Kagaku to Seibutsu 62(2): 88-93 (2024)
解説
バレイショ遺伝資源の利用と開発
これまでのバレイショ遺伝資源の利用とバレイショF1育種に向けた研究
Utilization and Enhancement of Potato Germplasm: Research for the Potato Germplasm Enhancement and F1 Breeding
Published: 2024-02-01
バレイショでは野生種や近縁種に由来する形質を導入した育種が100年以上前から行われてきた.その理由は種の多さと交雑し易さにある.これらの遺伝資源によって現在のバレイショ品種の多様性が広がり,病気に強く農業形質に優れた品種が育成されてきた.近年バレイショを種イモではなく種子で増殖生産するアイディアが国内外で広がっている.このバレイショF1育種が成功すれば,まったく新しいバレイショ生産増殖体系が確立するであろう.本稿ではこれまでのバレイショ遺伝資源の利用と今後期待されるバレイショF1育種の研究について解説したい.
Key words: バレイショ; 遺伝資源; F1育種; 野生種
© 2024 Japan Society for Bioscience, Biotechnology, and Agrochemistry
© 2024 公益社団法人日本農芸化学会
バレイショは100万年以上前にトマトと共通の祖先から進化してきた(図1図1■最新のゲノム分析に基づいたナス属系統樹).厳しいアンデス高山の気候に適応すべく,有性生殖を行わずとも塊茎で自身のクローンを残す術を身に着け現在まで生き残ってきた.他殖性植物(他の花粉で受精する植物)が受精するとその後代では形質が分離するため,自分と同じ形質(同じ遺伝子型)の子どもは出現しない.毎世代,受精する度にそれが繰り返されるため10万年前の植物種の姿と現在の姿は大きく異なる.しかし,バレイショは塊茎を一度形成すると永遠とクローンで生き残ることができる.一方で好適な環境下では花芽を形成し有性生殖も行う.そのため100万年前から同じ姿の種と,4000年前に誕生したばかりの種までが一同に顔を合わせて現存しているのがバレイショ種(Solanum section Petota)である.したがって,他の作物に比べて種の数が約200種と非常に多く,種内の変異は大きく,種間の変異は小さいものから大きいものまで存在する,まさに種の宝庫である.倍数性も多様であり2倍体から6倍体の種が存在する(表1表1■バレイショの倍数性と種の数).3倍体や5倍体の植物は通常,減数分裂時の染色体の不分離により生殖能力を失い次の世代を残せないが,塊茎で繁殖できるバレイショではそのような奇数倍数性であっても種として立派に成立している.バレイショの生息域は広く,北米(アメリカ南西部からメキシコ)から南米(全域)に分布している.標高は5000 mまでをカバーする.そのため各地の環境に適応した種が生まれていった.あるものは寒さに強く,あるものは暑さに強く,あるものは特定の病気に強い.しかし,そのほとんどは食用としては不向きであり,野生種と呼ばれる.
倍数性 | 種の数(%) |
---|---|
2倍体 | 129 (73%) |
3倍体 | 7 (4%) |
4倍体 | 27 (15%) |
5倍体 | 3 (2%) |
6倍体 | 10 (6%) |
約1万年前から栽培化(人が食糧として植物を栽培すること)によって,塊茎が大きく,毎年たくさん収穫できるものが残され,さらには人体に有毒なグリコアルカロイドという「えぐみ」の基になる成分が塊茎中に少ないものが選抜されバレイショ栽培種ができた.アンデスには約8種の栽培種(在来種)があるが,そのうち世界へ広まった種は1種のみで,しかも,近代品種はアーリーローズ(Early Rose)という1品種を祖先とする.
