解説

時間栄養学によるサーカディアンリズム制御食品・栄養成分から体内時計を調節する

Chrono-Nutritional Studies to Control Circadian Rhythms: Modulation of Circadian Clocks by Food Factors

Hideaki Oike

大池 秀明

国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構食品研究部門食品健康機能研究領域上級研究員

Published: 2021-02-01

ダイエットをしたければ,朝食を抜くよりも夕食からその分のカロリーを減らした方が効果的である.血糖コントロールを良くしたければ,夕方早めの時間帯までに3食を終えるのが良い.がんを減らすには,十分な絶食時間を設けることである.これらは,時間栄養学研究が明らかにしつつある機能的食事法である(1)1) 大池秀明:“人生を変える最強の食事習慣—『時間栄養学』で「健康」「成功」を手に入れる—”,農林統計協会,2019..では,なぜそれほどまでに「食べる時間」が身体に影響するのであろうか.われわれの身体システムは体内時計に従った時間的分業から成り立っており,エネルギー代謝や免疫系を代表に,各種インプットやアウトプットに適した時刻が存在するからである.したがって,食品・栄養学研究においても,時計リズムの視点が欠かせない.

Key words: 概日リズム; 時計遺伝子; 時間栄養学; 機能性食品; ケミカルバイオロジー

体内時計の概要と役割

ここで言う体内時計とは,概日リズム(circadian rhythm;サーカディアンリズム)のことである.ラン藻,カビ,植物,動物などに備えられた約24時間周期の内因性リズムで,動物の場合,時計遺伝子と呼ばれる10~20種類程度の遺伝子群によって,細胞レベルのリズムが形成される.時計遺伝子のPeriodPer1, Per2, Per3)やBmal1は転写レベルで24時間の周期変動をしている(図1図1■時計遺伝子によるフィードバックループと下流の転写制御).時計遺伝子によっては,タンパク質や修飾(リン酸化やアセチル化)のレベルで24時間変動しているものもある.これらの時計遺伝子の下流に位置する分子は,必然的に24時間の活性制御を受ける.たとえば,Bmal1Clockは転写調節因子であり,プロモーター中のE-boxと呼ばれる配列に結合して転写を促進する.この転写制御を受ける遺伝子は,活動期の開始時刻付近に発現がピークを向かえる概日発現リズムを示す(図1図1■時計遺伝子によるフィードバックループと下流の転写制御).同様に,別の時計遺伝子であるRev-erbαやRorは,RRE配列の転写を制御しており,この配列をプロモーターに含む遺伝子は,活動期の終盤に発現ピークが来るような概日リズムをもつ.エネルギー代謝は,活動期と休息期でダイナミックに機能を変化させる典型であり,これは,糖新生や脂質代謝にかかわる遺伝子(特に代謝経路の律速段階に位置する遺伝子)が,E-boxやRRE配列による制御を受けているからである.

図1■時計遺伝子によるフィードバックループと下流の転写制御

時計遺伝子であるBmal1, Clock, Per, Cryは,コアループと呼ばれる約24時間周期の転写・翻訳フィードバックループを形成している(右上).また,Bmal1, Clock, Rev-erbα, Rorは,サブループと呼ばれる,別のフィードバックループを形成している(中央).BMAL1, CLOCKタンパク質はプロモーター中のE-box配列に結合して,下流の遺伝子群の転写を24時間周期で調節する.図中では脂質代謝に関連するPparαの例を示しており,活動期(マウスでは暗期)の始まりに合わせて発現ピークを迎える.また,REV-ERBαとRORsはRRE配列に結合して別の遺伝子群の転写を調節しており,図の例では糖代謝に関連するPdk4が,活動期の終わりにピークが来る発現リズムを示していることがわかる.図中の4つのグラフは,マウスの肝臓における,Bmal1, Per1, Pparα, Pdk4の2日分の遺伝子発現(転写)リズムを示す(CircaDBより).

体内時計は,日周変動する地球環境に合わせて,活動すべき時間帯と休息(待機)すべき時間帯を予測して効率化するためのシステムである.したがって,植物のように光合成によってエネルギーを獲得する生物の場合は,光を基準とする体内時計をもっている.一方,動物の場合はエネルギー源が他の生物(餌)であることから,餌や天敵の活動リズムにも依存した時計が必要である.そこで,絶対的な時刻情報である光に同期する中枢時計と,相対的な時刻情報である食事時刻(あるいは活動時刻)に同期する末梢時計をもつように進化した.中枢時計は視神経からの入力を受ける視交叉上核に存在し,活動/睡眠リズムを支配している.光に依存した時刻情報であることから,夜行性動物でも昼行性動物でも同じ時計位相をもっている.一方で,末梢組織の時計は食事タイミング(あるいは活動タイミング)に依存するため,夜行性動物と昼行性動物とで反対の時刻情報(位相)となる.このように階層的な時計システムをもつことにより,エネルギーが獲得できる活動期と,そうでない休息期の到来を事前に予測し,エネルギー配分をスケジュールできる仕掛けとなっている.

