解説

ストリゴラクトン受容体の構造とシグナル伝達のしくみ

Structure of the Strigolactone Receptor and the Molecular Mechanism of Strigolactone Signaling

中村 英光

Hidemitsu Nakamura

東京大学大学院農学生命科学研究科 ◇ 〒113-8657 東京都文京区弥生1-1-1

Graduate School of Agricultural and Life Sciences, The University of Tokyo ◇ 1-1-1 Yayoi, Bunkyo-ku, Tokyo 113-8657, Japan

宮川 拓也

Takuya Miyakawa

東京大学大学院農学生命科学研究科 ◇ 〒113-8657 東京都文京区弥生1-1-1

Graduate School of Agricultural and Life Sciences, The University of Tokyo ◇ 1-1-1 Yayoi, Bunkyo-ku, Tokyo 113-8657, Japan

田之倉

Masaru Tanokura

東京大学大学院農学生命科学研究科 ◇ 〒113-8657 東京都文京区弥生1-1-1

Graduate School of Agricultural and Life Sciences, The University of Tokyo ◇ 1-1-1 Yayoi, Bunkyo-ku, Tokyo 113-8657, Japan

浅見 忠男

Tadao Asami

東京大学大学院農学生命科学研究科 ◇ 〒113-8657 東京都文京区弥生1-1-1

Graduate School of Agricultural and Life Sciences, The University of Tokyo ◇ 1-1-1 Yayoi, Bunkyo-ku, Tokyo 113-8657, Japan

Published: 2015-02-20

ストリゴラクトンは,アフリカで農作物に深刻な被害をもたらし魔女の雑草と呼ばれる根寄生雑草ストライガの種子発芽促進物質として知られていたが,近年,枝分かれ抑制など多様な活性をもつ植物ホルモンであることが知られるようになった.そのため,ストリゴラクトンの受容・シグナル伝達機構の解明は,根寄生雑草防除の点でも,植物の生長制御の点でも重要な課題である.ストリゴラクトンの受容は,ストリゴラクトンの加水分解活性を併せ持つD14タンパク質により行われることが明らかになってきている.本稿では,この数年で分子生物学的手法やタンパク質結晶構造解析により明らかになってきたストリゴラクトンの受容・シグナル伝達のしくみについて解説する.

ストリゴラクトンについて

ストリゴラクトンは比較的最近発見された植物ホルモンで,六員環(A環)と五員環(B環),ラクトン環(C環)が連なった三環構造にメチルフラノン環(D環)がエノールエーテルを介して結合している特徴的な四環構造をとっており(図1図1■ストリゴラクトン・カリキンの化学構造),植物の枝分かれを抑制する活性をもつ(1,2)1) V. Gomez-Roldan, S. Fermas, P. B. Brewer, V. Puech-Pagès, E. A. Dun, J. P. Pillot, F. Letisse, R. Matusova, S. Danoun, J. C. Portais et al.: Nature, 455, 189 (2008).2) M. Umehara, A. Hanada, S. Yoshida, K. Akiyama, T. Arite, N. Takeda-Kamiya, H. Magome, Y. Kamiya, K. Shirasu, K. Yoneyama et al.: Nature, 455, 195 (2008)..そのほか,発芽や芽生えの時期の光応答,根圏の環境に応じた根の発達,葉の老化などにも関与していることが知られている.また,植物ホルモンとして認識されるようになる以前から,ストリゴラクトンは,アフリカ大陸などで農作物に甚大な被害を与え,「魔女の雑草(witch weed)」と呼ばれているストリガ属やハマウツボ属などの根寄生植物の種子発芽刺激物質として同定されていた.さらに,植物の根に共生し,根からの栄養吸収を助けるアーバスキュラー菌根菌(AM菌)の菌糸の分岐を促進し共生を助ける物質と同一であることも知られていた.このようにストリゴラクトンのもつ多様な機能は,いずれも農作物の収量の向上や根寄生植物の防除などの農業上の大きな課題に直結しており,ストリゴラクトンに関する研究は世界中で活発に行われており,2008年に植物ホルモンとして初めて報告されてから6年あまりしか経過していないにもかかわらず,その生合成についても受容・シグナル伝達についてもかなり多くの知見が蓄積されてきている.

図1■ストリゴラクトン・カリキンの化学構造

5-DS(5-deoxystrigol)と(+)-strigolは四環構造からなる典型的な天然型ストリゴラクトンで,(+)-GR24と(−)-ent-(−)-epi-GR7は合成ストリゴラクトン.いずれも枝分かれ抑制活性をもち,D環構造とその絶対配置が保存されている.CL(carlactone):ストリゴラクトン生合成中間体であるカーラクトン.KAR1:煙中から発芽促進物質として単離されたカリキンの一種.ストリゴラクトンのD環構造が保存されている.

