プロダクトイノベーション

高圧処理を応用した日本酒醸造技術の開発発泡性にごり生酒「AWANAMA」で日本酒市場を拡大

Toru Shigematsu

重松

新潟薬科大学応用生命科学部応用生命科学科

Mitsutoshi Ito

伊藤 満敏

新潟薬科大学応用生命科学部生命産業創造学科

Published: 2021-11-01

はじめに

ここ数年「日本酒ブーム」という言葉をよく耳にする.日本酒は,中高年の男性の飲み物というイメージが以前はあったが,若者や外国人などにも受け入られ,幅広い年齢層の人々が楽しめる飲み物というイメージが形成されつつあると言えるだろう.

しかし,日本酒の生産量自体は減少傾向にあり,国内出荷量は1998年から22年で約37%にまで減少している(図1図1■日本酒の国内出荷量と輸出量の推移(1)1) 農林水産省政策統括官:日本酒をめぐる状況令和3年4月,https://www.maff.go.jp/j/seisaku_tokatu/kikaku/sake.html (2021)..「日本酒ブーム」の陰で,やはり酒類の多様化が進んでいることや,いわゆる若者の日本酒離れなども原因ではないかと考えられている(2, 3)2) 日本酒造組合中央会:調査リリース「日本人の飲酒動向調査」,http://www.sakagura-press.com/sake/japan-inshu2017/ (2017).3) 昭和女子大学現代ビジネス研究所:女子大生の日本酒アンケート調査,http://univ.swu.ac.jp/sys/wp-content/uploads/0ad6eb9edc23665bd5f2e3002f5e26ef.pdf (2016)..一方,日本酒の輸出量は年々増加している.2021年は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な蔓延等の影響により,前年度よりも約13%減少する結果となったが,輸出金額では2019年の234億円から241億円に増加している.これらの日本酒輸出の増加傾向は,輸出海外での日本食,日本酒ブームと国内の酒造メーカーの努力の結果であると考えられる.しかし,輸出量は,いまだ全出荷量の5.0%に過ぎない状況である.筆者の住む新潟県は約90の日本酒製造会社を擁しており,「酒どころ」として日本酒製造業は主要な産業の一つとされている.ところが,全国の状況と同様,本県の日本酒製造業にとっても出荷量の減少が大きな課題となっている.

図1■日本酒の国内出荷量と輸出量の推移

このように減少傾向にある日本酒の生産量・出荷量を回復するためには,国内の新規需要開拓と輸出の拡大を目指すことが重要と考えられる.筆者らはこのために,高圧(高静水圧)技術を応用した日本酒の製造プロセスの研究開発に取り組んできた.本稿では,新潟薬科大学,新潟県醸造試験場,金升酒造株式会社,越後製菓株式会社,大日本印刷株式会社で組織した「圧力生酒コンソーシアム」(2016年発足)で取り組んできた高圧技術を非熱的殺菌に応用した発泡性にごり生酒「AWANAMA」の開発について紹介したい.

商品コンセプトの設計

本研究では,新潟薬科大学応用生命科学部応用生命科学科の食品・発酵工学研究室が醸造プロセスの開発を,同学部生命産業創造学科食品ビジネス分野がビジネスモデルの策定をそれぞれ担当しながら研究開発を進めてきた.まず,開発を目指す日本酒のコンセプトを検討した.日本酒の消費増に向けた市場開拓を考えた時,日本酒を飲む習慣の少ない女性や若者が嗜好する日本酒の酒質とはどのような酒質なのかを,文献(4)4) 宝酒造株式会社:日本酒に関する意識調査2013,https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M000170/201309194744/_prw_OA3fl_7WUGpCoP.pdf (2013).を参考に調査した.その結果,従来の日本酒に抱いているイメージである「重い感じ」,「甘ったるい」,「独特の匂い」,「強いアルコール感」などを払拭する飲み口の良い酒質が喜ばれる酒質であることが示唆された.「さわやか」,「フレッシュ感あふれる」,「スッキリとした」酒質の日本酒であれば女性や若者そして海外の外国人の嗜好にも合ったものと判断した.これらの検討の結果,米で作ったシャンパン風のキレが有り適度な酸味のある微発泡性の日本酒が,目指すべき候補として挙げられた.

