解説

大型藻類の利活用技術の開発とバイオリファイナリーへの展開
CO2の資源への転換を目指して

Development of Technologies for Utilizing Macroalgae and Their Application to Biorefineries:
Aiming to Convert CO2 into a Useful Resource

Toshiyuki Shibata

柴田 敏行

三重大学大学院生物資源学研究科

三重大学海藻バイオリファイナリー研究センター

Published: 2023-12-01

近年「ブルーカーボン」とも称されるようになった大型藻類(海藻)は,陸上植物と同等以上の純生産量を持つことが明らかになっている.日本列島の周縁に広がる大陸棚は大型藻類の生育に適しており,大型藻類を構成する成分を原料とした有用物質の生産,すなわちバイオリファイナリー(再生可能な資源であるバイオマスを原料に燃料や化成品などを生産する技術)に関わる研究は,地球環境の保全と物質生産を両立させた日本オリジナルな資源循環システムの開発につながると考えている.本稿では,大型藻類の性状に加え,バイオリファイナリーの確立のために必要な「養殖によるバイオマスの生産」,「特徴的な生理活性物質の利用」,「酵素による難分解性多糖類の完全分解と単糖類の生産」の各技術と「バイオエタノール生産への展開」について紹介する.

Key words: 大型藻類; バイオリファイナリー; フロロタンニン類; アルギン酸; アルギン酸リアーゼ

ブルーカーボンとしての大型藻類

「ブルーカーボン」とは,海洋生態系に吸収・固定される炭素を指す造語であり,2009年10月,国連環境計画(United Nations Environment Programme)の報告書「Blue carbon: the role of healthy oceans in binding carbon」(1)1) United Nations Environment Programme: Blue carbon: the role of healthy oceans in binding carbon, https://wedocs.unep.org/handle/20.500.11822/7772;jsessionid=B55B5DE6165FE6FD80757A4BC860121D, 2009.によって定義された.海洋における炭素固定の場として,「海草・海藻藻場」の他,「湿地・干潟」や「マングローブ林」が挙げられており,これらは「ブルーカーボン生態系」とも呼ばれている.ここで「海草・海藻藻場」に注目してみる.海草と海藻は,音が同じであるため,混同して用いられているケースを時々見かけるが,この二つは異なる生物種であることを知ってほしい.海草(seagrasses)とは,海産の種子植物であり,根・茎・葉の器官から成り立ち,陸上の維管束植物と同様の生活環を持っている.代表的な種は,砂泥域に分布するアマモ(Zostera marina)や岩礁域に見られるスガモ(Phyllospadix iwatensis)である.図1図1■海水中で生育する種子植物アマモは,福岡市東区志賀島と福津市津屋崎海岸にて撮影をしたアマモの画像を示している.一方,海藻(seaweeds, macroalgae)は,藻類(光合成を行う生物のうち,コケ植物,シダ植物,種子植物を除いたものの総称)の中で海中に生育する種群を指す.根・茎・葉の区別がないものが大半であり,含有する光合成色素の違いから,海藻は,緑藻類(green algae),紅藻類(red algae),褐藻類(brown algae)の三つに分けることができる.ジャイアントケルプの名称で知られるオオウキモ(Macrocystis pyrifera)や日本人にとって身近な食材でもあるマコンブ(Saccharina japonica),ワカメ(Undaria pinnatifida)など藻体の長さが1 mを超えるような大型の藻種は,褐藻類のみに見られる.以降,この解説では,大型藻類の語は褐藻類を指すこととする.2016年に発表されたKrause-JensenとDuarteの論文(2)2) D. Krause-Jensen & C. M. Duarte: Nat. Geosci., 9, 737 (2016).では,前述のオオウキモについて,バイオマスのうち約10%が有機炭素として水深200 m以下の海底で貯留されていると算定された.この論文をきっかけに,「カーボンシンク」として大型藻類の役割に期待が寄せられるようになった.

図1■海水中で生育する種子植物アマモ

a:福岡市東区志賀島の海岸にて撮影されたアマモ,b:福津市津屋崎海岸にて撮影されたアマモ場(海草藻場).

日本の沿岸には,どの程度の広さの「海草・海藻藻場」が存在しているのだろうか? 環境省自然環境局生物多様性センターによって2018年から2020年にかけて行われた「自然環境保全基礎調査」(3)3) 環境省自然局生物多様性センター:藻場調査,https://www.biodic.go.jp/moba/, 2021.によると,日本の沿岸に広がる「海草・海藻藻場」の総面積は,1,643.4 km2(164,340 ha)と報告されている.この藻場をタイプ別にみた場合,海藻藻場は1,225.7 km2(122,570 ha),アマモ場(海草藻場)は329.9 km2(32,990 ha),スガモ場(海草藻場)は87.8 km2(8,780 ha)と報告されており,約75%近くを海藻藻場が占めていることが分かる.海藻藻場は,大型藻類のコンブ場,アラメ・カジメ場,ガラモ場(ホンダワラ類の群落)から構成されている.その一例として三重県志摩市にて撮影したサガラメ(Eisenia nipponica)海中林(アラメ・カジメ場)(図2a図2■海中林とガラモ場)と鳥羽市にて撮影したトゲモク(Sargassum micracanthum)の藻場(ガラモ場)(図2b図2■海中林とガラモ場)を示した.バイオマスによるCO2の固定量について,その算出方法は議論すべき点や考慮すべき要因が多く,現状,完全に確立しているとは言い難い.海藻藻場のCO2吸収係数(年間の単位面積あたりのCO2増加量)に関する試算値として,コンブ場は平均10.3 t CO2/ha/年(上限値:36.0 t CO2/ha/年),アラメ場は平均4.2 t CO2/ha/年(上限値:7.9 t CO2/ha/年),ガラモ場は平均2.7 t CO2/ha/年(上限値:5.1 t CO2/ha/年)のデータが報告されている(4)4) 桑江朝比呂,吉田吾郎,堀 正和,渡辺謙太,棚谷灯子,岡田知也,梅澤 有,佐々木 淳:土木学会論文集B2(海岸工学),75, 10 (2019)..大型藻類は,周囲を海に囲まれしかも広大な大陸棚を持つ日本にとって特徴的なバイオマスであり,CO2の大きな吸収源であることは間違いない.

