解説

植物由来の核酸結合モジュール,PPRタンパク質を利用したDNA/RNA編集技術の開発新たなDNA/RNA制御技術基盤の確立に向けて

The Development of DNA/RNA-Editing Technology Using PPR Protein, a Plant Specific Nucleotide Binding Module: Establishment of a New DNA/RNA Engineering Platform

Taizo Tamura

田村 泰造

九州大学農学研究院

Takahiro Nakamura

中村 崇裕

九州大学農学研究院

Published: 2021-03-01

標的遺伝子を配列特異的に捕捉する核酸結合モジュールは,近年開発が進む遺伝子操作技術の根幹をなす重要な基盤技術であり,新たなモジュールの登場は技術開発レベルを加速させ,革新的な新規技術体系を生み出す原動力となっている.本稿では植物由来の新規モジュール,PPRタンパク質を用いた核酸代謝制御ツールの開発について紹介する.PPRタンパク質は真核生物においてDNA/RNAを対象とする多様な核酸代謝に寄与しており,核酸代謝制御ツールへの利用に高い潜在性を有する.また,従来の核酸結合モジュールにない特性を備えもつことから,現行の遺伝子制御技術をさらに発展させる革新的な基盤技術となることが期待される.

Key words: PPRタンパク質; DNA/RNA編集ツール; カスタムDNA/RNA結合タンパク質; 遺伝子操作技術; 遺伝子治療薬・バイオマス生産技術

はじめに

多様な核酸代謝機構(転写,RNAプロセシング,翻訳など)の人為的操作を目的とした核酸代謝制御ツールの開発において,標的とする核酸(DNA/RNA)を配列特異的に認識し捕捉する核酸結合モジュールの開発は重要な基盤技術である.CRISPR(Clustered regularly interspaced short palindromic repeats)やTALE(Transcription activator-like effector),ZF(Zinc-Finger)に代表される標的配列に合わせて結合能力を最適化できる核酸結合モジュールの登場は核酸代謝制御ツールの開発を加速させ,すでに多くの分野において功績を残している.特に,ゲノム編集技術の発展は著しく,従来法で必要とされる二本鎖DNAの切断を介さない新たな技術体系(Target-AID, Base-Editing, Prime Editingなど)への発展を遂げており(1~3)1) K. Nishida, T. Arazoe, N. Yachie, S. Banno, M. Kakimoto, M. Tabata, M. Mochizuki, A. Miyabi, M. Araki, K. Y. Hara et al.: Science, 102, 553 (2016).2) A. C. Komor, Y. B. Kim, M. S. Packer, J. A. Zuris & D. R. Liu: Nature, 61, 5985 (2016).3) A. V. Anzalone, P. B. Randolph, J. R. Davis, A. A. Sousa, L. W. Koblan, J. M. Levy, P. J. Chen, C. Wilson, G. A. Newby, A. Raguram et al.: Nature, 576, 149 (2019).,基礎・応用科学研究領域にとどまらず再生医療や遺伝子治療,有用物質生産などの幅広い産業分野へと急速に発展・普及し続けている.

一方で,RNAを標的とする技術開発においても,CRISPR-Cas13などに代表される核酸結合モジュールを用いた代謝制御技術の開発が進められている.RNA代謝制御ツールの開発はいまだ基礎科学レベルの課題が残されているが,ゲノムDNAを標的とする従来のゲノム操作技術と異なり,DNA配列への意図しない変異導入(オフターゲット)のリスクが低いことからバイオ医薬品としての利用に期待がもたれている.また転写後修飾全般を理論上操作可能とするため,合成生物学に基づく遺伝子制御技術の幅を大きく発展させることが期待される.これら生物が備えもつ潜在的な生理機能を利用した核酸代謝制御ツールは今後さまざまな分野において必要不可欠な技術として展開されることが期待される.一方で,オフターゲットの軽減やデリバリーシステムの構築,代謝制御機能のさらなる増強や利用域の拡大など,取り組むべき課題は多く,これらの問題解決に向けた継続的な技術改良や新規技術体系の創出が必要とされる.当研究グループでは核酸代謝制御ツールへの利用可能な新規核酸(DNA/RNA)結合モジュールとして,Pentatricopeptide repeat(PPR)タンパク質に着目し,これを用いた核酸代謝制御ツールの開発に取り組んでいる.PPRタンパク質はヒトを含め真核生物に広く保存されたタンパク質群であり,DNA結合型PPRとRNA結合型PPRの2分子種が存在する.標的核酸に対する結合能力を最適化する技術が確立され,標的に対し配列特異的に結合する核酸結合ドメインを人工合成することが可能となった.また,PPRタンパク質は生体内において幅広い核酸代謝制御に直接的/間接的に寄与しており,核酸代謝制御ツールへの利用に高い潜在性をもつことが期待され,先行する従来技術を補完,あるいは更なる発展を助長する新規制御ツールとして活躍することが期待される.

