セミナー室

外界との接点としての細胞壁

Kanako Mitsumasu

光増 可奈子

熊本大学大学院自然科学研究科 ◇ 〒860-8555 熊本県熊本市中央区黒髪二丁目39番1号

Graduate School of Science and Technology, Kumamoto University ◇ 2-39-1 Kurokami, Chuo-ku, Kumamoto-shi, Kumamoto 860-8555, Japan

川崎

Tsutomu Kawasaki

近畿大学大学院農学研究科 ◇ 〒631-8505 奈良県奈良市中町3327番204号

Graduate School of Agriculture, Kinki University ◇ 3327-204 Naka-machi, Nara-shi, Nara 631-8505, Japan

進一郎

Shinichiro Sawa

熊本大学大学院自然科学研究科 ◇ 〒860-8555 熊本県熊本市中央区黒髪二丁目39番1号

Graduate School of Science and Technology, Kumamoto University ◇ 2-39-1 Kurokami, Chuo-ku, Kumamoto-shi, Kumamoto 860-8555, Japan

Online released: 2015-07-20

序論

植物細胞の細胞膜は,細胞壁で囲まれている.細胞壁は植物細胞の形を決めたり,植物体を支持する機能をもつだけでなく,細胞の生理機能の維持に重要な役割を果たす物質輸送の場としても活躍している.また,植物が感じるさまざまな環境変化により,植物細胞はさまざまな生理応答を示すが,その環境変化シグナルを最初に受容する場は細胞壁である.

細胞壁の構成成分は主にセルロースをはじめとする多糖であるが,アポプラスト内には実は多くの酵素や構造タンパク質,ペプチドホルモンなどのシグナル分子が混在している.アポプラストと接する細胞膜にも種々の受容タンパク質やセルロース合成装置などが配置されており,細胞壁がシグナル伝達の場として重要な意味をもっていることが推測できる.

植物が外界から受け取る情報は,自身の生育に必要な刺激になる場合もあるが,逆に生育に不都合なストレスとなる場合もある.以下では,主に植物が受けるストレス刺激に焦点を当て,それに対抗する植物側の防御機構について概説したい.植物が受容するストレス刺激への応答シグナルは,生物によって誘起される場合と非生物に由来する場合があるが,本稿では各々のストレスに対する植物のシグナル受容・伝達機構やそれにかかわる分子について解説する.

生物的ストレスに対する細胞壁を介した防御応答

1. 病原微生物によるストレス

病原微生物には,菌類,細菌・放線菌,ファイトプラズマなどが含まれる.わが国で最も発生数の多い植物病害の原因は菌類である.次いで多く見られる原因として線虫,ウイルス,細菌・放線菌が挙げられるが,これらはほぼ同数となっており,菌類と細菌・放線菌だけで実に8割以上の発生数となるほど農業被害への影響は大きい(1)1) 佐藤豊三:Microbiol. Cult. Coll., 29, 79 (2013)..それゆえに,病原菌の植物への感染機構や,対する宿主植物の防御応答機構への関心は高く,分子レベルでの解明も進んでいる.

病原菌は,植物への感染時には必ず何らかの方法で植物の細胞壁を突破しなくてはならない.たとえば,病原菌は植物体表面で発芽管よりオキシダーゼ,クチナーゼ,リパーゼなどを分泌してクチクラ層内のクチンやワックスを分解する.また,付着器より形成された侵入糸よりセルラーゼ,キシラナーゼ,ペクチナーゼ(特にポリガラクツロナーゼ,polygalacturonase; PG)などの,種々の細胞壁分解酵素(cell wall degrading enzymes; CWDEs)を分泌することで細胞壁を貫通していく(図1図1■病原微生物の植物への感染およびパピラの形成による防御).

図1■病原微生物の植物への感染およびパピラの形成による防御

病原微生物はクチクラ層を突破し,侵入糸より分泌される種々の細胞壁分解酵素(cell wall degrading enzymes; CWDEs)で細胞壁を分解しながら侵入する.植物細胞は病原微生物の侵入を感知すると,カロースなどを生成・蓄積させることでパピラを形成する.パピラは菌の侵入糸や後に形成される吸器の周囲を取り囲み,それ以上感染が進行しないように防御する.

