解説

生乳由来乳酸菌に関する研究日本オリジナルのヨーグルトはこれまでのヨーグルトとは何が違う?

Study on Lactic Acid Bacteria (LAB) Isolated from Raw Milk in Japan: What is the Difference Between Yogurt Made with LAB Derived from Raw Milk in Japan and Conventional Yogurt Starter?

Hanae Tsuchihashi

土橋 英恵

株式会社明治

Published: 2022-07-01

ヨーグルトは発酵乳の一種で乳を乳酸菌や酵母で発酵した食品である.その起源は紀元前に遡る.世界各地には様々な伝統的発酵乳製品が存在し,その風味と乳酸菌に関する研究が多数報告されている.一方,我が国では1950年以降にヨーグルトの本格的な工業生産が始まり,2000年以降機能性ヨーグルトの登場によって機能性研究が主流となったが,その風味と乳酸菌に関する研究はほとんどない.

我々は,発酵乳に新規な風味を付与する乳酸菌として国産生乳由来の乳酸菌に着目し,その多角的な研究を通して十勝産生乳由来のスターター「十勝ミルク乳酸菌TM96」と,それを使った発酵乳を開発した.本稿ではその一端について紹介する.

Key words: 生乳由来乳酸菌; Lactobacillus delbrueckii; Multilocus Sequence Analysis(MLSA); メタボローム解析; ヨーグルト(発酵乳)

ヨーグルト

1. ヨーグルトの定義

食品の国際規格(Codex規格)(1)1) CODEX STANDARD FOR FERMENTED MILKS, CODEX STAN 243–2003.において,ヨーグルトとは「Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus(ブルガリア菌)とStreptococcus thermophilus(サーモフィラス菌)の共発酵品」と定義されている.ヨーグルト製造に使われる乳酸菌をヨーグルトスターター(種菌)と言うが,一般にこの2菌種を指す(図1図1■ヨーグルト発酵における乳酸菌の共生関係).

図1■ヨーグルト発酵における乳酸菌の共生関係

さらにCodex規格ではブルガリア菌以外のLactobacillus属乳酸菌を用いた場合には,ヨーグルトではなく「カルチャー代替ヨーグルト(Alternate Culture Yoghurt)」と定義されている.

日本では牛乳や乳製品などについての成分規格や製造基準などを定める「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(通称:乳等省令)」(2)2) 乳及び乳製品の成分規格等に関する省令,昭和26年12月27日厚生省令第52号.において,ヨーグルトとカルチャー代替ヨーグルトの区別はなく,いずれも「発酵乳」として扱われている.

2. ヨーグルト発酵における乳酸菌の共生関係(3)

ヨーグルトとは,乳に乳酸菌を添加して発酵させた食品である.より具体的に表すと,乳中で乳酸菌が増殖する際,乳糖を分解して乳酸を産生(乳酸発酵)し,この乳酸によって乳たんぱく質が凝固したものと言える.

L. delbrueckii subsp. bulgaricus(ブルガリア菌)とS. thermophilus(サーモフィラス菌)はそれぞれ単菌でも発酵を進めることが出来るが,発酵終了までに長い時間(菌株によるが十数時間以上)を要する.一方,両菌種を一緒に植えると,お互いに生育に必要な栄養素を提供し合うことで両菌種の増殖性が向上し,単菌発酵時よりも短時間でヨーグルトの発酵が完了する.このような発酵促進作用はブルガリア菌とサーモフィラス菌の共生関係に起因し,ブルガリア菌からサーモフィラス菌に提供されるペプチドと,サーモフィラス菌からブルガリア菌に提供されるギ酸が,主要な共生因子であることが見いだされている(図1図1■ヨーグルト発酵における乳酸菌の共生関係).このブルガリア菌とサーモフィラス菌の共生関係のおかげで,数時間という短時間でヨーグルトを作ることができるのである.

世界の発酵乳

1. 発酵乳の起源(4)

人類が羊や牛といった動物を家畜化したのは,羊はイラクにおいて紀元前8800年,牛はアナトリア(黒海,エーゲ海,地中海に囲まれた半島)で紀元前7000年頃と考えられている.同時期のアナトリアの土器に乳脂肪由来成分が付着していたことから,このころから牛の家畜化と共に乳を採取していたと考えられている.

乳は常温で放置すると環境から混入した微生物の働きによって自然に発酵する.汚染菌の場合は腐敗するが,乳酸菌が混入した場合,数時間でヨーグルトのようになるため,この時期ヨーグルトの原型は自然発生的に誕生したのではないかと考えられている.

2. ヨーグルトの語源(4, 5)

世界には様々な発酵乳が存在し,それぞれの国の名前で呼ばれている.現在,広く一般に使われているヨーグルトという言葉は,トルコ語起源説とバルカン半島東部に暮らしていた古代トラキア人が使っていたトラキア語起源説がある.前者はトルコ語でヨーグルトを表すYoğurt(ヨールト)に由来し,後者はトラキア語のyog(ヨぐ:硬い)とurt(ウルト:ミルク)の複合語であるとされ,トルコ起源説が有力と考えられている.

