Kagaku to Seibutsu 59(3): 151-155 (2021)
プロダクトイノベーション
パセノール™(ピセアタンノール)の生理作用“パッション(情熱)”を込めた独自素材
Published: 2021-03-01
© 2021 Japan Society for Bioscience, Biotechnology, and Agrochemistry
© 2021 公益社団法人日本農芸化学会
パッションフルーツは南米原産の果物であり,代表的な品種にクダモノトケイソウ(Passiflora edulis)がある.厚い果皮の中に,黄色い果肉と果肉に覆われた黒い種子が詰まっていて,種子ごと果肉を食べて種の食感も楽しむことができる,甘酸っぱいフルーツである(図1図1■パッションフルーツ写真).日本でも沖縄や鹿児島などで栽培されており,近年では,夏の日差しを防ぐための緑のカーテンとして都内でも見かけることができる.当社はパッションフルーツの種子中にポリフェノールの一種である「ピセアタンノール」が多く含まれるのを発見したことをきっかけに,パッションフルーツ種子エキスの原料化に取り組み,森永製菓の独自素材として2013年に「パセノール™」と命名した.原料開発と並行してピセアタンノールの機能性研究にも取り組み,今回はパセノール™およびその有効成分であるピセアタンノールの生理作用について紹介する.