図2■海中林とガラモ場

a:三重県志摩市麦崎にて撮影されたサガラメの藻場(海中林),b:三重県鳥羽市広畑海岸にて撮影されたトゲモクの藻場(ガラモ場).

CO2固定の役割を果たす陸上植物は,吸収したCO2から有機物を合成し根や茎をはじめとする器官に蓄える機能を備えている.したがって,炭素循環の視点で見た場合,陸上植物の役割は,「貯蔵」(固定)と言える.一方,大型藻類は,前述したように分化した器官を持たないため,吸収したCO2を貯蔵する機能が乏しい.一年で成熟して枯死・流失する種(一年生種)と複数年にわたって繁茂する多年生種に分けられるが,大型藻類の寿命は長いとされるアラメ(Eisenia bicyclis)やカジメ(Ecklonia cava)の場合でも約3年から5年程度であるため,炭素循環における大型藻類の役割は,貯蔵(固定)より主に「移動」であると考える方が妥当であろう.したがって,CO2の吸収と固定を目的に大型藻類の培養を行う場合,得られたバイオマスの資源化,すなわちバイオリファイナリー原料として有効利用することは理にかなっており,それらを統合的に含めて展開させる必要があると考えている.

大型藻類の生活史と養殖による藻場の拡大

大型藻類バイオリファイナリーを事業化するためには,天然の藻場はそのまま維持し,養殖による藻場の拡大で原料バイオマスを確保する必要がある.次に大型藻類の生活史とその特性を活かした海藻養殖について紹介する.マコンブやアラメ,カジメをはじめとするコンブ科の大型藻類の場合,海中で見られる藻体は,核相が複相(2n)の胞子体である.葉状部の遊走子嚢内で減数分裂により核相が単相(n)となった遊走子がつくられ,海中へと放出される.遊走子は,岩礁などの基質へ付着した後,発芽し,雄性配偶体または雌性配偶体となる.雄性配偶体に形成される精子(n)と雌性配偶体に形成される卵(n)の受精により,複相(2n)の胞子体へと還る(図3図3■コンブ科大型藻類の生活史(アラメを例として)).配偶体は,鉄フリーの培地を用いて培養を行った場合,栄養生長することから,フラスコ内で培養液に浮遊させた状態(フリー配偶体と呼ばれる)で増産できる.継代培養も可能であることから,「フリー配偶体」は,大型藻類の「種苗」として位置付けられている.「フリー配偶体」の使用は,①母藻の良い形質を維持できる,②雌雄の交配による品種改良が容易,③任意の時期に海藻養殖を行うことが可能(1漁期に複数回の生産が可能)といったメリットがあり,マコンブやワカメといった食用大型藻類の養殖に技術革新をもたらした.この「フリー配偶体」技術を応用し,天草漁業協同組合・五和支所と熊本県水産研究センターでは,後述するフロロタンニン類の抽出原料としての利用を目的に2003年度から非可食性の大型藻類であるクロメ(Ecklonia cava ssp. kurome)の養殖事業を展開している.破砕した「フリー配偶体」をクレモナ糸へ吹き付け糸上で受精させた後,126,700 m2の海域にて約半年の沖出し(海面での培養)を行い(図4図4■熊本県天草市鬼池町五和地区で行われているクロメの養殖),最大年間約2.5 t(生鮮重量)のクロメ藻体の生産に成功している(5)5) 柴田敏行,田中礼士,三宅英雄:Foods & Food Ingredients J. Jpn., 223, 355 (2018)..これは,非食用の用途に特化して行われた日本初の海藻養殖であり,大型藻類バイオリファイナリーのための原料生産のモデルとなる試みと言える.三重大学海藻バイオリファイナリー研究センターによる解析で,養殖クロメとクロメ天然藻体(天草)間で糖質の含量やフロロタンニン類の化合物組成に差違はないことが明らかになっている(6, 7)6) 植田充美:戦略的創造研究推進事業CREST「藻類完全利用のための生物工学技術の集約」研究終了報告書,2016.7) T. Shibata, K. Nagayama, S. Sugiura, S. Makino, M. Ueda & Y. Tamaru: Am. J. Plant Sci., 6, 2510 (2015)..筆者も参画したJST・CREST研究「藻類完全利用のための生物工学技術の集約」では,このクロメを原料バイオマスに選定し,バイオリファイナリーの技術開発に取り組んだ.漁業権や航路権との調整が必要であるが,内海域や閉鎖性海域でも安定的に充分な光が届く海面や用途の少ない外洋を大型藻類の養殖場とすれば,バイオマスの確保は十分可能であると考えられる.