3. 世界の発酵乳(4, 6)

世界中には400種類もの発酵乳が存在していると考えられているが,ここでは,筆者が論文調査によって,ヨーグルトスターターであるL. delbrueckii subsp. bulgaricus(ブルガリア菌)とS. thermophilus(サーモフィラス菌)の分離報告例を認めた発酵乳を紹介する.

3.1 ラバン(レバノン)

レバノンの伝統的発酵乳であるLaban(ラバン)とは後述するDahi(ダヒ),Yoghurt(ヨーグルト)と並ぶ世界の三大発酵乳の1つと言われている.ラバンは乳を1分間沸かした後50°Cまで冷まし,前回作った発酵乳を接種し,数時間発酵させて作る.

3.2 アイラン(トルコ)

トルコの伝統的発酵乳であるYoğurt(ヨールト)は沸騰させた乳を40°C前後に冷まし,前日に作った発酵乳の残りを加え3~4時間発酵することにより作られる.Ayran(アイラン)は発酵乳から脂肪分を除き,等量の食塩水(およそ1%)と混ぜて作る国民的発酵乳飲料である.アイランからはヨーグルトスターターの他,Lactobacillus属,Bacillus属,Enterococcus属といった乳酸菌や酵母が分離されている(7)7) F. Baruzzi, L. Quintieri, L. Caputo, P. Cocconcelli, M. Borcakli, L. Owczarek, U. T. Jasińska, S. Skąpska & M. Morea: Food Microbiol., 60, 92 (2016).

3.3 キセロ・ムリャコ(ブルガリア)

ブルガリア語では生乳をmlyako(ムリャコ),酸っぱくなったミルクをkiselo myako(キセロ・ムリャコ)と言う.ブルガリアではヨーグルトを作ることが日常的な行為であることから,「ヨーグルトを作る」という意味の動詞kvasya(クヴァスヤ)という言葉があり,手作りヨーグルトはkvaseno mlyako(クヴァセノ・ムリャコ)という(5)5) マリアヨトヴァ:“ヨーグルトとブルガリア—生成された言説とその展開”,東方出版,2012, p. 65–95..キセロ・ムリャコは布で濾してごみを取った生乳を大鍋で加熱し40°Cまで冷ます.前回の残りの発酵乳を加えてよくかき混ぜ,蓋をして布で覆って保温し3~4時間発酵させて作る.

3.4 ザバティ/ツァバディ(エジプト)

エジプトの家庭でよく作られる伝統的発酵乳Zabady(ザバディ/ツァバディ)は水牛の乳を30分間沸騰して40°C前後まで冷まし,前日の発酵乳を加え容器に移して発酵する.ザバディはヨーグルトスターターのほか,Lactococcus属,Leuconostoc属といった乳酸菌が含まれていることが報告されている(8)8) G. El-Baradei, A. Delacroix-Buchet & J. C. Ogier: Int. J. Food Microbiol., 121, 295 (2008).

3.5 ダヒ(インド)

インドの発酵乳であるDahi(ダヒ)は生乳を沸騰させ体温まで冷却し,前回の発酵乳の残りをスターターとして添加後,8~16時間発酵して作られる.そのままあるいは甘味や塩味,スパイスを加えて食される.ダヒをかき混ぜて浮いたバターを取り除いたものが「ラッシー」である.

ダヒからはヨーグルトスターター以外に,Streptococcus属,Lactobacillus属,Leuconostoc属,Lactococcus属,Enterococcus属,Pediococcus属といった乳酸菌が含まれていることが報告されている(9)9) M. H. Rashid, K. Togo, M. Ueda & T. Miyamoto: World J. Microbiol. Biotechnol., 23, 125 (2007)..さらにL. delbrueckii subsp. bulgaricus(ブルガリア菌)の同種異亜種のL. delbrueckii subsp. indicusの分離報告例がある(10)10) F. Dellaglio, G. E. Felis, A. Castioni, S. Torriani & J. E. Germond: Int. J. Syst. Evol. Microbiol., 55, 401 (2005).

3.6 タラグ(モンゴル)

モンゴル伝統的発酵乳のTarag(タラグ)は,牛,ヤク,ヤギといった家畜の乳を加熱冷却してできた乳皮とクリーム層を取り除いたものに,前回の発酵乳の残りをスターターとして接種し,40~45°Cで発酵したものである.このほか,Koumiss(クーミス:世界最古の遊牧民である中央アジアのアーリア人が紀元前2000年から飲用してきたと言われている馬乳酒)に似た馬乳酒Airag(アイラグ)は,国民的飲料として人気がある.タラグからはL. delbrueckii subsp. bulgaricus(ブルガリア菌)が分離されているのに対してアイラグからはなく,同種異亜種のL. delbrueckii subsp. lactisが分離されている(11)11) 渡辺幸一:日本乳酸菌学会誌,22, 153 (2011).