清酒に代表される通常の日本酒は「火入れ」と呼ばれる65°C前後の高温処理工程を経て製造されている.火入れの目的は日本酒製品中に残存する微生物を加熱殺菌すると共に,麹菌が産生するアミラーゼやプロテアーゼなどの残存酵素を熱失活させることで,製品の保存性を高めることにある.この工程によって,常温流通・長期保存が可能となるが,風味が著しく変化してしまう.一方,生酒,あらばしり,活性にごり酒などの火入れをしない日本酒も製造されている.生酒は醪を圧搾し,にごり成分を除去した日本酒である.あらばしりは,圧搾時ににごり成分を若干含むもので,活性にごり酒はにごり成分をさらに含む日本酒である.これらの日本酒は,残存する微生物による過発酵や麹菌由来の残存酵素などの影響で,品質劣化が迅速であるため,基本的に冷蔵流通が必須であり,できるだけ早く消費しなければならず保存性が著しく低い.特に,あらばしり,活性にごり酒など,にごり酒タイプの生酒の場合,製品中ににごり成分,つまり生きた清酒酵母が残存しているため,輸送や保存中にも瓶内で発酵が継続する.そのため,風味の変化だけでなく,発酵により発生した二酸化炭素によって瓶が破裂する可能性があるので,蓋の部分に穴を穿つ工夫などがされている.このように,保存,流通が難しく手間もかかる火入れをしない日本酒であるが,発酵直後の醪(もろみ)や醪を圧搾した直後の酒のもつフレッシュな香りやフルーティーな風味が残っているため,開発を目指す「さわやか」,「フレッシュ感あふれる」,「スッキリとした」酒質に近いと考えた.また,にごり酒タイプの生酒の微発泡性もまた,開発を目指す日本酒に適うものと考えた.近年.限外濾過によって非熱的に微生物や酵素を取り除いた生酒も市販されている.しかし,濾過をしてしまうと醪中のにごり成分は取り除かれるため,にごり酒タイプの生酒の保存性の向上を目的とする場合応用が難しい.にごり酒タイプの生酒の保存性の向上を行うためには,濾過ではない別の方法で,熱を加えることなく微生物の殺菌を行う必要があると考えた.

高圧(高静水圧)技術

1895年,Rogerは約290 MPaの静水圧で大腸菌(Escherichia coli)と黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)が死滅(不活性化)することを発見した(5)5) C. E. Zobell: “High pressure effects on cellular processes”, ed by A. M. Zimmerman, Academic Press, 1970, p. 85..次いで1899年Hiteらは高静水圧による牛乳の保存性の向上を報告した.これが食品の殺菌に高圧技術を応用した嚆矢と考えられている.しかし,当時は高圧力を発生させる機械装置にも技術的な課題が多く,その後長期間にわたり研究上の顕著な進展は見られなかった.1968年にアメリカ海軍の有人潜水調査艇Alvinが事故を起こした際に,10カ月後に1,543 mの海底(約15.4 MPa)から引き上げられた船内に食品が腐敗することなくほとんど元の状態で発見された(6)6) 大和田紘一:月刊海洋,24, 595 (1992)..この発見を通じて,深海環境の高圧下での微生物の生理活性に対する注目が高まった.さらに1987年,林による「高圧処理の食品加工への応用」が提唱されて(7)7) 林 力丸:化学と生物,25, 703 (1987).以降,食品高圧加工技術が注目されてきた.本学会の日本農芸化学会誌74巻5号(2000年)にも,林,加藤(8)8) 林 力丸,加藤倫子:日本農芸化学会誌,74, 605 (2000).,岩橋(9)9) 岩橋 均:日本農芸化学会誌,74, 609 (2000).,池内(10)10) 池内義英:日本農芸化学会誌,74, 612 (2000).,木村(11)11) 木村邦男:日本農芸化学会誌,74, 616 (2000).,山﨑,笹川(12)12) 山﨑彬,笹川秋彦:日本農芸化学会誌,74, 619 (2000).によって,高圧バイオサイエンスと食品加工に関する総説が掲載されている.また,最近では2017年にYamamotoによりBioscience, Biotechnology and Biochemistry誌に食品高圧加工についての総説が掲載されている(13)13) K. Yamamoto: Biosci. Biotechnol. Biochem., 81, 672 (2017)..現在,高圧技術は,従来注目されてきた非熱的な殺菌に加えて,食品の物性変換,成分変換などにも応用できる新しい加工技術として注目され,研究開発が進められている(14, 15)14) 重松 亨,西海理之監修:“進化する食品高圧加工技術—基礎から最新の応用事例まで-”,エヌ・ティー・エス,2013, p. 65.15) 野田 衛:日本食品微生物学会雑誌,36, 145 (2019).

