セミナー室

海外におけるポリフェノールデータベースの紹介と日本における現状ポリフェノールデータベースの課題と今後

Kaeko Murota

室田 佳恵子

島根大学生物資源科学部生命科学科

Claudine Manach

Université Clermont Auvergne, INRAE

Christine Morand

Université Clermont Auvergne, INRAE

Kayoko Shimoi

下位 香代子

静岡県立大学食品栄養科学部

Published: 2021-09-01

はじめに

日常生活のなかでわれわれはさまざまな食品からポリフェノールを摂取しているが,心疾患,がん,骨粗鬆症,神経変性疾患,アレルギー,肥満,筋委縮など種々の疾患に対する予防あるいは健康増進効果およびその作用機序に関する研究成果の増加とともに,「ポリフェノール」は社会的にも広く認知されるようになった.また近年,一部のポリフェノールは特定保健用食品や機能性表示食品の主要成分として広く利用されている.本セミナー室では,ポリフェノールの食事摂取基準策定を目指したデータベース(DB)の必要性および実現への課題について明示することを目的に,これまで4回にわたって連載してきた.いずれの回でもDBの必要性・重要性が議論されており,それぞれの研究分野における問題点などが指摘されていた.ポリフェノールに関するDB構築の意義は,International Conference on Polyphenols and Health(ICPH)に参加する世界の主要なポリフェノール研究者のなかでも指摘されていることである.

信頼できるポリフェノール摂取量評価は,その健康効果を理解し,有効なポリフェノールの1日摂取目安量を策定することを進めるための鍵となる.ポリフェノールは,化学構造,食品における分布,生体利用性,生物活性に大きな多様性がある.化学構造だけに着目しても,ポリフェノールの種類は8,000種以上もあり,そのサブクラスとしてフラボノイド類,フェノール酸類,リグナン類,スチルベン類などがある.このことは,一般的に摂取される食品に含まれている個々のポリフェノールについて,少なくともサブクラスごとや類似した生体利用性や生物活性を示すグループごとに,それぞれ含有量や活性を評価しなければならない,ということを意味する.現在食事摂取データからポリフェノール摂取量を計算するために利用可能なDBとしては,僅か数種の大規模なDBが公表されているのみである.このようなDBは,世界中のさまざまな集団を対象に多様なポリフェノールの摂取レベルを評価するためや,大規模疫学研究においてポリフェノール摂取と健康上のアウトカムや疾病発症との相関を調べる際に極めて有効である(1, 2)1) Y. Probst, V. Guan & K. Kent: Food Chem., 238, 146 (2018).2) C. Del Bo, S. Bernardi, M. Marino, M. Porrini, M. Tucci, S. Guglielmetti, A. Cherubini, B. Carrieri, B. Kirkup, P. Kroon et al.: Nutrients, 11, 1355 (2019).

第5回目の最終回となる本稿では,海外における食事由来ポリフェノールのDBのうち,特に活用例が多いUSDA Special Interest Databases on Flavonoids(3)3) USDA: USDA Special Interest Databases on Flavonoids, https://data.nal.usda.gov/dataset/usda-special-interest-databases-flavonoids, 2015.とPhenol-Explorer(4, 5)4) INRA: Phenol-Explorer, http://phenol-explorer.eu/, 2015.5) V. Neveu, J. Perez-Jiménez, F. Vos, V. Crespy, L. du Chaffaut, L. Mennen, C. Knox, R. Eisner, J. Cruz, D. Wishart et al.: Database (Oxford), 2010, bap024 (2010).について概説しながら,ポリフェノール摂取量の推定に関する問題点を浮き彫りにし,日本におけるDBの現状と今後の課題について述べる.なお,本稿では,Phenol-Explorer構築にも参画しているフランス国立農業・食糧・環境研究所(INRAE)のChristine Morand博士とClaudine Manach博士にも筆者に加わっていただき,ポリフェノールのDBと研究の現状について寄稿していただいたものを抄訳して本文に組み込んで記載した.

海外におけるポリフェノールデータベース

Probstら(1)1) Y. Probst, V. Guan & K. Kent: Food Chem., 238, 146 (2018).は2004~2014年に発表された157の論文を調べ,食事由来ポリフェノール摂取量を評価するために使われたDBツールについて解析した結果,約60%は既存DBを1種,約20%が2種,13%が3種を組み合わせて使用していたこと,USDA databaseとPhenol-Explorerはそれぞれ約70%, 11%と広く使用されており,特にUSDA databaseは他と組み合わせて多用されていたことを報告している.

1. USDA Special Interest Databases on Flavonoids(3)3) USDA: USDA Special Interest Databases on Flavonoids, https://data.nal.usda.gov/dataset/usda-special-interest-databases-flavonoids, 2015.

アメリカ合衆国農務省(The United States Department of Agriculture, USDA)は公開DBの一つとして,フラボノイドに関するいくつかのSpecial Interest Databaseを公開している.食品中のポリフェノール含有量(可食部100 gあたりのmg量)が,数値の根拠とした文献とともに示されている.またUSDA databaseに共通する特徴として,測定値が理論上0を示す食品のリストと,分析方法やサンプル採取法などを考慮したデータの信頼度の4段階(A–D)評価が示されている.