4. 日本における発酵乳(4, 12)

日本での乳利用は飛鳥時代に朝鮮半島からの渡来人が孝徳天皇(645~654年)に牛乳を献上したことに端を発し,牛乳を加工した「酪」, 「蘇」, 「醍醐」などの乳製品が作られるようになった.これら牛乳・乳製品は平安時代まで貴族中心に利用されてきたが,鎌倉時代に入って律令制度の崩壊とともに,乳文化は消滅した.

日本で再び乳製品が復活するのは1894年(明治27年)で,ある牛乳販売店が牛乳の販路拡大および余剰乳処理の手段として「凝乳」と称したヨーグルトを整腸剤という触れ込みで発売した.ちなみに,ヨーグルトという言葉が初めて使用されたのは大正時代と言われている.

その後,1919年にモンゴルの酸乳にヒントを得た「カルピス」が,1935年は「ヤクルト」が発売された.1950年(昭和25年),日本初の本格的なヨーグルト「明治ハネーヨーグルト」の工場生産が始まった.ハネーヨーグルトは甘味を加えて寒天で固めたハードヨーグルトと呼ばれるものであり,このヨーグルトの登場以降,ヨーグルトを半固形状にしてフルーツなどを加えたソフトヨーグルト(1969年),甘味がついていないプレーンヨーグルト(1971年),ヨーグルトを液状にしたドリンクヨーグルト(1977年),冷凍してアイス状にしたフローズンヨーグルト(1979年)と,様々なタイプのヨーグルトが作られ食卓に広がっていった.

生乳からの乳酸菌の分離・収集(13)

乳酸菌とは,グラム陽性,桿菌あるいは球菌,カタラーゼ陰性で,糖を消費して著量の乳酸を作る菌の総称であり,分類学的にはLactobacillales目5科67属(14)14) LPSN - List of Prokaryotic names with Standing in Nomenclature: https://lpsn.dsmz.de/, 2021.に分類される種が該当する(2021年12月現在).その数は500種以上であり,植物(花,果実),動物(腸管),食品(発酵食品,生乳)など我々の身近に広く生息している.

乳酸菌は古くから様々な発酵食品,特に発酵乳製品の製造において重要な役割を果たしており,製造適性に加え風味形成において特に優れた一部の菌種(菌株)はスターター(種菌)として世界中で利用されている.スターターの利用により一定品質のものを安定して作ることが可能となったが,工業的に製造された乳製品は,一般に伝統製法で製造されたものに比べ風味が弱いことが多い.これは殺菌乳の使用と製品中の乳酸菌の多様性の低さによると考えられている.伝統的発酵乳製品では非殺菌乳を使用するため,製品中には生乳由来の多種多様な乳酸菌が存在し,これらが風味醸成に大きな影響を与えることが知られている.これに対して工業製品は殺菌乳を使うため,製品中にはスターター由来の乳酸菌しか存在しない.このような工業製品の風味の弱さを解決する方法の一つとして,風味強化を目的としたアジャンクトスターターの利用が知られている(15)15) P. McSweeney, P. Fox, P. Cotter & D. Everett: “Cheese: Chemistry, Physics and Microbiology Fourth Edition”, by Academic Press, 2017, p. 201..海外では伝統的発酵乳製品に関する研究に加えて生乳由来乳酸菌に関する研究も多数報告されており,風味形成において優れたアジャンクトスターターの特徴解明に貢献している(16)16) J. T. M. Wouters, E. H. E. Ayad, J. Hugenholtz & G. Smit: Int. Dairy J., 12, 91 (2002)..一方,日本には様々な伝統的発酵食品が存在するが,乳を用いたものは我々が知る限り存在せず,日本国内の生乳由来乳酸菌に関する知見もほとんどない.また,乳酸菌には多種多様な菌種が存在するが,それらがどのような風味特徴を有するかについて体系的になされた研究はない.

そこで我々は独自の発酵乳製品スターターの開発を目的として,生乳由来の乳酸菌に注目し,国産生乳から多種多様な乳酸菌を分離・同定を行った.図2図2■北海道産生乳由来乳酸菌の内訳に,2009年~2015年にかけて北海道産生乳から分離した1475株の乳酸菌の属の内訳を示した.2020年4月にLactobacillus属が新規23属を含む25属に分割再編されたが(17)17) J. Zheng, S. Wittouck, E. Salvetti, C. M. A. P. Franz, H. M. B. Harris, P. Mattarelli, P. W. O’Toole, B. Pot, P. Vandamme, J. Walter et al.: Int. J. Syst. Evol. Microbiol., 70, 2782 (2020).,本稿では断りがない限り検討を行った当時の旧分類名で表記する.MRS培地などLactobacillus属の生育に有利な分離条件であったこともあり,Lactobacillus属が全体の60%以上を占めている.表1表1■北海道産生乳由来Lactobacillus属の内訳には分離されたLactobacillus属968株の菌種の内訳を示すが,ここでは新分類名も併記した.種名を同定できなかったもの(Lactobacillus sp.)を除き,32菌種955株が分離され,生乳には多種多様な菌種が生息していることが示唆された.