高圧処理装置は,圧力媒体(高静水圧処理の場合,水が使用される)で満たした高圧容器内に試料を入れて概ね100~600 MPaに加圧するものが食品加工に使用されている.加圧の方法には主に2種類のものがある.ピストンで高圧容器内の体積を減少させて静水圧を高くするピストン直圧式があり,主に研究用装置など比較的処理容量の小さな装置に用いられている.もう一つは,ポンプで処理容器内に圧力媒体を注入し,容器内の圧力媒体の量を増やすことで静水圧を高める外部昇圧式の方法もあり,主に産業用の大型の装置に用いられている.

高圧処理により非熱的に殺菌を行うことができれば,生酒特有の風味をもつ微発泡性の活性にごり生酒の保存性を高めることが可能と考えた.そこで,高圧殺菌工程を組み込んだ醸造プロセスの開発に着手した.図2図2■研究に使用した高圧処理装置(High-Pressure Support社製M2-400/20型)および高圧力発生のしくみには,筆者達が本研究で使用した高圧処理装置を示した.

図2■研究に使用した高圧処理装置(High-Pressure Support社製M2-400/20型)および高圧力発生のしくみ

ボトルの材質およびデザインの検討

従来の日本酒の包装容器は,ガラス製の一升瓶や四合瓶のイメージが強い.ガラスを用いたデザイン嗜好の強い変形瓶のもの,そして近年,アルミ製の缶容器に詰めたものも市場には見かけられる.しかし,本研究では,高圧処理を製造プロセスに用いることから,高圧処理への適合性が材質選びの基本的要求事項となった.

市販のどぶろくを用いて高圧殺菌条件についての予備検討を実施した.どぶろく試料に3.4×109 cfu/mL存在した酵母が200 MPa,室温,10分間の高圧処理を行うと2.0×104 cfu/mLに減少し,400 MPa,室温,10分間の高圧処理を行うと検出限界以下(<101 cfu/mL)となった.したがって,400 MPaの静水圧下での収縮(フレキシビリティー)に対応できる材質であれば,ボトルごと高圧殺菌を行うことができることがわかった.ガラス素材,アルミ製のスクリューキャップボトルを含め多種多様な液体容器のサンプルを検討した中で,大日本印刷株式会社の機能性フィルム複合型Polyethylene terephthalate(PET)ボトル「コンプレックスボトル」を検討した.サンプルのボトルに対して高圧試験を行い材質の適合性を評価した結果,本研究の試作日本酒への利用が可能と判断した.

PETボトルは日本酒の容器としては普及しておらず,これを採用することで安っぽさといった負のイメージがもたらされる可能性が考えられた.そこで,本研究では従来の日本酒のイメージを払拭する表現の包装仕様を追求した.包装仕様(パッケージ仕様)そのもののが,珍しく,新しいタイプの日本酒であることを強調できるパッケージを検討した.高級感がありかつ新規性の強いデザインそして海外の外国人にメッセージが届く「クールジャパン」が表現できるデザインを求めた.従来の日本酒のガラス瓶の見慣れた高級感を超えるデザインをPET材質で表現できるデザインを検討し,最終的に決定したものは,PETボトルの表面に「江戸切子」の麻の葉文様を刻み,黒色の外装フィルムでボトル全体を覆ってPETの材質感を見えなくするデザイン案を採用した.サイズは320 mLの飲みきりサイズとした.

商品名はフレッシュ感を引き出す「生」と微発泡を表す「泡:あわ」を造語として「あわなま」とし,海外向けのデザインを目指す観点からアルファベット表記の「AWANAMA」とした.ボトルキャップの天面とボトル中央部下部には,「なま」をデザイン化したCorporate Identity(CI)マークを印刷し外国人にも一目で理解できる差別化マークとした.図3図3■試作品「AWANAMA」と用PETボトル(大日本印刷社製コンプレックスボトル)には本研究開発で製造した「AWANAMA」のボトルを示した.

図3■試作品「AWANAMA」と用PETボトル(大日本印刷社製コンプレックスボトル)