体内時計を調節する仕組み

光や食事といった外部の時刻情報に合わせるために,個々の概日時計は時刻調節機能をもっている.まず,古典的に知られている光シグナルに対する視交叉上核の反応を図2図2■光による中枢時計の位相調節で説明する.光によって興奮した視神経の終末からグルタミン酸が放出され,視交叉上核の神経細胞がそのシグナルを受け取る.グルタミン酸受容体を介して,細胞内でcAMP濃度が上昇すると,cAMP応答配列(CRE)をプロモーターにもつ時計遺伝子Per1の発現が一過的に誘導される.これが,Per1の概日リズムにおける上昇フェーズに起きれば時計位相は前進し,下降フェーズに起きれば遅延する仕組みとなっている.具体的には,日の出前の光は時計を前に動かし,日没後の光は時計を後ろに動かすことになる.PeriodDecDec1, Dec2)などの時計遺伝子は,刺激によって一過的な発現誘導が起こる遺伝子(immediate early gene)であり,刺激に応じて時計位相を前後に調節する機能をもたらしている.ちなみに,これを薬剤で実験的に模倣することは比較的容易であり,たとえば,培養細胞にcAMPを上昇させる薬剤であるフォルスコリン(アデニル酸シクラーゼの阻害剤)を作用させると,Per1が一過的に誘導され,時計位相が調節される.すなわち,Per1の上昇フェーズに薬剤を添加すれば位相は前進し,下降フェーズに添加すれば位相を後退させることが可能である.

図2■光による中枢時計の位相調節

光の情報が視神経から中枢時計(視交叉上核)に届くと,神経伝達物質であるグルタミン酸の受容を介し,細胞内cAMP濃度が上昇する.すると,cAMP応答配列(CRE)を持つPer1が一過的に誘導される.これが,Per1発現リズムの上昇フェーズ(早朝)に起きると,時計位相は前進する(図中の赤点線).一方,Per1発現リズムの下降フェーズ(夜間前半)で起こると,位相は後退する(青破線).

末梢組織においても,同様の時計位相調節機構が保持されている.たとえば,グルココルチコイドのシグナルが入ると,Per1が誘導され(2)2) T. Yamamoto, Y. Nakahata, M. Tanaka, M. Yoshida, H. Soma, K. Shinohara, A. Yasuda, T. Mamine & T. Takumi: J. Biol. Chem., 280, 42036 (2005).,インスリンのシグナルが入るとPer2が誘導され(3)3) D. Yamajuku, S. Okubo, T. Haruma, T. Inagaki, Y. Okuda, T. Kojima, K. Noutomi, S. Hashimoto & H. Oda: Circ. Res., 105, 545 (2009).,時計の位相が調節される.したがって,マウスにストレスがかかるようなハンドリングをすると,ストレスホルモンであるグルココルチコイドが上昇し,末梢時計の位相が変化する(4)4) Y. Tahara, T. Shiraishi, Y. Kikuchi, A. Haraguchi, D. Kuriki, H. Sasaki, H. Motohashi, T. Sakai & S. Shibata: Sci. Rep., 5, 11417 (2015)..同様に,食事スケジュールを変化させると,インスリンが末梢時計に作用する時間帯が変わるので,末梢時計の位相が動く.つまり,早朝の食事は末梢時計を前進させる働きをもち,夜遅い食事は末梢時計を後退させる.末梢時計は,インスリンやグルココルチコイドなどの時刻因子の濃度変化に合わせて時計位相が調節されているため,食事時刻や活動時刻に合わせた時刻情報となる.

