プロダクトイノベーション

高度な酸化安定性を付与したDHA・EPA油“プロレア®”の開発と応用展開手軽に美味しくDHAを摂取できる世界を目指して

Takashi Ichinose

市瀬 嵩志

不二製油グループ本社株式会社

Nobuhiko Tachibana

伸彦

不二製油グループ本社株式会社

Hsuan Chung

不二製油グループ本社株式会社

Miwako Morikawa

盛川 美和子

不二製油株式会社

Arata Hashimoto

橋本

不二製油株式会社

Junta Nagahuchi

永渕 詢大

不二製油株式会社

Published: 2023-04-01

はじめに

国連の世界人口推計2019によると,世界人口は2050年までに97億人を超え,さらに65歳以上の高齢者率は16%まで増加する.欧州や日本において急速に進む高齢化は老人性疾患の罹患者数に大きく影響し,今後全世界的に罹患者数の急激な増加を招くことが予測されている.いくつかの老人性疾患の中でもQuality of Lifeを大きく低下させるもののひとつとしてアルツハイマー病を含む認知症が挙げられる.World Health Organization(WHO)の最新予測では,2050年には世界の認知症罹患者数が1.4億人に至るとされており,早急な対策が求められる.しかしながら,認知症の詳細な発症メカニズムはいまだ明らかになっていない部分も多く,その治療法についても研究途上にある.そのため近年,運動などの生活習慣,とりわけ食事を介した認知症の「予防」に注目が集まっており,食品成分と脳機能に関する基礎研究が活発に行われている.このようななかで,我々はω-3系多価不飽和脂肪酸の一つであるドコサヘキサエン酸(DHA)に着目することにした.

人の体内では,α-リノレン酸からDHAへの変換効率が非常に低いため(1, 2)1) G. C. Burdge, A. E. Jones & S. A. Wootton: Br. J. Nutr., 88, 355 (2002).2) G. C. Burdge & S. A. Wootton: Br. J. Nutr., 88, 411 (2002).,DHAを摂取するには主に魚介類を食べる必要がある.DHAは,認知機能の低下抑制や認知症発症リスクの軽減作用を示すという多くの報告があることから(3~5)3) M. Hashimoto & S. Hossain: J. Pharm. Sci., 116, 150 (2011).4) K. Yurko-Mauro, D. McCarthy, D. Rom, E. B. Nelson, A. S. Ryan, A. Blackwell, N. Salem Jr., M. Stedman, F. Arguello, B. Berwald et al.; MIDAS Investigators: Alzheimers Dement., 6, 456 (2010).5) K. Yurko-Mauro, D. D. Alexander & M. E. Van Elswyk: PLoS One, 10, e0120391 (2015).,日常的なDHA摂取が認知症予防につながるものと考えられる.そのため,より多くの魚介類を摂取することが望まれてはいるものの,食の欧米化により牛や豚・鶏などの肉摂取が増えたことに加え,調理の煩雑さから魚離れが深刻化している.加えて,漁獲量の低下と世界的な海洋食資源購入の競争による価格の高騰も相まって日本での魚介類の消費量は激減しており,その結果として多くの年齢階級においてDHAを含むω-3系脂肪酸の摂取量は目標値(1日当たり約2 g)に達していない(6)6) 厚生労働省:国民健康・栄養調査(令和元年),https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kenkou_eiyou_chousa.html