ストリゴラクトンの生合成経路については,主にシロイヌナズナの枝分かれが野生型株より旺盛になる変異体の解析から関与する酵素が同定され,さらに生合成中間体としてのカーラクトンの同定(3)3) A. Alder, M. Jamil, M. Marzorati, M. Bruno, M. Vermathen, P. Bigler, S. Ghisla, H. Bouwmeester, P. Beyer & S. Al-Babili: Science, 335, 1348 (2012).とその代謝実験(4)4) Y. Seto, A. Sado, K. Asami, A. Hanada, M. Umehara, K. Akiyama & S. Yamaguchi: Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 111, 1640 (2014).により,β-カロテンからカーラクトンを経由して四環構造のストリゴラクトンが合成されることが明らかになっている.カーラクトンからどのようにして四環構造が形成されるかは未解明な点として残っていたが,さらに最近,カーラクトン以降の反応にP450水酸化酵素であるMORE AXILLARY GROWTH 1(MAX1)とそのホモログが関与していることが報告され(5)5) Y. Zhang, A. D. van Dijk, A. Scaffidi, G. R. Flematti, M. Hofmann, T. Charnikhova, F. Verstappen, J. Hepworth, S. van der Krol, O. Leyser et al.: Nat. Chem. Biol., 10, 1028 (2014).,間もなくストリゴラクトン生合成の全容が明らかになると期待される.ストリゴラクトン生合成については瀬戸らの総説に詳しいので参照されたい(6)6) Y. Seto & S. Yamaguchi: Curr. Opin. Plant Biol., 21C, 1 (2014).

本解説では,ストリゴラクトンの受容機構の分子メカニズムとその下流への受容シグナルの伝達のしかたについて,これまでに明らかになったことや未解明な点についてまとめ,今後のストリゴラクトン研究について展望したい.

ストリゴラクトンの受容とシグナル伝達の概要

ストリゴラクトンの受容に関与する因子の探索については,ストリゴラクトン非感受性の変異体の解析を通じて行われてきた.シロイヌナズナmore axillary growth 2max2)変異体,イネdwarf3d3)変異体,エンドウマメramosus4rms4)変異体はいずれも野生型と比較して枝分かれが増加する変異体であり,その原因遺伝子であるMAX2D3RMS4はいずれもE3ユビキチンリガーゼの基質認識サブユニットであるF-boxタンパク質をコードしていた(7)7) Y. Seto, H. Kameoka, S. Yamaguchi & J. Kyozuka: Plant Cell Physiol., 53, 1843 (2012).

植物ホルモンの受容機構はユビキチン化を介したタンパク質分解機構を利用した例が多く(図2図2■オーキシン・ジャスモン酸・ジベレリンの受容・シグナル伝達機構の概念図),オーキシン,ジャスモン酸の受容体はそれぞれF-boxタンパク質であるTIR1,COI1である.オーキシンがTIR1に認識されると,オーキシンシグナル伝達抑制転写因子AUX/IAAタンパク質の分解が誘導される.また,ジャスモン酸の誘導体ジャスモン酸イソロイシンがCOI1に認識されるとジャスモン酸シグナル伝達抑制転写因子JAZの分解が誘導される.一方,ジベレリンが受容体GID1により認識されると,ジベレリンシグナル伝達抑制因子DELLAがGID1–ジベレリン複合体に認識され,GID1–ジベレリン–DELLA複合体が形成される.この三者複合体はF-boxタンパク質であるGID2/SLY1と結合し,プロテアソームによりDELLAが分解され,その結果,それまでDELLAにより抑制されていたGAシグナルが活性化される.これらの例から,ストリゴラクトンもオーキシン,ジャスモン酸,ジベレリンと同様に,受容体により認識された後,シグナル伝達抑制因子がプロテアソームにより分解されることでシグナルが活性化され,この機構においてF-boxタンパク質であるMAX2/D3/RMS4が中心的な働きをすることが示唆されていた.

図2■オーキシン・ジャスモン酸・ジベレリンの受容・シグナル伝達機構の概念図

(A)オーキシンの受容・シグナル伝達機構.オーキシン濃度が低い場合,オーキシン応答性遺伝子の発現を制御する転写因子ARFの働きはAux/IAAにより抑制されている.オーキシン濃度が上昇すると,オーキシンに結合したF-boxタンパク質である受容体TIR1がAux/IAAと結合し,SCFTIR1複合体が形成され,Aux/IAAが26Sプロテアソームにより分解される.その結果,ARFの抑制が解除され,オーキシン応答性転写因子の発現が誘導される.(B)ジャスモン酸の受容・シグナル伝達機構.ジャスモン酸の受容・伝達機構はオーキシンのものとよく似ている.ジャスモン酸受容体COI1もF-boxタンパク質であり,ジャスモン酸のアミノ酸誘導体であるJA-IleのCOI1への結合が引き金となり,転写抑制因子JAZが26Sプロテアソームにより分解され,ジャスモン酸応答性転写因子の発現が誘導される.(C)ジベレリンの受容・シグナル伝達機構.DELLAタンパク質はさまざまな因子と結合し,成長を抑制している.ジベレリンが受容体GID1と結合するとGID1はDELLAと結合し,さらにSCFGID2複合体に捕らえられ,26Sプロテアソームによる分解を受ける.その結果,茎の伸長など植物の成長が促進される.