また,体温や組織酸素濃度の日周変動も末梢時計の時刻情報となりうる(5, 6)5) Y. Adamovich, B. Ladeuix, M. Golik, M. P. Koeners & G. Asher: Cell Metab., 25, 93 (2017).6) S. A. Brown, G. Zumbrunn, F. Fleury-Olela, N. Preitner & U. Schibler: Curr. Biol., 12, 1574 (2002)..筋肉の時計は,食事スケジュール(インスリン)も重要であるが,活動スケジュール(体温,酸素濃度)の影響も強く,両者が乖離するような条件においては,活動スケジュールに合わせた時刻情報をもつ場合もある(7)7) K. Oishi, Y. Yasumoto, S. Higo-Yamamoto, S. Yamamoto & N. Ohkura: Biochem. Biophys. Res. Commun., 483, 165 (2017)..多くの末梢組織においては,このように複数の時刻情報がシグナルを入れており,組織の特性に応じて各因子の影響力が異なっている.つまり,食事リズム,活動リズム,体温リズムなどがすべてそろっている場合は,末梢組織全体で同じような時刻情報をもち,個体全体としても大きな日周リズムを生み出すが,因子間の競合が起こるような生活(朝食欠食や深夜の食事など,活動時刻と食事時刻がずれる生活が典型)をしていると,組織によって時刻情報が乖離してしまう.このように,体内で時差ボケが起こったような状態では,臓器間あるいは細胞間での時間的分業や連携がスムーズに進まなくなり,生理機能が低下する.これが長期的に続くと,エネルギー代謝が落ちてメタボになったり,脳機能や精神状態が不安定化したり,免疫機能が低下したりすることで,生活習慣病や疾病にかかりやすい身体になってしまう(1)1) 大池秀明:“人生を変える最強の食事習慣—『時間栄養学』で「健康」「成功」を手に入れる—”,農林統計協会,2019.

体内時計に作用する化合物の探索

健康科学の研究者としては,薬や食品を上手に使って体内時計を調節・制御したいところである.個体丸ごとの体内時計を動かすとなるとハードルが高いが,上述のとおり,培養細胞の概日時計であれば化学的な刺激でリズムを調節することは比較的容易である.これまでに,ケミカルスクリーニングによって,概日時計に作用する化合物は多数見つかっている.たとえば,理研のグループが,マウスとヒトの培養細胞を利用し,1,260個の薬理化合物についてスクリーニングを行った実験では,周期長を大幅に伸ばすものが10個,それ以外に有意に伸ばすものが14個,有意に縮めるものが4個あったことを報告している(8)8) Y. Isojima, M. Nakajima, H. Ukai, H. Fujishima, R. G. Yamada, K. H. Masumoto, R. Kiuchi, M. Ishida, M. Ukai-Tadenuma, Y. Minami et al.: Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 106, 15744 (2009)..周期長を顕著に伸ばす化合物の多くがカゼインキナーゼIε/δ(CKIε/δ)の阻害活性を有していた.もともと,CKIεの変異体ハムスターは概日リズムの周期長が短いことが知られており,時計周期長を調節する標的の一つとして,このタンパク質の活性制御が有効な手段であることがわかる.また,カリフォルニア大学のグループの報告によると,1,280個の薬理化合物のスクリーニングから,周期長を変化させるものが11個見つかり,やはり時計遺伝子の制御にかかわることが知られていたGSK3βというキナーゼの阻害剤を含んでいた(9)9) T. Hirota, W. G. Lewis, A. C. Liu, J. W. Lee, P. G. Schultz & S. A. Kay: Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 105, 20746 (2008)..その後,約12万個の化合物についてスクリーニングを実施し,CKIδ, CKIα, ERK2などのキナーゼが時計の周期長に影響を及ぼすことが確認され(10)10) T. Hirota, J. W. Lee, W. G. Lewis, E. E. Zhang, G. Breton, X. Liu, M. Garcia, E. C. Peters, J. P. Etchegaray, D. Traver et al.: PLoS Biol., 8, e1000559 (2010).,時計タンパク質のリン酸化状態によって周期長が制御されていることが浮き彫りになった.さらに,6万個の化合物のスクリーニングから,周期長を伸長する新たな標的として,時計遺伝子のCryに直接的に作用する化合物(KL001~003)が見つかった(11)11) T. Hirota, J. W. Lee, P. C. St John, M. Sawa, K. Iwaisako, T. Noguchi, P. Y. Pongsawakul, T. Sonntag, D. K. Welsh, D. A. Brenner et al.: Science, 337, 1094 (2012)..その後,名古屋大学のグループが合成化学を駆使して,この化合物の類縁体の効果を検証し,周期長を短縮する化合物の合成に成功している(12)12) T. Oshima, I. Yamanaka, A. Kumar, J. Yamaguchi, T. Nishiwaki-Ohkawa, K. Muto, R. Kawamura, T. Hirota, K. Yagita, S. Irle et al.: Angew. Chem. Int. Ed. Engl., 54, 7193 (2015)..また,ドラッグリポジショニングの観点から,既存の承認薬ライブラリーを使ったスクリーニング実験もあり,1,100の承認薬のうち,周期長に影響するものが5%(59個;伸ばすものが46個,縮めるものが13個)見つかったことを報告している(13)13) T. K. Tamai, Y. Nakane, W. Ota, A. Kobayashi, M. Ishiguro, N. Kadofusa, K. Ikegami, K. Yagita, Y. Shigeyoshi, M. Sudo et al.: EMBO Mol. Med., 10, (2018)..そのなかで周期長を短縮させた,デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)については,マウスの飼料に0.5~1.0%混ぜて摂取させることで,実際に行動リズムの周期長が短縮されることを確認している.ちなみに,DHEAはサプリメントとして入手できる国もある.