なぜ,限られた種の中の限られた品種だけが選ばれたのか? その理由は日の長さと塊茎形成に関係する.本来バレイショは日長が14時間以上の長日条件だと好適な条件と判断し花を咲かせ有性生殖で子孫を残したがる(1)1) M. Rodríguez-Falcón, J. Bou & S. Prat: Plant Biol., 57, 151 (2006)..苦肉の策であるクローン繁殖の塊茎形成は短日条件になるまでできるだけ行いたくない.しかし,日本,ヨーロッパ,アメリカを含む緯度が高い国々ではバレイショの栽培期間が長日条件の夏であるため,塊茎形成時期が秋から冬にかかってしまっては収量が低くなり非常に不都合である.そこで約150年前から長日条件でも塊茎を作り,冬になる前に完熟する長日適応早生型品種が選ばれていった.それがアーリーローズから派生した近代品種である.選りすぐりの優れた近代品種の恩恵を受けて,世界中ではバレイショが栽培され,特にコムギの生産性が低い冷涼地では多くの人々の命を支える食糧となった.しかし,それらの選ばれしバレイショ品種は病気に対しての選抜が行われてこなかったためあらゆる病気に弱かった.栽培種の起源地では大きな問題にならない病気であっても,大規模な栽培によって被害は甚大となった.人類の歴史を大きく変えた「アイルランド大飢饉」もバレイショが「ジャガイモ疫病菌」に感染し,腐敗したために起こった事件である.そこで私達は病気に強い品種を作らなければいけないことを知る.1906年,ジャガイモ疫病菌に強い種は栽培種ではなく野生種に見つかった.1908年,あらゆる作物の先陣を切ってバレイショでは野生種を利用した育種に成功する.その後も野生種や在来種からウイルス病抵抗性やセンチュウ抵抗性などが発見され,栽培種に取り込まれていった.その結果,抵抗性を獲得した品種が誕生したと同時に,アーリーローズを祖先とする近代品種の多様性を飛躍的に広げた.なぜ野生種を利用した品種改良が功を成したのか? それは,種の多さと,交配のし易さが1つの大きな理由である.私達が食べているバレイショ(Solanum tuberosum ssp. tuberosum)は4倍体(2n=4x=48)であるが,ジャガイモ疫病の抵抗性遺伝資源として利用された野生種Solanum demissumは6倍体(2n=6x=72)である(図2図2■さまざなバレイショ野生種).通常は倍数性の異なる種どうしの交配は成功しないが,バレイショでは可能な種が多い.さらには,2倍体を4倍体に,4倍体を2倍体に操作する育種(分解育種法)も確立している(図3図3■分解育種法(半数化と倍数化による染色体を操作する)).そのためある程度自由に種間交雑ができ,有用形質を品種へ取り込むことができる.このような遺伝資源がなければ病気や気候変動に対応できる品種を育成することは困難と言える.
私達は国内で唯一,バレイショ野生種や近縁種を数多く利用した研究を行っている.これまで国内では未利用の種に由来する遺伝形質を栽培種へ導入し,ジャガイモ疫病抵抗性やウイルス抵抗性系統を作り,育成場へ配布してきた.現在は,野生種と栽培種を交雑した時に生じる雄性不稔性の問題や,バレイショF1育種に向けた研究,そして温暖化により問題となっている病気や耐暑性についての遺伝資源を扱っている.それらの研究の一部分を以下に紹介する.