また,イネの分げつ数が増加した変異体dwarf14d14)もストリゴラクトンに非感受性でストリゴラクトンを蓄積していた.この内生ストリゴラクトンが蓄積する表現型はd3変異体でも見られていた形質であり,おそらくストリゴラクトンシグナル伝達の欠損によりストリゴラクトン生合成のフィードバック阻害が起こらなくなったことが原因であると考えられる.このことからイネにおいてD14D3同様にストリゴラクトンの受容・シグナル伝達に関与することが示唆された.しかしながら,D14遺伝子の塩基配列からD14タンパク質はα/β加水分解酵素であると予測されていた(8)8) T. Arite, M. Umehara, S. Ishikawa, A. Hanada, M. Maekawa, S. Yamaguchi & J. Kyozuka: Plant Cell Physiol., 50, 1416 (2009)..ジベレリン受容体であるGID1もα/β加水分解酵素のファミリーに属しているが,α/β加水分解酵素に必ず保存されているSer-His-Asp触媒3残基は保存されていなかった.それに対し,D14にはSer-His-Asp触媒3残基が保存されており,ほかのα/β加水分解酵素同様に基質の加水分解を触媒する活性を有することが予測された.このことから当初はD14が受容に関与するのか,ストリゴラクトンをさらに最終型の活性物質に変換する酵素なのか判断できない状況であった.しかしながら,その後の変異体の解析や,生化学的な解析,D14と相互作用する因子の解析から,現在ではD14がストリゴラクトン加水分解活性を有しつつストリゴラクトンを認識し下流にシグナルを伝達することが明らかとなり,D14がストリゴラクトン受容体として認識されている.

さらに,シロイヌナズナmax2変異体の種子休眠性や胚軸の徒長形質を抑圧するサプレッサー変異体の解析から,SMAX1suppressor of max2 1)とそのホモログ(SMXL2–8)がMAX2の下流で機能することが示唆された(9)9) J. P. Stanga, S. M. Smith, W. R. Briggs & D. C. Nelson: Plant Physiol., 163, 318 (2013)..しかしSMAX1がコードしていたのはシャペロン分子として知られているHSP101と類似したタンパク質であり,MAX2の下流でどのように機能するのかは予測できなかった.ところがそれから間もなく2つのグループからSMAX1と相同性の高いイネのDWARF53D53)の機能解析の報告があり,D53がストリゴラクトンを認識したD14の標的となり,分解を受けることが明らかとなった(10,11)10) F. Zhou, Q. Lin, L. Zhu, Y. Ren, K. Zhou, N. Shabek, F. Wu, H. Mao, W. Dong, L. Gan et al.: Nature, 504, 406 (2013).11) L. Jiang, X. Liu, G. Xiong, H. Liu, F. Chen, L. Wang, X. Meng, G. Liu, H. Yu, Y. Yuan et al.: Nature, 504, 401 (2013)..D53はEAR(ETHYLENE-RESPONSIVE ELEMENT BINDING FACTOR-ASSOCIATED AMPHIPHILIC REPRESSION)モチーフを有する.EARモチーフは多くの植物の発達過程やホルモン応答で機能する転写抑制因子TOPLESS関連因子(TPR)と相互作用することが知られており,D53がEARモチーフを介しTPRと相互作用し,TPRと協調して標的遺伝子の転写抑制を行っていると考えられている.

これらの最近の知見より,ストリゴラクトンの受容とシグナル伝達による枝分かれの制御は,D14によるストリゴラクトンの認識→D14–ストリゴラクトン–D53複合体の形成→MAX2を介したD14–ストリゴラクトン–D53複合体の分解→枝分かれの抑制,という機構が中心となって行われているというモデルが定説となってきている(図3図3■ストリゴラクトンの受容・シグナル伝達機構の概念図).

図3■ストリゴラクトンの受容・シグナル伝達機構の概念図

D53タンパク質は枝分かれの抑制機構を抑制している.そのためD53が過剰に存在すると枝分かれは旺盛になる.ストリゴラクトンが受容体D14と結合するとD14はD53と結合し,さらにSCFMAX2複合体に捕らえられ,26Sプロテアソームによる分解を受ける.その結果,枝分かれが抑制される.