また,概日時計自体を標的とした化合物のみならず,時計のネットワークを標的として作用する化合物もある.視交叉上核の中枢時計は,数万個の細胞によって構成されているが,頑強なネットワークを築いていることが知られている.すなわち,個々の細胞のリズムが他の細胞のリズムと相互作用することで,協調した大きなリズム体を形成している.一般的には光の刺激が視交叉上核の時計をリセットするが,明暗サイクルの変化に対して,元のリズム位相を守る力が働き,すぐには新しいリズムにリセットされないことが時差ボケの一因であると考えられている.そこで,このネットワークの同調シグナルとして働いているアルギニンバソプレッシン(AVP)の受容体の阻害剤を投与することにより,マウスの時差ボケがほとんど起こらないことが明らかになっている(14)14) Y. Yamaguchi, T. Suzuki, Y. Mizoro, H. Kori, K. Okada, Y. Chen, J. M. Fustin, F. Yamazaki, N. Mizuguchi, J. Zhang et al.: Science, 342, 85 (2013).

同様の考え方を末梢時計ネットワークに拡張すると,位相の同調は細胞間の直接的な連絡というより,インスリンやグルココルチコイド,体温変化,酸素濃度変化などのリズムに個々の細胞が合わせるようにして同期している.したがって,これらのシグナル経路を模倣するような化合物により,末梢時計を調節・制御することが可能である(図3図3■体内時計の調節標的).このように,概日時計を調節する化合物は多数存在しており,ケミカルスクリーニングは概日時計の分子メカニズムの理解や制御の仕組みについてさまざまな知見を提供してくれている.なお,上記のスクリーニングでは,概日時計の機能を変化させる化合物の探索を目的としていることから,周期長や振幅が注目されているが,概日時計の位相を調節するという観点からは,フォルスコリンのように位相を一過的に変化させる化合物でも十分である.その点では,たとえばcAMPのシグナルを回すことにより,時計遺伝子の一過的誘導を促すものも標的となりうるし,細胞内NAD経路,ペントースリン酸回路,活性酸素に関連したNRF2のシグナル経路,あるいは,低酸素と関連したHIF-1のシグナル経路なども概日時計に作用することが報告されている(5, 15)5) Y. Adamovich, B. Ladeuix, M. Golik, M. P. Koeners & G. Asher: Cell Metab., 25, 93 (2017).15) G. Rey, U. K. Valekunja, K. A. Feeney, L. Wulund, N. B. Milev, A. Stangherlin, L. Ansel-Bollepalli, V. Velagapudi, J. S. O’Neill & A. B. Reddy: Cell Metab., 24, 462 (2016)..既存の報告よりも,ずっと多くの化合物が位相調節作用を有するはずであり,食品成分への応用展開も現実的である(図3図3■体内時計の調節標的).