醸造プロセスの完成と試作品「AWANAMA」

次に,商品コンセプトに基づいて日本酒の製造法を検討した.精米歩合60%以下の白米を原料とし低温で長時間発酵させる「純米吟醸酒」はフレッシュで華やかな香りと繊細な味わいを特徴とすることから,純米吟醸酒の発泡性にごり生酒が最適だと判断した.そこで醸造法をベースとし,主発酵後に瓶内二次発酵を行い,瓶ごと高圧処理を実施することで残存微生物を殺菌する醸造プロセスの設計を行った.検討の結果,以下の醸造プロセスを試作品「AWANAMA」の製造法とした.原料米には新潟県限定の酒米「越淡麗」を精米歩合55%で使用した.種麹には吟醸酒用種麹を用い麹歩合20%で添加した.酒母には新潟県醸造試験場で作出した醸造用酵母を用いた.三段仕込みを基本として酒母,蒸米,麹,そして水を添加し発酵を行った.後に述べる瓶内二次発酵の最適化のため,発酵中に四段目の蒸米の添加を行う工夫を施した.醪を酒袋にて圧搾し,アルコール濃度14%の生酒を調製した.同時に醪を粗く漉したにごり酒を調製した.にごり酒を5%となるように生酒に添加し,320 mLを瓶に充填してキャップを打栓した.室温15°Cの条件で10日間の瓶内二次発酵を行った後,瓶ごと高圧処理装置にセットし,400 MPaの高圧処理を室温にて10分間実施した.二次発酵による二酸化炭素の発生により,出来上がった製品の内圧は約5 kPaの値を示した.図4図4■試作品「AWANAMA」醸造プロセスの概念図に醸造プロセスのフローを示した.

図4■試作品「AWANAMA」醸造プロセスの概念図

出来上がった製品の成分分析および官能評価を行った.成分分析および官能評価の結果から,高圧処理の有無による顕著な違いは認められなかった(表1表1■試作品「AWANAMA」の成分分析・官能評価の結果).このことから,高圧処理により品質が変化(特に劣化)してしまう可能性は低いと考えた.微生物の検査のために,酵母,好気性細菌,乳酸菌の生菌数をコロニーカウント法で測定した.高圧未処理の製品では,酵母が6.9×106 cfu/mL,好気性細菌が1.7×102 cfu/mL検出され,乳酸菌は検出されなかった(16, 17)16) K. Nomura, M. Ikezaki, C. Kataoka, S. Ujiie, T. Aoki, T. Kuribayashi, M. Kaneoke, A. Iguchi & T. Shigematsu: The 10th International Conference on High Pressure Bioscience and Biotechnology (HPBB2018), Book of Abstract (O-28), p. 65 (2018).17) 野村一樹,池﨑 南,堀沙織里,井口晃徳,重松 亨:平成30年度日本醸造学会大会,日本醸造協会誌,113,講演No. 20, p. 707 (2018)..高圧処理を行った製品では,いずれの微生物も検出限界以下であった(図5図5■試作品「AWANAMA」の保存試験における各微生物の生菌数(常用対数値)).

表1■試作品「AWANAMA」の成分分析・官能評価の結果
保存前保存後(10°C,3カ月)
未処理高圧処理未処理高圧処理
日本酒度+7.9+6.2+16.0+5.9
アルコール分(%)15.215.116.115.1
酸度1.81.71.71.7
アミノ酸度1.21.21.21.2
着色度(OD430×1000)17.618.416.817.0
グルコース(g/100 mL)1.51.60.82.2
酢酸エチル(mg/L)31.534.336.634.0
酢酸イソアミル(mg/L)1.01.01.01.1
イソアミルアルコール(mg/L)102.8107.0112.0104.8
イソブタノール(mg/L)32.333.936.033.7
カプロン酸エチル(mg/L)2.62.33.43.0
イソバレルアルデヒド(mg/L)NDNDND0.06
5点法官能評価(1優←→5劣)2.12.32.02.5
ND,検出されず.

図5■試作品「AWANAMA」の保存試験における各微生物の生菌数(常用対数値)

ND: 検出限界以下(<10 cfu/mL)

これらの製品を,10°Cで3カ月間保存して,各項目の解析を行った.成分分析の結果,高圧未処理の製品は,保存中に発酵が進み,アルコール濃度および日本酒度が増加し,グルコース濃度が減少していた.一方,高圧処理を行った製品については,アルコール濃度の変化は認められず,日本酒度も変化しなかった.カプロン酸エチル,グルコース濃度には若干の増加が認められたが,イソアミルアルコール,酢酸エチル,酢酸イソアミル濃度に変化はなかった.官能評価の結果も,高圧処理の有無による有意な差は認められなかった.微生物については,保存後に好気性細菌が保存試料から採取したサンプルによってはわずかに検出される結果を得たが,酵母,乳酸菌については検出限界以下であった.サンプルによって検出された好気性細菌も,保存中に増殖をしている様子は認められなかった.

