本書籍は，「稲」「コメ」「米飯」に関わる分野の専門家が執筆し，それらに関する最新の科学技術，すなわち稲の育種や栽培，コメの多様性や品質，米飯の食味や栄養などの様々な分野を紹介しています．

本書は四半世紀前に同一名で同一出版社より出版された本の後継書です．後継書とはいえ，編集者も著者も一新しており，前書発行以降の新たな知見が随所に紹介されています．中でも本書の特徴として，食品としての米に関する記述は詳細で，米飯の理化学的な食味評価の詳細や炊飯ジャーの技術変遷などは他書にはみられない内容です．

米に携わる研究者や技術者などには新たな情報の提供として，食品としての米の重要性と魅力が詳しく述べられており，若い読者には研究を進める知識の獲得として，是非参考にしていただきたいと思います．辻井良政氏（東京農業大学応用生物科学部）

目次

第1章 作物としてのイネ

第2章 世界と日本のイネ栽培

第3章 需要と供給

第4章 育種および栽培と外観品質・食味

第5章 構造と化学成分

第6章 分類

第7章 物理化学的性質

第8章 食味

第9章 米料理と調理

第10章 加工品

第11章 米と微生物

第12章 精米工程および貯蔵と品質