Necrotrophicな病原菌はCWDEsに加え,植物細胞の壊死を誘導する低分子のファイトトキシンやタンパク質を分泌する.一方,biotrophicな病原菌はエフェクターを注入することで巧妙に植物細胞を栄養供給の場として改変する.

このように,病原菌は細胞壁を突破してアポプラストに侵入するが,植物細胞も病原菌の侵入に抵抗する手段をあらかじめ準備している.たとえば,病原菌の侵入部位特異的にパピラと呼ばれる構造が形成される(2)2) W. Underwood: Front. Plant Sci., 3, 85 (2012)..パピラの構成成分は植物種によってさまざまであるが,一般的にカロース,リグニンなどのフェノール性化合物,活性酸素種(ROS),ペルオキシダーゼ,細胞壁タンパク質,ペクチンやキシログルカンなどが含まれている.植物はアポプラスト領域でこの構造物によって侵入部位を取り囲み,それ以上の菌糸の侵入を阻んでいる(2)2) W. Underwood: Front. Plant Sci., 3, 85 (2012).図1図1■病原微生物の植物への感染およびパピラの形成による防御).

パピラ形成,およびパピラに含まれる感染阻害物質やファイトアレキシンの蓄積のような防御応答は,細胞壁/アポプラスト領域に存在する植物免疫にかかわる分子によって生成される病原体関連分子パターン(pathogen-associated molecular pattern; PAMP,あるいは微生物関連分子パターン,microbe-associated molecular pattern; MAMP)によって誘導される(3)3) M. A. Newman, T. Sundelin, J. T. Nielsen & G. Erbs: Front. Plant Sci., 4, 139 (2013).図2図2■病原微生物による植物防御応答の誘導).たとえば,菌類の細胞壁成分であるキチンやグルカンの断片,CWDEs,脂質類,細菌の鞭毛タンパク質やリポ多糖などがPAMPとして知られている(3~5)3) M. A. Newman, T. Sundelin, J. T. Nielsen & G. Erbs: Front. Plant Sci., 4, 139 (2013).4) 賀来華江,新屋友規,渋谷直人:化学と生物,50, 52 (2012).5) S. Ferrari, D. V. Savatin, F. Sicilia, G. Gramegna, F. Cervone & G. D. Lorenzo: Front. Plant Sci., 4, 49 (2013)..植物細胞壁/アポプラスト内に放出されたPAMPは,細胞膜に存在するパターン認識受容体(pattern recognition receptor; PRR)によって認識され,PAMP誘導免疫(PAMP-triggered immunity; PTI)を誘導する(3)3) M. A. Newman, T. Sundelin, J. T. Nielsen & G. Erbs: Front. Plant Sci., 4, 139 (2013)..各種のPAMPに対するPRRsが同定されているが,PRRには,細胞内にキナーゼドメインをもった受容体型キナーゼ(receptor-like kinase; RLK)と,細胞内ドメインをもたない受容体型タンパク質(receptor-like protein; RLP)が存在する(3)3) M. A. Newman, T. Sundelin, J. T. Nielsen & G. Erbs: Front. Plant Sci., 4, 139 (2013)..RLPは細胞内に明確なドメインをもたないことから,そのシグナル伝達にはほかの因子を要すると考えられる.PRRsの細胞外ドメインは認識するリガンドによってLeucine-Rich Repeat(LRR)をもつもの,Lysine-motif(LysM)ドメインをもつもの,そのほかの構造をもつものが知られている(4,6)4) 賀来華江,新屋友規,渋谷直人:化学と生物,50, 52 (2012).6) 川崎 努:領域融合レビュー, 2, e008 (2013).図2図2■病原微生物による植物防御応答の誘導).