D14によるストリゴラクトンの受容メカニズム

Hamiauxらは,ペチュニアのD14オーソログであるDECREASED APICAL DOMINANCE 2(DAD2)の解析を通じ,DAD2がストリゴラクトンの受容体である可能性を強く示唆するデータを得た(12)12) C. Hamiaux, R. S. Drummond, B. J. Janssen, S. E. Ledger, J. M. Cooney, R. D. Newcomb & K. C. Snowden: Curr. Biol., 22, 2032 (2012)..酵母ツーハイブリッド(Y2H)法による解析から,DAD2がMAX2のオーソログであるPhMAX2と合成ストリゴラクトンGR24存在下で相互作用することを見いだした.また,触媒三残基の一つSer94がAlaに置換された変異型のDAD2(DAD2S94A)はY2H系でPhMAX2と相互作用できなかった.さらにDAD2S94Adad2変異体の枝分かれ増加形質を抑圧できなかった.また彼らは,低分子リガンドの結合によるタンパク質の熱変性温度の変化を測定するdifferential scanning fluorimetry法により,GR24がDAD2の熱変性温度を変化させること,また,GR24はDAD2S94Aの熱変性温度は変化させないことを示した.こうした結果から,ストリゴラクトンはDAD2の状態を不安定にさせ,MAX2のようなほかのタンパク質との相互作用を促し,植物体の枝分かれを抑えること,このようなDAD2の働きにはDAD2が加水分解活性を有することが必須であることが推定された.

筆者らもイネのD14を用いて同様のことを観察している(13)13) H. Nakamura, Y. L. Xue, T. Miyakawa, F. Hou, H. M. Qin, K. Fukui, X. Shi, E. Ito, S. Ito, S. H. Park et al.: Nat. Commun., 4, 2613 (2013)..筆者らは3H標識した合成ストリゴラクトンGR7を用いてD14がGR7と特異的に結合することを示した.この結合は触媒3残基の一つHis297がAlaに置換された変異型のD14(D14H297A)でも観察されたことから,ストリゴラクトンのD14への結合自体には触媒活性は必須ではないことが示唆された.さらに筆者らはGR24存在下でD14がトリプシン分解を受けやすくなることからD14もストリゴラクトンにより不安定になることを示した.また,ストリゴラクトンによる被トリプシン分解性の促進はD14H297Aでは起こらなかったことから,ストリゴラクトンによるD14の不安定化にはD14自身の加水分解活性が必須であることが示唆され,DAD2の結果と一致した.

また,HamiauxらはDAD2のタンパク質結晶も取得し,そのX線結晶構造解析も行っている(12)12) C. Hamiaux, R. S. Drummond, B. J. Janssen, S. E. Ledger, J. M. Cooney, R. D. Newcomb & K. C. Snowden: Curr. Biol., 22, 2032 (2012)..その直後に,シロイヌナズナD14,イネD14のX線結晶構造解析の結果も相次いで報告されている(14,15)14) M. Kagiyama, Y. Hirano, T. Mori, S. Y. Kim, J. Kyozuka, Y. Seto, S. Yamaguchi & T. Hakoshima: Genes Cells, 18, 147 (2013).15) L. H. Zhao, X. E. Zhou, Z. S. Wu, W. Yi, Y. Xu, S. Li, T. H. Xu, Y. Liu, R. Z. Chen, A. Kovach et al.: Cell Res., 23, 436 (2013)..これらの報告によると,いずれのD14タンパク質も枯草菌Bacillus subtilisのα/β加水分解酵素RsbQと基本的な構造が一致していた(図4A図4■ストリゴラクトン受容体の構造とD-OHとの結合様式).いずれも5つのα-へリックスが7つのβシートを取り囲んだコア構造をもち,そのうえに,4つのαへリックスからなる2層のV字構造がふたをする形で重なっていた.また,V字構造のふたとβシートのコア構造の間には表面に口を開けたくぼみが存在し,そのくぼみの底にα/β加水分解酵素の典型的な触媒活性中心である,Ser-His-Asp構造が存在していた.一般的にα/β加水分解酵素は,この触媒3残基のHis-Aspが電荷のリレーネットワークを形成し,Ser残基の求核性を高め,Ser残基が強力な求核基として基質に結合し,水酸化反応を行っている.D14でも触媒3残基Ser-His-Aspが保存されていたことから,D14によるストリゴラクトンの加水分解反応もこの機構で行われていると推定できる.実際,Zhaoらは,イネD14とGR24の共結晶の取得を試みた際,加水分解反応の中間産物と考えられる,2,4,4-trihydroxy-3-methyl-3-butenalが触媒3残基中のSer残基と共有結合している共結晶構造を観察している(15)15) L. H. Zhao, X. E. Zhou, Z. S. Wu, W. Yi, Y. Xu, S. Li, T. H. Xu, Y. Liu, R. Z. Chen, A. Kovach et al.: Cell Res., 23, 436 (2013)..しかしながら,ストリゴラクトンがこの基質結合ポケットに当てはまることはドッキングシミュレーションの結果で予測されてはいるが,実際にストリゴラクトンが結合している共結晶についてはいまだ報告がない.