これらの結果から,「AWANAMA」は,高圧処理により完全に酵母を殺菌(不活性化)することで過発酵を抑えることができ,10°Cの条件で少なくとも3カ月間は保存できると判断できた.この試験の後,二次発酵の条件を再検討した.最終的に,通常の清酒に比べて糖分を多く含む(日本酒の比重を示す「日本酒度」で-3の値)生酒を使用して18°Cで7日間の二次発酵を行うこととした.製品の内圧は5~7 kPaとなった.

試作品「AWANAMA」を用いた市場調査

2017年から2018年にかけて,国内外の展示会などに試作品「AWANAMA」を出展し市場調査を行った.国内では,2017年10月の「アグリビジネス創出フェア2017」,2018年3月の「にいがた酒の陣2018」などを選定し,それぞれBusiness to Buisiness(B to B)およびBusiness to Consumers(B to C)のモデルとして試飲およびアンケート調査を実施した(表2表2■市場調査のため出展したイベント).いずれの調査においても酒質の評価は高く,また,PETボトルのデザインについても非常に高い評価を得た.輸出についても期待感をもつ回答が多かった.アグリビジネス創出フェア2017で行った調査結果を図6図6■アグリビジネス創出フェア2017におけるアンケート調査結果(総数799名,男性622名,女性121名,未記入56名)に示した.

表2■市場調査のため出展したイベント
展示会名時期場所目的
国内展示会等
アグリビジネス創出フェア20172017年10月4–6日東京試飲調査
フードメッセinにいがた20172017年11月8–10日新潟試飲調査
にいがた酒の陣20182018年3月10–11日新潟試飲調査
名酒センター2018年10月12日–11月12日東京試飲調査/試験販売
アグリビジネス創出フェア20182018年11月20–22日東京試飲調査
にいがた酒の陣20192019年3月9–10日新潟試飲調査/試験販売
海外展示会等
Niigata Food & Culinary Show in New York2018年3月6–8日New York, USA試飲調査
Salon du Saké 20182018年10月6–8日Paris, France試飲調査/試験販売
Hong Kong International Wine & Spirits Fair 20182018年11月8–10日Hong Kong試飲調査/試験販売

図6■アグリビジネス創出フェア2017におけるアンケート調査結果(総数799名,男性622名,女性121名,未記入56名)

この結果を受けて,また,当時の日本酒の輸出実績(輸出量および金額)(18)18) 農林水産省政策統括官:日本酒をめぐる状況平成30年10月,https://www.maff.go.jp/j/seisaku_tokatu/kikaku/sake.html (2018).を参考に対象とする海外エリアを選定した,2017年における日本酒の輸出国は67か国であり,アメリカ,韓国,中国,台湾,香港の5か国で輸出量および金額の約8割を占めていた.輸出量あたりの平均輸出価格を算出したところ795円/Lであったが,国によってこの値がやや異なっていることが分かった,中国では796円/Lと平均値795円/Lと同等であった.これに対して,香港では1,549円/L,アメリカでは1,045円/Lと平均値よりも高い値となった.これらの国では高価格帯の日本酒の需要が大きい可能性が示された.一方,台湾では478円/L,韓国では389円/Lと平均値よりも低い値となった.これらの国々では低価格帯の日本酒の需要が大きい可能性が示された.

以上のことから,「AWANAMA」の海外市場調査を行う対象国候補として,まず,

1)アメリカ(北米):輸出実績(輸出量・金額とも)が最も大きい.

2)香港:輸出国の中で輸出量当たりの価格が最も高額である.

以上の2つのエリアを選出し,市場調査の対象国候補とした.

これに加えて,ヨーロッパにおける対象国候補も選定することとした.2017年のヨーロッパへの日本酒輸出の状況は,最も輸出量の大きいイギリスでも388 kLであり,アメリカの5,780 kLに比べて少ない状況であった.しかし,2017年の輸出量は,前年に比べて22.5%増加していた.また,2015年にイタリア万国博覧会が開催され日本食の文化的・健康的な食事としての評価が上がり,日本酒の認知度も一気に広まったと言われている.その結果,イタリアでは前年に比べて20.1%の増加が,フランスでは前年に比べて57.7%の増加がそれぞれ認められた.特に増加率の高かったフランスでは,2017年からフランス人による日本酒コンクール「Kura Master」も始まり,更なる市場の拡大が期待されるエリアと考えた.この国は,歴史的にも食文化への影響が大きいとも考えられる,そこで,「AWANAMA」のヨーロッパでの市場調査の実施のため,フランスを3番目の対象国として選出した.

3)フランス:日本酒輸出量の増加率が高く,食文化への影響も大きい.