USDAの栄養データ研究所(Nutrient Data Laboratory, NDL)は,最初にイソフラボンについてUSDA Database for the Isoflavone Content of Selected Foods(USDA-IDB)の第1版をアイオワ州立大学のP. A. Murphyらと共同で構築し,1999年4月に公開した.いくつかの修正や追加を経て現在は2015年11月にアップデートされた2.1版が利用でき,560品目の食品に含まれるイソフラボン(表1表1■大規模データベースにおけるポリフェノール・フラボノイドの分類) をアグリコン量に換算したものと,別表にその他の植物エストロゲン(coumestrol, biochanin A, formonetin)が提示されている.

表1■大規模データベースにおけるポリフェノール・フラボノイドの分類
USDA databasesAnthocyanidinsCyanidin, Delphinidin, Malvidin, Pelargonidin, Peonidin, Petunidin
Flavan-3-ols(+)-Catechin, (+)-Gallocatechin, (−)-Epicatechin, (−)-Epigallocatechin, (−)-Epicatechin 3-gallate, (−)-Epigallocatechin 3-gallate, Theaflavin, Theaflavin 3-gallate, Theaflavin 3′-gallate, Theaflavin 3,3′-digallate, Thearubigins
FlavanonesEriodictyol, Hesperetin, Naringenin
FlavonesApigenin, Luteolin
FlavonolsIsorhamnetin, Kaempferol, Myricetin, Quercetin
IsoflavonesDaidzein, Genistein, Glycitein
ProanthocyanidinsaProcyanidin, propelargonidin, prodelfinidin
Phenol-ExplorerAnthocyanins
FlavonoidsChalcones, Dihydrochalcones, Dihydroflavonols, Flavonols, Flavanones, Flavones, Flavonols, Isoflavonoids
Lignans
Other polyphenolsAlkylmethoxyphenols, Alkylphenols, Curcuminoids, Furanocoumarins, Hydroxybenzaldehydes, Hydroxybenzoketones, Hydroxycinnamaldehydes, Hydroxycoumarins, Hydroxyphenylpropenes, Methoxyphenols, Nathtoquinones, Other polyphenols, Phenolic terpenes, Tyrosols
Phenolic acidsHydroxybenzoic acids, Hydroxycinnamic acids, Hydroxyphenylacetic acids, Hydroxyphenylpropanoic acids
Stilbenes
aProanthocyanidinsは,Dimers, Trimers, 4–6 mers (tetramers, pentamers and hexamers), 7–10 mers (heptamers, octamers, nonamers and decamers), Polymers(DP>10)を含む.

次いで2003年3月には,5つのサブクラス(表1表1■大規模データベースにおけるポリフェノール・フラボノイドの分類)に分類したフラボノイドをアグリコン量に換算したUSDA Database for the Flavonoid Content of Selected Foods(USDA-FDB)の第1版が公開され,その後の修正を経て2018年3月にアップデートされた506品目を対象とした3.3版が現在公開されている.

さらに2004年8月にはプロアントシアニジンに関するUSDA Database for the Proanthocyanidin Content of Selected Foods(USDA-PADB)の第1版が公開され,2015年9月に79品目を加えて第2版となった.同年12月にマイナーな修正を加え,現在は283品目に含まれるプロアントシアニジンが表1表1■大規模データベースにおけるポリフェノール・フラボノイドの分類の分類に従って記載されている.

現在の最新版は,プロアントシアニジン以外の6つのサブクラスに属する29種のフラボノイド(表1表1■大規模データベースにおけるポリフェノール・フラボノイドの分類)の含量を含むUSDA’s Expanded Flavonoid Database for the Assessment of Dietary Intakes(USDA-EXP)である.NDLのS. Bhagwat, D. B. Haytowitzとメリーランド大学のS. I. Wasswa-Kintuらが構築したもので(6)6) S. A. Bhagwat, D. B. Haytowitz, S. I. Wasswa-Kintu & P. R. Rehrsson: Br. J. Nutr., 114, 472 (2015).,USDA-IDBとUSDA-FBDに含まれる文献データを集めて構築された500程度の品目を統合し,さらにUSDAの公開している栄養DB(National Nutrient Database for Standard Reference 2222) 農林水産技術会議:農林水産物の機能性表示に向けた技術的対応について,https://www.affrc.maff.go.jp/kinousei/gijyututekitaio.htm, 2015., SR22, 2009年公開)に収載されている2926品目の食品をカバーするため,未報告の食品については新たに分析データを取得している.またフラボノイド量に加えて,調理加工時に引き起こされる含有量の変化を計算するための保持係数(Retention Factor, RF)が合わせて表示されるようになった.