PPRタンパク質

PPRタンパク質はPPRモチーフを構成要素にもつタンパク質群の総称である(4)4) I. D. Small & N. Peeters: Trends Biochem. Sci., 25, 46 (2000).PPR遺伝子はヒトや植物,酵母などの真核生物において進化・拡大した遺伝子群とされ,特に維管束植物において巨大な遺伝子ファミリーを形成する(5)5) C. Lurin, C. Andrés, S. Aubourg, M. Bellaoui, F. Bitton, C. Bruyère, M. Caboche, C. Debast, J. Gualberto, B. Hoffmann et al.: Plant Cell, 16, 2089 (2004)..PPRタンパク質の機能・構造的特徴の解明はモデル植物シロイヌナズナを中心に進められ,これまでに同定された450種のPPRタンパク質の内9割はRNA結合型PPRであり,DNA結合型PPRの同定は今のところ報告数は少ない.PPR遺伝子はすべて核にコードされているが,その転写産物の多くはミトコンドリアや葉緑体などのオルガネラに局在しており,多様な核酸代謝制御(RNA分解/安定化,転写,スプライシング,翻訳など)に寄与している(6)6) A. Barkan & I. D. Small: Annu. Rev. Plant Biol., 65, 415 (2014)..遺伝子間の機能冗長性は無く,半数は生存に必須な遺伝子と予測され,単独での遺伝子欠損でも表現型に大きな影響を与えることから,PPRタンパク質は機能多様化の方向に進化してきたと考えられている.PPRタンパク質と核酸との結合はPPRモチーフのリピート構造で形成される核酸結合ドメインを介して行われる(図1図1■PPRタンパク質の分子機能).植物由来の多くのPPRタンパク質は核酸結合ドメインのみで構成され,核酸代謝に寄与する典型的な活性ドメインなどは見いだされない.そのため,その分子実体はそれぞれ異なるオルガネラDNA/RNAに直接結合し,核酸代謝にかかわる制御因子群を標的DNA/RNA領域に誘導するアダプタータンパク質であると考えられた(7)7) T. Nakamura, Y. Yagi & K. Kobayashi: Plant Cell Physiol., 53, 1171 (2012)..PPRタンパク質に見られるDNA/RNA双方を標的としつつ,特定の標的核酸を的確に認識する能力は従来の核酸結合モジュールにはない特筆すべき優れた特性である.

図1■PPRタンパク質の分子機能

モデル植物シロイヌナズナから同定されたPPRタンパク質の多くは核酸結合ドメインのみで構成され,標的核酸配列に直接的に結合し,DNA/RNA代謝活性に寄与する制御因子をリクルートするためのアダプターとして機能すると考えられている(左図).一方で,核酸結合ドメインの末端に代謝活性ドメインをもつものも同定されており,これらは直接的に標的核酸に結合し,代謝活性を発揮する(右図).

PPRタンパク質の構造的特徴と核酸認識機構について

PPRタンパク質はアミノ酸配列の保存性や三次構造の特徴から,35アミノ酸で構成されるP-type, 35-36アミノ酸で構成されるPPR-like Long(L)-type, 31-32アミノ酸で構成されるPPR-like Short(S)-typeに大別される.これらすべてのPPRモチーフは1モチーフ1塩基認識のルールに従い特定の核酸塩基と結合する能力を有する.天然に存在するPPRタンパク質は2–30個のPPRモチーフで構成された核酸結合ドメインをもつものが多く,モチーフ数に応じてさまざまな長さの塩基配列と結合する.

PPRタンパク質は,N末端の核酸結合ドメインとC末端の高次構造の違いからさらに細かく10種に分類されるが,核酸結合ドメインの構造の違いのみに着目した場合,P型サブファミリーと,PLS型サブファミリーの2つに大別される(詳細は引用文献8を参照).P型サブファミリーに属するPPRタンパク質は核酸結合ドメインがP-typeモチーフのリピート構造によって構築され,RNA安定性や翻訳開始誘導,スプライシング制御に寄与するものが多く報告されている.PLS型サブファミリーは,P-type, L-type, S-typeモチーフのリピート構造からなる核酸結合ドメインをもち,さらにC末端にE(Extension)ドメイン,およびDYW(C末端にアスパラギン酸(D),チロシン(Y),トリプトファン(W)が良く保存された構造)ドメインをもつことが多く,このドメインをもつRNA結合型PPRの多くは植物オルガネラのRNA編集(CからUへの変換)に寄与する.植物種のなかでもそれぞれのサブファミリーで機能面の多様化が進んでいるが,P型/PLS型PPRタンパク質ともに,植物に限らず動物培養細胞や大腸菌において機能的なタンパク質を安定して高発現させることが可能であり,PPR由来の核酸代謝制御ツールにはP型およびPLS型の核酸結合ドメインが用いられている.