図3■コンブ科大型藻類の生活史(アラメを例として)

図4■熊本県天草市鬼池町五和地区で行われているクロメの養殖

大型藻類を構成する成分

バイオリファイナリーの技術開発は,第一世代とされるトウモロコシなどの澱粉糖質系バイオマス(可食系バイオマス)を皮切りに,第二世代とされる木材や稲わらなどのセルロース系バイオマス(非可食系バイオマス),第三世代の微細藻類(藻類系バイオマス)の順に展開されてきた.しかしながらこれらのバイオマスは,食用の用途との競合や栽培を行うための土地の確保に問題があり,国土の狭い日本ではバイオリファイナリー技術の実用化に目途が立っていない.一方,大型藻類の場合,コンブやヒジキといった一部の藻種に例外はあるものの,大半は非可食性であり,食用の用途と競合する恐れはない.光とCO2,わずかな量のミネラル成分で生長し,生育の場として広大な海洋を使うことができる.さらに難分解性物質として知られるリグニンも含まれていないことから,先行する原料バイオマスと比較して,大型藻類はより大きなポテンシャルを秘めていると言える.それでは,大型藻類は,どのような成分によって構成されているのだろうか? 図5図5■大型藻類を構成する成分は,一例としてホンダワラ類Sargassum mcclureiの成分分析に関するデータを示している(6)6) 植田充美:戦略的創造研究推進事業CREST「藻類完全利用のための生物工学技術の集約」研究終了報告書,2016..約50~60%を糖質が占めており,細胞壁骨格多糖のセルロース(cellulose)とヘミセルロース(hemicellulose)の他,細胞間粘質多糖のアルギン酸(alginate)とフコイダン(fucoidan),貯蔵多糖のラミナラン(laminaran),糖アルコールのマンニトール(mannitol)から構成されている.これらの中でアルギン酸とフコイダン,ラミナランは,大型藻類のみにみられる多糖類である.その他,灰分(ミネラル),海藻ポリフェノールのフロロタンニン類(phlorotannins)やフコステロール(fucosterol),スティグマステロール(stigmasterol)といった植物ステロール(8)8) M. Ito, M. Ishimaru, T. Shibata, H. Hatate & R. Tanaka: Food Anal. Methods, 10, 2692 (2017).も含まれている.バイオリファイナリーは,エタノールなどバイオ燃料の生産に関する技術開発のみ注目されるが,トータルのプロセスについて経済性を評価しなければ確立しない.この視点で見た場合,筆者は,大型藻類バイオリファイナリーの確立には,市場での価値が高い成分のフロロタンニン類と難分解性かつ含量の最も多いアルギン酸の利用が鍵を握ると考えており,次にそれらについて解説する.

図5■大型藻類を構成する成分

ホンダワラ類Sargassum mcclureiの分析データを示している.