その後,USDA-EXPをもとにFlavonoid Values for USDA Survey Foods and Beverages 2007~2010(7)7) USDA Food Surveys Research Group: Flavonoid Values for USDA Survey Foods and Beverages 2007-2010, https://www.ars.usda.gov/northeast-area/beltsville-md-bhnrc/beltsville-human-nutrition-research-center/food-surveys-research-group/docs/fndds-flavonoid-database/, 2016.が公開されている.これは,2007~2008年に米国内で実施された調査What We Eat in America(WWEIA)およびNational Health and Nutrition Examination Survey(NHANES)をUSDA-EXPと組み合わせてFlavonoid composition database for USDA survey foods and beverages(Provisional Flavonoid Addendum)として構築され(8)8) R. S. Sebastian, C. W. Enns, J. D. Goldman, C. L. Martin, L. C. Steinfeldt, T. Murayi & A. J. Moshfegh: J. Nutr., 145, 1239 (2015).,その後2007~2010年の調査結果をもとにアップデートされた2種のリストが現在提供されている.“The Database of Flavonoid Values for USDA Food Codes”では,Food and Nutrient Database for Dietary Studies(FNDDS)version 4.1と5.0に含まれるすべての食品/飲料中に存在するフラボノイドの100 gあたりのmg数が示されている.もう一つは“The Flavonoid Intake Data Files”であり,こちらでは前者のDBから得られる数値をWWEIA, NHANES 2007~2010に当てはめ,米国民の標準的なフラボノイド推定摂取量を提示している.

2. Phenol-Explorer(4)4) INRA: Phenol-Explorer, http://phenol-explorer.eu/, 2015.

Phenol-Explorerは2009年に構築され,2010年に原著としてDatabaseに掲載され紹介された(5)5) V. Neveu, J. Perez-Jiménez, F. Vos, V. Crespy, L. du Chaffaut, L. Mennen, C. Knox, R. Eisner, J. Cruz, D. Wishart et al.: Database (Oxford), 2010, bap024 (2010)..現在までにいくつかの追加がなされているが,フランス国立農学研究所(INRA:現INRAE)においてA. Scalbertとフランス国家食糧労働安全局(AFSSA),アルバータ大学,バルセロナ大学,国際がん研究機関(IARC),In Silifloとの共同研究により,フランス政府,フランス国立がん研究所,ユニリーバ,ダノン,ネスレの財政支援を受けて開発された.食品中のポリフェノール含量に関する最初の包括的なDBで,400を超える食品中の500種類のポリフェノールの35,000以上の含有値が含まれており公開されている.これらのデータは,1,300以上のきびしく査読された文献のなかの60,000以上の含有値から得たものである.第2版では,ポリフェノール代謝に関する包括的なデータが追加され,ポリフェノール含有量の多い食品を摂取した後の体液中から同定された380の代謝物に関する薬物動態データが示されている.これらのデータは236の文献から抽出され,221のヒト介入試験および動物試験に基づいている.また,第3版では,食品加工や調理による影響に関するデータが129の文献に基づき示されている.加工や調理の過程におけるポリフェノール含有量の変化を示しており,RFは55の食品,139のポリフェノールおよび35のプロセスに対応している.現在は第3.6版が公開されており,2015年にアップデートされリグナンについて1,451の含有値が追加されている.

本データベースは,Food composition, Food processing, Metabolism(Metabolites, Administered Food & Food Extract, Administered Pure Compounds),Classifications(Polyphenol Classes, Food Classes, Structure Search),Depositなどから構成されている.各食品名からでも成分名からでも検索でき,各分析値の分析方法が記されている.2種以上の食品における各種ポリフェノールの比較やサブクラスごとのポリフェノール(表1表1■大規模データベースにおけるポリフェノール・フラボノイドの分類)の合算などさまざまな使用方法について工夫がなされている.

日本におけるデータベースの現状

日本では,今までに食品中に含まれるフラボノイドの種類や含量について多くの分析結果が報告されており,本セミナー室の第2回目では,FlavonoidSearch(9)9) N. Akimoto, T. Ara, D. Nakajima, K. Suda, C. Ikeda, S. Takahashi, R. Muneto, M. Yamada, H. Suzuki, D. Shibata et al.: Sci. Rep., 7, 1243 (2017).が紹介された.また,第3, 4回目においては摂取量調査の実例が紹介されている.Del Boらは,ポリフェノール摂取と健康に関して体系的な総説を報告している(2)2) C. Del Bo, S. Bernardi, M. Marino, M. Porrini, M. Tucci, S. Guglielmetti, A. Cherubini, B. Carrieri, B. Kirkup, P. Kroon et al.: Nutrients, 11, 1355 (2019).が,摂取量,摂取量と心疾患,糖尿病のリスクなどについて,利用されているDBを解析しており,日本に関する調査研究が2報引用されている.一つは,Otakiらによる報告(10)10) N. Otaki, M. Kimira, S. Katsumata, M. Uehara, S. Watanabe & K. Suzuki: J. Clin. Biochem. Nutr., 44, 231 (2009).でDatabase of Functional Food Factors(11)11) 渡辺 昌,卓興 鋼:日本補完代替医療学会誌,2, 101 (2005).を利用しており,もう一つのTaguchiらによる報告(12)12) C. Taguchi, Y. Fukushima, Y. Kishimoto, N. S. Sugihara, E. Saita, Y. Takahashi & K. Kondo: Nutrients, 7, 10269 (2015).では独自のDBを利用している.

Database of Functional Food Factorsは2004年に渡辺らにより公開され,対象とする食品因子の一つとしてポリフェノールがどの食品にどれくらい含まれているか記載されていたが,現在公開は停止されている.本DBの情報は,国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所ホームページの「「健康食品」の安全性・有効性情報」のなかの「素材情報データベース」のなかに,素材や成分ごとに,「概要」,「有効性」,「安全性」について広範な信頼性のある文献をもとに記載されている(13)13) 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所:「健康食品」の安全性・有効性情報,「健康食品」の素材情報データベース,https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/indiv.html, 2021..個々のポリフェノールについての含有食品,機能性,安全性についてはかなり丁寧な解説があるが,含有量については記載がない.含有量を記載してあるDBとしては以下の2種がある.