PPRタンパク質の核酸認識機構について

PPRタンパク質の核酸認識機構に関する研究は,現在までに同定されたシロイヌナズナPPRタンパク質の多くがRNA結合型PPRであることから,主にPPRタンパク質とRNA塩基間の認識機構の解明が先行して進められてきた.PPRタンパク質の核酸結合ドメインはPPRモチーフのリピート構造から構成され,個々の塩基種の認識はPPRモチーフ内の特定のアミノ酸の組み合わせにより決定される.当研究グループを含め国内外の複数の機関により認識機構の解明が行われ,それぞれの研究グループごとにアミノ酸番号の定義に違いがあるものの,PPRモチーフ内の2カ所のアミノ酸の組み合わせが個々の塩基種の認識に寄与するという結論に至っている(9~11)9) P. Yin, Q. Li, C. Yan, Y. Liu, J. Liu, F. Yu, Z. Wang, J. Long, J. He, H. W. Wang et al.: Nature, 504, 168 (2013).10) A. Barkan, M. Rojas, S. Fujii, A. Yap, Y. S. Chong, C. S. Bond & I. D. Small: PLOS Genet., 8, e1002910 (2012).11) Y. Yagi, S. Hayashi, K. Kobayashi, T. Hirayama & T. Nakamura: PLOS ONE, 8, e57286 (2013).図2図2■PPRタンパク質による核酸塩基認識).当研究グループでは独自に行ったインフォマティクス解析および生化学的解析から,塩基認識に寄与するアミノ酸をさらに一つ特定しており,PPRモチーフ内の3カ所のアミノ酸の組み合わせが塩基種の認識を担う結合モデルを提唱している(11)11) Y. Yagi, S. Hayashi, K. Kobayashi, T. Hirayama & T. Nakamura: PLOS ONE, 8, e57286 (2013).

図2■PPRタンパク質による核酸塩基認識

PPRタンパク質の核酸結合ドメインはPPRモチーフのリピート構造で構成され,塩基の認識はモチーフ内の特定のアミノ酸の組み合わせ(PPRコード)で規定される.複数の研究グループによりPPRコードが解明され,それぞれアミノ酸番号の定義が異なるが,モチーフ内の2つのアミノ酸が塩基認識に寄与するという共通した結論に至っている(グレー表記).当研究グループの先行研究(Yagi et al., 2015)では3つのアミノ酸(1, 4, ii)の組み合わせが塩基認識を規定するモデルを提唱している.

これら3カ所のアミノ酸の組み合わせはコード化された分子機構(PPRコード)に従って結合する塩基種が決定されることも明らかになり,PPRコードを利用して標的RNAの塩基配列に対応する各種PPRモチーフを連結することで標的RNAと特異的に結合するRNA結合タンパク質を合成する技術が確立された.3カ所のアミノ酸は一次配列上では離れているが,三次構造上では空間的に隣接し,塩基認識に寄与すると考えられている(9)9) P. Yin, Q. Li, C. Yan, Y. Liu, J. Liu, F. Yu, Z. Wang, J. Long, J. He, H. W. Wang et al.: Nature, 504, 168 (2013).図3図3■PPRコードに該当するアミノ酸は三次構造上では互いに隣接して配置され,3つのアミノ酸の組み合わせによって特定の1塩基と相互作用する).

図3■PPRコードに該当するアミノ酸は三次構造上では互いに隣接して配置され,3つのアミノ酸の組み合わせによって特定の1塩基と相互作用する

DNA結合型PPRについても,PPRコードに従って標的DNAと結合することが明らかになっている.Spåhr et al. (2018)はRNA結合型PPRのPPRコードに基づき,標的DNAと特異的に結合するPPRタンパク質を合成し,種々のDNA結合解析とPPR-DNA複合体の結晶構造解析から,合成したPPR由来のDNA結合タンパク質は二本鎖DNAに対しても結合能力を有するが,一本鎖DNAと優先的に結合することを明らかにした.さらに,DNA/RNA結合型PPR間でPPRコードが類似していることも明らかにした(12)12) H. Spåhr, T. Chia, J. P. Lingford, S. J. Siira, S. B. Cohen, A. Filipovska & O. Rackham: Nat. Commun., 9, 2212 (2018)..現在利用されているゲノム編集ツールが標的とするゲノムDNA領域はDNA複製過程における一本鎖化したDNAであることが想定されていることから,一本鎖DNAに対し高い結合能力を示すDNA結合型PPRの特性は,ゲノム編集ツールに利用可能なDNA結合ドメインとして十分な機能を備えていると期待される.

PPRタンパク質を用いた核酸代謝制御

PPR由来の核酸代謝制御ツールの開発は主にRNA代謝制御を中心に進められているが,いまだ検証例は限られた標的遺伝子を対象とする基礎科学研究にとどまる.多くはRNA代謝制御に寄与しているPPRタンパク質を単離・合成し,異種生物細胞に再導入して制御因子としての生理機能を模倣したものが多い.