図4■ストリゴラクトン受容体の構造とD-OHとの結合様式

(A)ストリゴラクトン受容体D14の立体構造.α-へリックスに取り囲まれたβシートからなるコア構造のうえに,4つのα-へリックスからなる2層のV字構造がふたをする形で重なっている.また,V字構造のふたとβシートのコア構造の間にリガンド結合ポケットが存在し,その底にα/β加水分解酵素の典型的な活性中心である,Ser-His-Asp構造が位置している.なお,カリキン受容体KAI2の構造もD14の構造とほぼ一致している.(B)ストリゴラクトンの分解産物D-OHとイネD14の結合.(C)KAR1とKAI2の結合.

筆者らはイネD14のタンパク質結晶を取得し,結晶をストリゴラクトン溶液に浸し,結合ポケットの構造を比較したところ,(−)-ent-2′-epi-GR7に浸したD14の結合ポケットには,ストリゴラクトン非存在下では見られなかった電子密度の存在を観察した(13)13) H. Nakamura, Y. L. Xue, T. Miyakawa, F. Hou, H. M. Qin, K. Fukui, X. Shi, E. Ito, S. Ito, S. H. Park et al.: Nat. Commun., 4, 2613 (2013)..この電子密度はすでにD14によるストリゴラクトン分解産物であることが知られている水酸化されたD環(D-OH)と一致していた.しかし,意外なことにD-OHが結合していたのは,結合ポケットの奥の触媒活性中心の近くではなく,結合ポケットの入口の部分であった.D-OHの水酸基はD14のTrp205と水素結合を形成して固定され,結合ポケットからその水酸基を表面に顔をのぞかせる形で存在し,周辺の疎水的な環境に,新たに極性をもつ部位を形成させていた(図4B図4■ストリゴラクトン受容体の構造とD-OHとの結合様式).また,D-OHはVal残基,Ser残基といくつかの芳香族アミノ酸残基(Phe186, Trp205, Tyr209, Phe245)に囲まれていた.D-OH結合時のD14にはストリゴラクトン非存在下のD14と比較して大きな変化はなく,唯一,D-OHと疎水結合するPhe残基が1.3 Åだけリガンド側に動いていた.この変化が以降のシグナル伝達にどのような作用をするかは不明であるが,このPhe残基をAla残基に置換したOsD14F245Aは,ストリゴラクトン加水分解能を保持していたものの,SLR1とのストリゴラクトン依存的な結合能は失われていたため,D-OHとPhe残基の相互作用が,ストリゴラクトンシグナルを下流に伝達するために重要な役割をしていることが示唆される.

これまでに天然型のストリゴラクトンは多数発見されておりその構造は多様であるが,D環の部分に関しては,ほぼ例外なく構造が一致している.通常濃度でD-OHがストリゴラクトンとしての作用を示すことはないためD14とD-OHがいわゆる代謝物阻害のような状態をとることも考えられるが,筆者らは高濃度のD-OHがイネの分げつ伸長を弱く抑制することも観察しており(13)13) H. Nakamura, Y. L. Xue, T. Miyakawa, F. Hou, H. M. Qin, K. Fukui, X. Shi, E. Ito, S. Ito, S. H. Park et al.: Nat. Commun., 4, 2613 (2013).ストリゴラクトンがD14により分解された後,反応産物であるD-OHがポケットの入り口にふたをする形で結合し,タンパク質の表面に水酸基を提示し,ほかの標的タンパク質に認識されるというモデルを提案している(図5図5■ストリゴラクトン受容とシグナル伝達の仮説).このモデルが正しければ,なぜ多種多様なストリゴラクトンにおいてD環のみが高度に保存されているのか説明がつく.このモデルの場合,受容体D14のもつ加水分解活性による反応産物のD-OHが受容体内で最終的にリガンドとして機能することになることから,筆者らはこのD-OHが真の枝分かれホルモン活性分子“branin(branching inhibitor)”であると考えている.このことを証明するためには,標的タンパク質が結合した状態のD14を単離し,その中にD-OHが存在すること,構造解析でD-OHの水酸基を提示したD14に標的タンパク質が結合していることを認める必要がある.