1. 農研機構機能性成分データベース(14, 15)14) 農研機構:機能性成分含有量データ(抜粋),https://www.naro.go.jp/laboratory/nfri/contens/ffdb/ffdb.html, 2020.15) 農研機構:機能性成分・評価情報データベース,https://nousanbutsu-kinou.rad.naro.go.jp, 2019.

食品研究部門 機能性成分含有量データ(抜粋)(14)14) 農研機構:機能性成分含有量データ(抜粋),https://www.naro.go.jp/laboratory/nfri/contens/ffdb/ffdb.html, 2020.には,農林水産物200品目に含有される,70種類の機能性成分量の情報が掲載されている.この情報は「機能性を持つ農林水産物・食品開発プロジェクト」において実施された機能性を有する農林水産物の分析結果に基づいており,総ポリフェノールについてはFolin–Ciocalteu法(標準物質:没食子酸)による比色法,個々の分子についてはほとんどがHPLC分析によって行われているが,食品群ごとに含有量が提示されている機能性成分が異なり,それぞれの食品に含有される主要なポリフェノールが記載されている.また農研機構では,「機能性成分・評価情報データベース」(15)15) 農研機構:機能性成分・評価情報データベース,https://nousanbutsu-kinou.rad.naro.go.jp, 2019.を公開しており,86の農産物(農産加工品も含む)についてFolin–Ciocalteu法により求められた総ポリフェノール量がまとめられている.ポリフェノール類が主要な機能性成分であるものについては,個々のポリフェノール分子名が効果の内容とともに記載されているが,それぞれの含有量までは掲載されていない.

2. 文部科学省日本食品標準成分表(16)16) 文部科学省:日本食品標準成分表2020年版(八訂),https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_01110.html, 2020.

文部科学省はインターネット上で「食品成分データベース」(17)17) 文部科学省:食品成分データベース,https://fooddb.mext.go.jp, 2021.を公開しており,これは現在の「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」(16)16) 文部科学省:日本食品標準成分表2020年版(八訂),https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_01110.html, 2020.に基づく.ポリフェノールは炭水化物量を差し引き法にて求める際に差し引きする成分の一種であり,八訂からその量が備考欄に記載されるようになった.ポリフェノール量は,脱脂後の50%メタノール抽出物をFolin–Ciocalteu法またはプルシアンブルー法により測定して求められている.タンニン(重合ポリフェノールが含まれる)については熱水抽出後,酒石酸鉄吸光光度法またはFolin–Denis法によって求められている.なお,食品成分の表示においては,ポリフェノールは栄養成分表示のうち任意表示事項に含まれる.食品標準成分表に備考欄とはいえ記載されるようになったことは画期的であるものの,まだ個別のポリフェノールについての情報は得られず,またインターネット検索が可能な「食品成分データベース」(17)17) 文部科学省:食品成分データベース,https://fooddb.mext.go.jp, 2021.には含まれていないため,現時点ではポリフェノールDBとしての利用は困難である.

ポリフェノールのデータベースと摂取目安量策定に向けて:今後の課題

Sebastianら(8)8) R. S. Sebastian, C. W. Enns, J. D. Goldman, C. L. Martin, L. C. Steinfeldt, T. Murayi & A. J. Moshfegh: J. Nutr., 145, 1239 (2015).は,前述のUSDA最新データベース(7)7) USDA Food Surveys Research Group: Flavonoid Values for USDA Survey Foods and Beverages 2007-2010, https://www.ars.usda.gov/northeast-area/beltsville-md-bhnrc/beltsville-human-nutrition-research-center/food-surveys-research-group/docs/fndds-flavonoid-database/, 2016.策定時に20歳以上のアメリカ人における標準的なフラボノイドの摂取量を求め,フラボノイド摂取量は251 mg/日であり,そのうち81%をflavan-3-olsが占めたこと,人種により摂取量に違いがあること,茶が主要な摂取源であることを示した.合わせてアメリカ人のための食事摂取基準(Healthy Eating Index, HEI)のスコアとフラボノイド摂取量が相関することを示し,健康によい食事とフラボノイドの摂取量との相関が示唆された.Pérez-Jiménezら(18)18) J. Pérez-Jiménez, L. Fezeu, M. Touvier, N. Arnault, C. Manach, S. Hercberg, P. Galan & A. Scalbert: Am. J. Clin. Nutr., 93, 1220 (2011).は,Phenol-Explorerを用いてフランスの成人における337のポリフェノールの摂取量を,Zamora-Rosら(19)19) R. Zamora-Ros, V. Knaze, J. A. Rothwell, B. Hémon, A. Moskal, K. Overvad, A. Tjønneland, C. Kyrø, G. Fagh et al.: Eur. J. Nutr., 55, 1359 (2016).は,European Prospective Investigation into Cancer and Nutrition(EPIC)コホート研究において,摂取源としてはコーヒー,茶,果物が多く,437のポリフェノールが摂取されていること,また,各国間,特に地中海周辺国とその他の国では摂取しているポリフェノールの種類や量が異なっていることを報告している.