図2■北海道産生乳由来乳酸菌の内訳

表1■北海道産生乳由来Lactobacillus属の内訳
旧菌種名新菌種名株数
Lactobacillus farciminisCampanilactobacillus farciminis4
Lactobacillus caseiLacticaseibacillus casei34
Lactobacillus paracaseiLacticaseibacillus paracasei246
Lactobacillus rhamnosusLacticaseibacillus rhamnosus84
Lactobacillus paraplantarumLactiplantibacillus paraplantarum1
Lactobacillus pentosusLactiplantibacillus pentosus17
Lactobacillus plantarumLactiplantibacillus plantarum66
Lactobacillus plantarum subsp. argentoratensisLactiplantibacillus plantarum subsp. argentoratensis1
Lactobacillus amylovorusLactobacillus amylovorus2
Lactobacillus crispatusLactobacillus crispatus1
Lactobacillus delbrueckiiLactobacillus delbrueckii226
Lactobacillus gasseriLactobacillus gasseri15
Lactobacillus helveticusLactobacillus helveticus95
Lactobacillus johnsoniiLactobacillus johnsonii3
Lactobacillus kefiranofaciensLactobacillus kefiranofaciens5
Lactobacillus dextrinicusLapidilactobacillus dextrinicus2
Lactobacillus curvatusLatilactobacillus curvatus3
Lactobacillus buchneriLentilactobacillus buchneri1
Lactobacillus diolivoransLentilactobacillus diolivorans2
Lactobacillus hilgardiiLentilactobacillus hilgardii1
Lactobacillus parabuchneriLentilactobacillus parabuchneri58
Lactobacillus brevisLevilactobacillus brevis39
Lactobacillus namurensisLevilactobacillus namurensis2
Lactobacillus acidipiscisLigilactobacillus acidipiscis2
Lactobacillus salivariusLigilactobacillus salivarius8
Lactobacillus fermentumLimosilactobacillus fermentum19
Lactobacillus mucosaeLimosilactobacillus mucosae2
Lactobacillus panisLimosilactobacillus panis1
Lactobacillus pontisLimosilactobacillus pontis1
Lactobacillus vaginalisLimosilactobacillus vaginalis8
Lactobacillus coryniformisLoigolactobacillus coryniformis1
Lactobacillus harbinensisSchleiferilactobacillus harbinensis5
Lactobacillus sp.13
Total968

現在までにこの生乳由来乳酸菌のいくつかの株はチーズをはじめとする発酵乳製品用のスターターとして開発され,製品に応用されている(18, 19)18) 土橋英恵,市川愛弓,古市圭介,木村勝紀:日本乳酸菌学会2013年度大会講演要旨集,14 (2013).19) 土橋英恵,市川愛弓,斎藤瑞恵,小森素晴,城ノ下兼一,木村勝紀:平成26年日本酪農科学シンポジウム要旨,20 (2014).

生乳由来乳酸菌の代謝産物によるプロファイリング(13)

前項で述べたとおり,乳酸菌には多種多様な菌種が存在するが,それらがどのような風味特徴を有するかについて体系的になされた研究はないため,乳中で乳酸菌が産生する代謝産物プロファイルを調べた.

1. 香気成分によるプロファイリング

生乳から高頻度で分離される菌種を中心にLactobacillus属,Lactococcus属,Leuconostoc属,Pediococcus属,Streptococcus属から成る18種143株について,発酵乳中の香気成分および有機酸を分析した.検出された香気成分44種,有機酸10種について主成分分析を行った結果,アルコールを産生する絶対ヘテロ乳酸発酵型の乳酸菌(以下,絶対ヘテロと略)とLactococcus属,その他菌種で大きく3つのクラスターに分かれた(図3(a)図3■香気成分の主成分得点散布図).絶対ヘテロとLactococcus属の特徴が際立っていたため,それ以外の菌種についてはその特徴を読み取ることができなかった.そこでLactobacillus属11種98株を対象に主成分分析したところ,発酵型(絶対ホモ,通性ヘテロ,絶対ヘテロ)によって3つに大別された(図3(b)図3■香気成分の主成分得点散布図).さらに,発酵型別に解析すると菌種別に分かれたことから,菌種別に特徴的な香気成分プロファイルの存在が示唆された(図3(c),(d),(e)図3■香気成分の主成分得点散布図).

図3■香気成分の主成分得点散布図

(a)18種143株,(b)Lactobacillus属11種98株,(c)絶対ホモ3種50株,(d)通性ヘテロ5種31株,(e)絶対ホモ3種17株.