図5■ストリゴラクトン受容とシグナル伝達の仮説

ストリゴラクトンが受容体D14の結合ポケットの奥に存在する触媒3残基の働きで加水分解を受けると,分解産物のD-OHが結合ポケットの入り口に移動し,水酸基がポケットの外側に露出する.こうして生じた極性部位を認識し,標的タンパク質が結合し,下流にストリゴラクトンシグナルを伝える.

D14とKAI2

カリキンは植物が燃えたときに出る煙の中の成分から種子発芽促進物質として単離された(図1図1■ストリゴラクトン・カリキンの化学構造).シロイヌナズナの種子もカリキンで発芽が促進されたが,この発芽はmax2変異体では起こらなかった.このことからカリキンの受容・シグナル伝達機構がストリゴラクトンの受容・シグナル伝達機構と同じくMAX2を介して行われていることが示唆された.さらにカリキンに対して非感受性になるシロイヌナズナkai2karrikin insensitive 2)変異体の解析からKAI2にコードされるタンパク質が受容に関与していることが示唆されたが,KAI2はD14と相同性があり,D14と同様にα/β加水分解酵素ファミリーに属していた.そして,ストリゴラクトンがD14により認識されてシグナルを伝えるのと同様に,カリキンもKAI2により認識されシグナルを下流に伝えることが,シロイヌナズナのkai2変異体を用いた解析により明らかとなった.ストリゴラクトンはD14を介して枝分かれや根の発達を制御し,カリキンはKAI2を介して種子発芽や胚軸伸長を制御する.このシロイヌナズナD14とKAI2によるストリゴラクトン/カリキンシグナルの機能分担についての詳細はSmithらの総説を参考にされたい(16)16) S. M. Smith & J. Li: Curr. Opin. Plant Biol., 21C, 23 (2014).

ストリゴラクトンとカリキンの構造を比較してみると,どちらもラクトン環とエノールエーテル構造を有しており,認識機構に共通点が存在することが予測される(図1図1■ストリゴラクトン・カリキンの化学構造).一方,kai2変異体が種子の休眠や,胚軸の徒長といった形質を示し,枝分かれの数に異常がなかったのに対し,d14変異体は,種子発芽や胚軸は野生型と同じ表現形質を示すが,枝分かれは多くなるという形質を示しており,またストリゴラクトン生合成欠損変異体ではd14変異体の形質のみが現れるため,ストリゴラクトンとカリキンは受容体を使い分けていることが示唆されている.しかしながら,最近,in vitroの解析でKAI2もGR24結合能を有することが報告されており(17)17) S. Toh, D. Holbrook-Smith, M. E. Stokes, Y. Tsuchiya & P. McCourt: Chem. Biol., 21, 988 (2014).,この使い分けは厳密に行われているものではないのかもしれない.

KAI2についてもX線結晶構造解析が行われている(14,15,18,19)14) M. Kagiyama, Y. Hirano, T. Mori, S. Y. Kim, J. Kyozuka, Y. Seto, S. Yamaguchi & T. Hakoshima: Genes Cells, 18, 147 (2013).15) L. H. Zhao, X. E. Zhou, Z. S. Wu, W. Yi, Y. Xu, S. Li, T. H. Xu, Y. Liu, R. Z. Chen, A. Kovach et al.: Cell Res., 23, 436 (2013).18) R. Bythell-Douglas, M. T. Waters, A. Scaffidi, G. R. Flematti, S. M. Smith & C. S. Bond: PLoS ONE, 8, e54758 (2013).19) Y. Guo, Z. Zhen, J. J. La Clair, J. Chory & J. P. Noel: Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 110, 8284 (2013)..KAI2の構造はD14と高い類似性を示した.このことから,両受容体がリガンドをある程度共有している可能性が考えられるが,リガンド結合ポケットの大きさはやや異なっており,ペチュニアD14オーソログであるDAD2の結合ポケットの容積が448 Å3であったのに対し,KAI2の結合ポケットの容積は336 Å3であったが,この大きさはカリキンを収めるのに十分な大きさであった.そのほかは,触媒3残基Ser-His-Aspの位置もD14と共通しており,また,この中のSer残基が置換された変異型のKAI2S95Aを発現するシロイヌナズナはカリキンに応答しなかったことから,KAI2の触媒活性がカリキン応答にも必須であると考えられる.しかしながら,カリキンにはストリゴラクトン分解産物のD-OHのような分解産物は存在せず,いったんKAI2の触媒活性によりカリキンのカルボキシル基が触媒残基のSerと結合し環が開裂した後に,再び元の分子に戻ることが予測されている.