図2■病原微生物による植物防御応答の誘導

病原微生物由来のpathogen-associated molecular pattern(PAMP)が受容体に認識されPAMP-triggered immunity(PTI)が誘導される.キチンの認識についてはイネの場合を例示している.病原微生物は同時に,種々のエフェクターを宿主細胞内に注入してPTIを抑制する(effector-triggered susceptibility; ETS).病原細菌のエフェクターは細胞内に直接注入されるが,病原糸状菌のエフェクターは植物細胞外に分泌され,エンドサイトーシスの誘導により植物細胞内に輸送されると考えられている(3,12,13)3) M. A. Newman, T. Sundelin, J. T. Nielsen & G. Erbs: Front. Plant Sci., 4, 139 (2013).12) J. Win, A. Chaparro-Garcia, K. Belhaj, D. G. O. Saunders, K. Yoshida, S. Dong, S. Schornack, C. Zipfel, S. Robatzek, S. A. Hogenhout et al.: Cold Spring Harb. Symp. Quant. Biol., 77, 235 (2012).13) C. Faulkner & S. Robatzek: Curr. Opin. Plant Biol., 15, 699 (2012)..Lysine-motif(LysM)ドメインを有したEcp6は,アポプラストでCEBiPとキチンオリゴ糖との結合を拮抗阻害する(4,7,12,13)4) 賀来華江,新屋友規,渋谷直人:化学と生物,50, 52 (2012).7) R. Huckelhoven: Annu. Rev. Phytopathol., 45, 101 (2007).12) J. Win, A. Chaparro-Garcia, K. Belhaj, D. G. O. Saunders, K. Yoshida, S. Dong, S. Schornack, C. Zipfel, S. Robatzek, S. A. Hogenhout et al.: Cold Spring Harb. Symp. Quant. Biol., 77, 235 (2012).13) C. Faulkner & S. Robatzek: Curr. Opin. Plant Biol., 15, 699 (2012)..ETSに対し,植物はさらにエフェクターやその複合体を認識してeffector-triggered immunity(ETI)を誘導する.また,宿主が傷害を受けた際に放出するdamage-associated molecular pattern(DAMP)を認識することでwound-induced resistance(WIR)も誘導される.シロイヌナズナでは,polygalacturonase(PG)が植物細胞壁中のhomogalacturonan(HG)を分解した結果としてoligogalacturonide(OG)が放出される.OGはWAK1によって認識され,NADPH酸化酵素であるRbohDの活性化によるROSの蓄積,NO産生,カロースの蓄積,MAPKを介した防御遺伝子の発現などを誘導する(5)5) S. Ferrari, D. V. Savatin, F. Sicilia, G. Gramegna, F. Cervone & G. D. Lorenzo: Front. Plant Sci., 4, 49 (2013).

PRRによるPAMPの認識とPTI誘導へのシグナル伝達機構に関しては,シロイヌナズナFLS2受容体と細菌鞭毛タンパク質フラジェリン由来のペプチドであるflg22との関係がよく知られている(図2図2■病原微生物による植物防御応答の誘導).flg22は,FLS2と共役受容体のBAK1によって認識されて複合体を形成し下流の受容体様細胞質キナーゼ(receptor-like cyto plasmic kinase; RLCK)のリン酸化,MAPK経路の活性化,エリシター応答性のWRKY型転写因子の活性化を経て防御関連遺伝子の発現を誘導する(3,6~8)3) M. A. Newman, T. Sundelin, J. T. Nielsen & G. Erbs: Front. Plant Sci., 4, 139 (2013).6) 川崎 努:領域融合レビュー, 2, e008 (2013).7) R. Huckelhoven: Annu. Rev. Phytopathol., 45, 101 (2007).8) Y. Sun, L. Li, A. P. Macho, Z. Han, Z. Hu, C. Zipfel, J. M. Zhou & J. Chai: Science, 342, 624 (2013).

一方,菌類の細胞壁の主成分であるキチンは,植物由来のキチナーゼによって断片化されキチンオリゴ糖となり,植物細胞にPAMPとして認識される(図2図2■病原微生物による植物防御応答の誘導).キチンオリゴ糖の受容体としてLysM-RLKであるCERK1,およびLysM-RLPであるCEBiPが同定されている.イネではキチンと結合したCEBiPがOsCERK1と複合体を形成してシグナルを伝達する.シロイヌナズナでは,AtCERK1がホモダイマーを形成し,キチンを認識する.リガンド認識によるRLCKのリン酸化,MAPK経路の活性化を経たエリシター応答性の遺伝子発現への関与やROS生成に関与していることが示されている(6,9)6) 川崎 努:領域融合レビュー, 2, e008 (2013).9) H. Kaku, Y. Nishizawa, N. Ishii-Minami, C. Akimoto-Tomiyama, N. Dohmae, K. Takio, E. Minami & N. Shibuya: Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 103, 11086 (2006).