無性生殖による塊茎繁殖は種の多様性を提供してくれるが,増殖の過程で種子繁殖性の作物とは異なる問題に直面する.バレイショ栽培では塊茎を種イモとして植え付けて,植物体に成長させ,そこからできた新しいイモを収穫する.1株当たりに収穫されるイモは約10個なので,種イモ1個からの増殖率は約10倍となる.一方,イネの種子を1粒播けば,1株から穂が何本もでき,その穂から約500粒の種子が採れると考えた場合,増殖率は約500倍になる.この様に種子増殖に比べ,塊茎での増殖率は途方もなく低いことが分かる.そのためバレイショ生産に必要な十分量の種イモを確保するためは,長期に渡り種イモ増殖を行わなければいけない.例えば,新しい品種が育成された場合,消費者の元に届くまでに,試験管苗増殖(G0),ミニチューバー増殖(G1),基本種栽培(G2),原原種栽培(G3),原種栽培(G4),採種栽培(G5),一般圃栽培(G6),と少なくとも6年間,増殖を繰り返さなければいけない(図4図4■種イモと種子によるバレイショ生産の違い, GはGeneration).さらにもう1つの大きな問題は種子とは異なり塊茎は,植物生育中にウイルス病や土壌伝染性病原菌に感染してしまうとそれが塊茎にも移行し,種イモ自身が伝染源となり,病気をばら撒いてしまうリスクを抱えている.したがって,種イモ生産は植物防疫法に則り厳格な管理の元,生産–供給されている.
上記の塊茎繁殖特有の問題がバレイショ育種,増殖,および生産の効率を低下させていると言える.一方,もし種イモではなく,イネやムギと同じように種子を利用してバレイショ生産ができれば,これまでの煩雑な種イモ生産体系が簡素化され,新品種を迅速に生産現場へ導入でき,さらに生産者の労力やコストを大幅に削減することができる.また,重量物である種イモの輸送や,イモの休眠や萌芽を制御しながらの貯蔵が不要となる,まさに画期的なバレイショ生産体系と言える(2)2) 實友玲奈:いも類振興情報,147,35(2021)..
この種子によるバレイショ生産の夢を叶えるためには,F1育種(コラム参照)を行い,均一で収量の高い生産物を作る必要がある.しかし,以下に述べるように様々な問題や課題を解決しなければバレイショF1品種を作り出せない.
F1育種を行うためにはまず,ヘテロ接合性の高いバレイショを自殖して純系ないしはそれに近い近交系を作る.しかし,4倍体のバレイショの自殖を数回繰り返すと,顕性遺伝子によりマスクされていた潜性の有害遺伝子が表現型として出現し,ほとんどが雌雄稔性を失い次の世代の種子が作れなくなる.そのため4倍体に代わって,2倍体バレイショを用いて近交系を作らなくてはいけない.2倍体になると自家不和合性(自分の花粉では受精できないメカニズム)を示すので自家不和合性阻害遺伝子(Sli)等を導入し,自家和合性を獲得した後,近交系を作っていくのだが,自殖を繰り返す段階に入ると新しい形質を取り込むことができないのでその前に,病害虫抵抗性,耐暑性,あるいは優れた農業形質(塊茎の形や長日適応性など)を導入して親系統を作出する必要がある.純系に近づくほど,自殖弱勢が出現し,ひ弱な植物体になるが,それらどうしを交配するとヘテロシス(コラム参照)により生育旺盛なF1が出現すると期待される.しかし,そのヘテロシスのレベルが最大限に発揮されなければ,既存の4倍体品種の収量に匹敵するF1品種が産まれないと考えられる.そこで,私達はヘテロシスに関わる遺伝領域を特定し,どこをヘテロ接合型にすれば収量が上がるのかゲノムレベルで研究を行っている.次に,F1種子を作るときに,親の花粉が混ざらないように花粉を除雄するか,花粉を出なくさせる必要があるため,現在私たちは将来的に花粉の有無をコントロールできるように細胞質雄性不稔性と稔性回復遺伝子の同定を行っている.
このように育種的に克服しなければいけない課題が多くある一方で,栽培方法についてもゴマ粒よりも小さなバレイショの種子をどのように播種し,栽培すれば生育期間内に十分な収量を確保できるのかが課題となる.