以上の3か国を対象に,海外での市場調査を実施することとした.

海外での市場調査に際して,対象国の輸出業者と連携して「AWANAMA」を実際に輸出することになった.300~400本の小ロットでの輸送だったので基本的に航空貨物で輸送した.ただし,香港には常温の船便輸送による試験を実施した.いずれも大きなトラブルもなく無事に通関でき,試飲調査および試験販売に供することができた.

アメリカ,フランス,香港で試飲調査を実施した.酒質については何れの国でも高評価を得た.Salon du Saké 2018およびHong Kong Wine & Spirits Fair 2018におけるアンケート調査結果を図7図7■Salon du Saké 2018(A)(総数75名;男性66名,女性9名)およびHong Kong Wine & Spirits Fair 2018 (B)(総数130名; 男性105名,女性25名)におけるアンケート調査結果に示した.日本酒を恒常的に飲酒している経験の少ない方々が多い中,「AWANAMA」を試飲して頂いた方の多くが高く評価した.弱い酸味は,白ワイン様の飲み口に似ているし,「生酒」感はフレッシュな飲み口に感じられたようだ.

図7■Salon du Saké 2018(A)(総数75名;男性66名,女性9名)およびHong Kong Wine & Spirits Fair 2018 (B)(総数130名; 男性105名,女性25名)におけるアンケート調査結果

ボトルデザインおよび容器仕様についても非常に高い評価が得られた.黒色の「クールジャパン」を意識したデザインは注目度が高かった.第一印象では,PET材料の容器として認識できず,手に取って初めてその軽量さを確認して驚きを示す方々が多く見受けられた.320 mLの容量についても好評で,飲み切りサイズの日本酒が現在流通しておらず,飲食店やレストラン関係者からすぐにでも商品化して販売して欲しいという希望もいただいた.

なお,今回の試作品「AWANAMA」で用いた「コンプレックスボトル」に対する機能面,そしてデザイン面からの評価の結果,2019年に日本包装技術協会の日本パッケージングコンテストで「公益社団法人日本グラフィックデザイナー協会賞」を受賞(19)19) 日本包装技術協会:日本パッケージングコンテスト2019, https://www.jpi.or.jp/saiji/jpc/2019/index.html (2019).し,同年,アメリカ・ダウ社のThe Packaging Innovation Awardsでも最高位の「ダイアモンド賞」を受賞(20)20) Dow: 2019 Packaging Innovation Winners, https://www.dow.com/en-us/market/mkt-packaging/packaging-innovation-award/packaging-innovation-award-winners-2019.html (2019).している.

フランスと香港では,試飲調査に加えて試験販売も実施した.フランスでは,12 €(約1,560円)の価格を設定した.大手日本酒メーカーがフランス国内で12 €で350 mLの日本酒を先行販売しているのを確認して設定した価格であるが,今後も12 €での販売は可能と思われた.

香港では,100 HK$(約1,500円)で試験販売を実施した.香港での日本酒市場を調査すると香港の消費市場の特性に影響を受けていることが判明した.まず,香港を訪れる交流人口(来港者)が2017年で約5,850万人もいるということ.一人当たりのGDPが約4,300 US$(日本は約3,900 US$)など所得の高い層が多くいること.香港市場で売られている日本酒の価格帯は,四合瓶で平均400 HK$(約6,000円)であること.したがって,「AWANAMA」320 mLで100 HK$の販売価格は決して高い価格ではないことが判明した.海外での試飲・試験販売の会場で多くの外国の業者の方々から早急な販売の要求を求める声が多くあった.このことは「AWANAMA」の海外市場での販売を望む人が実在するという検証になった.

以上の市場調査を通じて,海外の3つのエリアでの「AWANAMA」の商品としての評価は高く,本研究で目指した商品コンセプトの妥当性が確認できた.「AWANAMA」を販売したいという現地業者の方々とも接触でき,また,試験販売のための輸出業務および現地での通関業にご協力いただいた流通関係者とも関係を構築できた.今後,ビジネスとして「AWANAMA」の海外輸出が可能になる足掛かりが得られたと考えている.

現在の課題と今後に向けての取り組み

1. 圧力感受性酵母を用いたプロセスの改良

本研究で開発した試作品「AWANAMA」の製造プロセスにおいて,実用化の大きな障壁となることが予想される点として,高圧処理装置の導入に要するイニシャルコストが挙げられる.海外では,600 MPaの高圧処理を行うことのできる実用規模の高圧処理装置が稼動して高圧加工食品を生産している.しかし,我が国では残念ながら高圧加工食品の普及が海外に追いついていない状況である.したがって,できるだけ低い圧力での高圧処理を行うことでイニシャルコストを低減することが望ましい.