防御応答を誘導する際には,病原体由来のPAMPだけでなく,植物由来の物質が傷害を受けて生成した傷害関連分子パターン(damage-associated molecular pattern; DAMP)もエリシター活性を示す.病原菌由来のPGが植物細胞壁中のホモガラクツロナン(homogalacturonan; HG)を分解した結果として放出されるオリゴガラクツロニド(oligogalacturonide; OG)はDAMPとして機能する(5)5) S. Ferrari, D. V. Savatin, F. Sicilia, G. Gramegna, F. Cervone & G. D. Lorenzo: Front. Plant Sci., 4, 49 (2013).図2図2■病原微生物による植物防御応答の誘導).OGのシグナルによってファイトアレキシン,グルカナーゼ,およびキチナーゼの蓄積,カロースの蓄積,ROSやNOの産生,MAPKを介した防御遺伝子の発現などが誘導される(5)5) S. Ferrari, D. V. Savatin, F. Sicilia, G. Gramegna, F. Cervone & G. D. Lorenzo: Front. Plant Sci., 4, 49 (2013)..OGとの結合能から,細胞壁結合型キナーゼ1(WAK1)がこのリガンドの受容体であることが示唆されている(5)5) S. Ferrari, D. V. Savatin, F. Sicilia, G. Gramegna, F. Cervone & G. D. Lorenzo: Front. Plant Sci., 4, 49 (2013)..OGの生成は,植物組織が傷害を受けHGが分解されていることを示す.このことから,OGは植物細胞にとって,細胞壁の状態をモニターする指標としての役割を果たしている.植物組織が傷害を受けてOGが生成された結果として,植物はPG阻害タンパク質(PG-inhibiting proteins; PGIP)を産生する.PGIPがPG活性を阻害することは,HGの分解を抑制するとともに,エリシター活性をもつOGがエリシター活性をもたないOGへ分解されることを抑制し,エリシター活性をもつOGが蓄積されることにもつながっている(5,10)5) S. Ferrari, D. V. Savatin, F. Sicilia, G. Gramegna, F. Cervone & G. D. Lorenzo: Front. Plant Sci., 4, 49 (2013).10) F. Cervone, M. G. Hahn, G. De Lorenzo, A. Darvill & P. Albersheim: Plant Physiol., 90, 542 (1989)..ところで,カロースの蓄積については病原菌の感染を直接防ぐのではなく,サリチル酸(SA)シグナル伝達系を負に制御している可能性を示唆する結果も報告されており(11)11) M. T. Nishimura, M. Stein, B. H. Hou, J. P. Vogel, H. Edwards & S. C. Somerville: Science, 301, 969 (2003).,傷害や感染の防御に対して間接的に機能している可能性も考えられている.