現在,DHAは魚以外の形態で摂取することも可能である.その形態の8割近くがソフトカプセルであり,DHAを含む一般食品としての開発はほとんど実施されていない.その主要因として,DHAは酸化安定性が極めて低く,酸化によって“魚臭”とも呼ばれる不快臭が発生するためと考えられる.DHAは加工工程や保存状態で容易に酸化されるために,食品としての適性が大きく損なわれるだけでなく,製造ラインの着香汚染や洗浄に係るコストと時間の増加により生産効率の低下を招く可能性が高い.この課題に対し,高い酸化安定性を付与したDHA油脂を開発できれば,風味を損なわず手軽に美味しく摂取できるDHA含有食品の設計と製造が可能となり,より多くの人が手軽にDHAを摂取できる社会を築くことができると考えた.そこで我々は,“手軽に美味しく摂取できるDHA”を目標に研究を行った結果,高い酸化安定性を示すDHA・EPA含有油であるプロレア®を開発するに至った.本稿では,①高い酸化安定性を付与したDHA・EPA油脂素材“プロレア®”の研究開発,②プロレア®を用いた食品の検討と乳飲料の製造,③DHA強化乳飲料を用いたヒト介入試験および④DHA・EPA摂取時の戻り臭抑制に向けた検討について紹介する.

“プロレア®”の研究開発

DHA・EPA含有油の食品への利用には,飛躍的な酸化安定性の向上が必須である.そこで,DHA・EPA含有油の酸化安定性の向上に有効な抗酸化付与機構を探索した.DHA・EPA含有油である魚油に抗酸化剤を添加し,ランシマット法(Conductometric Determination Method; CDM)を用いて酸化安定性を評価した.この試験方法は,油脂を加熱し連続通気することで油脂の劣化プロセスを促進させてCDM値を測定する方法で,CDM値が高いほど酸化安定性が高いと評価される.まず,天然の油溶性抗酸化剤であるトコフェロールを魚油に添加すると,CDM値はほとんど向上しなかった.さらに,魚油に対してトコフェロールを最大0.8 wt%と過剰と思われる量まで添加しても,CDM値の向上に至らなかった.また,強い抗酸化性を示す合成抗酸化剤であるtert-ブチルヒドロキノン(日本国内では食品への使用不可)をアメリカやEUで認可されている最大量で添加してもCDM値の向上はわずかであった.そこで発想を変え,アスコルビン酸などの油に難溶な抗酸化剤を添加して評価したところ,無添加時に対して10倍以上の高いCDM値を示した.さらに,アスコルビン酸の添加量を増やすことによりCDM値は向上し,大豆油と同等以上のCDM値を示したことから,DHA含有油が一般油脂と同じく食品に添加できうることを見出した(図1図1■魚油に適した抗酸化剤の探索).ここで直面した非常に大きな課題としては,水溶性抗酸化剤を多量かつ安定的に分散させることにあった.そこで不二製油では,水溶性抗酸化剤の安定分散を可能とする技術探索を行った.検討の結果,通常であれば抗酸化には寄与しない食品成分を共存させることで酸化安定性および分散安定性が向上することを見出した.さらに,適切な配合油脂種を選択することが酸化安定性の向上につながることもわかった.これらの技術の最適化によって,水に易溶な抗酸化剤を長期間,安定的に分散を維持させることを可能にし,油脂に対して高い酸化安定性を付与する抗酸化技術(Fuji Stabilization Technology; FST)を確立するに至った.

図1■魚油に適した抗酸化剤の探索

次に,DHA・EPA油の選定を行った.魚油や濃縮魚油はDHA・EPAが含まれ,現在は比較的安価であり,有望な素材と考えられる.しかし,前述のように漁獲量の減少,世界的な人口増加を考えあわせると,将来性には大きな不安が残る.加えて,重金属やダイオキシンなどの環境ホルモンなどの生物濃縮の問題も懸念される.これら課題に対して我々は,藻類由来のDHA・EPA油に着目した.藻類油はタンク発酵で生産されているもので,魚の乱獲を防ぎ,かつ環境ホルモンなどの危害物質は少なく,品質・生産安定性の高さを魅力とする海洋植物性油脂素材である.日本では耳慣れないものの,海外ではすでに育児粉乳にも使用されており,安全性も保障されている.さらに,我々が植物性油脂の企業という観点から,DHA油脂の原料としては,発酵生産で得られる藻類DHA・EPAを選定することにした.最終的に,発酵生産で得られる藻類由来のDHA・EPA油脂原料にFST技術を適用した,新規DHA・EPA油脂素材であるプロレア®を開発するに至った.