「AWANAMA」を用いた市場調査の結果から,少なくとも製品の酵母を非熱的に殺菌(不活性化)するだけでも,海外でのビジネスが可能となることが期待される.そこで,圧力感受性が遺伝的に増大した圧力に弱い酵母の作出とそれを用いた醸造プロセスの開発を目的とした研究を進めている.圧力感受性が増大した酵母を用いることで,高圧処理工程における処理圧力を低減することが可能となり,高圧装置の初期投資を抑えることにつながるからである.

実験室一倍体酵母(接合型a)Saccharomyces cerevisiae KA31a株に紫外線を照射し,圧力感受性変異株a924E1を作出した(21)21) T. Shigematsu, Y. Nasuhara, G. Nagai, K. Nomura, K. Ikarashi, M. Hirayama, M. Hayashi, S. Ueno & T. Fujii: J. Food Sci., 75, M509 (2010)..しかし,小スケール醸造プロセス(小仕込試験)で本株の醸造特性を解析したところ増殖が良好といえず,日本酒の醸造用としての適性が高くないと判断された.a924E1株の圧力感受性の原因が,ミトコンドリアDNA上に位置するcytochrome c oxidaseをコードするCOX1遺伝子領域の欠失であることが示唆された(22)22) K. Nomura, H. Iwahashi, A. Iguchi & T. Shigematsu: J. Food Sci., 80, M1051 (2015).ため,本株と他の接合型αの一倍体酵母との接合により,圧力感受性を示す二倍体の作出が可能であると考えた(図8図8■圧力感受性二倍体酵母株作出の戦略).そこで,日本醸造協会が保管・頒布している日本酒の醸造に多用されている清酒酵母「きょうかい7号」(K7株)の接合型αの一倍体株とa924E1株を接合させ,きょうかい7号の遺伝的背景を持つ二倍体の圧力感受性株KE03およびKE45が作出できた(図9図9■圧力感受性二倍体酵母KE03株,KE45株および親株(K7株,a924E1株)の未処理および高圧処理(200 MPa, 室温,1分間)後の生菌数(23)23) K. Nomura, H. Hoshino, K. Igoshi, H. Onozuka, E. Tanaka, M. Hayashi, H. Yamazaki, H. Takaku, A. Iguchi & T. Shigematsu: High Press. Res., 28, 165 (2018)..得られた株は,小スケール醸造プロセスでの試験においても,良好な増殖能を示した.

図8■圧力感受性二倍体酵母株作出の戦略

図9■圧力感受性二倍体酵母KE03株,KE45株および親株(K7株,a924E1株)の未処理および高圧処理(200 MPa, 室温,1分間)後の生菌数

現在,「AWANAMA」の醸造に用いた新潟県醸造試験場で作出した醸造用酵母の圧力感受性株の作出を行っている.400 MPaよりも低い圧力条件で過発酵を止めた「AWANAMA」の醸造が可能となると考えている.

2. 麹菌由来の残存酵素の不活性化

試作品「AWANAMA」は,400 MPa,室温,10分間の高圧処理により,酵母の過発酵を止めることで,10°Cで3カ月間以上の保存期間が達成できた.この試作品の市場調査の結果,海外輸出がビジネスとして成立する可能性を示すことができたと考えている.しかし,本技術の実用化を目指すなら,より高い保存温度,より長期間の保存時間が望ましい.これを目指すためには,麹菌由来の残存酵素の非熱的不活性化は,解決すべき大きな課題の一つである.

そこで,二次発酵終了後,高圧未処理の「AWANAMA」試料に対して高圧処理を施して,試料に含まれる麹菌由来の酵素の残存活性を測定した(24)24) T. Shigematsu, N. Okada, K. Nomura, C. Kataoka, S. (Ujiie) Hori, I. Takahashi, T. Aoki, T. Kuribayashi, M. Kaneoke & A. Iguchi: High Press. Res., 39, 313 (2019)..200 MPaから500 MPaの高圧処理を,-7°Cから+50°Cの温度条件で,10分間行った.測定した酵素活性として,α-アミラーゼ活性,糖化力(α-グルコシダーゼ活性,グルコアミラーゼ活性が含まれる),および,酸性カルボキシペプチダーゼ活性を選択した.