このようにDBは,疫学研究,食事調査,食事の設計,機能性食品の開発などさまざまな研究に利用されているが,利用にあたっての問題点と摂取目安量策定に向けての課題について,食品中の含有量,摂取量の観点から以下に述べる.

1. 食品中の含有量

Kentら(20)20) K. Kent, K. E. Charlton, S. Lee, J. Mond, J. Russell, P. Mitchell & V. M. Flood: Nutr. J., 17, 7 (2018).は,オーストラリアにおけるポリフェノール摂取量に関してUSDA databaseをもとに検討し,フラボノイドの種類によっては季節性があることを報告している.またオレゴン州立大学のHillらは,Phenol-Explorerに関して以下に述べる①~③の考慮すべき点について寄稿している(21)21) E. B. Hill, A. J. Kennedy, K. M. Roberts, K. M. Riedl, E. M. Grainger & S. K. Clinton: J. Acad. Nutr. Diet., 121, 833 (2021)..①ポリフェノールの食品含有量は栽培品種,農業条件や食品加工法のような因子によって影響され,これらが特定されていないときは摂取量評価の不確実性が増加する.食品の調理加工過程における含有量の変化に関しては,各DBにおいて使用されているRFを適切に用いることが必要である.わが国の農林水産省は,「農林水産物の機能性表示に向けた技術的対応について」と題した資料を公開しており,農産物を品種や栽培地,栽培方法などの条件を設定してサンプリングし適切な分析を実施することで,ポリフェノールを含む機能性成分濃度に差を引き起こしうる要因を特定し,その濃度をそろえて品質を安定化させるための栽培・加工法を作成することを推奨している(22)22) 農林水産技術会議:農林水産物の機能性表示に向けた技術的対応について,https://www.affrc.maff.go.jp/kinousei/gijyututekitaio.htm, 2015..②ポリフェノールの一斉分析法を標準化するのは,分子種が多様であることから非常に困難である.最も一般的なFolin–Ciocalteu法による総ポリフェノール量の算出であっても,ビタミンCなどの還元性化合物によって反応してしまうため過大評価の恐れがあることを想定するべきであり,研究者は報告する際にはどの測定方法による定量結果であるか明記する必要がある.③食品中に含まれるフラボノイド配糖体のほとんどは,消化されてアグリコンに変換されてから吸収される.USDA databaseではすべてアグリコンへと変換した数値を収載しているが,Phenol-Explorerは分子種を示してそれぞれの含有量を記載している.データベースの使用者が分子構造や生体利用性についての正確な情報をもっていることが必要とされるため,ポリフェノール研究者以外の栄養学者や疫学者などが適切にデータ処理を行ううえで注意が必要と思われる.

USDA databaseをアジア圏の食事調査に活用した例として,台湾でのフラボノイド摂取と心疾患の病態に関する報告(23)23) C.-T. Hsieh, J. Wang & K.-L. Chien: J. Nutr. Sci., 10, e15 (2021).があり,両者に相関関係があることが見いだされているが,USDA databaseは台湾における食品すべてをカバーしていないことも述べられており,台湾独自のフラボノイドDBの必要性が提起されている.一方,ポーランドの成人におけるポリフェノール摂取量に関する研究(24)24) A. M. Witkowska, M. E. Zujko, A. Wáskiewicz, K. M. Terlikowska & W. Piotrowski: Nutrients, 7, 9299 (2015).では,USDAとPhenol-Explorerの両方のDBを用いて算出したフラボノイドについて比較すると,USDA databaseでは525 mg/日,Phenol-Explorerでは403.5 mg/日となりかなりの差があることを報告している.これらの報告は,世界中のあらゆる個人におけるポリフェノール摂取量を食品中の含有量から精確に評価するには現在使用可能なDBだけでは十分に包括的とはいえないことを示唆している.特に,食品を網羅するという点においてヨーロッパとアメリカ以外の多くの国が含まれておらず,欧米諸国以外の食習慣を加味したDBの増強が望まれる.一方で,多種多様なサプリメントや加工食品が市場に出回る頻度は早く,その内容も次々と変わっているため,これらをDBに加えることは困難である(25)25) M. Kapsokefalou, M. Roe, A. Turrini, H. S. Costa, E. Martinez-Victoria, L. Marletta, R. Berry & P. Finglas: Nutrients, 11, 1714 (2019).

各国において食材や食習慣が異なることから,日本独自のよりよい精度の高品質なDBに改善していくことが求められる.より正確で比較可能な含有量を提示するためには,まず食品からのポリフェノールの抽出方法とより進歩した分析方法の標準化が必要である.標準化は世界的にも必要なことである.そして,食品の調理加工過程における含有量の変化に関するRFを適切に設定することが必要である.これらのことを考慮して,少なくとも日本食品標準成分表に記載のある食品について,含有されるポリフェノールの種類とその含有量が将来記載されることが望まれる.

2. 摂取量

食事摂取量の調査は,多くの報告が食事摂取頻度調査票(Food Frequency Questionnaires(FFQs))による集計データに基づいており,調査後に適切な組成表を用いて栄養素と非栄養素の摂取量評価へと変換していくという方法をとる.しかしながら,FFQsはさまざまな食習慣をもつ調査集団の摂取したポリフェノールを豊富に含むすべての食品をカバーするのに十分なほど包括的ではない.今後,改善が必要である.