プロレア®の酸化安定性を評価するため,市販魚油2種類をコントロールとして加熱劣化加速試験(60°C,遮光,0, 48および120時間保存)を実施し,「①過酸化物価の測定,②臭気成分物質の分析,および③ヒトでの官能評価」を実施した.

図2■臭気成分分析の測定結果(左:プロパナール,右:1-ペンテン-3-オン)

以上の結果より,プロレア®は食品への利用に重要な喫食による官能評価に優れた,油脂酸化の各過程で発生する過酸化物や油脂劣化指標成分を抑制できるほどに極めて高い酸化安定性を示すDHA・EPA油脂素材であることが示めされた(7)7) 永渕詢大,橋本 革,盛川美和子,市瀬嵩志,橘 伸彦,栗山雅充,岩岡栄治:日本農芸化学会関西支部 第515回講演会 講演要旨集 P25 (2021).

プロレア®を用いた食品の検討と乳飲料の製造

プロレア®の重要な価値は,様々な一般食品に添加した場合も風味を損なわずDHAを摂取できる選択肢を広げ,手軽に美味しくDHAの生理機能的な有益性を享受できるようにすることにある.我々はパンなどの焼成品,ハムやソーセージなどの食肉製品,チーズや乳飲料などの乳製品をはじめとした日用食品,グミやプリンなどの嗜好品にプロレア®を添加し,風味評価を行った.その結果,いずれにおいても食品自体の風味を損なわず,しかも美味しく摂取可能であることを確認した.その中でも特に乳飲料はプロレア®と相性がよかったことから,DHA含有乳飲料の実生産ラインを用いた製造検討を行った.その結果,プロレア®を使用することで,魚臭を感じない200 mL当たりDHA 297 mgとEPA 137 mgを含むDHA強化乳飲料が製造可能であることを確認した.加えて,商業生産で重要な評価指標となるDHA・EPAの酸化劣化臭による製造ラインの着香汚染も認められず,プロレア®を添加した乳飲料の安定生産が可能であることが示唆された.これは,魚介類やサプリメント以外の市販のDHA強化食品と比較しても,非常に高含量のDHA・EPAを含んだ美味しい一般食品が実現可能であることを示している.なお,同時に製造した大豆油を用いて油分調整したコントロール乳飲料とDHA強化乳飲料とのあいだで,社内ボランティア21名による官能比較を実施したが,色調や風味を識別できたパネラーはいなかったことを付け加えておきたい.

DHA強化乳飲料を用いたヒト介入試験

安定生産が可能なプロレア®を使用したDHA強化乳飲料の継続摂取による認知機能への影響をヒト介入試験によって検証することとした.対象は健常高齢者,試験期間は12ヶ月間とし,ランダム化して群分けを行った.試験群設定はDHA強化乳飲料を摂取するDHA群と,大豆油を用いて油分とカロリーをDHA強化乳飲料と同等になるように調節したプラセボ乳飲料を摂取するプラセボ群の二重盲検試験とした.乳飲料の摂取状況を反映する赤血球膜脂肪酸中のDHAとEPAが占める割合は,各乳飲料摂取開始6ヶ月目にはプラセボ群に対してDHA群は有意に高く,この傾向は摂取12ヶ月目でも同様であった.また12ヶ月摂取後と摂取前の変化値で比較すると,Mini-Mental State Examination(MMSE)または改定長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)での異なる2種類の認知機能試験において,共通して「遅延再生」を評価する項目にてDHA群がプラセボ群に対して有意に高い値を示した(図3図3■認知機能評価試験の結果(左:MMSE, 右:HDS-R,平均値±標準偏差)).これは12ヶ月間のDHA強化乳飲料摂取が加齢に伴い低下する認知機能の一部である遅延再生能を維持増進したことを示唆している(8)8) T. Ichinose, M. Kato, K. Matsuzaki, Y. Tanabe, N. Tachibana, M. Morikawa, S. Kato, S. Ohata, M. Ohno, H. Wakatsuki et al.: J. Funct. Foods, 74, 104198 (2020)..また本エビデンスを科学的根拠とし,オーム乳業株式会社より機能性表示食品届出が行われ,すでに受理されている(届出番号:G793,図4図4■ヒト介入試験を活用した機能性表示食品パッケージ).