このように,病原微生物と植物の間には,細胞壁/アポプラストを舞台とした感染と防御の攻防が展開されている.一方,病原微生物はさらに植物の防御応答を撹乱するためにエフェクターと呼ばれる因子を進化させている.エフェクターは植物細胞に作用してPTIを抑制し,感受性(effector-triggered susceptibility; ETS)を誘発させる(図2図2■病原微生物による植物防御応答の誘導).病原細菌のエフェクターは細胞内に直接注入されるが,病原糸状菌のエフェクターは植物細胞外に分泌され,エンドサイトーシスの誘導により植物細胞内に輸送されると考えられている(3,12,13)3) M. A. Newman, T. Sundelin, J. T. Nielsen & G. Erbs: Front. Plant Sci., 4, 139 (2013).12) J. Win, A. Chaparro-Garcia, K. Belhaj, D. G. O. Saunders, K. Yoshida, S. Dong, S. Schornack, C. Zipfel, S. Robatzek, S. A. Hogenhout et al.: Cold Spring Harb. Symp. Quant. Biol., 77, 235 (2012).13) C. Faulkner & S. Robatzek: Curr. Opin. Plant Biol., 15, 699 (2012)..また,エフェクターの中には,元よりアポプラストで活性を示すことが重要な植物由来のグルカナーゼ,キチナーゼ,プロテアーゼなどに対する阻害タンパク質や,LysMモチーフを有してCEBiPとキチンオリゴ糖との結合を拮抗阻害するエフェクターEcp6なども知られている(4,7,12,13)4) 賀来華江,新屋友規,渋谷直人:化学と生物,50, 52 (2012).7) R. Huckelhoven: Annu. Rev. Phytopathol., 45, 101 (2007).12) J. Win, A. Chaparro-Garcia, K. Belhaj, D. G. O. Saunders, K. Yoshida, S. Dong, S. Schornack, C. Zipfel, S. Robatzek, S. A. Hogenhout et al.: Cold Spring Harb. Symp. Quant. Biol., 77, 235 (2012).13) C. Faulkner & S. Robatzek: Curr. Opin. Plant Biol., 15, 699 (2012)..一方,植物側はさらなる対抗策としてエフェクター,もしくはエフェクターとその標的タンパク質の複合体を認識し,過敏感細胞死を伴う強い抵抗性を誘導するエフェクター誘導免疫(effector-triggered immunity; ETI)を獲得してきたと考えられている(3)3) M. A. Newman, T. Sundelin, J. T. Nielsen & G. Erbs: Front. Plant Sci., 4, 139 (2013).図2図2■病原微生物による植物防御応答の誘導).ETIでは,植物の抵抗性(resistance; R)遺伝子産物がエフェクターを直接もしくは間接的に認識する.Rタンパク質は主に,ヌクレオチド結合(nucleotide-binding; NB)部位とLRRドメインを含む,細胞内レセプターNB-LRRである(3)3) M. A. Newman, T. Sundelin, J. T. Nielsen & G. Erbs: Front. Plant Sci., 4, 139 (2013)..この病原微生物と植物との間の感染機構と防御機構の共進化はジグザグモデルによって説明される(3,4)3) M. A. Newman, T. Sundelin, J. T. Nielsen & G. Erbs: Front. Plant Sci., 4, 139 (2013).4) 賀来華江,新屋友規,渋谷直人:化学と生物,50, 52 (2012).図3図3■病原微生物と植物との間の感染と防御機構の共進化のジグザグモデル).

図3■病原微生物と植物との間の感染と防御機構の共進化のジグザグモデル

まず宿主植物がpathogen-associated molecular pattern(PAMP)を認識して.PAMP-triggered immunity(PTI)が誘導されるが.病原微生物はエフェクターを進化させ.感染できるようになる(effector-triggered susceptibility; ETS).次に宿主植物はエフェクターそのものやエフェクター–標的タンパク質複合体を認識して抵抗性を示す(effector-triggered immunity; ETI).防御応答の強さが強くなるほど過敏感細胞死を伴う強い免疫反応が起こる.これを繰り返しながら,病原微生物と宿主植物は共進化していく.

2. 病害虫によるストレス

農業害虫とは,主に農作物となる植物に病害を及ぼす昆虫,ダニ,線虫などの無脊椎動物のことを指す.農作物への被害は食害,根こぶ・シストの形成,組織の壊死などである.また,これらの生物により媒介される病害微生物,ウイルス,ウイロイド感染による害などがある.

昆虫によって誘導される植物の病害は,植物体上の歩行・探索時,産卵時,食害時における物理的な組織の破壊のほかに,卵管からの分泌物によって誘導される組織の壊死などが挙げられる(14)14) M. Erb, S. Meldau & G. A. Howe: Trends Plant Sci., 17, 250 (2012)..線虫は宿主植物への侵入時に直接的な組織破壊を伴うとともに,侵入後特定の寄生細胞の形態を強制的に再分化させ,根こぶやシストを形成する(15)15) A. Haegeman, S. Mantelin, J. T. Jones & G. Gheysen: Gene, 492, 19 (2012)..また,組織の枯死,壊死,壊疽が誘起されることもある.媒介によって感染した微生物などによる病害も誘導される.