マリンポリフェノール「フロロタンニン類」とその生理機能

ポリフェノール類とは,2個以上のフェノール性水酸基を持つ化合物群の総称である.陸上植物の生産するポリフェノール類は,ジフェニルプロパン構造を持つフラボノイド類や縮合型タンニン類,加水分解性タンニン類といった化合物群がよく知られている.これらのポリフェノール類は,水酸基に様々な糖が結合した配糖体として存在している.一方,フロロタンニン類は,大型藻類特有のポリフェノール類であり,フロログルシノール(phloroglucinol, 1,3,5-trihydroxybenzene)が単に重合した構造をとっている(9)9) M. A. Ragan & K.-W. Glombitza: Prog. Phycol. Res, 4, 129 (1986)..これまでのところ配糖体の存在は報告されておらず,その一方で,ハロゲン化や硫酸化した化合物の存在が一部明らかになっている(9)9) M. A. Ragan & K.-W. Glombitza: Prog. Phycol. Res, 4, 129 (1986)..フロロタンニン類は,フロログルシノール間の結合様式の違いから,fucols, phlorethols, fucophlorethols, fuhalols, isofuhalols, eckols, carmalolsのサブユニット(図6図6■フロログルシノールとフロロタンニン類のサブユニットの構造(10)10) S. Shrestha, W. Zhang & S. D. Smid: Food Biosci., 39, 100832 (2021).が存在しており,陸上植物のポリフェノール類とは分子構造が異なっていることが分かる.基本となる化合物のフロログルシノールと同様,フロロタンニン類は,酢酸–マロン酸経路(10)10) S. Shrestha, W. Zhang & S. D. Smid: Food Biosci., 39, 100832 (2021).を介して生合成されると推定されているが,フロログルシノールオリゴマーの形成に関する機構は,今のところ明らかになっていない.フロロタンニン類を生産する大型藻類は,日本国内の場合,アラメ・カジメ場を構成する藻種であるアラメ属のアラメとサガラメ,カジメ属のカジメ,クロメ,ツルアラメ(Ecklonia cava ssp. stolonifera)の5種がよく知られており,これらからeckolの誘導体が数多く単離・同定されている(図7図7■日本産のアラメ・カジメ類に含まれるeckol誘導体の構造(5, 9)5) 柴田敏行,田中礼士,三宅英雄:Foods & Food Ingredients J. Jpn., 223, 355 (2018).9) M. A. Ragan & K.-W. Glombitza: Prog. Phycol. Res, 4, 129 (1986)..これまでサガラメは,北米地域の西太平洋沿岸に分布するEisenia arboreaと同一の種と考えられてきたが,最近の分子系統解析により静岡県御前崎から紀伊半島にかけての沿岸域に分布する日本固有の種であることが明らかとなった(11)11) H. Kawai, S. Akita, K. Hashimoto & T. Hanyuda: Eur. J. Phycol., 55, 234 (2020)..さらにクロメとツルアラメについては,解析の結果,カジメの亜種とすることが提唱されている(12)12) S. Akita, K. Hashimoto, T. Hanyuda & H. Kawai: Phycologia, 59, 330 (2020)..ガラモ場を構成する大型藻類のホンダワラ類からは,ヤツマタモク(Sargassum patens),ウミトラノオ(Sargassum thunbergii),ヒジキ(Sargassum fusiforme),イソモク(Sargassum hemiphyllum),ヤナギモク(Sargassum ringgoldianum ssp. coreanum)からphloretholやfuhalol, carmalolの誘導体について単離の報告がある.最近,筆者らの研究グループでは,暖海性ホンダワラ類のマジリモク(Sargassum carpophyllum)からphloretholの誘導体として,triphlorethol B,tetraphlorethol C,pentaphlorethol Aを同定し,それらの持つ抗酸化性と抗アレルギー活性について報告した(図8図8■暖海性ホンダワラ類のマジリモクSargassum carpophyllumから同定されたphlorethol誘導体の構造(13, 14)13) R. Taniguchi, C. Ito, S. Keitoku, Y. Miyake, M. Itoigawa, T. Matsui & T. Shibata: Nat. Prod. Commun., 17 (2022). doi: 10.1177/1934578X22110940614) T. Matsui, C. Ito, M. Itoigawa & T. Shibata: Food Chem., 377, 131992 (2022)..同定した化合物の中で,tetraphlorethol Cとpentaphlorethol Aについては,東シナ海に分布する大型藻類からの単離に関する初の報告となった.

図6■フロログルシノールとフロロタンニン類のサブユニットの構造

図7■日本産のアラメ・カジメ類に含まれるeckol誘導体の構造

図8■暖海性ホンダワラ類のマジリモクSargassum carpophyllumから同定されたphlorethol誘導体の構造

フロロタンニン類は,抗酸化性や抗炎症性など様々な生理機能を持つことから「第三のタンニン」として国内外で注目されており,機能性表示食品や健康食品の市場でニーズが高い.エタノールと水を用いた抽出や低極性溶媒を組み合わせた分配と精製,逆相カラムを用いることによりオリゴマーの分離も容易であり,その大量生産に向けた戦略も立てやすい.三重大学海藻バイオリファイナリー研究センターでは,フロロタンニン類について「マリンポリフェノール®」の商標登録(登録第6216128号,登録第6216129号)を行い,その利用に関する産学間の共同研究をすすめている.フロロタンニン類の中で特に有用な化合物群とされるeckol誘導体の持つ生理活性の一例として,抗糖化活性(タンパク質の糖化反応を抑制する働き)について紹介する.生体内で還元糖や糖代謝中間体は,タンパク質のリシン残基やアルギニン残基と非酵素的に反応し,タンパク質の不可逆的な変性をもたらす.これは,タンパク質の糖化反応と呼ばれており,食品化学の分野では,アミノ・カルボニル反応またはメイラード反応の名称で知られている.タンパク質の糖化反応により生じる化合物は,終末糖化産物(AGEs: advanced glycation end products)と呼ばれ,皮膚老化や糖尿病合併症,アテローム性動脈硬化症,アルツハイマー病の発症と進行に関与していることが指摘されている.これまでにアミノグアニジン(AG: aminoguanidine)(15)15) M. Brownlee, H. Vlassara, A. Kooney, P. Ulrich & A. Cerami: Science, 232, 1629 (1986).をはじめ合成の糖化反応阻害剤がいくつか開発されているが,いずれも副作用の問題があり臨床応用された例がない.そのような背景から,天然由来の抗糖化性を持つ化合物の探索が望まれている.表1表1■蛍光性AGEsの形成に対するeckol誘導体のIC50は,ヒト血清アルブミンとメチルグリオキサール(MGO: methylglyoxal)の反応により生じる蛍光性AGEsについて,フロログルシノールとeckol誘導体のIC50値(蛍光性AGEsの生成を50%阻害する時の化合物濃度)を示している(16)16) S. Sugiura, Y. Minami, R. Taniguchi, R. Tanaka, H. Miyake, T. Mori, M. Ueda & T. Shibata: Nat. Prod. Commun., 12, 1793 (2017)..MGOは,解糖系の副産物として生じる反応性の高いα-ケトアルデヒドであり,糖尿病患者や腎臓病患者の場合,その血中濃度が健常者より著しく高いことが知られている.試験した化合物の中で,dibenzofuran構造を持つphlorofucofuroeckol Aとfurofucofuroeckol Aの蛍光性AGEs生成阻害活性が特に強く,phlorofucofuroeckol Aの場合,AG対して約13倍の活性を示すことが分かった(16)16) S. Sugiura, Y. Minami, R. Taniguchi, R. Tanaka, H. Miyake, T. Mori, M. Ueda & T. Shibata: Nat. Prod. Commun., 12, 1793 (2017)..eckolとその2量体であるdieckolと8,8′-bieckolは,MGO捕捉活性を持っており,eckolとMGOの反応液についてLC/MS解析を行った結果,eckolにMGO1分子が結合した付加体と2分子が結合した付加体がそれぞれ検出された(16)16) S. Sugiura, Y. Minami, R. Taniguchi, R. Tanaka, H. Miyake, T. Mori, M. Ueda & T. Shibata: Nat. Prod. Commun., 12, 1793 (2017)..MGOは,AGEsの形成に加え活性酸素種の増加とスーパーオキシドジスムターゼの不活性化をもたらすことが指摘されていることから,MGO捕捉活性を持つeckol誘導体は,生体内における糖化ストレスと酸化ストレスの双方を軽減させる可能性がある.さらにeckol誘導体は,非架橋性・非蛍光性のAGEsとして知られるNε-(carboxymethyl)lysineやグリセルアルデヒド由来のAGEsに対してもAGをはるかに凌駕するAGEs生成阻害活性を持つことから(17, 18)17) N. Murata, M. Azuma, K. Yamauchi, H. Miyake, R. Tanaka & T. Shibata: Nat. Prod. Commun., 15 (2020). doi: 10.1177/1934578X2094165518) S. Sugiura, R. Taniguchi, Y. Nishioka, R. Iwase, R. Tanaka, H. Miyake, T. Mori, M. Ueda & T. Shibata: Nat. Prod. Commun., 13, 1007 (2018).,現状,トップクラスの抗糖化物質であると考えられている.そのため,現在,アンチエイジングの市場で機能性素材としてフロロタンニン類の利用が始まっている.