図3■認知機能評価試験の結果(左:MMSE, 右:HDS-R,平均値±標準偏差)

図4■ヒト介入試験を活用した機能性表示食品パッケージ

さらに我々は詳細な解析を実施した.一般社団法人日本老年医学会によると,MMSEの総合得点が27点以下の方は軽度認知症の疑いがあるとされている.そこで,介入試験実施前の初回検診にてMMSEの総合得点が28点以上の被験者データを用い,サブ解析を実施した.その結果,DHA群ではプラセボ群に比べ「遅延再生」や「見当識」などの評価項目が維持増進されていることを確認することができた.さらに興味深いことに,サブ解析することによって見出された結果として,プラセボ群に対してDHA群では骨破壊マーカー(Tartrate-Resistant Acid Phosphatase 5b)が抑制されていたことが挙げられる.骨代謝は骨形成と骨破壊とのバランスが重要ではあるが,とくに高齢者では骨破壊が亢進することで骨折や骨粗鬆症罹患リスクが上昇するとされている.今回,DHA群で確認された骨破壊マーカーの抑制は,骨折や骨粗鬆所リスクの軽減につながるものと考えている.近年,運動と脳機能には密接な関係があることが多数報告されており,運動を行うためには骨の健康も欠くことができない.以上のことから,DHAの継続摂取が脳だけでなく骨の健康にも作用し,高齢者の健康ウェルビーイング向上に良い影響を与えうることが示唆された(9)9) T. Ichinose, K. Matsuzaki, M. Kato, Y. Tanabe, N. Tachibana, M. Morikawa, S. Kato, S. Ohata, M. Ohno, H. Wakatsuki et al.: J. Oleo Sci., 70, 1829 (2021).

DHA・EPA摂取時の戻り臭抑制に向けた検討

前述のように現在,最も主流で手軽に臭いを気にせずDHAを摂取する形態の一つとして,ソフトカプセル錠がある.ソフトカプセル錠は,酸素遮断性が高くDHAの品質を損ないにくいものの,DHAは酸化安定性が極めて低いため,ソフトカプセル錠であっても製造加工工程や保存状態により劣化が進んでしまう.国内外で一般に市販されている一部ソフトカプセルでは,内包されているDHA含有油においてPOVがやや高値を示すものも見受けられる(開封直後,弊社分析による).そのため,ソフトカプセル摂取時は魚臭を感じないものの,胃内でのソフトカプセル崩壊後にはカプセル内の油脂に由来する“戻り臭”を感じることがあり,これがDHAの嗜好性を下げる原因とも考えられる.そこで我々は,高い酸化安定性を示すプロレア®を活用することで,ソフトカプセル摂取後に感じる戻り臭を抑制できるとの仮説を立てた.最初に,匂い識別装置(FF-2020,株式会社島津製作所)にて酸化劣化が進んだDHA含有油とプロレア®が判別可能であるかという点から検証を開始した.加熱により劣化させたDHA含有油(POV=5)およびプロレア®(POV=0.5以下)を密閉バック内で37°Cにて加温し,気相を臭い識別装置に供した.その結果,臭い強度の総量値(臭気濃度相当値:人が感知できなくなるまでの無臭空気による希釈率)において劣化DHA含有油に対してプロレア®は低値を示した(図5図5■匂い識別装置(島津製作所)による評価結果左).また,臭いの質の違い(臭気寄与)を評価するレーダーチャートより,劣化DHA含有油の臭いに対して,プロレア®では臭いの質が異なることもわかった(図5図5■匂い識別装置(島津製作所)による評価結果右).さらにGC-MSに供してスキャン分析を行ったところ,プロレア®と劣化DHA含有油では異なるクロマトグラムが示された(データ未掲載).今後,臭い識別装置およびGC-MS分析だけでなく,ソフトカプセル摂取後の呼気成分分析を通して,プロレア®の戻り臭抑制効果の検証を進め,食品と同様に嗜好性の高いソフトカプセルの開発にもつなげる予定である.