図3■体内時計の調節標的

体内時計を動かす食品成分(in vitro

それでは,実際に食品に含まれる成分について解説する.筆者は,その観点からポリフェノールや香辛料成分など,手当たり次第,培養細胞に添加して調べたことがある.その中で,レスベラトロールが時計遺伝子の発現を一過的に変化させ,時計位相を変化させることを見いだした(16)16) H. Oike & M. Kobori: Biosci. Biotechnol. Biochem., 72, 3038 (2008)..これは,機能性食品成分によって体内時計を調節できるかもしれないというコンセプトの研究としては,世界で最初期の論文である.その後,フラボノイド類には体内時計の位相変化や周期長を伸長させるものが多くあることが明らかとなった(17, 18)17) H. Oike: Biosci. Biotechnol. Biochem., 81, 863 (2017).18) A. Shinozaki, K. Misawa, Y. Ikeda, A. Haraguchi, M. Kamagata, Y. Tahara & S. Shibata: PLOS ONE, 12, e0170904 (2017)..少なくとも培養細胞レベルでは,これらの食品成分の添加により,時計位相をコントロールすることは可能である(図4図4■培養細胞における概日時計の制御).また,フラボノイドなどによるエネルギー代謝調節作用について,時計遺伝子を介した作用の存在が明らかになりつつある(19)19) T. Xu & B. Lu: Crit. Rev. Food Sci. Nutr., 59, 882 (2019).

図4■培養細胞における概日時計の制御

時計遺伝子Per2のプロモーターにルシフェラーゼをつなげたPer2-lucレポーターを発現させ,U2OS細胞(ヒト)あるいは3T3細胞(マウス)の培養リズムを可視化.矢印のタイミングでトリテルペノイドであるコロソリン酸(A, B),あるいは,セラストロール(C, D)を添加した例.細胞への添加タイミングにより,位相を前進(A),あるいは,後退(B)させることができる.セラストロールはPer2の概日リズムの振幅を増加させ,周期長を短縮させる(C).個々の細胞の時計が同期せずにバラバラでリズムを打ち消し合っている状態(乱れた生活習慣を模倣)に,コロソリン酸やセラストロールなどの時計をリセットする成分を添加すると,細胞の時計が同期し,全体の概日リズムが回復する(D).

さらに,最近,筆者らは,トリテルペノイドの中に,体内時計の調節作用が非常に強いものがあることを見いだした(20)20) C. Suzuki, S. Fukumitsu & H. Oike: Phytochem., 181, 112539 (2020)..トリテルペノイドは植物などに広く含まれている化合物で,多彩な構造とさまざまな生理活性が知られている.一般的には,抗炎症作用を有するものが多く,食用や薬用植物として利用されているものも多い.たとえば,バナバの葉に含まれるコロソリン酸は,インスリン様の血糖上昇抑制作用が知られており,古くからバナバ茶として糖尿病の民間療法に使われてきた.最近では,機能性表示食品としても利用されている.また,甘草に含まれるグリチルレチン酸は,抗炎症薬として利用されている.また,オリーブなどに多く含まれるマスリン酸は,関節炎予防効果などが報告されており,やはり,機能性表示食品としても利用されている.われわれはこれらの化合物を培養細胞に添加し,概日時計の変化を解析した.すると,コロソリン酸のみで特異的に概日時計の位相シフト作用が確認された.さらに,構造が大きく異なるトリテルペノイドも含めて15種類の化合物について試験したところ,ククルビタシンBとセラストロールについても位相シフト作用を確認した.コロソリン酸の有効濃度は5 μM程度,セラストロールは0.5 μM程度,ククルビタシンBは0.1 μM程度であり,これまでのフラボノイド類による作用の報告濃度(10~200 μM程度)と比較すると,かなり低濃度で作用することがわかる.実際に,これらの化合物を利用し,培養細胞の概日時計の位相を前後に調節することが可能であるし(図4A–B図4■培養細胞における概日時計の制御),個々の細胞の時計が同期せずに打ち消し合って全体としてのリズムが検出できない状態(体内時差ボケのモデル)に,これらの化合物を添加すると,時計の位相がリセットされて同期し,全体としての概日リズムを回復させることもできる(図4D図4■培養細胞における概日時計の制御).さらに,セラストロールに関しては,Per2の発現リズムの振幅を増加させる作用と,周期長を短縮させる作用も確認された(図4C図4■培養細胞における概日時計の制御).薬理化合物ライブラリーのスクリーニングにおいても,概日時計を短縮させる化合物の報告は数えるほどしかなかったことから,貴重な活性を有する化合物である.実際,この一連の試験で27種類のトリテルペノイドを試験したが,周期長を短縮させたのは,セラストロールのみであった.また,セラストロールには,レプチン感受性を回復させる作用や,メダカの冬季うつ様行動を抑制する作用も報告されており,概日時計との関連も含めて非常に興味深い化合物である(21, 22)21) J. Liu, J. Lee, M. A. Salazar Hernandez, R. Mazitschek & U. Ozcan: Cell, 161, 999 (2015).22) T. Nakayama, K. Okimura, J. Shen, Y. J. Guh, T. K. Tamai, A. Shimada, S. Minou, Y. Okushi, T. Shimmura, Y. Furukawa et al.: Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 117, 9594 (2020)..ただし,生薬として使われる薬用植物には含まれているが,食経験は十分ではないと考えられることから,食品よりも医薬品としての応用が期待される.