室温条件での高圧処理では,最大500 MPaの圧力でも,α-アミラーゼ活性および糖化力の顕著な低下は認められなかった(図10図10■高圧処理(200~500 MPa, -7°C~+50°C,10分間)を施した「AWANAMA」試料中のα-アミラーゼ活性(A),糖化力(B),酸性カルボキシペプチダーゼ活性(C)).一方,酸性カルボキシペプチダーゼ活性は約半分に低下した.高圧処理時の温度を高温側にシフトすると,温度の上昇に伴って各酵素活性は低下した.また,高圧処理時の温度を低温側にシフトすると,温度の低下に伴って各酵素活性の減少低下が認められた.500 MPa,50°C,10分間の高圧処理を行った試料は,α-アミラーゼ活性,糖化力,酸性カルボキシペプチダーゼ活性が,高圧未処理の対照に比べて,それぞれ,40%,35%,17%まで低下しており,これらは火入れした試料と同等の残存酵素活性であった.しかし,試飲したところ生酒の風味は変化していた.一方,500 MPa,-7°C,10分間の高圧処理を行った試料は,α-アミラーゼ活性,糖化力,酸性カルボキシペプチダーゼ活性が,それぞれ,65%,67%,21%まで低下しており,しかも生酒の風味を維持していた.

図10■高圧処理(200~500 MPa, -7°C~+50°C,10分間)を施した「AWANAMA」試料中のα-アミラーゼ活性(A),糖化力(B),酸性カルボキシペプチダーゼ活性(C)

一般的に酵素活性の不活性化は,酵素タンパク質の変性による構造変化によって引き起こされる.タンパク質の圧力—温度変性において,高温条件での高圧処理による変性と同時に,低温条件での高圧処理による変性を示すタンパク質が存在する(25)25) L. Smeller: “High Pressure Bioscience Basic Concepts, Applications and Frontiers” eds. by K. Akasaka & H. Matsuki, Springer Science+Business Media, 2015, p. 19..したがって,得られた結果は妥当であると考えられる.低温条件での高圧処理により,風味の変化を抑制しながら酵素活性を低下させることは,本研究の目的に適うものと考えている.現状で,500 MPa,-7°Cの条件での高圧処理が酵素の不活性化には最適である.しかし,この条件の高圧処理は,高圧処理時の低温を維持する技術的問題やコスト等を考えると,実用化が容易ではない.今後,保存試験を行いながら,成分分析,官能評価の結果とあわせて,実用上問題ない程度の品質を確保することができる最適処理条件を決定する必要があると考えている.

おわりに

以上,高圧殺菌技術を用いた発泡性にごり生酒「AWANAMA」の開発の経緯と現時点で得られた成果,そして今後に向けた課題について記載した.高圧殺菌技術を応用することで,生酒の風味を維持しつつ残存微生物による過発酵を止めた日本酒の製造が可能となった.そして「AWANAMA」の商品コンセプトと完成した試作品は,国内はもちろん海外においても市場価値が高いものと考えられた.

現在,COVID-19の影響で日本酒製造業も深刻な打撃を受けている.しかし,収束に伴って国内外の日本酒の需要は高まることが期待できる.その際に,従来の清酒に加えて,本研究で開発した「AWANAMA」を新しいタイプのsakeとして実用化し販売することができれば,日本酒製造業のさらなる活性化に貢献できるのではないかと考えている.本研究の成果を足がかりとして,産官学の連携を模索し強化しながら,本技術の実用化ならびに普及に向けた取り組みを続けていきたい.

Acknowledgments

本研究は,農業・食品産業技術総合研究機構 生物系特定産業技術研究支援センター「革新的技術開発・緊急展開事業(地域戦略プロジェクト)」(平成28~30年度),新潟薬科大学「重点研究推進プログラム」(令和元年~2年度)の支援を受けて実施したものです.

Reference

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22) K. Nomura, H. Iwahashi, A. Iguchi & T. Shigematsu: J. Food Sci., 80, M1051 (2015).

23) K. Nomura, H. Hoshino, K. Igoshi, H. Onozuka, E. Tanaka, M. Hayashi, H. Yamazaki, H. Takaku, A. Iguchi & T. Shigematsu: High Press. Res., 28, 165 (2018).

24) T. Shigematsu, N. Okada, K. Nomura, C. Kataoka, S. (Ujiie) Hori, I. Takahashi, T. Aoki, T. Kuribayashi, M. Kaneoke & A. Iguchi: High Press. Res., 39, 313 (2019).

25) L. Smeller: “High Pressure Bioscience Basic Concepts, Applications and Frontiers” eds. by K. Akasaka & H. Matsuki, Springer Science+Business Media, 2015, p. 19.