図5■匂い識別装置(島津製作所)による評価結果

おわりに

欧米だけでなくアジアの多くの国でも高齢化は進行しており,高齢化“先進国”である日本においては平均寿命と健康寿命との間に10歳程度の差が生じている.この差を縮めるには,WHOの提言にもあるように,食事による健康の維持と疾患の予防が必要とされているものの,美味しさと健康機能を併せ持つ食品は決して多くはない.そこで我々は独自の酸化抑制技術を付与することにより一般食品に添加可能なまでに酸化安定性を高めたDHA・EPA油脂素材であるプロレア®を開発するに至った.一般食品からでも美味しくDHAを摂取できる機会を創出することのみならず,ソフトカプセルのようなサプリメントでも摂取後に感じる戻り臭(悪風味)を抑えることで,DHAを長期間にわたり無理なく摂取できる社会構築に寄与できたと考えている.今後も人々の健康に貢献する“美味しい”食品素材創出に尽力していきたい.

Acknowledgments

ヒト介入試験実施にあたりご指導ならびにご協力いただきました島根大学客員教授橋本道男先生,同大学教授紫藤治先生,社会医療法人仁寿会理事長加藤節司先生,社会医療法人仁寿会加藤病院病院長大畑修三先生,ならびに加藤真晴博士にこの場を借りて厚く御礼申し上げます.また本研究成果は,不二製油株式会社,不二製油グループ本社株式会社およびオーム乳業株式会社の多くの関係者の尽力により得られたものです.関係者の皆様に感謝いたします.

Reference

1) G. C. Burdge, A. E. Jones & S. A. Wootton: Br. J. Nutr., 88, 355 (2002).

2) G. C. Burdge & S. A. Wootton: Br. J. Nutr., 88, 411 (2002).

3) M. Hashimoto & S. Hossain: J. Pharm. Sci., 116, 150 (2011).

4) K. Yurko-Mauro, D. McCarthy, D. Rom, E. B. Nelson, A. S. Ryan, A. Blackwell, N. Salem Jr., M. Stedman, F. Arguello, B. Berwald et al.; MIDAS Investigators: Alzheimers Dement., 6, 456 (2010).

5) K. Yurko-Mauro, D. D. Alexander & M. E. Van Elswyk: PLoS One, 10, e0120391 (2015).

6) 厚生労働省:国民健康・栄養調査(令和元年),https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kenkou_eiyou_chousa.html

7) 永渕詢大,橋本 革,盛川美和子,市瀬嵩志,橘 伸彦,栗山雅充,岩岡栄治:日本農芸化学会関西支部 第515回講演会 講演要旨集 P25 (2021).

8) T. Ichinose, M. Kato, K. Matsuzaki, Y. Tanabe, N. Tachibana, M. Morikawa, S. Kato, S. Ohata, M. Ohno, H. Wakatsuki et al.: J. Funct. Foods, 74, 104198 (2020).

9) T. Ichinose, K. Matsuzaki, M. Kato, Y. Tanabe, N. Tachibana, M. Morikawa, S. Kato, S. Ohata, M. Ohno, H. Wakatsuki et al.: J. Oleo Sci., 70, 1829 (2021).