2. 水溶性成分によるプロファイリング

特徴的な香気プロファイルを示した6種47株の乳酸菌(L. delbrueckii, Lactobacillus paracasei, Lactobacillus fermentum, S. thermophilus, Lactococcus lactis, Lactococcus cremoris)に対象を限定し,香気成分分析および有機酸分析に加えてCE-TOFMS分析による水溶性成分分析を実施した.機器分析により有機酸8種,香気成分44種,水溶性成分234種(ペプチド不含)が検出された.6菌種の香気成分について主成分分析した結果,L. fermentum(絶対ヘテロ),Lactococcus属およびL. paracasei,その他菌種の3つに分かれ,前項の結果(図3(a)図3■香気成分の主成分得点散布図)と同様の結果が得られた(図4(a)図4■6種47株を対象とした(a)香気成分および(b)水溶性成分の主成分得点散布図).水溶性成分について解析した結果,供試した6菌種のうち5菌種すべてが分かれ(図4(b)図4■6種47株を対象とした(a)香気成分および(b)水溶性成分の主成分得点散布図),水溶性成分の方が香気成分よりも菌種毎の特徴を明確に反映する結果となった.これは香気成分に比べ水溶性成分の成分数が多いことに起因する.以上の結果から,菌種毎に特徴的な水溶性成分プロファイルが存在することが示唆された.

図4■6種47株を対象とした(a)香気成分および(b)水溶性成分の主成分得点散布図

生乳由来乳酸菌の特徴解析

国産生乳から分離された乳酸菌のうち,ヨーグルトスターターとして重要な菌種であるL. delbrueckiiS. thermophilusに着目し,それぞれの特性を調べた.

1. L. delbrueckiiの亜種とその同定方法について

現在,L. delbrueckiiには6つの亜種;L. delbrueckii susbp. delbrueckii, L. delbrueckii subsp. bulgaricus, L. delbrueckii subsp. lactis(20)20) N. Weiss, U. Schillinger & O. Kandler: Syst. Appl. Microbiol., 4, 552 (1983).L. delbrueckii subsp. indicus(10)10) F. Dellaglio, G. E. Felis, A. Castioni, S. Torriani & J. E. Germond: Int. J. Syst. Evol. Microbiol., 55, 401 (2005).L. delbrueckii subsp. sunkii(21)21) Y. Kudo, K. Oki & K. Watanabe: Int. J. Syst. Evol. Microbiol., 62, 2643 (2012).L. delbrueckii subsp. jakobsenii(22)22) D. B. Adimpong, D. S. Nielsen, K. I. Sorensen, F. K. Vogensen, H. Sawadogo-Lingani, P. M. Derkx & L. Jespersen: Int. J. Syst. Evol. Microbiol., 63, 3720 (2013).が報告されており,ヨーグルトスターターとして知られているブルガリア菌(L. delbrueckii subsp. bulgaricus)はL. delbrueckiiの6亜種のうちの1亜種である.

L. delbrueckiiの亜種は,7種のハウスキーピング遺伝子(fusA, gyrB, hsp60, ileS, pyrG, recA, recG)を対象としたMultilocus Sequence Analysisを用いて分類する方法(MLSA法)が2011年にTanigawaらによって報告されている(23)23) K. Tanigawa & K. Watanabe: Microbiol, 157, 727 (2011)..この方法は,複数のハウスキーピング遺伝子を全て繋いだ連結配列をクラスター解析し,対象菌株がどのクラスターに含まれたかによって亜種を決めるものである.TanigawaらはMLSA法によってL. delbrueckiiが5つのクラスター(MLSAクラスターと呼称)に分かれ,うち4つのクラスターが当時報告されていた4つの亜種に相当することを示した(1:lactis, 2: delbrueckii, 3: none, 4: bulgaricus, 5: indicus).クラスター3は2つのサブクラスター3a, 3bに分かれ,当時いずれも対応する亜種が存在しなかったが,翌年2012年にKudoら(21)21) Y. Kudo, K. Oki & K. Watanabe: Int. J. Syst. Evol. Microbiol., 62, 2643 (2012).によってクラスター3aを新亜種sunkiiとする論文が発表された.このときクラスター3bに分類された菌株はsunkiiに含められなかったことから,クラスター3bの菌株には亜種名がつかないままとなった(表2表2■L. delbrueckii亜種分類結果の比較,サブクラスター3bを本稿ではsunkii近縁種と呼称する).さらに,2013年にAdimpongら(22)22) D. B. Adimpong, D. S. Nielsen, K. I. Sorensen, F. K. Vogensen, H. Sawadogo-Lingani, P. M. Derkx & L. Jespersen: Int. J. Syst. Evol. Microbiol., 63, 3720 (2013).lactisクラスターであるクラスター1に属する1菌株を新亜種jakobseniiとする論文を発表したことにより,その後クラスター1に分類された菌株の亜種名をlactisあるいはjakobseniiいずれにも決定できなくなった.このようにL. delbrueckii亜種の分類には分類学上の課題が存在することから,我々は亜種名ではなくクラスター名を用いている.