大規模前向きコホート研究のメタアナリシス解析から,食事由来ポリフェノールの摂取量が多いと心代謝性疾患のリスクを下げることは明らかである(26, 27)26) X. Wang, Y. Y. Ouyang, J. Liu & G. Zhao: Br. J. Nutr., 111, 1 (2014).27) A. Tresserra-Rimbau, E. B. Rimm, A. Medina-Remon, M. A. Martínez-González, R. de la Torre, D. Corella, J. Salas-Salvadó, E. Gómez-Gracia, J. Lapetra, F. Arós et al.; PREDIMED Study Investigators: Nutr. Metab. Cardiovasc. Dis., 24, 639 (2014)..しかしながら,個人の応答に見られる不均一性により特定のポリフェノールやそれを豊富に含む食品の効果がヒト試験における臨床的バイオマーカーに明確に示されることが阻まれている.

最近では,食品摂取のバイオマーカーを設定することが食事アセスメントを改良するために重要であることが認識され,多彩で目的に即したメタボロミクス解析が多様なバイオマーカーの発見と評価のために非常に有効であることがわかってきた(28~30)28) E. M. Brouwer-Brolsma, L. Brennan, C. A. Drevon, H. van Kranen, C. Manach, L. O. Dragsted, H. M. Roche, C. Andres-Lacueva, S. J. L. Bakker, J. Bouwman et al.: Proc. Nutr. Soc., 76, 619 (2017).29) P. Maruvada, J. W. Lampe, D. S. Wishart, D. Barupal, D. N. Chester, D. Dodd, Y. Djoumbou-Feunang, P. C. Dorrestein, L. O. Dragsted, J. Draper et al.: Adv. Nutr., 11, 200 (2020).30) E. Pujos-Guillot, J. Hubert, J. F. Martin, B. Lyan, M. Quintana, S. Claude, B. Chabanas, J. A. Rothwell, C. Bennetau-Pelissero, A. Scalbert et al.: J. Proteome Res., 12, 1645 (2013)..ポリフェノールの真の体内曝露は,食事摂取量のみではなく摂取した化合物のADME(吸収,分泌,代謝,排泄)にも依存する.ADMEの個人間変動,特にいくつかの生物活性代謝物(daidzeinからequol, ellagitanninsからurolithinといった腸内細菌による代謝変換など)は個人によって異なり,これは特定の健康影響アウトカムに対する個人の応答性を複雑に変化させる原因の一つとなっている(31)31) C. Manach, D. Milenkovic, T. Van de Wiele, A. Rodriguez-Mateos, B. de Roos, M. T. Garcia-Conesa, R. Landberg, E. R. Gibney, M. Heinonen, F. Tomás-Barberán et al.: Mol. Nutr. Food Res., 61, 1600557 (2017)..また,腸内細菌叢は人種差もあることが報告されている(32)32) S. Nishijima, W. Suda, K. Oshima, S.-W. Kim, Y. Hirose, H. Morita & M. Hattori: DNA Res., 23, 125 (2016)..ポリフェノールの生体利用性における個人間変動は,遺伝子型,腸内細菌叢の組成などに起因すると考えられている.近年のメタボロミクスの発展は,尿や血漿中の多数のポリフェノール代謝物の同時分析を通じて個人の真の曝露量評価を大いに改善した(33)33) R. Landberg, C. Manach, F. M. Kerckhof, A. M. Minihane, R. N. M. Saleh, B. de Roos, F. Tomás-Barberán, C. Morand & T. van de Wiele: Eur. J. Nutr., 58(S2), S21 (2019)..ポリフェノールの代謝物や標準物質に関する知見などを共有することを促進するために,多くのリソース(PhytoHub(34)34) INRA: PhytoHub Version 1.4, https://phytohub.eu, 2016.,FoodComEx(35)35) C. Manach, C. Weinert & D. Wishart: The Food Compound Exchange (FoodComEx), https://foodcomex.org, 2016.など)がすでに利用可能である.共有されたデータセットからの新しい知見を構築するためのバイオインフォマティクス手法の開発,たとえばヒトや腸内細菌代謝物の予測や代謝物の分析時の挙動などは,すべてのポリフェノール代謝物に対する個人の真の曝露量を包括的に評価するための性能をさらに改良すると思われる(33, 36)33) R. Landberg, C. Manach, F. M. Kerckhof, A. M. Minihane, R. N. M. Saleh, B. de Roos, F. Tomás-Barberán, C. Morand & T. van de Wiele: Eur. J. Nutr., 58(S2), S21 (2019).36) Y. Djoumbou-Feunang, J. Fiamoncini, A. Gil-de-la-Fuente, R. Greiner, C. Manach & D. S. Wishart: J. Cheminform., 11, 2 (2019)..メタボロミクスから得られる大量の曝露データは健康データ,遺伝子型,メタゲノムデータ,その他の表現型データと関連して,ポリフェノールの疾病予防作用を予測するための強力なツールとなる.ポリフェノールの研究分野をシステム生物学とプレシジョン栄養学の時代へと進めていくためには,われわれがデータ共有の重要性を理解することが重要である.