表1■蛍光性AGEsの形成に対するeckol誘導体のIC50
サンプルIC50 (µM)
HSA-MGOBSA-MGO
Eckol1.3×1031.6×103
Fucofuroeckol A5.5×1027.4×102
Phlorofucofuroeckol A4.8×1024.1×102
Dieckol6.9×1027.4×102
8,8′-Bieckol6.3×1026.9×102
Phloroglucinol3.9×1032.4×103
塩酸アミノグアニジン6.4×1038.1×103
HSA:ヒト血清アルブミン BSA:ウシ血清アルブミン

アルギン酸リアーゼによるアルギン酸の分解とバイオエタノール生産への展開

アルギン酸は,大型藻類に最も多く含まれる細胞間粘質多糖類であり,藻種によって差はあるものの乾燥重量に対して約20~30%,多い藻種で約60%を占めている(19)19) 笠原文善,宮島千尋:有用海藻誌,内田老鶴圃,2004, p. 440..アルギン酸は,α-L-グルロン酸とβ-D-マンヌロン酸,この2つのウロン酸単糖が直鎖状に結合したグリクロナンである.これらのウロン酸単糖は,藻体内で,マンノースを起源にβ-D-マンヌロン酸が生成された後,生じたβ-D-マンヌロン酸に対してC5-エピメラーゼが作用することにより,α-L-グルロン酸が生合成される(19)19) 笠原文善,宮島千尋:有用海藻誌,内田老鶴圃,2004, p. 440..潜在的にβ-D-マンヌロン酸の含有量が高いとされるが,アルギン酸に含まれるβ-D-マンヌロン酸(M)とα-L-グルロン酸(G)の量的比率(M/G比)は,藻種や部位によって異なっており,ウロン酸のホモ重合体ブロック(Mブロック,Gブロック)またはヘテロ重合体ブロック(MMGブロック,MGGブロック,MGMブロック)が配列しアルギン酸分子は形成されている(19)19) 笠原文善,宮島千尋:有用海藻誌,内田老鶴圃,2004, p. 440..M/G比の違いは,アルギン酸のゲル形成と強度に大きな影響を及ぼすことが分かっている.Gブロックは,二価の陽イオンと架橋を強固に作るため,Gブロック比率が高いアルギン酸の場合,剛直なゲルとなる.一方,Mブロックは,強いゲルを作らない代わりに高い水分保持力を示す(19)19) 笠原文善,宮島千尋:有用海藻誌,内田老鶴圃,2004, p. 440..アルギン酸資化性細菌によるアルギン酸の分解は,アルギン酸分解酵素,すなわちアルギン酸リアーゼが関与している.アルギン酸リアーゼには,アルギン酸をオリゴ糖まで分解するエンド型と単糖にまで分解するエキソ型が存在する.エンド型アルギン酸リアーゼは,β脱離反応によってアルギン酸を分解し,非還元末端に二重結合を持つ不飽和ウロン残基を持つオリゴ糖を生成する.生じたアルギン酸不飽和オリゴ糖は,エキソ型アルギン酸リアーゼによってアルギン酸不飽和単糖へと分解された後,kdgFなどのタンパク質の作用または非酵素的な反応でピラノース環が開環し,4-deoxy-L-erythro-5-hexoseulose uronic acid (DEH)へと変換されることが分かっている(20)20) S. Kawai & W. Hashimoto: Molecules, 27, 338 (2022)..アルギン酸資化性細菌では,さらにDEHレダクターゼの作用によりDEHから2-keto-3-deoxy-D-gluconic acid (KDG)が生じた後,2-keto-3-deoxy-6-phosphogluconic acid,ピルビン酸,glyceraldehyde 3-phosphateの順に変換を経て代謝されることが推定されている(図9図9■アルギン酸資化性細菌によるアルギン酸の分解と代謝の経路(20)20) S. Kawai & W. Hashimoto: Molecules, 27, 338 (2022).