体内時計を動かす食品成分(in vivo

われわれは,カフェインが培養細胞の時計周期長を伸長することを見いだし,実際に,マウスにカフェイン溶液や市販のインスタントコーヒーを飲用させると,活動リズムの周期長が伸長することを明らかにした(23)23) H. Oike, M. Kobori, T. Suzuki & N. Ishida: Biochem. Biophys. Res. Commun., 410, 654 (2011)..その後,他の研究グループがヒトにおける効果も検証し,エスプレッソ2杯分のカフェイン摂取により,メラトニンの分泌開始時刻が遅くなることから,やはり体内時計に作用することが示唆されている(24)24) T. M. Burke, R. R. Markwald, A. W. McHill, E. D. Chinoy, J. A. Snider, S. C. Bessman, C. M. Jung, J. S. O’Neill & K. P. Wright Jr.: Sci. Transl. Med., 7, 305ra146 (2015)..また,シナモンに含まれるケイヒ酸は,カフェインとは反対に,体内時計の周期長を短縮させることが明らかになっている(25)25) K. Oishi, S. Yamamoto, H. Oike, N. Ohkura & M. Taniguchi: Biochem. Biophys. Rep., 9, 232 (2017)..マウスの培養神経細胞において概日時計の周期長を短縮し,マウスへの継続投与により概日活動周期長が短縮する.

栄養成分という観点に広げると,高脂肪食(26)26) A. Kohsaka, A. D. Laposky, K. M. Ramsey, C. Estrada, C. Joshu, Y. Kobayashi, F. W. Turek & J. Bass: Cell Metab., 6, 414 (2007).,高食塩食(27)27) H. Oike, K. Nagai, T. Fukushima, N. Ishida & M. Kobori: Biochem. Biophys. Res. Commun., 402, 7 (2010).,あるいは,スターチの消化性(28)28) M. Itokawa, A. Hirao, H. Nagahama, M. Otsuka, T. Ohtsu, N. Furutani, K. Hirao, T. Hatta & S. Shibata: Nutr. Res., 33, 109 (2013).なども体内時計に影響することが明らかになっている(29)29) H. Oike, K. Oishi & M. Kobori: Curr. Nutr. Rep., 3, 204 (2014)..マウスに高脂肪食を摂取させておくと,明暗の摂餌リズムが減衰する.通常,マウスは夜行性であるため,1日の食餌の8割ほどを暗期に摂食するが,高脂肪食の場合,この夜行性の割合が減弱する(本来は寝ている時間帯に起きて摂食する割合が増加する).この実験を明暗周期がない恒暗条件で実施すると,活動リズムの周期長が伸長する.つまり,中枢時計が伸長していると考えられる.高脂肪食が中枢の概日時計を引き伸ばすことは,摂食行動やエネルギー代謝の調節とも関連しており,この部分を標的とした時間栄養学的な肥満予防戦略も報告されている.一つは,食事時刻を活動期のみに制限する時間制限給餌である.マウスに高脂肪食を自由に与えると,体重はどんどん増加するが,活動期の8~12時間に制限して与えた場合では,摂餌量は減らずに体重増加が抑制される(30, 31)30) M. Hatori, C. Vollmers, A. Zarrinpar, L. DiTacchio, E. A. Bushong, S. Gill, M. Leblanc, A. Chaix, M. Joens, J. A. Fitzpatrick et al.: Cell Metab., 15, 848 (2012).31) A. Chaix, A. Zarrinpar, P. Miu & S. Panda: Cell Metab., 20, 991 (2014)..また,フラボノイドのノビレチンは,概日時計の振幅を増強することにより,高脂肪食による肥満を抑制している可能性が示唆されている(32)32) B. He, K. Nohara, N. Park, Y. S. Park, B. Guillory, Z. Zhao, J. M. Garcia, N. Koike, C. C. Lee, J. S. Takahashi et al.: Cell Metab., 23, 610 (2016).