バレイショでは葯の奇形,花粉が出ない,花粉が出ても実がつかないなど,多くの雄性不稔性が当たり前のように見られる.それは,バレイショの起源に関係しており,現在のバレイショS. tuberosum ssp. tuberosumはオルガネラゲノムの研究から,野生種Solanum tarijenseを母親に,アンデス在来種Solanum tuberosum ssp. andigenaが交雑してできたと報告されている(3)3) K. Hosaka: Am. J. Potato Res., 80, 21 (2003)..その際にS. tuberosum ssp. andigenaの核ゲノムとS. tarijenseのオルガネラゲノムのバランスが崩れ,様々な雄性不稔性が出現するに至ったと考えられる.さらに,近代育種によって抵抗性遺伝子を導入するために用いられた複数の野生種に由来するオルガネラゲノムが栽培種の中で新しい雄性不稔性を引き起こしている.例えば,ジャガイモ疫病抵抗性のために利用されたS. demissum由来のオルガネラゲノムを持つ品種・系統は良質な稔性のある花粉を産出するが,それを用いてもほとんど実ができない.ジャガイモYウイルス(PVY)抵抗性のために利用されたSolanum stoloniferum由来のオルガネラゲノムを持つ品種・系統は,花粉粒が4つ塊った状態で放出される四分子型雄性不稔性を示す(4, 5)4) A. Lössl, M. Gotz, A. Braun & G. Wenzel: Euphytica, 116, 221 (2000).5) R. Sanetomo & C. Gebhardt: BMC Plant Biol., 15, 162 (2015)..このような現象によってバレイショ育種では,花粉親として利用できる品種が限定されている.
これらの問題を解決し,雄性不稔性をうまくコントールするために,私達は野生種由来の遺伝資源や国内外の栽培種を用いて雄性不稔性の現象の解明から原因遺伝子の同定を目指している.現在までの研究の結果,S. demissum由来のオルガネラゲノムを持つ系統の花粉は,胚珠近傍まで花粉管が伸長していることが分かってきた.したがって,実ができない現象は受精後の問題である可能性がある.S. stoloniferum由来のオルガネラゲノムを持つ四分子型雄性不稔性を示す系統は,ミトコンドリアゲノム上に特有の遺伝子配列が存在することが分かってきた(6)6) R. Sanetomo, K. Akai & A. Nashiki: BMC Plant Biol., 22, 302 (2022)..また,2倍体野生種S. verrucosumを用いた研究では,四分子型雄性不稔性が回復した系統も得られ,現在その原因遺伝子を探索している.これらの研究成果が今後のバレイショ育種に役立つことを期待している.
F1育種のメリットには2倍体野生種を直接利用できることがある.バレイショの野生種の多くは2倍体であり,栽培種にはない病気や環境に対する抵抗性あるいは耐性を持っている.これらを導入し,2倍体レベルでの遺伝分析により遺伝子を同定できれば効率的に育種へと繋げることができる.しかし,まずは多くの野生種に含まれるグリコアルカロイド含量を下げなければ食用にならない.それを可能にするのもまた野生種の1つを利用する.グリコアルカロイドをほとんど合成しない野生種が発見され,その種ではグリコアルカロイド合成経路に関わる遺伝子が変異し,機能を失っている可能性が示された.この遺伝子を利用したい野生種に導入することで,どんなに苦い野生種からでも有用形質を取り込めると期待する.現在,えぐみがあり食べられないが強い疫病抵抗性を持つ野生種由来の抵抗性遺伝子をこのグリコアルカロイド欠損系統に導入し,育種利用を進めている.
オランダのバレイショ育種会社Solynta(ソリンタ)は,5~7回自殖を行った近交系どうしを交配して得た2倍体F1品種と,19種類の4倍体既存品種の収量および収量構成要素を異なる環境下で比較した(7)7) J. Stockem, M. Vries, E. Nieuwenhuizen, P. Lindhout & C. P. Struik: Potato Res., 63, 345 (2020)..その結果,収量に最も大きな影響を与えたのは,イモ1個重よりも茎当たりイモ数であり,それが多いF1バレイショは既存品種に匹敵する収量性を示した.一方,私達のヘテロシスの最新の研究結果はそれとは逆に,イモ1個重が収量性に寄与する結果となった.したがって今後さらに収量性に関わる要素を明らかにしていく必要がある.