図9■アルギン酸資化性細菌によるアルギン酸の分解と代謝の経路

アルギン酸リアーゼは,獲得が非常に困難な酵素群であるため,アルギン酸は,難分解性の多糖類と見なされている.特にDEHの生産に必須なエキソ型アルギン酸リアーゼは,菌体内の酵素であるため,知見が極めて限られており,現状,微生物バンクや市場からの入手が困難である.三重大学海藻バイオリファイナリー研究センターでは,海洋性細菌Falsirhodobacter sp. alg1株から同定された新規アルギン酸リアーゼ(21)21) T. Mori, M. Takahashi, R. Tanaka, H. Miyake, T. Shibata, S. Chow, K. Kuroda, M. Ueda & H. Takeyama: PLoS One, 11, e0155537 (2016).について,それらのリコンビナントタンパク質を用いたDEH生産システムの開発(22, 23)22) 柴田敏行,三宅英雄,村瀬祥光,田中礼士,モリテツシ,竹山春子,高橋真美:特許第6954644号,アルギン酸リアーゼ及び当該酵素を用いる不飽和ウロン酸単糖の製造方法(2021).23) Y. Tanaka, Y. Murase, T. Shibata, R. Tanaka, T. Mori & H. Miyake: Molecules, 27, 3308 (2022).とLC/MSを用いたDEHの定量分析法の開発(24)24) T. Shibata, R. Fujii, H. Miyake, R. Tanaka, T. Mori, M. Takahashi, T. Takagi, H. Yoshikawa, K. Kuroda & M. Ueda: Nat. Prod. Commun., 12, 941 (2017).に成功している.Falsirhodobacter sp. alg1株の持つアルギン酸リアーゼの中で,AlyFRAはPL-7ファミリーに属する分子量52.4 kDaのエンド型の酵素である.一方,AlyFRBは,PL-15ファミリーに属する分子量89.1 kDaのエキソ型の酵素であり,アルギン酸分子を直接DEHへと分解できるユニークな性質を持っている.さらにセンターでは,メガイアワビの腸管から単離したFormosa haliotis MA1株からDEHレダクターゼ遺伝子を見出し(25)25) R. Tanaka, I. Cleenwerck, Y. Mizutani, S. Iehata, T. Shibata, H. Miyake, T. Mori, Y. Tamaru, M. Ueda, P. Bossier et al.: Int. J. Syst. Evol. Microbiol., 65, 4388 (2015).,そのリコンビナントタンパク質を用いることでKDGの生産も可能とした.

アルギン酸からの代謝物の中で,DEHは,MとGいずれのウロン酸ブロックからも生じる単糖であり,KDGのように他のウロン酸から生成することはない.DEHからKDGへと変換することができれば,Entner–Doudoroff経路を持つ微生物はそれを利用することが可能となる.よって,DEHは大型藻類バイオリファイナリーの基幹物質であると筆者は考えている.先に述べた新規アルギン酸リアーゼAlyFRAとAlyFRBを組み合わせて酵素反応を行った場合,純度95%以上のDEHを約84%の収率で得ることが可能であり,アルギン酸をほぼ完全に分解できる(22, 23)22) 柴田敏行,三宅英雄,村瀬祥光,田中礼士,モリテツシ,竹山春子,高橋真美:特許第6954644号,アルギン酸リアーゼ及び当該酵素を用いる不飽和ウロン酸単糖の製造方法(2021).23) Y. Tanaka, Y. Murase, T. Shibata, R. Tanaka, T. Mori & H. Miyake: Molecules, 27, 3308 (2022)..DEHレダクターゼ含めたこれらのデータは,大型藻類バイオリファイナリーの技術開発を加速させる革新的な成果と言えるだろう.