高食塩食の場合,行動周期長には影響を与えないが,末梢時計の位相が前進する.これは,小腸における糖やアミノ酸の吸収に,ナトリウム共輸送体が関与しており,高食塩食によって栄養の吸収が促進したことが理由であると考えられる(27)27) H. Oike, K. Nagai, T. Fukushima, N. Ishida & M. Kobori: Biochem. Biophys. Res. Commun., 402, 7 (2010)..実際,通常食と高食塩食を食べさせた場合の食後血糖を比較すると,高食塩食の方が急激に上昇する.つまり,栄養成分のシグナルが強く入ることで,食事による末梢時計の位相調節が強くかかるものと考えられる.これは,消化性の良いスターチでも同様である.消化性の異なるスターチを使用した餌を与え,マウスの食餌スケジュールをシフトさせた際に,新しい食餌スケジュールに対する末梢時計の同調速度を比較した実験がある.その結果,消化性の良いスターチの方が,時計位相を動かす作用が強いことが明らかになっている(28)28) M. Itokawa, A. Hirao, H. Nagahama, M. Otsuka, T. Ohtsu, N. Furutani, K. Hirao, T. Hatta & S. Shibata: Nutr. Res., 33, 109 (2013)..さらに関連して,魚油を含む食餌でも同様の効果が示されている(33)33) A. Furutani, Y. Ikeda, M. Itokawa, H. Nagahama, T. Ohtsu, N. Furutani, M. Kamagata, Z. H. Yang, A. Hirasawa, Y. Tahara et al.: PLOS ONE, 10, e0132472 (2015)..この場合は,小腸のGPR40を介してインスリンの分泌が亢進することが理由である.つまり,食後の栄養(インスリン)シグナルを強く稼働させるような食事/食品成分が,末梢時計のリセットを強くかけるということである.もう一つ補足すると,栄養バランスも大きな因子となる.炭水化物(糖)のみの食事よりもタンパク質(アミノ酸)を一緒に摂ることで,末梢時計のリセットが強くかかることが明らかになっている(34, 35)34) H. Oike, K. Nagai, T. Fukushima, N. Ishida & M. Kobori: PLoS ONE, 6, e23709 (2011).35) A. Hirao, Y. Tahara, I. Kimura & S. Shibata: PLoS ONE, 4, e6909 (2009).

睡眠に影響する食品成分

体内時計を正常化させるアウトプットとして,最も期待できるのは,睡眠や日中のパフォーマンスが良好になることである.機能性表示食品の中には,睡眠の質の改善をうたうものがあり,機能性関与成分の多くがアミノ酸(L-テアニン,L-セリン,L-オルニチン,グリシン,ルテイン,GABA)である.グリシンの作用機序については,動物試験から,中枢時計を介した体温低下作用によるものであることが明らかにされている(36)36) N. Kawai, N. Sakai, M. Okuro, S. Karakawa, Y. Tsuneyoshi, N. Kawasaki, T. Takeda, M. Bannai & S. Nishino: Neuropsychopharmacology, 40, 1405 (2015)..セリンやオルニチンについても,メラトニンの分泌開始時刻や光による位相調節に影響することから,やはり,中枢時計に作用していることが示唆される(37, 38)37) T. Fukuda, A. Haraguchi, M. Takahashi, T. Nakaoka, M. Fukazawa, J. Okubo, M. Ozaki, A. Kanatome, R. Ohya, Y. Miura et al.: Chronobiol. Int., 35, 1445 (2018).38) S. Yasuo, A. Iwamoto, S. I. Lee, S. Ochiai, R. Hitachi, S. Shibata, N. Uotsu, C. Tarumizu, S. Matsuoka, M. Furuse et al.: J. Nutr., 147, 2347 (2017)..また,体温制御の観点から,体内の水分(塩濃度)調節が中枢時計を介した機能であることが最近明らかにされ,マウスに高張液を注射することで,中枢時計を介した体温低下を誘導できることが示されている(39)39) C. Gizowski & C. W. Bourque: Nature, 583, 421 (2020)..このように,中枢時計やその出力経路に作用するシグナルを標的とすることで,体温制御や,睡眠・パフォーマンスの改善につながる食品開発が見えてくる.

