在も所得の向上に伴って増加の一途にある(4)4) J. Jambeck, R. Geyer, C. Wilcox, T. Siegler, M. Perryman, A. Andrady, R. Narayan & K. Law: Science, 347, 768 (2015)..すなわち,本来は耐久性を特徴にしているプラスチックが,短期間だけ使用された後に廃棄される量が増えてしまい,しかもその大多数が再利用されることなく処分される状況に至ったのである.また,気軽に使用できるがゆえに,廃棄物に対する私たちの考え方や社会整備が追いつかず,廃棄物の管理の手からこぼれ落ちてしまうプラスチックの量も増えていった.この資源から廃棄物への一方通行の流れが,私たちの社会の持続的成長に負の圧力となりつつあるとの認識は,のちに地球温暖化の問題の提起や海洋ゴミの中にプラスチックが目立つ形で見つかることで高まってきた(5)5) P. Modak: “Asia Waste Management Outlook,” International Solid Waste Association, Asian Institute of Technology, and United National Environment Programme, 2017.

生活の一部,社会の仕組みの一部になったゆえに課題を突きつけられているプラスチック,果たしてプラスチックという素材はpollution sourceでしかないのか? そして私たちは,プラスチックのない世界を受け容れられるのか? プラスチックにかかわる産業界は,この素材が今後も人々の生活のためのsolutionであり続けると信じて,数々の課題を乗り越えた先にある,新たな目標に向かっている.それは,廃棄物の問題を含め,プラスチックが課せられている課題を整理し解決しつつ,世界のトレンドとなりつつある循環型社会(circular society)へ貢献していくことである.

そして持続可能な循環型社会の構築へ

オイルシェールから得るタイトオイルのように新たな資源が見つかっても,石油ピークの議論に見られるように,化石資源は無限ではない(6, 7)6) L. Hirsch: “Peaking of world oil production: Recent forecasts,” http://large.stanford.edu/courses/2014/ph240/liegl1/docs/netl-2007-1263.pdf, 20077) BP p.l.c.: BP Energy Outlook, 2019 edition, https://www.bp.com/content/dam/bp/business-sites/en/global/corporate/pdfs/energy-economics/energy-outlook/bp-energy-outlook-2019.pdf, 2019..また,地球温暖化とそれに伴う気候変動によって,今までの暮らしを維持できなくなるという危機意識は,国際的な温室効果ガスの排出抑制の指針を示すに至っている(8)8) 畠中エルザ,小坂尚史:地球環境研究センターニュース303号,国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)および京都議定書第11回締約国会合(CMP11)報告1, https://www.cger.nies.go.jp/cgernews/201602/303001.html, 2016..このような社会の動きは,化石資源エネルギーやその化石資源から作られるプラスチックの使用など,これまでは生活の利便性の向上と社会の発展に役立ってきた要素を,先進国と新興国に分け隔てなく制限するという痛みを伴う方向にある.いっぽう国連は,国際社会の安定した成長には「持続可能で多様性と包摂性のある社会」の実現が必要とし,社会・経済・環境に統合的に取り組む持続可能な開発目標SDGs(sustainable development goals)に表している(9)9) 慶應義塾大学SFC研究所:“SDGs白書2019”,インプレスR&D, 2019..すなわち私たちは,成長を続けている国々の歩みを遅らせることなく,また成熟した経済をもつ国々が過度な負担を負うことなく,今後も長く地球上で暮らしていくという難問を解決していかなければならない.その一つの方策が,Circular Economyの考え方を基盤とする循環型社会の形成である(10, 11)10) Ellen MacArthur Foundation: Towards a circular economy: business rationale for an accelerated transition, https://www.ellenmacarthurfoundation.org/assets/downloads/TCE_Ellen-MacArthur-Foundation-9-Dec-2015.pdf, 2015.11) McKinsey & Company: The circular economy: Moving from theory to practice, https://www.mckinsey.com/business-functions/sustainability/our-insights/the-circular-economy-moving-from-theory-to-practice?cid=eml-web, (2016)

このような背景の下で,プラスチックに課せられている課題を,バリュー・チェーン(value chain,価値連鎖)を眺めることで整理してみよう.バリュー・チェーンは,原料,素材,部品の調達,商品の製造,組み立て,物流,マーケティング,販売,アフターサービスまでの一連の事業活動を,それぞればらばらなものの集合体ではなく価値の連鎖として捉える考え方である(12)12) M. Porter: “Competitive advantage: creating and sustaining superior performance,” Free Press, 1985..この考え方は,各々の事業の内容を分類し機能を明確にすることによって,分類ごとに自分の会社の位置づけや,強み弱みを明らかにする基本的な枠組みになる.自由競争で物やサービスの価値を高めていく現代の産業構造では,このバリュー・チェーンの枠組みによる事業活動の解析が現状の認識と将来の予測のための一つのツールとなり,さまざまな分野で重要な課題の洗い出しや競争優位性を高めるための事業戦略づくりに活用されている.