アルギン酸を原料としたバイオリファイナリーに関して,米国・バイオアーキテクチャーラボ社の研究グループが大型藻類の分解能を持つVibrio splendidusのゲノム情報を組み込んだ大腸菌を育種し,アルギン酸からの直接的なエタノール生産に成功している(26)26) A. J. Wargacki, E. Leonard, M. N. Win, D. D. Regitsky, C. N. Santos, P. B. Kim, S. R. Cooper, R. M. Raisner, A. Herman, A. B. Sivitz et al.: Science, 335, 308 (2012)..JST・CREST研究「藻類完全利用のための生物工学技術の集約」では,細胞表層にアルギン酸リアーゼを提示し,DEHのトランスポーターと代謝経路を細胞内へ導入することでアルギン酸資化性酵母の作製に成功している(27)27) T. Takagi, Y. Sasaki, K. Motone, T. Shibata, R. Tanaka, H. Miyake, T. Mori, K. Kuroda & M. Ueda: Appl. Microbiol. Biotechnol., 101, 6627 (2017)..この酵母には,細胞内のレドックスバランスを調節するためにマンニトール代謝能も付与されており,1細胞でアルギン酸とマンニトールからのエタノール生産が可能となっている(27)27) T. Takagi, Y. Sasaki, K. Motone, T. Shibata, R. Tanaka, H. Miyake, T. Mori, K. Kuroda & M. Ueda: Appl. Microbiol. Biotechnol., 101, 6627 (2017)..さらに,このアルギン酸資化性酵母とセルラーゼを表層提示した遺伝子組み換え酵母との共培養により,養殖クロメの粉末からのエタノール生産を実現している(28)28) Y. Sasaki, T. Takagi, K. Motone, T. Shibata, K. Kuroda & M. Ueda: Biosci. Biotechnol. Biochem., 82, 1459 (2018)..このように合成生物学手法用いたアルギン酸からのエタノール発酵に関する基盤技術は確立しており,これにAlyFRAやAlyFRBといった高機能なアルギン酸リアーゼの知見を付与すれば,エタノール生産の更なる効率化が達成できるだろう.

おわりに

本稿で述べたように,大型藻類バイオリファイナリーについて,「養殖によるバイオマス生産」(5)5) 柴田敏行,田中礼士,三宅英雄:Foods & Food Ingredients J. Jpn., 223, 355 (2018).,「生理活性物質の利用」(13,14,16~18)13) R. Taniguchi, C. Ito, S. Keitoku, Y. Miyake, M. Itoigawa, T. Matsui & T. Shibata: Nat. Prod. Commun., 17 (2022). doi: 10.1177/1934578X22110940614) T. Matsui, C. Ito, M. Itoigawa & T. Shibata: Food Chem., 377, 131992 (2022).16) S. Sugiura, Y. Minami, R. Taniguchi, R. Tanaka, H. Miyake, T. Mori, M. Ueda & T. Shibata: Nat. Prod. Commun., 12, 1793 (2017).17) N. Murata, M. Azuma, K. Yamauchi, H. Miyake, R. Tanaka & T. Shibata: Nat. Prod. Commun., 15 (2020). doi: 10.1177/1934578X2094165518) S. Sugiura, R. Taniguchi, Y. Nishioka, R. Iwase, R. Tanaka, H. Miyake, T. Mori, M. Ueda & T. Shibata: Nat. Prod. Commun., 13, 1007 (2018).,「難分解性多糖類の分解」(21~23)21) T. Mori, M. Takahashi, R. Tanaka, H. Miyake, T. Shibata, S. Chow, K. Kuroda, M. Ueda & H. Takeyama: PLoS One, 11, e0155537 (2016).22) 柴田敏行,三宅英雄,村瀬祥光,田中礼士,モリテツシ,竹山春子,高橋真美:特許第6954644号,アルギン酸リアーゼ及び当該酵素を用いる不飽和ウロン酸単糖の製造方法(2021).23) Y. Tanaka, Y. Murase, T. Shibata, R. Tanaka, T. Mori & H. Miyake: Molecules, 27, 3308 (2022).,「エタノール生産が可能な生体触媒の開発」(27~29)27) T. Takagi, Y. Sasaki, K. Motone, T. Shibata, R. Tanaka, H. Miyake, T. Mori, K. Kuroda & M. Ueda: Appl. Microbiol. Biotechnol., 101, 6627 (2017).28) Y. Sasaki, T. Takagi, K. Motone, T. Shibata, K. Kuroda & M. Ueda: Biosci. Biotechnol. Biochem., 82, 1459 (2018).29) S. Shibasaki & M. Ueda: Microorganisms, 11, 1499 (2023).,をはじめ「点」となる技術は完全に確立している.「点」と「点」をつなぎ「線」とすることで,大型藻類バイオリファイナリーの事業化への道筋は,よりはっきりと見えてくるだろう.三重大学海藻バイオファイナリー研究センターでは,NEDO先導研究プログラム「大型藻類の完全利用に向けた基盤技術の開発」にて,フロロタンニン類の抽出とその残渣からのアルギン酸またはDEHの生産を組み合わせたカスケード型の物質生産プロセスを開発し,得られたプロセスについて,ライフサイクルアセスメントに基づく環境影響評価を実施した.現在,参画しているNEDOムーンショット型研究開発事業「機能改良による高速CO2固定大型藻類の創出とその利活用技術の開発」(PM:植田充美・京都大学産官学連携本部,高等研究院特任教授)では,有用大型藻類の選抜と育種,CO2固定能の評価に関する技術開発を担当している.このプロジェクトで,大型藻類バイオリファイナリーの社会実装を実現し,CO2の資源への転換という究極の目標を達成したいと考えている.

Acknowledgments

本稿では,植田充美先生(京都大学産官学連携本部,高等研究院特任教授兼任),黒田浩一先生(京都工芸繊維大学教授),川口栄男先生(九州大学名誉教授),モリテツシ先生(東京農工大学准教授),三宅英雄先生(三重大学准教授),田中礼士先生(三重大学准教授)との共同研究で得られた成果を紹介させていただきました.先生方の長年にわたるご支援に深謝いたします.大型藻類バイオリファイナリーに関する研究は,JST・戦略的創造研究推進事業CREST(2011年度~2016年度),NEDO先導研究プログラム(2021年度),NEDOムーンショット型研究開発事業(実施中)の支援を受けて行われています.