従来広く用いられている外来遺伝子の高発現システムは宿主に負荷を与え,結果的に物質生産量の低下を招くことがしばしばある.そのため,宿主の生育状況に応じて外来遺伝子の発現を制御するスイッチ機構の最適化が課題となっている.Rojas et al. (2019)はPPRタンパク質を外来遺伝子の発現を制御するスイッチ因子として利用し,宿主への負荷を抑えつつ,物質生産効率を亢進させる技術開発に成功した(13)13) M. Rojas, Q. Yu, R. Wiliams-Carrier, P. Maliga & A. Barkan: Nat. Plants, 5, 505 (2019)..トウモロコシ(maize)PPR10タンパク質はmaize atpH遺伝子mRNAの5′UTR領域に結合することでエキソリボヌクレアーゼによるatpH mRNAの分解を抑制し,同領域に共在するリボソーム結合サイトのRNA構造を再編成することでatpH mRNAの翻訳を促進する(14)14) J. Prikryl, M. Rojas, G. Schuster & A. Barkan: Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 108, 415 (2011)..これに基づき,Rojasらはmaize atpH 5′UTR領域下にGFP遺伝子をつなげたレポーター遺伝子(atpH 5′UTR::GFP)とmaize PPR10遺伝子をタバコ葉緑体に導入し,maize PPR10タンパク質依存的にGFPタンパク質の発現量が上昇することを確認した.続けて,atpH 5’UTR内のPPR10結合サイトに塩基置換を施したレポーター遺伝子(変異型atpH 5′UTR::GFP)と, PPRコードに従って変異型atpH 5′UTR::GFPを認識するように最適化した改変型maize PPR10遺伝子をタバコ葉緑体に発現させたところ,改変型maize PPR10タンパク質依存的なGFPタンパク質の発現上昇が確認された.一連の実験を通し,Rojasらはmaize PPRタンパク質の生理機能を利用することで,異種植物オルガネラにおける外来遺伝子mRNAの安定化,それに続く翻訳の活性化を誘導する技術を開発できることを示した.また,PPRコードにしたがってPPRタンパク質の標的認識機構を自在に変更可能であることをin vivoで証明した.

C末端にDYWドメインを有するPLS型PPR(DYW-type PPR)タンパク質の多くはC-to-U型デアミナーゼ活性をもっており,オルガネラでのRNA編集に寄与することが示唆されてきたが,一連の編集過程がPPRタンパク質単独の活性によるものかは明らかになっていなかった.Oldenkott et al. (2019)はヒメツリガネゴケ(P. patens)ミトコンドリアRNA, ccmFCeU103PSのC-to-U型RNA編集に寄与するDYW-type PPRタンパク質PPR65を同定した(15)15) B. Oldenkott, Y. Yang, E. Lesch, V. Knoop & M. Schallenberg-Rüdinger: Commun. Biol., 2, 1 (2019).P. patens PPR65遺伝子とccmFCeU103PS遺伝子を大腸菌Escherichia coliE. coli)に導入し,PPR65タンパク質が単独でccmFCeU103PSのRNA編集活性を示すことを明らかにした.さらに,Hayes and Santibanez (2020)はP. patens PPR65タンパク質によるccmFCeU103PSのRNA編集を試験管内で再現することに成功し,PPR65タンパク質のDYWドメインがZn依存型デアミナーゼであることも明らかにした(16)16) M. L. Hayes & M. L. Santibanez: J. Biol. Chem., 295, 3497 (2020)..デアミナーゼ活性を有するタンパク質ドメインはDNA切断を必要としないゲノム塩基編集技術への転用が注目されており,従来法の課題であったDNA切断修復に伴うindel変異のリスクを回避する技術として医療分野への活用が期待されている.CRISPR-Casに対しデアミナーゼ活性ドメインをつなげたツール開発が進められているが,DYW-type PPRタンパク質はPPRコードに従って標的DNA(RNA)配列への結合能力を最適化するだけで,多様な標的へのRNA/DNA編集活性を発揮すると期待される.

現行のPPR由来の核酸代謝制御ツール開発はdCas9やCRISPER-Cas13あるいはTALENなどと同様に,核酸結合ドメインと核酸代謝制御因子の活性ドメインを連結した融合タンパク質を作成し,特定の標的核酸上に代謝活性ドメインを局在させることで活性を誘導するモデルに従い開発が進んでいる.Kobayashi et al. (2016)はシロイヌナズナchlororespiratory reductioncrr4)変異体から同定したRNA結合型PPR, CRR4タンパク質を人工合成し,これにヒト由来の翻訳開始因子eIF4Gを繋いだ人工翻訳制御ツール(CRR4-eIF4G)を作成した(17)17) T. Kobayashi, Y. Yagi & T. Nakamura: Methods Mol. Biol., 1469, 147 (2016)..ヒト培養細胞HEK293Tに対し,Luciferase遺伝子の上流にCRR4タンパク質結合サイトを配置したレポーター遺伝子とCRR4-eIF4G遺伝子を導入することで,CRR4-eIF4G依存的に標的遺伝子の翻訳を活性化させることに成功し,今後のPPR由来の核酸代謝制御ツールの使用モデルの規範となる重要な知見を示した.