プラスチックを用いた製品が最終ユーザーの手に渡るまでの一生を,バリュー・チェーンを通して見ると,資源の採掘,石油精製,化学品の製造,素材すなわちプラスチックの製造,プラスックの加工による材料製造,材料の加工による部品製造,部品の組み立てによる製品製造,包装容器であれば内容物を充填して製品の完成,そして各々をつなぐ物流と商行為という,一連の事業活動の連鎖として捉えられる.このチェーンを上流から見ていくと,まず課題として掲げられるのが有限な化石資源の使用である.現在のプラスチック産業は,原油の採掘からスタートする,いわゆるバージン資源の利用で最大限の経済効果を得るように育ってきた.バージン資源の投入を減らし,化石資源への依存度を低めるにはいくつかの手段があるが,再生可能エネルギーの利用を一つの例に取っても,バリュー・チェーン全体で利益を享受するためには,産業構造の変革とそれに伴う大きな投資が必要になる.しかも,これら産業構造を変えるための技術も,一部を除いて事業を成り立たせるレベルに達していない.

次に,今の石油精製からプラスチック製品の販売までの事業活動は,機能と価格がバランスし,チェーン上で課題になることが少ない.このことは反面,もしプラスチックが画一的に禁止されてしまうと,機能面だけでなく経済的に代替するものがなくなるという,裏に潜む課題を示唆している.

さて,本セミナー室の主題である廃棄物の問題は,バリュー・チェーンのどこに現れるのだろう.残念ながら,これまでに示してきたプラスチックの製造業モデルでは,製品が消費者の手に渡った以降を範疇に入れていない.そこに第三の問題がある.行政と消費者の協力によって回収,分別された廃棄物は,そこから始まる別のバリュー・チェーンの中で処理がなされてきた.ただし,このチェーンの行き先は,多くが焼却か埋め立て処理であり,温室効果ガスの排出や埋立地の確保といった潜在的な課題を含んでいる(13)13) プラスチック循環利用協会:プラスチックリサイクルの基礎知識,https://www.pwmi.or.jp/pdf/panf1.pdf, (2020).経済性を伴ったリサイクルのモデルケースとして知られるポリエチレンテレフタレート(PET)製のボトルやPS製トレーの再資源化は,わが国が誇るべきシステムであるが,プラスチック全体をみた場合に十分といえるだろうか.加えて,管理が行き届かず使用中,使用後のプラスチック製品が環境に漏れ出てしまうことが,海洋ゴミ中のプラスチックやマイクロプラスチックの問題として顕在している.

プラスチック廃棄物の問題は,このように,プラスチックを作る側すなわち動脈側の資源枯渇,代替素材の問題と,使う側以降の処分する側すなわち静脈側の管理,処理の問題に整理できる.プラスチックに係わる業界では,これらの問題が耳目を集めていることを契機に,使用後のプラスチック廃棄物を資源と捉え,これまで分断されてきた動脈側のチェーンと静脈側のチェーンをより密接につなげることによって,物質と経済の循環ループを作っていこうという機運が高まっている.現状では,静脈側のチェーンは限られた素材を対象とするにとどまっており,たとえば日本だけで年間約1,000万トン分のプラスチックの原料を動脈側に提供するまでに育っていない.しかし同時に,そこにはビジネスの機会が眠っており,Circular Economyという経済モデルが成立する根拠になっている(14)14) P. Lacy & J. Rutqvist: “Waste to wealth: the circular eonomy advantage,” Palgrave Macmillan, 2015.循環型社会では,プラスチックに限らず,使用を終えた資材をリスク要因でなく資源とみなす.これら資源のできるだけ多くを再びあらたな製品の原料として用いる一連の活動を,利益を生む産業活動として成り立たせることによって,物だけでなく資金の循環が進められ,雇用の維持と創出を含めて経済の活性化も狙っている(図1図1■循環型社会とその形成のための要素).

図1■循環型社会とその形成のための要素

プラスチックは成形加工の容易さ,軽さ,丈夫さなどの特徴に加えて,バイオマスを原料に使うこと,生分解という特性を活かすことで,資源・エネルギーの消費削減,二酸化炭素など温室効果ガス(greenhouse gas, GHG)の排出削減,産業・経済活動の持続に貢献する.