健康をよりよく保つためには,食事指導を個人の特性や必要性に合わせたものに進化させることが重要である.特定のポリフェノールを豊富に含む植物性食品に注目したプレシジョン栄養学的アプローチをするには,個人間変動の主要な決定因子を同定すること,およびポリフェノールに対する代謝能力に従って個人を層別化できるような新しい戦略を開発することを必要とする.前述のような食品メタボロームDBの分野における近年の発展と代謝型を決定する技術の開発における急速な改良は,食事由来摂取量,個人のポリフェノール曝露量,食品や食事パターンの改善されたプロファイル,個人の応答性の同定などの解析の進展を大いに期待させるものである(37)37) B. de Roos, A. M. Aura, M. Bronze, A. Cassidy, M. G. Conesa, E. R. Gibney, A. Greyling, J. Kaput, Z. Kerem, N. Knežević et al.: Eur. J. Nutr., 58(Suppl 2), 65 (2019)..個人間変動に関する知見の蓄積は,対象とする集団に応じた健康効果を示すような新しい機能性食品を開発したり,伝統的な食事をより最適化するための科学的基盤を提供するのと同様に,循環系や代謝に関連する健康状態を改善するために役立つよう食事指導を洗練させるために必須である.

おわりに

ポリフェノールの認知度の上昇は,食品を選択する情報の一つにポリフェノールの含有量が含まれることを意味する.一方でポリフェノールといっても実は多様な分子種があり,期待される活性やその生物学的利用性にも大きな幅があることは十分に認知されているとは言い難い.理想的には,大規模な地域集団に基づいて,世界中で標準化された方法を用いた食品組成データを編集する努力が,ポリフェノールDBの正確性を増し,それらの定期的なアップデートを確実にするとともに,あらゆる研究集団に対して適応させる可能性を提示することになる.そのような国際的な努力を実現させるための適切な方法や,運用のためにどのように資金を調達するかなどクリアしなければならない問題は多い.収載されたデータを検索しやすく,誰からもアクセスしやすく,さらに研究者が相互運用しデータを他へ再利用できるようにするような「公正な」原則を策定し適用していくことが鍵となる(38)38) M. D. Wilkinson, M. Dumontier, I. J. Aalbersberg, G. Appleton, M. Axton, A. Baak, N. Blomberg, J. W. Boiten, L. B. da Silva Santos, P. E. Bourne et al.: Sci. Data, 3, 160018 (2016)..本稿に関するまとめについて図1図1■国内外の食事由来ポリフェノールデータベースとその活用に示した.現状の日本のポリフェノールのDBはまだ情報量が少ないので,データを拡充して日本独自のよりよい高品質なDBに改善していくことが必要である.最終的には,どれくらい,どのポリフェノールを摂取したら特定の疾患のリスクを低減できるのか,ポリフェノール1日摂取目安量を明らかにしていくことができれば,食事,加工食品,飲料や機能性食品の設計をとおしてより安全で健康的な食生活への改善や疾病予防に大いに役立つことが期待される.

図1■国内外の食事由来ポリフェノールデータベースとその活用

Reference

1) Y. Probst, V. Guan & K. Kent: Food Chem., 238, 146 (2018).

2) C. Del Bo, S. Bernardi, M. Marino, M. Porrini, M. Tucci, S. Guglielmetti, A. Cherubini, B. Carrieri, B. Kirkup, P. Kroon et al.: Nutrients, 11, 1355 (2019).

3) USDA: USDA Special Interest Databases on Flavonoids, https://data.nal.usda.gov/dataset/usda-special-interest-databases-flavonoids, 2015.

4) INRA: Phenol-Explorer, http://phenol-explorer.eu/, 2015.

5) V. Neveu, J. Perez-Jiménez, F. Vos, V. Crespy, L. du Chaffaut, L. Mennen, C. Knox, R. Eisner, J. Cruz, D. Wishart et al.: Database (Oxford), 2010, bap024 (2010).

6) S. A. Bhagwat, D. B. Haytowitz, S. I. Wasswa-Kintu & P. R. Rehrsson: Br. J. Nutr., 114, 472 (2015).

7) USDA Food Surveys Research Group: Flavonoid Values for USDA Survey Foods and Beverages 2007-2010, https://www.ars.usda.gov/northeast-area/beltsville-md-bhnrc/beltsville-human-nutrition-research-center/food-surveys-research-group/docs/fndds-flavonoid-database/, 2016.

8) R. S. Sebastian, C. W. Enns, J. D. Goldman, C. L. Martin, L. C. Steinfeldt, T. Murayi & A. J. Moshfegh: J. Nutr., 145, 1239 (2015).

9) N. Akimoto, T. Ara, D. Nakajima, K. Suda, C. Ikeda, S. Takahashi, R. Muneto, M. Yamada, H. Suzuki, D. Shibata et al.: Sci. Rep., 7, 1243 (2017).

10) N. Otaki, M. Kimira, S. Katsumata, M. Uehara, S. Watanabe & K. Suzuki: J. Clin. Biochem. Nutr., 44, 231 (2009).

11) 渡辺 昌,卓興 鋼:日本補完代替医療学会誌,2, 101 (2005).

12) C. Taguchi, Y. Fukushima, Y. Kishimoto, N. S. Sugihara, E. Saita, Y. Takahashi & K. Kondo: Nutrients, 7, 10269 (2015).