次に,McDremott et al. (2019)はPPR由来のRNA結合タンパク質に活性ドメインを連結せず,核酸を捕捉するアダプタータンパク質として免疫沈降法に用いる実験系を構築した(18)18) J. J. McDermott, K. P. Watkins, R. Williams-Carrieer & A. Barkan: Plant Cell, 31, 1723 (2019)..シロイヌナズナpsbA遺伝子は光応答により翻訳効率が変化するが,その分子機構は不明な点が多く残されていた.McDremottらはPPRコードに従いpsbA mRNAの3′UTR領域に結合するPPRタンパク質を作成し,これを植物体に導入することで細胞内在psbA mRNAを捕捉し,mRNAと相互作用していた未知タンパク質を同定することに成功した.加えて,PPRを探査タンパク質として用いることで細胞内の特定遺伝子を捕捉する新たな使用モデルを示した.

PPRタンパク質を用いたRNA代謝制御ツールの開発は基礎科学研究ではいずれも成功しており,現在は制御する標的遺伝子や代謝機構の適用範囲拡大が進められている.一方で,PPR由来のDNA代謝制御ツールの開発は現時点で検証例は報告されていない.しかし,植物にDNA結合型PPRが存在すること,RNAのPPRコードに従いDNA結合タンパク質を作成することが可能なことを踏まえれば,RNA代謝制御ツールと同様の方法論に基づいてDNA代謝制御ツールを合成・利用することが可能であると考えられる.また,予備的な実験ではあるが当研究グループではDNA結合型PPRにエンドヌクレアーゼであるFok1(Flavobacterium okeanokoites)をつないだゲノム編集ツールの作成を進めており,細胞から個体,組織レベルでの有用性・安全性の検証を進めている.

ツールとしての位置づけ

PPR由来の核酸代謝制御ツールはDNA/RNAの双方を標的とするため,CRISPR-Casシステムを除き,既存の核酸代謝制御ツールとは技術適応範囲が異なる.タンパク質構造の特徴や標的認識機構,ツール使用戦略については,既存技術と共通する点もあるが一貫した共通性はない.そのため,PPR由来の核酸代謝制御ツールの登場は,従来技術では達成困難な局面を補完・打破する技術として,遺伝子操作技術をこれまで以上に発展させると期待している.

ゲノム編集技術にはZFN, TALEN, CRISPR/Cas9に代表される3種のツールが先行して開発が進んでおり,これらはDNA認識機構の違いからgRNA誘導型ヌクレアーゼ(CRISPR)と,タンパク質性人工ヌクレアーゼ(ZFN, TALEN)に大別される.PPR由来のゲノム編集技術が実装された場合はTALENやZFNと同じ部類に含まれる.特にTALENのDNA結合ドメインであるTALEタンパク質は構造や標的の認識機構の特徴上PPRタンパク質とよく似ており,互いにモチーフのリピート構造に基づく螺旋構造を介して標的核酸を捕らえる.

核酸結合ドメインの優位性は,結合できる標的配列の長さ,結合特異性の高さ,標的配列に合わせて結合能力を最適化できる設計自由度の高さ,理論的で簡便なドメイン設計法が確立されているかなどで規定されるが,近年では細胞への分子デリバリーの観点から分子量の小ささも結合ドメインを選択するうえでの一つの指標となっている.

表1■核酸結合モジュールの特性概要
DNA代謝制御RNA代謝制御
PPRZFTALECRISPRPPRPufCRISPR
分子量80 kDa20 kDa110 kDa160 kDa80 kDa44 kDa143.7 kDa
核酸認識機構タンパク質性タンパク質性タンパク質性相補鎖RNAタンパク質性タンパク質性相補鎖RNA
標的配列の長さ12–18 bp*118–36 bp*128–40 bp*119–22 bp12–18 bp*18 bp*219–22 bp
結合特異性高い中程度高い中–低い*3高い高い高い*4
ドメイン設計自由度高い中–低い*5中程度高い高い中程度高い
標的配列の制限ない連続配列は難しい*55′末端にTが必要PAM配列が必要ない定められた8 bpない*6
*1; 連結する核酸結合モチーフの数に応じて変化する.
*2; 基本的には一つのPufドメインで8 bp認識であるが,Pufドメインを2つ連結することで最大18 bpまで認識可能である.
*3; PAM配列の最適性が低いとオフターゲットを引き起こす可能性が高くなる.
*4; 現状,DNA標的のCas9に比べ,RNA標的のCas13ではオフターゲット効果は報告されておらず,特異性は高いと思われる.
*5; ZFモチーフが連続するとモチーフ間の干渉により標的配列への結合能力が低下する.そのため,単独塩基の連続配列に対する結合能力が低い.
*6; Cas13はPAM配列を必要としないが,一部のCas13 orthologはProtospacer flanking site(PFS)を標的認識のために必要とする.

ZF(20 kDa)は既存のゲノム編集ツールに用いられるDNA結合ドメインの中で分子量が最も小さい.モチーフのリピート構造を介して標的配列と結合するが,一つのZFモチーフにより3塩基を認識するように設計されている.通常ZFモチーフを3~6個連結させることで標的への結合特異性を高めるが,ZFモチーフが連続することで互いの塩基認識が干渉し,設計どおりの標的配列と結合しないことがあるため,標的配列に依存して設計作業が時に煩雑となることもある.