実際に,欧州は域内経済の活性化とその持続を図る目的で,Circular Economyを経済戦略の柱の一つとしている(15)15) R. Bartels, B. Elser & M. Ulbrich: Winning in a circular economy, https://www.accenture.com/_acnmedia/PDF-117/Accenture-Winning-In-A-Circular-Economy-Executive-Summary.pdf#zoom=40, 2020.

産業界の挑戦

エネルギーや環境の問題解決に貢献しつつ,私達の生活を支える経済を維持していくために,産業界はいち早く動き始めている.たとえば日本経済団体連合会は,産業界としての独自の提言,自主行動計画の策定,率先して活動を行う企業へのさまざまな補助,環境関係の国際枠組みや国内施策への提言など,目に見える活動で産業界の姿勢を示している(16)16) 日本経済団体連合会:循環型社会形成自主行動計画,https://www.keidanren.or.jp/policy/2020/020.html, 2020.

筆者が属している化学業界はプラスチックのバリュー・チェーンの多くの部分を担っており,責務が重大であると認識している.このバリュー・チェーンを循環ループとして成り立たせ,良好な形で長く維持していくための基本的な考え方として,Reduce, Reuse, RecycleにRenewableを加えた3R+Rの実現を念頭に,新素材の開発や製造プロセスの改良から物流や商取引の効率化に至るまで,さまざまな取り組みを行ってきた.特に,静脈側のチェーンとの融合を進めていくために,製品とその製造技術,事業の仕組みを根本から見直す検討を始めている.これには,石油精製,最終製品メーカー,資源再生業といった循環ループを形成する企業と密接な関係を構築することや,ループを形作り維持するための技術を開発しているアカデミアやベンチャー企業のサポート,さらには行政の委託を受けて新しい技術や製品の実証を行うことも含む.このような取り組みの一つが,新たな資源の活用法として,そして新たな素材としての,バイオプラスチックの開発と産業化である.

バイオプラスチックができること

本セミナー室でも語られてきた‘バイオプラスチック’という言葉を,日本バイオプラスチック協会は「バイオマスプラスチックおよび生分解性プラスチックの総称」と定義づけており,国内の諸団体もこれに倣っている(17)17) 日本バイオプラスチック協会:http://www.jbpaweb.net/info/.バイオマスプラスチックおよび生分解性プラスチックは,後述のようにそれぞれ異なった特色をもつ素材であり,これら両方の性質を兼ね備えたプラスチックも存在する.バイオマスプラスチック,生分解性プラスチックは,廃棄物の回収,分別,処理システムといった社会整備と組み合わせることによって,その製造工程,使用中,使用後に循環型社会を支える素材となりうる(図2図2■バイオプラスチックが資源消費と環境負荷の低減に貢献できること).

図2■バイオプラスチックが資源消費と環境負荷の低減に貢献できること

動き出したバイオプラスチック産業

1. バイオマスプラスチック

バイオマス(biomass)という言葉が知られるようになったのは,1970年代のオイルショック以降,化石資源に深く依存していることへの警鐘として代替エネルギーを模索するなか,農林業で得られる資源,すなわち動植物を再生産可能なエネルギー源として活用する試みに端を発している(18)18) 農林水産省,環境省,文部科学省,経済産業省,国土交通省:“バイオマス・ニッポン総合戦略”,閣議決定,2002..日本バイオプラスチック協会は,バイオマスプラスチックを「原料として再生可能な有機資源由来の物質を含み,化学的または生物学的に合成することにより得られる高分子材料」と定義しており,国際的な基準で認証を行っている(17)17) 日本バイオプラスチック協会:http://www.jbpaweb.net/info/

バイオマスはもとをたどれば植物が太陽エネルギーを使って二酸化炭素など炭素化合物を高分子物質に変換した物質群である(図3図3■資源からバイオマスプラスチックに至る物質フロー).バイオマスを原料として用いることの意義は,第一に,二酸化炭素の排出抑制が可能なこと,第二に,生物が作り出す分子がプラスチックの機能を高めることである.

図3■資源からバイオマスプラスチックに至る物質フロー

植物が物質生産を行うサイクルは,農業で生産する作物や林木で数カ月から数十年であり,化石資源が数千万年から数億年前の二酸化炭素が変換されたものであることと比べると,はるかに短いサイクルで空中の炭素を高分子物質に変換している.よって,バイオマスを用いることは,化石資源を用いて行うより早いサイクルで炭素を循環させ,化石資源の消費を抑えること,使用後に焼却処理しても二酸化炭素のみかけの排出量を最小限にとどめることで循環型社会の形成と温暖化対策に貢献する.