Reference

1) United Nations Environment Programme: Blue carbon: the role of healthy oceans in binding carbon, https://wedocs.unep.org/handle/20.500.11822/7772;jsessionid=B55B5DE6165FE6FD80757A4BC860121D, 2009.

2) D. Krause-Jensen & C. M. Duarte: Nat. Geosci., 9, 737 (2016).

3) 環境省自然局生物多様性センター:藻場調査,https://www.biodic.go.jp/moba/, 2021.

4) 桑江朝比呂,吉田吾郎,堀 正和,渡辺謙太,棚谷灯子,岡田知也,梅澤 有,佐々木 淳:土木学会論文集B2(海岸工学),75, 10 (2019).

5) 柴田敏行,田中礼士,三宅英雄:Foods & Food Ingredients J. Jpn., 223, 355 (2018).

6) 植田充美:戦略的創造研究推進事業CREST「藻類完全利用のための生物工学技術の集約」研究終了報告書,2016.

7) T. Shibata, K. Nagayama, S. Sugiura, S. Makino, M. Ueda & Y. Tamaru: Am. J. Plant Sci., 6, 2510 (2015).

8) M. Ito, M. Ishimaru, T. Shibata, H. Hatate & R. Tanaka: Food Anal. Methods, 10, 2692 (2017).

9) M. A. Ragan & K.-W. Glombitza: Prog. Phycol. Res, 4, 129 (1986).

10) S. Shrestha, W. Zhang & S. D. Smid: Food Biosci., 39, 100832 (2021).

11) H. Kawai, S. Akita, K. Hashimoto & T. Hanyuda: Eur. J. Phycol., 55, 234 (2020).

12) S. Akita, K. Hashimoto, T. Hanyuda & H. Kawai: Phycologia, 59, 330 (2020).

13) R. Taniguchi, C. Ito, S. Keitoku, Y. Miyake, M. Itoigawa, T. Matsui & T. Shibata: Nat. Prod. Commun., 17 (2022). doi: 10.1177/1934578X221109406

14) T. Matsui, C. Ito, M. Itoigawa & T. Shibata: Food Chem., 377, 131992 (2022).

15) M. Brownlee, H. Vlassara, A. Kooney, P. Ulrich & A. Cerami: Science, 232, 1629 (1986).

16) S. Sugiura, Y. Minami, R. Taniguchi, R. Tanaka, H. Miyake, T. Mori, M. Ueda & T. Shibata: Nat. Prod. Commun., 12, 1793 (2017).

17) N. Murata, M. Azuma, K. Yamauchi, H. Miyake, R. Tanaka & T. Shibata: Nat. Prod. Commun., 15 (2020). doi: 10.1177/1934578X20941655

18) S. Sugiura, R. Taniguchi, Y. Nishioka, R. Iwase, R. Tanaka, H. Miyake, T. Mori, M. Ueda & T. Shibata: Nat. Prod. Commun., 13, 1007 (2018).

19) 笠原文善,宮島千尋:有用海藻誌,内田老鶴圃,2004, p. 440.

20) S. Kawai & W. Hashimoto: Molecules, 27, 338 (2022).

21) T. Mori, M. Takahashi, R. Tanaka, H. Miyake, T. Shibata, S. Chow, K. Kuroda, M. Ueda & H. Takeyama: PLoS One, 11, e0155537 (2016).

22) 柴田敏行,三宅英雄,村瀬祥光,田中礼士,モリテツシ,竹山春子,高橋真美:特許第6954644号,アルギン酸リアーゼ及び当該酵素を用いる不飽和ウロン酸単糖の製造方法(2021).

23) Y. Tanaka, Y. Murase, T. Shibata, R. Tanaka, T. Mori & H. Miyake: Molecules, 27, 3308 (2022).

24) T. Shibata, R. Fujii, H. Miyake, R. Tanaka, T. Mori, M. Takahashi, T. Takagi, H. Yoshikawa, K. Kuroda & M. Ueda: Nat. Prod. Commun., 12, 941 (2017).

25) R. Tanaka, I. Cleenwerck, Y. Mizutani, S. Iehata, T. Shibata, H. Miyake, T. Mori, Y. Tamaru, M. Ueda, P. Bossier et al.: Int. J. Syst. Evol. Microbiol., 65, 4388 (2015).

26) A. J. Wargacki, E. Leonard, M. N. Win, D. D. Regitsky, C. N. Santos, P. B. Kim, S. R. Cooper, R. M. Raisner, A. Herman, A. B. Sivitz et al.: Science, 335, 308 (2012).

27) T. Takagi, Y. Sasaki, K. Motone, T. Shibata, R. Tanaka, H. Miyake, T. Mori, K. Kuroda & M. Ueda: Appl. Microbiol. Biotechnol., 101, 6627 (2017).

28) Y. Sasaki, T. Takagi, K. Motone, T. Shibata, K. Kuroda & M. Ueda: Biosci. Biotechnol. Biochem., 82, 1459 (2018).

29) S. Shibasaki & M. Ueda: Microorganisms, 11, 1499 (2023).