13) 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所:「健康食品」の安全性・有効性情報,「健康食品」の素材情報データベース,https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/indiv.html, 2021.

14) 農研機構:機能性成分含有量データ(抜粋),https://www.naro.go.jp/laboratory/nfri/contens/ffdb/ffdb.html, 2020.

15) 農研機構:機能性成分・評価情報データベース,https://nousanbutsu-kinou.rad.naro.go.jp, 2019.

16) 文部科学省:日本食品標準成分表2020年版(八訂),https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_01110.html, 2020.

17) 文部科学省:食品成分データベース,https://fooddb.mext.go.jp, 2021.

18) J. Pérez-Jiménez, L. Fezeu, M. Touvier, N. Arnault, C. Manach, S. Hercberg, P. Galan & A. Scalbert: Am. J. Clin. Nutr., 93, 1220 (2011).

19) R. Zamora-Ros, V. Knaze, J. A. Rothwell, B. Hémon, A. Moskal, K. Overvad, A. Tjønneland, C. Kyrø, G. Fagh et al.: Eur. J. Nutr., 55, 1359 (2016).

20) K. Kent, K. E. Charlton, S. Lee, J. Mond, J. Russell, P. Mitchell & V. M. Flood: Nutr. J., 17, 7 (2018).

21) E. B. Hill, A. J. Kennedy, K. M. Roberts, K. M. Riedl, E. M. Grainger & S. K. Clinton: J. Acad. Nutr. Diet., 121, 833 (2021).

22) 農林水産技術会議:農林水産物の機能性表示に向けた技術的対応について,https://www.affrc.maff.go.jp/kinousei/gijyututekitaio.htm, 2015.

23) C.-T. Hsieh, J. Wang & K.-L. Chien: J. Nutr. Sci., 10, e15 (2021).

24) A. M. Witkowska, M. E. Zujko, A. Wáskiewicz, K. M. Terlikowska & W. Piotrowski: Nutrients, 7, 9299 (2015).

25) M. Kapsokefalou, M. Roe, A. Turrini, H. S. Costa, E. Martinez-Victoria, L. Marletta, R. Berry & P. Finglas: Nutrients, 11, 1714 (2019).

26) X. Wang, Y. Y. Ouyang, J. Liu & G. Zhao: Br. J. Nutr., 111, 1 (2014).

27) A. Tresserra-Rimbau, E. B. Rimm, A. Medina-Remon, M. A. Martínez-González, R. de la Torre, D. Corella, J. Salas-Salvadó, E. Gómez-Gracia, J. Lapetra, F. Arós et al.; PREDIMED Study Investigators: Nutr. Metab. Cardiovasc. Dis., 24, 639 (2014).

28) E. M. Brouwer-Brolsma, L. Brennan, C. A. Drevon, H. van Kranen, C. Manach, L. O. Dragsted, H. M. Roche, C. Andres-Lacueva, S. J. L. Bakker, J. Bouwman et al.: Proc. Nutr. Soc., 76, 619 (2017).

29) P. Maruvada, J. W. Lampe, D. S. Wishart, D. Barupal, D. N. Chester, D. Dodd, Y. Djoumbou-Feunang, P. C. Dorrestein, L. O. Dragsted, J. Draper et al.: Adv. Nutr., 11, 200 (2020).

30) E. Pujos-Guillot, J. Hubert, J. F. Martin, B. Lyan, M. Quintana, S. Claude, B. Chabanas, J. A. Rothwell, C. Bennetau-Pelissero, A. Scalbert et al.: J. Proteome Res., 12, 1645 (2013).

31) C. Manach, D. Milenkovic, T. Van de Wiele, A. Rodriguez-Mateos, B. de Roos, M. T. Garcia-Conesa, R. Landberg, E. R. Gibney, M. Heinonen, F. Tomás-Barberán et al.: Mol. Nutr. Food Res., 61, 1600557 (2017).

32) S. Nishijima, W. Suda, K. Oshima, S.-W. Kim, Y. Hirose, H. Morita & M. Hattori: DNA Res., 23, 125 (2016).

33) R. Landberg, C. Manach, F. M. Kerckhof, A. M. Minihane, R. N. M. Saleh, B. de Roos, F. Tomás-Barberán, C. Morand & T. van de Wiele: Eur. J. Nutr., 58(S2), S21 (2019).

34) INRA: PhytoHub Version 1.4, https://phytohub.eu, 2016.

35) C. Manach, C. Weinert & D. Wishart: The Food Compound Exchange (FoodComEx), https://foodcomex.org, 2016.

36) Y. Djoumbou-Feunang, J. Fiamoncini, A. Gil-de-la-Fuente, R. Greiner, C. Manach & D. S. Wishart: J. Cheminform., 11, 2 (2019).

37) B. de Roos, A. M. Aura, M. Bronze, A. Cassidy, M. G. Conesa, E. R. Gibney, A. Greyling, J. Kaput, Z. Kerem, N. Knežević et al.: Eur. J. Nutr., 58(Suppl 2), 65 (2019).

38) M. D. Wilkinson, M. Dumontier, I. J. Aalbersberg, G. Appleton, M. Axton, A. Baak, N. Blomberg, J. W. Boiten, L. B. da Silva Santos, P. E. Bourne et al.: Sci. Data, 3, 160018 (2016).