このバイオマスの第一の利点を活かし,ブラスチックに係わる業界では身近な汎用プラスチックを化石資源由来からバイオマス原料由来に置き換えることが進められている.すでに市場に展開している代表例は,PEとPETである.これらバイオPEとバイオPETは,サトウキビやトウモロコシなどの糖質を発酵して製造したエタノールを主原料としたエチレンおよびエチレングリコールを原料としている.また,近々バイオPPの供給も始まる.原料をバイオマス由来に置き換えたこれらの汎用プラスチックは,基本的に成分や構造が化石資源由来のものと同じなので,それぞれのリサイクルのチェーンに組み込んでいくことができる.

いっぽう,普及段階でバイオマス由来の原料を用いた新しいプラスチックの代表例が,ポリトリメチレンテレフタレート(PTT),ポリブチレンサクシネート(PBS)などのPEs類であり,それぞれの主原料化学品である1,3-プロパンジオール(PDO),コハク酸,および1,4-ブタンジオール(BDO)は糖質からの発酵法で製造が始まっている.今後の商業化が期待されるバイオマス由来の化石資源代替基礎化学品は,テレフタル酸,n-ブタノール/iso-ブタノール,ブタジエン,アジピン酸,フェノールなどである(19)19) D. Collias, A. Harris, V. Nagpal & I. Cottrell: Ind. Biotechnol. (New Rochelle N.Y.), 10, 1089 (2014)..また,バイオマスから作られる乳酸,フルフラール,イタコン酸,レブリン酸などからは,化学的修飾により種々の基礎化学品が得られる可能性がある.

化石資源はもともと動植物を構成する有機物が地質時代を経て炭化水素の混合物となったもので,石油精製や石油化学産業はこれを分留分離して用いている(20)20) 石油学会:“新版石油化学プロセス”,第1章炭化水素資源と利用,講談社,2018..プラスチックは,石油精製の過程で得られるナフサを分解し,エチレン,プロピレン,ブタジエン,ベンゼンといった化合物を,直接あるいは化学変換したものを原料にして作られている.いっぽう,動植物は生命を維持するために多様で複雑な有機物を体内で合成している(21)21) 北原 武,石神 健,矢島 新:“生物有機化学”,第2章炭水化物,第3章脂肪酸と脂質,第4章アミノ酸”,裳華房,2018..これら有機化合物の中には,生物から比較的容易に得られるが,化石資源の分解分離や化学変換では製造できない,あるいは製造が経済的に現実的でない物質がある.目下生分解性プラスチックとしても認識されているポリヒドロキシアルカン酸(PHA),ポリ乳酸(PLA)は,生物が体内で作るPEs類や有機酸を応用した例であり,ポリアミド(PA)類,PU類には生物が作る油脂由来の脂肪酸を原料として用いた製品がある.

以上の製品は,原料を化石資源から得るより生物から得るほうが容易であり,かつ化石資源由来の化学品を用いてでは実現が難しい分解性や柔軟性など特徴的な性質を備えている(22)22) T. Iwata: Angew. Chem., 54, 3210 (2015)..これがバイオマスを用いる第二の意義である.近年では糖類を化学変換して得られる脂肪族ジオールのイソソルバイド(isosorbide)を原料としたバイオPC,同じく糖類由来のフランジカルボン酸(FDCA)を用いたポリエチレンフラノエート(PEF)に期待がかけられている.バイオPCやPEFは分子構造の特徴によって,ほかのプラスチックで得られない光学特性や耐久性,ガスバリア性などの性能と,プラスチックとしての成形加工性を両立している(23, 24)23) 自動車関連事業推進センター:植物由来原料イソソルバイドを用いた透明バイオエンプラDURABIO™概要,https://www.m-chemical.co.jp/products/departments/mcc/ams/tech/1202608_7380.html, 2016.24) A. Gandini, A. J. D. Silvestre, C. P. Neto, A. F. Sousa & M. Gomes: J. Polym. Sci. A Polym. Chem., 47, 295 (2009).

これまでに挙げたプラスチックの多くは,バイオマス由来の原料を使うことによって二酸化炭素排出量の増加を抑えるだけでなく,その機能を活かすことによって従来製品と比べて温室効果ガスの排出低減などの効果が期待できる.たとえば自動車など移動体に使った場合は燃料の消費や部品交換の回数を削減し,食品包装用フィルムに用いた場合は食品の品質を維持し食品ロスを削減する.なお,バイオマス由来のプラスチックはすべて生分解性をもつと誤解されがちだが,ここに挙げたプラスチックはPBS, PHA, PLAを除き耐久性をもった素材である.