TALE(110 kDa)は1モチーフ1塩基認識のルールに従い,モチーフのリピート構造を介して標的配列と結合する.核酸結合ドメインの設計が簡便であるが,標的配列の5′末端にThymineを必要とすることや,リピート構造の末端にnon-TALE repeatと呼ばれる追加構造を必要とするなど,ドメインの設計自由度に一部制限がある.また,モチーフ間の配列相同性が非常に高いため,ドメイン構築過程でモチーフ間の相同領域間での組み変わりが起こることがある.そのため,縮重プライマーを用いてモチーフ間の相同性を低下させるか,XL1-BlueやSURE2などの組み変わりを起こしにくいコンピテントセルを用いる必要がある.

CRISPR(160 kDa)はgRNAによって標的DNAを選択するため,ZFやTALEとは標的認識機構が異なる.ゲノム編集ツールの設計が安価かつ簡便であり,使用可能な生物域も広い.標的認識にはgRNAに加えて標的近傍にPAM配列を必要とする.gRNAを介した標的認識機構は高い結合親和性を示す反面,オフターゲット効果を示す可能性が高いとされる.オフターゲット効果の軽減に向け,FokIの併用やPAM配列の改良などが模索されている(19, 20)19) J. P. Guilinger, D. B. Thompson & D. R. Liu: Nat. Biotechnol., 32, 577 (2014).20) Z. Hou, Y. Zhang, N. E. Propson, S. E. Howden, L. F. Chu, E. J. Sontheimer & J. A. Thomson: Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 110, 15644 (2013).

PPR(80 kDa)は1モチーフ1塩基認識のルールに従い,モチーフのリピート構造を介して標的配列と結合する.PAM配列やnon-TALE repeatなどの付加的な配列や構造を必要とせず,簡便なドメイン設計法がすでに確立されている.オフターゲットの報告例は無いが,連結するモチーフ数を調節することで標的配列への結合特異性を調整でき,オフターゲットを抑制するなど設計自由度は高い.ZFに見られるモチーフ間の干渉は報告されていない.TALEと同様にモチーフ間の相同領域で組み変わりが起こる可能性に注意する必要があるが,TALEと同様の解決策でリスク回避可能である.

近年ではTarget-AIDやBase Editing, Prime Editingなど,ゲノム編集技術も新たな方法論へと変わりつつある.こういった技術にPPR由来の核酸結合ドメインが転用できるかは現時点では未知だが,アダプタータンパク質として核酸代謝制御因子を標的核酸上にリクルートするPPRタンパク質の特性は,核酸代謝制御ツールを作るうえでは非常に合理的な性質であり,DNA代謝制御ツールとして高い潜在性を保持していると期待される(図4図4■PPRに由来する核酸代謝制御ツールの構築とアプリケーション).

図4■PPRに由来する核酸代謝制御ツールの構築とアプリケーション

PPR由来の核酸代謝制御ツールは,核酸代謝制御因子の代謝活性ドメインをPPR由来の核酸結合ドメインを介して特定の標的DNA/RNA上に局在させ,その代謝活性を誘導する方法論に従う.PPRコードに従い,核酸結合ドメインの結合能力を標的核酸配列に合わせて最適化し,これに代謝制御因子の活性ドメインを連結することで,さまざまな核酸代謝を制御する分子ツールを提供する.

現行のRNAを標的とする核酸代謝制御ツールは標的認識機構に相補鎖RNAを用いるものと,タンパク質性RNA結合ドメインを用いるものに大別される.相補鎖RNAに基づくRNA代謝制御ツールの開発はmiRNAやsiRNAを用いたRNA干渉による遺伝子ノックダウンが古くから研究が進められ,近年ではSINE-UP(RNAe)やCRISPR-Cas13を用いた翻訳活性化技術なども報告されている(21~23)21) S. Zucchelli, D. Cotella, H. Takahashi, C. Carrieri, L. Cimatti, F. Fasolo, M. H. Jones, D. Sblattero, R. Sanges, C. Santano et al.: RNA Biol., 12, 771 (2015).22) Y. Yao, S. Jin, H. Long, Y. Yu, Z. Zhang, G. Cheng, C. Xu, Y. Ding, Q. Guan, N. Li et al.: Nucleic Acids Res., 43, e58 (2018).23) S. Rauch, C. He & B. C. Dickinson: J. Am. Chem. Soc., 140, 11974 (2018)..タンパク質性RNA結合ドメインに基づくRNA代謝制御ツールの開発はλNやMS2, IRP-IそしてPumilio/fem-3 mRNA binding factor(Puf)などが先行しており(24~26)24) J. Cao, M. Arha, C. Sudrik, L. J. Bugaj, D. V. Schaffer & R. S. Kane: Chem. Commun. (Camb.), 49, 8338 (2013).25) J. Cao, M. Arha, C. Sudrik, D. V. Schaffer & R. S. Kane: Angew. Chem. Int. Ed. Engl., 53, 4900 (2014).26) E. D. Gregorio, T. Preiss & M. W. Hentze: EMBO J., 18, 4865 (1999).,そのなかでもPufはRNA代謝制御ツール開発のための重要な知見を残している.