実験結果を左右する時間と,時計を知るためのツール

ここまで体内時計とその調節法について述べてきたが,最後に,興味はあるけど自身の研究に取り入れるのは難しいと考えている研究者に,そのハードルを下げてくれるようなツールを紹介する.まずは,自身が扱っている遺伝子,タンパク質,代謝物等が,生体内(培養細胞内)で概日変動する分子なのかどうかは気になると思う.かといって,実際に時間を変えて昼夜のサンプリングをするのは面倒である.じつは,時系列に沿ったサンプルのマイクロアレイ,プロテオーム,メタボロームのデータなどが収録されたデータベースは既にあり(CircadiOmics; http://circadiomics.igb.uci.edu/)(40)40) N. Ceglia, Y. Liu, S. Chen, F. Agostinelli, K. Eckel-Mahan, P. Sassone-Corsi & P. Baldi: Nucleic Acids Res., 46(W1), W157 (2018).,調べればその分子が概日変動するのかはすぐにわかる.図1図1■時計遺伝子によるフィードバックループと下流の転写制御PPARαとPdk4の肝臓における日周発現リズムのデータも,CircaDB(http://circadb.hogeneschlab.org/)(41)41) A. Pizarro, K. Hayer, N. F. Lahens & J. B. Hogenesch: Nucleic Acids Res., 41(D1), D1009 (2013).で検索したものである.このような分子を扱っている人は,実験する時刻にも最適な時刻とそうでない時刻があることを意識すると,研究結果の進展や解釈が劇的に変わる場合がある.このような日周変動は動物実験では特に顕著であるが,培養細胞でも気をつける必要がある(コラム参照).まずは自身が使っている細胞で概日リズムがあるのかは,“circadian”というキーワードとともに論文検索すればだいたいわかると思う.概日時計がきっちりしている細胞であれば,いつも同じ時刻に実験をすることで,安定した実験結果が得られる可能性が高い.反対に,培地交換や継代作業も含めて,朝に実験したり夜に実験したりという不規則な習慣の人は,実験結果に再現性が取れない理由がそこにあるかもしれない.また,細胞の時計リズムを知りたいときは,ルシフェラーゼレポーターを使うと手軽である.たとえば,Per2Bmal1のプロモーターにルシフェラーゼを結合させたレポーターを発現させ(一過性で構わない),培養しながら経時的に発光を検出すれば,綺麗な概日リズムが見えるはずである(図4図4■培養細胞における概日時計の制御).レポータープラスミドは,論文を見て自作しても良いし,Addgeneや近くの時計研究者などからも容易に入手できる.動物実験の場合は,上述のとおり,給餌時刻や活動時刻,注射などのストレス刺激によって末梢時計は変化する.やはり,結果を安定させるためには,毎日,規則正しく同じ時刻に同じ作業をすることが重要である.理想的には,マウスの活動リズムや体温リズムなどを常にモニタリングしておきたいところである.

さらに,最近では,機能性食品の効果にも時刻依存性が報告されてきており,動物への投与時刻が実験の成否を分けることもある.たとえば,魚油による中性脂肪の低減効果は,朝食での効果は夕食への効果よりも高い(42)42) K. Oishi, T. Konishi, C. Hashimoto, S. Yamamoto, Y. Takahashi & Y. Shiina: J. Nutr. Biochem., 52, 45 (2018)..あるいは,リコピンの吸収は朝が高いし(43)43) 青木雄大,吉田和敬,信田幸大,砂堀 諭,西田由香,加藤秀夫,菅沼大行:日本栄養・食糧学会誌,70, 147 (2017).,セサミンによるコレステロール代謝改善作用も,朝食での効果が高い(44)44) N. Tateishi, S. Morita, I. Yamazaki, H. Okumura, M. Kominami, S. Akazawa, A. Funaki, N. Tomimori, T. Rogi, H. Shibata et al.: Chronobiol. Int., 37, 493 (2020)..反対に,ゴボウが腸内細菌の多様性に与える効果は夕食が高い(45)45) A. Watanabe, H. Sasaki, H. Miyakawa, Y. Nakayama, Y. Lyu & S. Shibata: Microorganisms, 8, (2020)..このように,食品機能性研究においても時刻情報は重要な因子となってきており,自身の研究に一つ違う切り口を与えてくれるかもしれない.時間栄養学の教科書もこれまでに何冊か出版されており(46~48)46) 柴田重信:“時間栄養学:時計遺伝子,体内時計,食生活をつなぐ”,化学同人,2020.47) 柴田重信:“体内時計の科学と産業応用=Chronobiology & industrial applications”,シーエムシー出版,2011.48) 香川靖雄,柴田重信,小田裕昭:“時間栄養学:時計遺伝子と食事のリズム”,女子栄養大学出版部,2009.,また,2014年に始まった時間栄養科学研究会も,本年から,日本時間栄養学会に発展している(農芸化学会員も多数在籍している).研究者のみならず,栄養士やヘルスケア関連企業,アプリへの応用などにも広がりを見せており,生活に密接した研究領域として定着しつつある.

Reference

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