Guoらがカリキンの一種KAR1と結合するシロイヌナズナKAI2のX線結晶構造解析を行った結果,KAR1が結合していたのは,触媒3残基から離れた位置であった(19)19) Y. Guo, Z. Zhen, J. J. La Clair, J. Chory & J. P. Noel: Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 110, 8284 (2013)..この複合体構造と上述のD14–D-OH複合体構造の間にはいくつかの興味深い共通点が存在していた.KAI2–KAR1複合体もD14とD-OHの複合体同様,いくつかの芳香族アミノ酸残基に囲まれており,KAR1の平面構造がPhe134とPhe194に挟まれたサンドイッチ構造をしていた.KAR1を取り囲むアミノ酸残基はD-OHを取り囲むD14のアミノ酸残基と完全には一致していなかったが,Phe134,Phe157,Phe194はそれぞれD-OHを取り囲んでいたイネD14のアミノ酸残基Phe186,Tyr209,Phe245に相当するアミノ酸残基であり,KAI2のPhe194とD14のPhe245がそれぞれKAR1またはD-OHの結合に伴って動く点が一致していた.また,共結晶中のKAR1の骨格の酸素原子は,結合ポケットの外側に顔を出しており,ポケットの入り口周辺の疎水性の環境に新たに極性をもつ部位を生み出していた(図4C図4■ストリゴラクトン受容体の構造とD-OHとの結合様式).これらの特徴から,標的タンパク質がD14あるいはKAI2を認識する機構がある程度共通していることが推測される.この共通性は,イネにおいてD53がD14を介した枝分かれ制御に関与していた(10,11)10) F. Zhou, Q. Lin, L. Zhu, Y. Ren, K. Zhou, N. Shabek, F. Wu, H. Mao, W. Dong, L. Gan et al.: Nature, 504, 406 (2013).11) L. Jiang, X. Liu, G. Xiong, H. Liu, F. Chen, L. Wang, X. Meng, G. Liu, H. Yu, Y. Yuan et al.: Nature, 504, 401 (2013).のに対し,D53と相同性の高いシロイヌナズナのSMAX1が主にKAI2を介したカリキンシグナルに関与していた(9)9) J. P. Stanga, S. M. Smith, W. R. Briggs & D. C. Nelson: Plant Physiol., 163, 318 (2013).こととつじつまが合う.

しかし,ストリゴラクトンの場合,その分解産物の一部がD14表面に顔を出すのに対し,カリキンはカリキンそのものがKAI2表面に露出するという違いがある.なぜKAI2による加水分解産物を生じないカリキンも,触媒3残基にいったん結合し,一時的に環が開裂される必要があるのだろうか.DAD2やイネD14がストリゴラクトン加水分解時にタンパク質の安定性が失われることと何か関係があるかもしれないが,今後の解析が待たれる点である.

ところでカリキンは煙中から発見された化合物であり,植物内在性のKAI2のリガンドはまだ明らかになっていない.D14が受容するリガンドは,おそらくほぼすべてカーラクトンを経由して合成される化合物であると思われるが,イネd14変異体がカーラクトン非感受性であったことから,カーラクトンが変換されて合成される化合物がKAI2のリガンドではない可能性が高い.しかし,先に述べたようにin vitro実験ではKAI2が合成ストリゴラクトンGR24と結合したという結果もあり(17)17) S. Toh, D. Holbrook-Smith, M. E. Stokes, Y. Tsuchiya & P. McCourt: Chem. Biol., 21, 988 (2014).,D14とKAI2の機能分担については,in vitroin vivo両面からの解析が必要であると考えられる.

D14やMAX2と相互作用する因子

上述したように,イネD14とD53はストリゴラクトン依存的に相互作用する.ストリゴラクトン存在下でD53は分解を受け,また,分解を受けない変異型のD53を発現するイネd53変異体は多分げつの優性形質を示すので,ストリゴラクトン結合型のD14がD53を認識して分解に導くことで分げつを抑制していると考えられる(10,11)10) F. Zhou, Q. Lin, L. Zhu, Y. Ren, K. Zhou, N. Shabek, F. Wu, H. Mao, W. Dong, L. Gan et al.: Nature, 504, 406 (2013).11) L. Jiang, X. Liu, G. Xiong, H. Liu, F. Chen, L. Wang, X. Meng, G. Liu, H. Yu, Y. Yuan et al.: Nature, 504, 401 (2013)..一方,シロイヌナズナsmax1変異体の形質は,SMAX1は枝分かれ制御には関与していないことを示していて,主にKAI2を介したカリキンシグナルに関与していることが示唆された(9)9) J. P. Stanga, S. M. Smith, W. R. Briggs & D. C. Nelson: Plant Physiol., 163, 318 (2013)..しかし,シロイヌナズナにおいてSMAX1/SMXLファミリーは8種のタンパク質からなり,それぞれのSMXLは異なる発現パターンを示しており,シロイヌナズナの生活環において各々のSMXLが機能の冗長性を有しつつそれぞれの役割をもち, SMXLのどれかが枝分かれ制御に関与している可能性が考えられる.また,イネには3種,シロイヌナズナには5種類のTPRタンパク質が存在しており,複数のD53/SMXLとTPRの組み合わせが,ストリゴラクトンの機能の多様性を生み出しているのかもしれない.しかしながら,D53とイネに8種存在するD53のホモログおよびシロイヌナズナのSMAX1とそのホモログである7種のSMXLがイネおよびシロイヌナズナのストリゴラクトンシグナルのすべてを担っているかどうかは明らかではない.ほかにD14の標的となるタンパク質が存在し,ストリゴラクトンシグナル伝達に関与している可能性も十分考えられる.