2. 生分解性プラスチック

プラスチックの生分解性の基本的な仕組みは分子間結合の加水分解であり,微生物が介在して水や二酸化炭素のレベルにまで高分子を完全に分解するまで進むため「生」分解と定義される.分解するという性質は,そもそもプラスチック本来の利点である耐久性とは相反する特性である.しかし分解を制御することによって,使用中はプラスチックがもつ優れた機能を発揮し,役目を終えた後は高分子の状態が消滅するという,プラスチックの新たな活用方法を問う性質といえる.

先に述べたように,今後もプラスチックの利点を享受するには,3R+Rを実現しつつ静脈側のチェーンであるリサイクルを組み合わせ,物質と経済のループを形成することが求められる.いっぽうで,食品包装材,農業資材,医療・衛生品のように,使用後にプラスチックとそれ以外の物質と分離が容易でない用途,回収と処理の負荷が高い用途,より高い機能を得るための複数プラスチックの複合化や複層化によってマテリアルリサイクルに向かない材料,および管理の届かないところで循環ループから漏れてしまうようなプラスチック廃棄物が存在することも現実である.また,バイオプラスチックを含むプラスチック素材は,「化学物質の審査および製造等の規制に関する法律」(化審法)や業界が定める自主基準によってそのものが有害物質になる可能性を排除しているが,意図せず環境に出てしまったプラスチックが,長寿命ゆえに長期にわたって環境にとどまり,徐々に細分化して生態系の中に入り込む可能性が指摘されている.そこで,本セミナー室でも採り上げられているように,現在各方面でマイクロプラスチックを含む廃棄物が環境と社会に及ぼす影響の評価が続けられている(25)25) L. Rigamonti, M. Grosso, J. Møller, V. Sanchez, S. Magnani & T. Christensen: Resour. Conserv. Recycling, 85, 42 (2014).

生分解性プラスチックが水と二酸化炭素にまで分解することは,これらの課題へのアプローチの一つとなる.また所期の目的で使用された後に消滅することは,直接的な意味での廃棄物の減少だけでなく,コラムに述べたような使い方で,使用後の資材の廃棄処理にかかわるエネルギー消費や温室効果ガス排出などの環境負荷の課題,社会や産業構造の変化に伴うさまざまな課題を,一挙に解決する手段となりうる.このように,生分解性は廃棄後の消滅を期待される用途だけでなく,分解そのものを機能として活かすことができる用途も多い(表1表1■プラスチックの生分解性が活かせる用途*).

表1■プラスチックの生分解性が活かせる用途*
主に廃棄物対策としての用途
回収し,コンポスト化・バイオガス化などでの処分を前提食品等包装包装フィルム・トレー,紙製品のコーティング,インスタント食品・ファストフードの容器,コーヒー等飲料抽出用カセット,接着シール層
日用雑貨ごみ袋・エチケット袋(コンポスト用),短期利用コップ・リッド・皿・カトラリー類,文房具・玩具,粘着テープ
衛生用品ひげ剃り,歯ブラシ,生理用品,紙おむつ
野外環境での利用を前提農林水産用農地被覆材(マルチフィルム)・誘引テープ,育苗ポット・セルつる作物用栽培ネット幼木保護シート,防風・防塵ネット,釣り糸・漁具,漁網・養殖網・養殖用資材,緩効性肥料・農薬用被覆成形材,土壌保湿材,植生補助促進材
土木,建設用のり面保護シート植生ネット・シート・マット土のう袋,保水シート,暗渠・排水用材,断熱材,コンクリート型枠シェールガス採掘用資材
野外レジャー用ゴルフ・釣り・キャンプ・登山・マリンスポーツなどの用品類
繊維分野合成繊維製品,不織布製品の原料
機能素材としての用途
造形用素材3Dプリンター用フィラメント,造形パテ
医療,ヘルスケア縫合材人工組織(皮膚・骨格など)医療用フィルム・包帯ドラッグデリバリー
*下線を施した用途は,分解が付加価値となる例.

代表的な生分解性プラスチックとその概要を以下に示す.

生分解をもち,かつ分解が始まる以前は素材として優れた性質を示すプラスチックの多くが,脂肪族ポリエステル(aliphatic polyester)である.PLAは現在もっとも普及した生分解性プラスチックの一つであり,医療用途向けの生体吸収素材として,乳酸を高度重合する技術が1950年代から開発されてきた.1990年代末にはL体の乳酸を発酵法により選択的かつ安価に製造する技術の発達に伴って,PLAは生分解だけでなくバイオマスプラスチックとして注目されはじめた.この時期に,米国の穀物商社と化学会社の合弁企業が,原料となる作物からPLAまでの一貫生産プロセスを擁する商用プラントを建設し生産を開始した.現在では中国と欧州の企業も製造拠点を構え,合計年産25万トン程度の生産能力があるといわれ,需要の高まりから増設,新設の計画が立てられている.PLAは比較的加工しやすく透明性が高いという特性も活かし,PS, PE, PPの代替として用途開発が進められてきた.近年ではシェールガス/オイル採掘法の部材として,また3Dプリンターのフィラメント用素材としても多く用いられている.