表2■L. delbrueckii亜種分類結果の比較
亜種Tanigawaら23)23) K. Tanigawa & K. Watanabe: Microbiol, 157, 727 (2011).Tsuchihashiら24)24) H. Tsuchihashi, A. Ichikawa, M. Takeda, A. Koizumi, C. Mizoguchi, T. Ishida & K. Kimura: J. Dairy Sci., 105, 2082 (2022).
MLSAクラスターMLSAクラスターhsp60グループhsp60アレル番号*1(株数)*2検出株数(%)
lactis/jakobsenii1I11, 2, 3, 4 (5), 10, 13 or 14 (1),15 (3), 16, 17, 18 (6), 19 (1),20 (1), 22 (1), 26 (1), 27 (1), 28199 (88.1)
delbrueckii2II110 (0)
sunkii3aIII-A37, 11 (3), 24 (1), 2526 (11.5)
sunkii近縁種3bIII-B
bulgaricus4IV25, 6, 80 (0)
indicus5V49, 12, 21 (1), 231 (0.4)
*1: 太字は生乳由来L. delbrueckii 226株から検出されたアレル番号. 
*2: カッコ内はMLSA法に供した菌株数.

また,筆者ら(24)24) H. Tsuchihashi, A. Ichikawa, M. Takeda, A. Koizumi, C. Mizoguchi, T. Ishida & K. Kimura: J. Dairy Sci., 105, 2082 (2022).はMLSA法を用いて多数のL. delbrueckiiの亜種の同定を行う過程で,hsp60遺伝子のアレル型を分類すると4つのグループ(1~4)に分かれること,各グループがMLSAのクラスターすなわち各亜種に対応することを見出し,この方法がL. delbrueckii亜種の簡易分類法として実用に足ることを確認している(表2表2■L. delbrueckii亜種分類結果の比較).なお,hsp60とは真核生物での名称であり,原核生物ではgroELと称するのが正しいが,本研究では参考論文の表記に倣い,hsp60と記載する.

2. 生乳由来L. delbrueckii 226株の亜種の分布(24)

生乳由来L. delbrueckiiの亜種の分布を推定することを目的として,北海道産生乳由来226株についてhsp60遺伝子配列を解析した.その結果,226株のhsp60遺伝子は新規8種(No. 18以降)を含む14種(表2表2■L. delbrueckii亜種分類結果の比較,太字表記)のアレル型に分類された.これらアレル型の種類とそれぞれの検出数から,226株中のMLSAクラスターの分布を導き出すとクラスターI(lactisあるいはjakobsenii)が226株中199株と最も多く,88.1%占めていた.それ以外は,クラスターIII(sunkiiあるいはsunkii近縁種)が26株で全体の11.5%,推定indicusが1株検出され,クラスターII(delbrueckii)およびクラスターIV(bulgaricus)は検出されなかった(表2表2■L. delbrueckii亜種分類結果の比較).14種類のアレル型のうち,No. 18(126株,55.8%)が最も多く,次いでNo. 4(50株,22.1%)が多いことが明らかになった(図5図5■生乳由来L. delbrueckii 226株のhsp60アレル型の分布).

図5■生乳由来L. delbrueckii 226株のhsp60アレル型の分布

次に,代表的なhsp60アレル型を持つ26株を対象にMLSA法で亜種を同定したところ,簡易分類と同じMLSAクラスターに分類されることを確認した.さらに,これまでに報告のないサブクラスターI-B1が形成され(図6図6■北海道産生乳由来L. delbrueckii 26株のMLSA解析結果),このサブクラスターはhsp60アレル型No. 18, 26, 27を有する全ての株とNo. 4を有する一部の株(5株中3株,60%)で構成されていた.生乳由来L. delbrueckii 226株中のhsp60アレル型の分布から,サブクラスターI-B1に属する菌株(I-B1菌群)は7割近くを占めると推定され,生乳由来L. delbrueckiiの最優勢菌群である可能性が示唆された.

図6■北海道産生乳由来L. delbrueckii 26株のMLSA解析結果

前項の香気成分によるプロファイリング結果から,I-B1菌群はブルガリア菌(クラスターIV)と比べて,ヨーグルトの爽やかな香りと表現されるアセトアルデヒドの産生が少ないことが明らかになっている(図7図7■ブルガリア菌(IV)とI-B1菌群におけるアセトアルデヒド産生量の比較).

図7■ブルガリア菌(IV)とI-B1菌群におけるアセトアルデヒド産生量の比較

3. 生乳由来S. thermophilusの解析

細胞壁結合型プロテアーゼをコードするprtS遺伝子を有するS. thermophilusは,自身でペプチドを獲得することで,単菌でも高い発酵性を示す株が存在することが古くから報告されている(25)25) S. Shahbal, D. Hemme & M. Desmazeaud: Lait, 71, 351 (1991)..しかし,prtS遺伝子保有株(prtS+株)は少なく,2010年に発表された論文では,フランスINRAのコレクション135株のうち,prtS+株はわずか21株(15.6%)であったことが報告(26)26) C. Delorme, C. Bartholini, A. Bolotine, S. D. Ehrlich & P. Renault: Appl. Environ. Microbiol., 76, 451 (2010).されており,実際当社でヨーグルト製造に利用しているS. thermophilusはすべてprtS遺伝子非保有株(prtS−株)であった.Yamamotoら(27)27) E. Yamamoto, R. Watanabe, A. Koizumi, T. Ishida & K. Kimura: Biosci. Microbiota Food Health, 39, 169 (2020).は当社国産生乳由来S. thermophilus 172株について調べ,59株(34.3%)にprtS遺伝子が存在することを明らかにした.