また,筆者らは,ジベレリンシグナルの抑制因子DELLAタンパク質がD14とストリゴラクトン依存的に結合することを報告している(13)13) H. Nakamura, Y. L. Xue, T. Miyakawa, F. Hou, H. M. Qin, K. Fukui, X. Shi, E. Ito, S. Ito, S. H. Park et al.: Nat. Commun., 4, 2613 (2013)..このことはジベレリンとストリゴラクトンのシグナル間のクロストークを考察するうえで非常に興味深い.ストリゴラクトン処理によるDELLAタンパク質の分解促進は観察されず,エンドウマメにおいて,ストリゴラクトン合成生合成変異体rms4の矮化がジベレリン処理で回復されないことも観察されていて(20)20) A. de Saint Germain, Y. Ligerot, E. A. Dun, J. P. Pillot, J. J. Ross, C. A. Beveridge & C. Rameau: Plant Physiol., 163, 1012 (2013).,D14とDELLAタンパク質の相互作用の意義については不明なままであるが,筆者らはD14–DELLAタンパク質の相互作用が要求するリガンド構造の要求性とD14–D53相互作用のリガンド構造の要求性が一致していることを見いだしている.また,DELLAタンパク質は,ジャスモン酸シグナル伝達因子のJAZタンパク質や,ブラシノステロイドシグナル伝達因子であるBZR1など,複数のほかのホルモンシグナル伝達因子と相互作用し,その機能に干渉していることが報告されている(21)21) Q. F. Li, C. Wang, L. Jiang, S. Li, S. S. Sun & J. X. He: Sci. Signal., 5, ra72 (2012)..こうしたことから筆者らはストリゴラクトンが伝達するシグナルのある局面で何らかの役割をもってD14–DELLAタンパク質の相互作用が起こると考えている.

MAX2はブラシノステロイドシグナル伝達の下流の重要な転写因子であるBES1とストリゴラクトン依存的に結合し,BES1の分解を導くことが示唆されている.さらにBES1のホモログであり同様にブラシノステロイドシグナルを伝達するBZR1もMAX2と結合する(22)22) Y. Wang, S. Sun, W. Zhu, K. Jia, H. Yang & X. Wang: Dev. Cell, 27, 681 (2013).

植物ホルモンは,複数のホルモンシグナルがクロストークしながら,生長や環境適応におけるぞれぞれの局面で,適切な遺伝子発現やタンパク質の機能制御が行われるように精密な制御がなされている.ここで述べたようなストリゴラクトン受容機構に関与する因子とほかのホルモン伝達因子の相互作用を調べることで,その複雑な制御ネットワークの一端を紐解くことができると考えている.

今後の展望

以上のように,ストリゴラクトンの生合成,受容,シグナル伝達に関しては非常に速いスピードで解明が進んでいる.上述してきたように,全容解明にはまだまだ多くの課題が残されているが,近い将来に多くの疑問点が解決されていくだろう.

ストリゴラクトンにまつわる課題のうち,特に根寄生植物の防除法の確立は,その被害の大きさから考えて喫緊の課題である.また,ストリゴラクトンは,AM菌の共生促進の機能ももち, AM菌との共生関係を高めることは作物の効率的な栽培に大きく役立つことが期待できる.根寄生植物の被害を食い止めつつ,AM菌とうまく付き合い,枝分かれを旺盛にすることで実りやバイオマスを上昇させながら,根からの栄養吸収能を高める,ということは,ストリゴラクトンの作用から考えると矛盾していることになるが,私たちは,機能選択的なストリゴラクトンアナログをすでに創製しており(23)23) K. Fukui, S. Ito & T. Asami: Mol. Plant, 6, 88 (2013).,より機能選択性を高めたストリゴラクトンアナログが,この矛盾を解決できるのではないかと期待している.また,受容体の構造や機能が明らかになってきたため,その知見に基づいた新しいアゴニストやアンタゴニストの設計も可能になってきている(24)24) H. Nakamura & T. Asami: Front. Plant Sci., 5, 623 (2014)..私たちはこうした応用が根寄生植物から作物を守りつつ収量も増大させる,より効率的な新たな農業技術に結びつくことを期待している.

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