オランダの種苗会社Bejo Zadenが種まき用バレイショ品種の「Oliver F1」を2018年に発表し(8)8) Bejo company: Bejo introduces its first True Potato Seed variety, http://www.bejo.com/magazine/bejo-introduces-its-first-true-potato-seed-variety,オランダのラテナウ研究所は,F1バレイショは将来の生態学的持続可能性と世界の食料安全保障の探求において重要な役割を果たすと記し,2040年までに企業,社会組織,および政府がF1バレイショの革命に向けて行うべき指針を公表した(9)9) Rathenau Instituut: Potatoes are the future, https://www.rathenau.nl/en/gezondheid/potatoes-are-future.アメリカ合衆国でも,2倍体近交系を利用したF1バレイショは,遺伝資源を効率よく利用できかつ,種子を急速に増殖できることから大きな利益性があることを示し,実現に向けた新しい戦略を公的機関および民間組織の指導者に呼びかけている.日本でも近年種苗会社から「種から育てるバレイショ」が販売されている.今はまさに従来のバレイショの育種・増殖・生産体系からの大きな転換点となり得る時と言える.その波が押し寄せる中,私達も手元にある200種類の品種・育成系統と2000種類の遺伝資源を活用して,F1バレイショの材料づくりを実施している.そのためには,国外からの遺伝資源の導入が永続的に必要であるが,残念なことに世界的にバレイショジーンバンク事業が衰退の危機にある.何万何千と存在する未利用の遺伝資源に価値を見出すことが私達の仕事である.しかし,野生種や近縁種を利用した研究成果が育種に利用され品種になり普及するまでの道のりは気の遠くなるような長期戦である.そのため,その価値が理解されず軽視される傾向にある.一度遺伝資源を失うと二度と戻らない.これまでどれだけの遺伝資源の恩恵を受けて私たちは豊かな食を前にして生きているのか,これを機にもう一度皆で考えていきたい.そして引き続き遺伝資源の山から価値を見いだす研究を続けることでこれからのバレイショ育種に必要となる材料を提供していきたい.
Acknowledgments
この内容はJST創発的研究支援事業「バレイショF1育種に向けた近交系の作出とヘテロシスの解明」,および科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)「大規模進展下における畑輪作体系の維持—バレイショの育種・増殖・生産の効率化」で取り組んでいる課題である.
Note
バレイショの分類はHawkes(1990)(10)10) J. G. Hawkes: “The potato—evolution, biodiversity and genetic resources.” Belhaven Press, 1990.に従った.
Reference
1) M. Rodríguez-Falcón, J. Bou & S. Prat: Plant Biol., 57, 151 (2006).
2) 實友玲奈:いも類振興情報,147,35(2021).
3) K. Hosaka: Am. J. Potato Res., 80, 21 (2003).
4) A. Lössl, M. Gotz, A. Braun & G. Wenzel: Euphytica, 116, 221 (2000).
5) R. Sanetomo & C. Gebhardt: BMC Plant Biol., 15, 162 (2015).
6) R. Sanetomo, K. Akai & A. Nashiki: BMC Plant Biol., 22, 302 (2022).
7) J. Stockem, M. Vries, E. Nieuwenhuizen, P. Lindhout & C. P. Struik: Potato Res., 63, 345 (2020).
8) Bejo company: Bejo introduces its first True Potato Seed variety, http://www.bejo.com/magazine/bejo-introduces-its-first-true-potato-seed-variety
9) Rathenau Instituut: Potatoes are the future, https://www.rathenau.nl/en/gezondheid/potatoes-are-future
10) J. G. Hawkes: “The potato—evolution, biodiversity and genetic resources.” Belhaven Press, 1990.