ジオールとジカルボン酸の重縮合によって得られる脂肪族ポリエステルのうち,PBSとそのアジピン酸共重合体(PBSA)は熱安定性や加工性を考慮した場合,最良の選択肢の一つである.日本の企業が重合反応の課題を克服して1990年代に初めて商品化を果たし,現在では日本とタイの企業の合弁会社が年産2万トンの製造設備を有している.PBS, PBSAは加工に既存の樹脂加工設備が使え,生分解性プラスチックとしては耐熱性が高く,また樹脂や天然繊維などほかの高分子素材との親和性,相溶性が良好といった特性をもつ.そのため,たとえば紙へのコーティング,多層フィルム化,熱溶着が容易であり,紙コップや袋加工といった二次加工性に優れる.分解はPLAや変性ポリブチレンテレフタレート(PBAT)と異なり,水と微生物の環境が十分であれば常温で進行し,特にPBSAは海水中での分解も確認されている(26)26) 人見清貴,粕谷健一,加藤千明,佐野 浩,森 良平,花市 岳,西 秀樹:“生分解性樹脂・バイオプラスチックの開発動向・課題と今後の展望”, And Tech, 2020

このほか,汎用プラスチックに近い性質をもつ脂肪族-芳香族コポリエステルのPBAT,変性ポリブチレンテレフタレート(PBTS),分解性に優れるポリグリコール酸(PGA),ポリカプロラクトン(PCL),ポリビニルアルコール(PVA)などが,それぞれの特性を活かした市場に展開を進めている.

また,ポリ-β-ヒドロキシアルカン酸(PHA),デンプンといった,生物が体内でエネルギー貯蔵用の物質として作り出す高分子物質をプラスチックとして用いる試みが進められ,前者は,日本企業の長年の努力によってポリ-ヒドロキシ酪酸-ヒドロキシヘキサン酸(PHBH)の大規模生産に目途が立ち,市場への展開が始まっている.いずれも,海洋での良好な生分解性が特徴である(27)27) 技術情報協会編:“生分解, バイオマスプラスチックの開発と応用”,第2章生分解性樹脂の分解機構,特性制御と応用展開,技術情報協会,2020.

バイオプラスチックを活用していくために必要なこと

バイオプラスチックの潜在能力を活かし,持続可能な経済活動を伴った循環型社会を構築する道のりは,最初の数歩を踏み出したばかりである.2020年時点で,バイオプラスチックの生産能力は年産100万トン程度とみられている(図4図4■主なバイオプラスチックの生産能力推定値).この数字は,プラスチックの総生産量の僅か0.3%にも満たない.しかし素材としての価値を高める開発と周囲の社会整備が進んで普及を後押しできれば,社会と環境への効果は徐々に大きくなっていくに違いない.今後,施策やアカデミアのサポートも受けつつ,産業界として取り組んでいくべき課題を掲げ,本稿を締めくくりたい.

図4■主なバイオプラスチックの生産能力推定値

三菱ケミカル調べ.

1. ESGの観点で正しく評価し,透明性を保つこと

産業界は,提供する製品やサービスが地球環境と人々の暮らしを豊かにすることを第一に考え,環境(environment),社会(social),ガバナンス(governance),すなわちESGの観点から,製品やサービスのバリュー・チェーンを自ら評価している.たとえば,バイオマスは再生可能資源の一つであり,人の手によってさまざまな場所や環境の下で作られる資源である.これを今後も長く使っていくためには,環境面だけでなくエシカル面への配慮が欠かせない.まず,食料にもなりうる農産物をプラスチックの原料に用いることの是非については,目下さまざまな視点から議論が続けられている.利用に際しては,全世界と地域ごとの食糧事情や農業の位置づけに注視し,都度判断をしていかなければならない.加えて,たとえバイオマス原料を直接扱う事業でないとしても,用いる原料が社会的に認められているかを確認すること,すなわち,種々の持続可能性認証に示されるような正しく生産,管理された資源を原料として選ぶ配慮が必要である(28)28) Netherlands Programmes Sustainable Biomass: “How to select a biomass certification scheme?”, NL Agency, 2011..また,製品やサービスが環境に与える影響を,客観的に評価し公開することが求められる方向にある.実際に,原料や製品の商取引の現場で,環境負荷値を仕様書に表すことを求める地域がある.本稿ではここまでバイオプラスチックが環境負荷やエネルギー消費を抑える可能性を述べてきたが,個々の最終製品とその廃棄処理までのlife cycle assessment(LCA)が行われた例は少ない.比較的新しい原料や製品であることや,プラスチックが複数の企業の手でさまざまな加工,調製を経て製品やサービスの一部になるといった実情から,LCAのための情報が十分にそろえられていないことも原因である.各々の製品やサービスの環境負荷を,より正しくかつわかりやすく示すシステムを整えていく必要がある.