4. 日本オリジナルのヨーグルトの開発

以上の検討から国産生乳由来乳酸菌(I-B1菌群およびprtS+株)は,ヨーグルトスターター(ブルガリア菌およびprtS−株)とは異なる性質を有していることが明らかになった.そこで我々は十勝産生乳由来L. delbrueckii 159株,S. thermophilus 65株からL. delbrueckii OLL204989(I-B1菌群)とS. thermophilus OLS4496(prtS+株)を選抜した.当社では,ヨーグルトスターターの組み合わせに名前を付けており,十勝産生乳から分離したこれら2株には「十勝ミルク乳酸菌TM96」と名付け(図8図8■十勝産生乳由来ヨーグルトスターター「十勝ミルク乳酸菌TM96」),これを用いて日本オリジナルのヨーグルト(国産生乳と国産生乳由来乳酸菌を使用した発酵乳,codex規格のカルチャー代替ヨーグルト)を開発し,2019年3月に上市した.TM96で作ったヨーグルトはブルガリア菌を使用していないため,codex規格のヨーグルトではなく,カルチャー代替ヨーグルトになる.

図8■十勝産生乳由来ヨーグルトスターター「十勝ミルク乳酸菌TM96」

生乳由来乳酸菌で作った発酵乳の代謝産物プロファイル(13)

生乳由来乳酸菌を用いた発酵乳と非生乳由来のヨーグルトスターターを用いた発酵乳の違いを明らかにするため,由来の異なる乳酸菌を組み合わせて発酵乳を調製し(表3表3■分析に供試した発酵乳と菌株の組み合わせ),メタボローム解析を行った.水溶性成分(有機酸を含む,ペプチドを含まない)と香気成分の主成分分析結果を図9図9■発酵乳12種を対象とした水溶性成分(a)および香気成分(b)の主成分得点散布図に示す.水溶性成分では,S. thermophilusprtS遺伝子の有無(prtS+ vs prtS−)とL. delbrueckiiの亜種の違い(I-B1菌群vsブルガリア菌;IV)により,12種の発酵乳は4つのクラスター(I-B1−, I-B1+, IV−, IV+)に分かれた.I-B1+は生乳由来I-B1菌群とprtS+株を組み合わせた発酵乳によって形成されたクラスターを表し,IV−はブルガリア菌(IV)とprtS−株を組み合わせた発酵乳によって形成されたクラスターを表す.香気成分では,S. thermophilusよりもL. delbrueckiiの影響が大きく,ブルガリア菌(IV)に比べ生乳由来I-B1菌群を用いた発酵乳は,総じてアセトアルデヒドが少ないことが確認された.

表3■分析に供試した発酵乳と菌株の組み合わせ
S. thermophilus
ヨーグルトスターター生乳由来
prtSprtS+株
1131OLS4496
ヨーグルトスターター2038Y1 (LB81)Y7
L. delbrueckii subsp. bulgaricusOLL1255Y2Y8
(ブルガリア菌,IV)OLL1256Y3Y9
生乳由来OLL204845Y4Y10
L. delbrueckiiOLL204992Y5Y11
(I-B1菌群)OLL204989Y6Y12 (TM96)

図9■発酵乳12種を対象とした水溶性成分(a)および香気成分(b)の主成分得点散布図

次に,TM96で調製した発酵乳と既存ヨーグルトスターター(LB81;L. delbrueckii subsp. bulgaricus 2038とS. thermophilus 1131)で調製した発酵乳の風味の違いを明らかにするため,発酵乳12サンプルのうち4サンプル(Y1, Y6, Y7, Y12)について6名のパネリストによる官能評価データを解析した.その結果,prtS遺伝子の有無と亜種の違いにより,4つに分かれた(図10図10■発酵乳4種を対象とした官能評価値の(a)主成分得点散布図,(b)主成分負荷量散布図).ブルガリア菌を用いたサンプルは(Y1, Y7)酸味が強いPC1軸負の方向にプロットされており,生乳由来I-B1菌群を用いたサンプル(Y6, Y12)は酸味が弱く,ミルク風味が強いPC1軸正の方向にプロットされた.この結果から,LB81で調製した発酵乳(Y1)は酸味とヨーグルト感があるのに対し,TM96で調製した発酵乳(Y12)は,酸味が弱く,ミルクの風味とヨーグルト感の両方を合わせもった風味であることが示唆された.