Pufは細胞質に局在するRNA結合タンパク質であり,翻訳抑制やmRNAの安定性に寄与している(27)27) M. Wang, L. Ogé, M. D. Perez-Garcia, L. Hamama & S. Sakr: Int. J. Mol. Sci., 19, 19 (2018)..PufのRNA結合ドメインは8つの共通モチーフのリピート構造で構成され,1モチーフ1塩基認識のルールに従って定められた8塩基と結合する.Puf由来のRNA結合ドメインにRNA代謝制御因子の活性ドメインを繋げた融合タンパク質をRNA代謝制御ルーツとして用いることで,これまでにRNA分解,安定化,翻訳制御,スプライシングの制御,細胞内在RNAの可視化などさまざまな実験的成功例を残したが(28~31)28) Z. T. Campbell, C. T. Valley & M. Wickens: Nat. Struct. Mol. Biol., 21, 732 (2014).29) Y. Wang, C. G. Cheong, T. M. Tanaka-Hall & Z. Wang: Nat. Methods, 6, 825 (2009).30) T. Ozawa, Y. Natori, M. Sato & Y. Umezawa: Nat. Methods, 4, 413 (2007).31) A. Cooke, A. Prigge, L. Opperman & M. Wickens: Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 108, 15870 (2011).,Puf由来のRNA結合ドメインは設計自由度が低く,また結合可能な塩基配列も限定されるため,細胞内の多様な標的RNAを捕捉対象とするには不向きであった.そのため,近年ではPufに代わりCRISPR-Cas13やPPRタンパク質など標的配列に合わせて結合能力を最適化できるRNA結合モジュールを用いた技術開発が進められており,そこにはPufで得られた知見が多く取り入れられている.CRISPR-Cas13とPPRの違いは標的RNAの認識機構と分子量であるが,現行のRNA代謝制御ツール開発においてRNA編集やRNA分解/安定性などツール単独で活性を発揮するものに関しては機能面に大きな差は顕在化していない.一方で,翻訳やスプライシングなどの大小さまざまな制御因子群を介した協調的・段階的なRNA代謝制御においては,どちらのツールもいまだ改良の余地が残されており,現時点では優位性を評価することは難しい.これら複数の制御因子群で制御されるRNA代謝においては,制御因子複合体の形成過程やその分子挙動の阻害がRNA代謝の中断や,RNA分解を引き起こすことが報告されており(32)32) A. Radhakrishnan, Y. H. Chen, S. Martin, N. Alhusaini, R. Green & J. Coller: Cell, 167, 122 (2016).,制御因子複合体に干渉しない設計がRNA代謝制御ツールの開発に求められている.そのため,RNA代謝制御ツールの最適な標的結合ポジションの探索や,ツール分子サイズの縮小により,制御因子複合体の挙動を妨げる障壁となる可能性を軽減させることが重要となる.PPRタンパク質はCRISPR-Cas13(143.7 kDa)に比べ分子量が小さいため,RNA代謝制御ツールとして使用した際には物理的障害として制御因子複合体の分子挙動を妨げるリスクは比較的低いと期待される.また,一部のPPRタンパク質はスプライシングや翻訳制御に寄与しているため,制御因子複合体の分子挙動を妨げることなく活性を誘導するRNA結合ドメインとして利用するうえで合理的な特性を備えていると考えられる.

おわりに

PPR由来の核酸代謝制御技術はいまだ開発段階にあるが,RNA代謝制御を中心に,制御可能な代謝機構の拡充が進められている.当研究グループではDNA/RNAを標的とするPPR由来の核酸代謝制御ツールの開発を進めており,いずれも動物/植物培養細胞や一部の植物個体内で機能的な核酸代謝制御ツールが完成しつつある.現在は構築した制御ツールの有用性と安全性についての検証を進めており,技術の商業化を最終的な目標として代謝制御ツールの機能を医療や工業・商業分野などへの実用化に適した水準にまで引き上げることを課題とした研究を進めている.また,核酸結合ドメインとしての機能向上を図ったPPRモチーフの遺伝子/アミノ酸レベルでの改変や,連結する活性ドメインの探索なども並行して進めており,幅広い遺伝子発現制御に対し多面的なアプローチを可能にする画期的な技術の開発に挑戦している.現状,PufやCRISPR-Cas, TALENなど従来の代謝制御ツールと同様に,核酸代謝制御ツールを特定の細胞,組織へと的確かつ効率的に輸送するデリバリーシステムの確立や,生体内で代謝制御ツールの発現や分子挙動を制御する誘導システムの確立など,対応すべき課題は多く残されており,今後これらの解決に向けた取り組みにも注力していく予定である.

Reference

1) K. Nishida, T. Arazoe, N. Yachie, S. Banno, M. Kakimoto, M. Tabata, M. Mochizuki, A. Miyabi, M. Araki, K. Y. Hara et al.: Science, 102, 553 (2016).