2. 農林業の課題

バイオマスの生産が農林業によるものである以上,農林業が抱えるさまざまな課題はそのままバイオマスプラスチックの産業化の課題となる.また,農林業と工業がつながる接点で顕になる課題,たとえば,バイオマスの通年生産が難しいこと,かさ密度が低く集荷や貯蔵の負荷が大きいこと,これに伴って,生産設備の立地の選択が難しいことなどが挙げられる.

3. 耐久性と分解の両立

生分解性プラスチックの普及が進まなかった理由の一つは,製品の在庫期間や使用中の,壊れてほしくないときに壊れ始めたり,いつまでも壊れずに残ってしまったりというように,分解を十分に制御できないことである.耐久性資材としてのプラスチックと,随意のタイミングで分解,消滅することを両立させるイノベーションが待たれている.分解の制御技術が整えば,生分解性プラスチックの応用範囲は飛躍的に拡がっていく.生分解性プラスチックのマテリアルリサイクルも夢ではない.

4. プラスチックとしての使い勝手

現在生産されている生分解性プラスチックの性質は汎用プラスチックのそれと異なっており,また利用できる素材の種類が少なく選択肢が限られるため,求められる品質の製品に仕上げることが難しい.たとえば生分解性プラスチックを加工して薄いフィルム状の製品を製造する際,目標の性能を得るための強度が足りないため,汎用プラスチックより厚くしなければならない場合があり,コストや取り扱い方に影響してしまう.生分解とプラスチックとしての使い勝手を両立した,硬い/柔らかい,透明/不透明などの性質のバリエーションを備えた一連の素材をそろえたい.

5. 適正な生産コスト

現在のところ工業的に生産されるバイオマス原料由来の化学品の種類と量は限られており,また,比較対象となる石油製品よりコストが高いものがほとんどであるため,バイオマスプラスチックは高いプライスタグを付けざるを得ない.農業生産物を工業原料とするための,たとえば発酵や分離精製といったプロセスの工業化と設備建設に大きな投資が必要なことも,コストを押し上げる要因となっている.産業界は,バリュー・チェーンの各ステップの製造プロセスで品質向上とコスト低減につながるブレークスルーとなる基礎技術の開発に注目している.

6. リサイクルとの調和

循環型のバリュー・チェーンでは,一度使い終わった製品や生産現場で品質に届かなかったものは廃棄物ではなく資源と考える.プラスチックはそのすがたかたちに至るまでに,多くのエネルギーを費やして高分子化してきた資源であるゆえ,焼却によるエネルギーリカバリーや埋め立てといった最終処理はできるだけ避け,再び役に立つ素材として活用したい.バイオPEやバイオPETなど既存のリサイクルの仕組みにそのまま適応できるバイオマスプラスチックは問題がない.いっぽう,生分解性プラスチックや生物分子の特徴を活かしたバイオマスプラスチックを,PE, PET, PP, PSなどで成り立っているマテリアルリサイクルのシステムに混入させることは避けなければならない.ただし,素材を限定したマテリアルリサイクルや,さまざまな素材を受け容れることができるケミカルリサイクルの普及が進めば,これらプラスチックを再び原料とすることが可能となる.また,生分解性プラスチックを多層化プラスチックの剥離材や前述したコンポスト用有機廃棄物回収袋に用いるといったように,ほかの廃棄物のリサイクルのサポート役として応用していく方向がある.

なお,実際にこれらのリサイクルを正しく行っていくためには,わかりやすい廃棄物回収の仕組み,たとえば製品への使用後の取り扱いの明示とそれに沿った回収インフラの整備が必須である.

7. 開発手法のイノベーション

企業がもつ製品開発や生産の技術と経験は,バイオプラスチックをはじめとする新しい素材やビジネスを探索するうえで必要であっても十分ではない.特に物と経済の循環ループを形作っていくにあたっては,バリュー・チェーンの中の一つのステップのうちだけで考えても解は得られない.物と経済にかかわる活動を広範囲につなげていくことで,情報も必然的につながっていく.これらの情報をDX(digital transformation)の取り組みに活用することで,技術やサービスの開発手法を,MI(materials information)やAI(artificial intelligence)も使いこなす別次元へ革新させるチャンスにしたい.