図10■発酵乳4種を対象とした官能評価値の(a)主成分得点散布図,(b)主成分負荷量散布図

乳酸菌で地域活性化!:フードバレーとかちの取り組み

「フードバレーとかち」は北海道十勝の「食」と「農林漁業」を柱とした地域産業政策である.この政策を推進する「フードバレーとかち推進協議会」と当社は,2017年に乳の価値向上の推進を目的とした包括連携協定を締結し(28)28) フードバレーとかち推進協議会:「株式会社明治とフードバレーとかち推進協議会の包括連携協定の締結について」(2017年6月2日),http://www.foodvalley-tokachi.com/?p=12934, 2017.,この協定に基づく取り組みの1つとして,2019年「十勝ヨーグルトプロジェクト」を発足した(29)29) フードバレーとかち推進協議会:「十勝ヨーグルトプロジェクト」記者発表会を行いました(2019年2月27日),http://www.foodvalley-tokachi.com/?p=14347, 2019..本プロジェクトは,十勝産の生乳とその生乳から見出された乳酸菌で作ったヨーグルトを開発・普及していくことにより,酪農王国・十勝の魅力を全国に発信していくことを目的としている.この取り組みにおいて当社は「十勝ミルク乳酸菌TM96」をフードバレーとかちに提供しており,これまでにいくつかの十勝の地元企業からTM96を使った製品が生みだされている(30~32)30) フードバレーとかち推進協議会:十勝産の乳酸菌を使用したヨーグルト製品(2019年3月5日),http://www.foodvalley-tokachi.com/?p=14372, 2019.31) フードバレーとかち推進協議会:酪農王国十勝「ジャージーヨーグルト」発売(2020年6月2日),http://www.foodvalley-tokachi.com/?p=14969, 2020.32) フードバレーとかち推進協議会:「ほっこうミルクののむヨーグルト」発売(2020年7月3日),http://www.foodvalley-tokachi.com/?p=14978, 2020.

おわりに

食には3つの機能があると言われている.一次機能は「栄養」,二次機能は「嗜好性(おいしさ)」,そして三次機能は「生体調節機能(健康機能)」である.近年,乳酸菌およびヨーグルトの三次機能に関する研究が主流となるなか,我々は,毎日摂る食品だからこそ,おいしさにこだわりたいとの想いで生乳由来乳酸菌とその発酵乳の二次機能(嗜好性)に関する研究に取り組んできた.さらにフードバレーとかちの取り組み例から,目に見えない乳酸菌が地域振興にも役立つ可能性も明らかとなった.これからも乳酸菌の新たな可能性を探求し,おいしく健康的な食品の開発に貢献したいと考えている.

Reference

1) CODEX STANDARD FOR FERMENTED MILKS, CODEX STAN 243–2003.

2) 乳及び乳製品の成分規格等に関する省令,昭和26年12月27日厚生省令第52号.

3) 佐々木泰子:日本乳酸菌学会誌,26, 109 (2015).

4) 齋藤忠夫,伊藤裕之,岩附慧二,吉岡俊満編:“ヨーグルトの事典”,朝倉書店,2016, p. 1–51.

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12) 細野明義編:“発酵乳の科学—乳酸菌の機能と保健効果—”,アイ・ケイコーポレーション,2002, p. 52–59.

13) 土橋英恵:“乳酸菌の機能と産業利用”,シーエムシー出版,2021, p. 177–186.

14) LPSN - List of Prokaryotic names with Standing in Nomenclature: https://lpsn.dsmz.de/, 2021.

15) P. McSweeney, P. Fox, P. Cotter & D. Everett: “Cheese: Chemistry, Physics and Microbiology Fourth Edition”, by Academic Press, 2017, p. 201.

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18) 土橋英恵,市川愛弓,古市圭介,木村勝紀:日本乳酸菌学会2013年度大会講演要旨集,14 (2013).

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25) S. Shahbal, D. Hemme & M. Desmazeaud: Lait, 71, 351 (1991).

26) C. Delorme, C. Bartholini, A. Bolotine, S. D. Ehrlich & P. Renault: Appl. Environ. Microbiol., 76, 451 (2010).

27) E. Yamamoto, R. Watanabe, A. Koizumi, T. Ishida & K. Kimura: Biosci. Microbiota Food Health, 39, 169 (2020).

28) フードバレーとかち推進協議会:「株式会社明治とフードバレーとかち推進協議会の包括連携協定の締結について」(2017年6月2日),http://www.foodvalley-tokachi.com/?p=12934, 2017.

29) フードバレーとかち推進協議会:「十勝ヨーグルトプロジェクト」記者発表会を行いました(2019年2月27日),http://www.foodvalley-tokachi.com/?p=14347, 2019.

30) フードバレーとかち推進協議会:十勝産の乳酸菌を使用したヨーグルト製品(2019年3月5日),http://www.foodvalley-tokachi.com/?p=14372, 2019.

31) フードバレーとかち推進協議会:酪農王国十勝「ジャージーヨーグルト」発売(2020年6月2日),http://www.foodvalley-tokachi.com/?p=14969, 2020.

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33) M. Michaylova, S. Minkova, K. Kimura, T. Sasaki & K. Isawa: FEMS Microbiol. Lett., 269, 160 (2007).

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