2) A. C. Komor, Y. B. Kim, M. S. Packer, J. A. Zuris & D. R. Liu: Nature, 61, 5985 (2016).

3) A. V. Anzalone, P. B. Randolph, J. R. Davis, A. A. Sousa, L. W. Koblan, J. M. Levy, P. J. Chen, C. Wilson, G. A. Newby, A. Raguram et al.: Nature, 576, 149 (2019).

4) I. D. Small & N. Peeters: Trends Biochem. Sci., 25, 46 (2000).

5) C. Lurin, C. Andrés, S. Aubourg, M. Bellaoui, F. Bitton, C. Bruyère, M. Caboche, C. Debast, J. Gualberto, B. Hoffmann et al.: Plant Cell, 16, 2089 (2004).

6) A. Barkan & I. D. Small: Annu. Rev. Plant Biol., 65, 415 (2014).

7) T. Nakamura, Y. Yagi & K. Kobayashi: Plant Cell Physiol., 53, 1171 (2012).

8) S. Cheng, B. Gutman, X. Zhong, Y. Ye, M. F. Fisher, F. Bai, I. Castleden, Y. Song, B. Song, J. Huang et al.: Plant J., 85, 532 (2016).

9) P. Yin, Q. Li, C. Yan, Y. Liu, J. Liu, F. Yu, Z. Wang, J. Long, J. He, H. W. Wang et al.: Nature, 504, 168 (2013).

10) A. Barkan, M. Rojas, S. Fujii, A. Yap, Y. S. Chong, C. S. Bond & I. D. Small: PLOS Genet., 8, e1002910 (2012).

11) Y. Yagi, S. Hayashi, K. Kobayashi, T. Hirayama & T. Nakamura: PLOS ONE, 8, e57286 (2013).

12) H. Spåhr, T. Chia, J. P. Lingford, S. J. Siira, S. B. Cohen, A. Filipovska & O. Rackham: Nat. Commun., 9, 2212 (2018).

13) M. Rojas, Q. Yu, R. Wiliams-Carrier, P. Maliga & A. Barkan: Nat. Plants, 5, 505 (2019).

14) J. Prikryl, M. Rojas, G. Schuster & A. Barkan: Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 108, 415 (2011).

15) B. Oldenkott, Y. Yang, E. Lesch, V. Knoop & M. Schallenberg-Rüdinger: Commun. Biol., 2, 1 (2019).

16) M. L. Hayes & M. L. Santibanez: J. Biol. Chem., 295, 3497 (2020).

17) T. Kobayashi, Y. Yagi & T. Nakamura: Methods Mol. Biol., 1469, 147 (2016).

18) J. J. McDermott, K. P. Watkins, R. Williams-Carrieer & A. Barkan: Plant Cell, 31, 1723 (2019).

19) J. P. Guilinger, D. B. Thompson & D. R. Liu: Nat. Biotechnol., 32, 577 (2014).

20) Z. Hou, Y. Zhang, N. E. Propson, S. E. Howden, L. F. Chu, E. J. Sontheimer & J. A. Thomson: Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 110, 15644 (2013).

21) S. Zucchelli, D. Cotella, H. Takahashi, C. Carrieri, L. Cimatti, F. Fasolo, M. H. Jones, D. Sblattero, R. Sanges, C. Santano et al.: RNA Biol., 12, 771 (2015).

22) Y. Yao, S. Jin, H. Long, Y. Yu, Z. Zhang, G. Cheng, C. Xu, Y. Ding, Q. Guan, N. Li et al.: Nucleic Acids Res., 43, e58 (2018).

23) S. Rauch, C. He & B. C. Dickinson: J. Am. Chem. Soc., 140, 11974 (2018).

24) J. Cao, M. Arha, C. Sudrik, L. J. Bugaj, D. V. Schaffer & R. S. Kane: Chem. Commun. (Camb.), 49, 8338 (2013).

25) J. Cao, M. Arha, C. Sudrik, D. V. Schaffer & R. S. Kane: Angew. Chem. Int. Ed. Engl., 53, 4900 (2014).

26) E. D. Gregorio, T. Preiss & M. W. Hentze: EMBO J., 18, 4865 (1999).

27) M. Wang, L. Ogé, M. D. Perez-Garcia, L. Hamama & S. Sakr: Int. J. Mol. Sci., 19, 19 (2018).

28) Z. T. Campbell, C. T. Valley & M. Wickens: Nat. Struct. Mol. Biol., 21, 732 (2014).

29) Y. Wang, C. G. Cheong, T. M. Tanaka-Hall & Z. Wang: Nat. Methods, 6, 825 (2009).

30) T. Ozawa, Y. Natori, M. Sato & Y. Umezawa: Nat. Methods, 4, 413 (2007).

31) A. Cooke, A. Prigge, L. Opperman & M. Wickens: Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 108, 15870 (2011).

32) A. Radhakrishnan, Y. H. Chen, S. Martin, N. Alhusaini, R. Green & J. Coller: Cell, 167, 122 (2016).