Reference

1) R. Geyer, J. Jambeck & K. Law: Sci. Adv., 3, e1700782 (2017).

2) World Economic Forum: “The new plastics economy—Rethinking the future of plastics,” 2016.

3) 石油学会:“新版石油化学プロセス”,第9章汎用樹脂,第10章熱硬化性樹脂,第11章エンジニアリングプラスチック,講談社,(2018)

4) J. Jambeck, R. Geyer, C. Wilcox, T. Siegler, M. Perryman, A. Andrady, R. Narayan & K. Law: Science, 347, 768 (2015).

5) P. Modak: “Asia Waste Management Outlook,” International Solid Waste Association, Asian Institute of Technology, and United National Environment Programme, 2017.

6) L. Hirsch: “Peaking of world oil production: Recent forecasts,” http://large.stanford.edu/courses/2014/ph240/liegl1/docs/netl-2007-1263.pdf, 2007

7) BP p.l.c.: BP Energy Outlook, 2019 edition, https://www.bp.com/content/dam/bp/business-sites/en/global/corporate/pdfs/energy-economics/energy-outlook/bp-energy-outlook-2019.pdf, 2019.

8) 畠中エルザ,小坂尚史:地球環境研究センターニュース303号,国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)および京都議定書第11回締約国会合(CMP11)報告1, https://www.cger.nies.go.jp/cgernews/201602/303001.html, 2016.

9) 慶應義塾大学SFC研究所:“SDGs白書2019”,インプレスR&D, 2019.

10) Ellen MacArthur Foundation: Towards a circular economy: business rationale for an accelerated transition, https://www.ellenmacarthurfoundation.org/assets/downloads/TCE_Ellen-MacArthur-Foundation-9-Dec-2015.pdf, 2015.

11) McKinsey & Company: The circular economy: Moving from theory to practice, https://www.mckinsey.com/business-functions/sustainability/our-insights/the-circular-economy-moving-from-theory-to-practice?cid=eml-web, (2016)

12) M. Porter: “Competitive advantage: creating and sustaining superior performance,” Free Press, 1985.

13) プラスチック循環利用協会:プラスチックリサイクルの基礎知識,https://www.pwmi.or.jp/pdf/panf1.pdf, (2020)

14) P. Lacy & J. Rutqvist: “Waste to wealth: the circular eonomy advantage,” Palgrave Macmillan, 2015

15) R. Bartels, B. Elser & M. Ulbrich: Winning in a circular economy, https://www.accenture.com/_acnmedia/PDF-117/Accenture-Winning-In-A-Circular-Economy-Executive-Summary.pdf#zoom=40, 2020.

16) 日本経済団体連合会:循環型社会形成自主行動計画,https://www.keidanren.or.jp/policy/2020/020.html, 2020.

17) 日本バイオプラスチック協会:http://www.jbpaweb.net/info/

18) 農林水産省,環境省,文部科学省,経済産業省,国土交通省:“バイオマス・ニッポン総合戦略”,閣議決定,2002.

19) D. Collias, A. Harris, V. Nagpal & I. Cottrell: Ind. Biotechnol. (New Rochelle N.Y.), 10, 1089 (2014).

20) 石油学会:“新版石油化学プロセス”,第1章炭化水素資源と利用,講談社,2018.

21) 北原 武,石神 健,矢島 新:“生物有機化学”,第2章炭水化物,第3章脂肪酸と脂質,第4章アミノ酸”,裳華房,2018.

22) T. Iwata: Angew. Chem., 54, 3210 (2015).

23) 自動車関連事業推進センター:植物由来原料イソソルバイドを用いた透明バイオエンプラDURABIO™概要,https://www.m-chemical.co.jp/products/departments/mcc/ams/tech/1202608_7380.html, 2016.

24) A. Gandini, A. J. D. Silvestre, C. P. Neto, A. F. Sousa & M. Gomes: J. Polym. Sci. A Polym. Chem., 47, 295 (2009).

25) L. Rigamonti, M. Grosso, J. Møller, V. Sanchez, S. Magnani & T. Christensen: Resour. Conserv. Recycling, 85, 42 (2014).

26) 人見清貴,粕谷健一,加藤千明,佐野 浩,森 良平,花市 岳,西 秀樹:“生分解性樹脂・バイオプラスチックの開発動向・課題と今後の展望”, And Tech, 2020

27) 技術情報協会編:“生分解, バイオマスプラスチックの開発と応用”,第2章生分解性樹脂の分解機構,特性制御と応用展開,技術情報協会,2020.

28) Netherlands Programmes Sustainable Biomass: “How to select a biomass certification scheme?”, NL Agency, 2011.