植物の昆虫による食害への防御手段としては,クチクラ層,棘,トライコームなどの物理的障壁が挙げられる.次に,昆虫に対して毒性を示す二次代謝物を準備している場合もある(16)16) A. Mithofer, G. Wanner & W. Boland: Plant Physiol., 137, 1160 (2005)..一方,誘導性の防御機構も存在する.植物が害虫による食害を認識し,防御物質の生合成や防御関連遺伝子の発現を誘導した結果,害虫の消化を阻害するプロテアーゼインヒビターや害虫の捕食者や寄生者を呼び寄せる揮発性の有機化合物(volatile organic compounds; VOCs)を放出する場合もある(16)16) A. Mithofer, G. Wanner & W. Boland: Plant Physiol., 137, 1160 (2005)..線虫の植物への感染時には,生成したROSにより感染特異的タンパク質の発現が誘導される.マツノザイセンチュウの感受性品種では,この応答が急速に誘導される過敏感反応が現れ,植物自身が枯死してしまう.ジャガイモシストセンチュウは,栄養を吸収するために宿主の根細胞から,多核でセンチュウの食細胞になるシンシチウムの形成を誘導し,シストを形成する.ジャガイモシストセンチュウが抵抗性品種に感染した場合は,過敏感反応によりシンシチウムが細胞死を起こし,センチュウの成長が抑制される.

植物が食害を受けると,細胞壁の破壊によって生成したDAMPがPRRsによって認識され,抵抗性(wound-induced resistance; WIR)を誘導する(14)14) M. Erb, S. Meldau & G. A. Howe: Trends Plant Sci., 17, 250 (2012)..また,食害部位における食植者関連分子パターン(herbivore-associated molecular pattern; HAMP)の作用により,免疫応答(herbivore-triggered immunity; HTI)が誘導される(14)14) M. Erb, S. Meldau & G. A. Howe: Trends Plant Sci., 17, 250 (2012)..チョウ目昆虫の多くが唾腺で産生し分泌する脂肪酸–アミノ酸縮合体(fatty acid–amino acid conjugates; FACs)やグルコースオキシダーゼ(glucose oxidase; GOX)は,植物に対しHAMPとして種々の防御応答を誘導するエリシター活性を示す.傷害や食害を受けた植物ではジャスモン酸(JA),エチレン(ET),SAを介したシグナル応答が起こることが知られているが,野生タバコにおいてFACsはJAとET産生を誘導し,GOXはその活性によって生じる過酸化水素がSAの産生を誘導する(17)17) F. Consales, F. Schweizer, M. Erb, C. Gouhier-Darimont, N. Bodenhausen, F. Bruessow, I. Sobhy & P. Reymond: J. Exp. Bot., 63, 727 (2012)..一方,両者ともエフェクターとして,傷害誘導性のスレオニンデアミナーゼ遺伝子や防御遺伝子の発現,ニコチン蓄積を抑制するという作用も示すことが報告されている(18)18) C. Diezel, C. C. von Dahl, E. Gaquerel & I. T. Baldwin: Plant Physiol., 150, 1576 (2009)..昆虫もPGを分泌するが,これも病原菌のPGと同様の作用を及ぼすと考えられる(5)5) S. Ferrari, D. V. Savatin, F. Sicilia, G. Gramegna, F. Cervone & G. D. Lorenzo: Front. Plant Sci., 4, 49 (2013)..しかし,食植性昆虫が分泌するエフェクターによって植物体はETIを誘導する一方,WIRとHTIは抑制されてしまうと考えられる(14)14) M. Erb, S. Meldau & G. A. Howe: Trends Plant Sci., 17, 250 (2012).図4図4■病害虫の食害による植物防御応答の誘導).食植性昆虫の内部共生生物が昆虫に対する防御応答の抑制にかかわっている場合もある(19,20)19) K. L. Barr, L. B. Hearne, S. Briesacher, T. L. Clark & G. E. Davis: PLoS ONE, 5, e11339 (2010).20) S. H. Chung, C. Rosa, E. D. Scully, M. Peiffer, J. F. Tooker, K. Hoover, D. S. Luthe & G. W. Felton: Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 110, 15728 (2013)..たとえば,コロラドハムシ幼虫の口内分泌物中に含まれている内部共生細菌に由来するフラジェリンが,防御応答を攪乱することで昆虫への防御応答を抑制することが報告されている(20)20) S. H. Chung, C. Rosa, E. D. Scully, M. Peiffer, J. F. Tooker, K. Hoover, D. S. Luthe & G. W. Felton: Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 110, 15728 (2013).

図4■病害虫の食害による植物防御応答の誘導

病害虫の食害により植物体より放出されたdamage-associated molecular pattern(DAMP)によりwound-induced resistance(WIR)が誘導される.また,病害虫由来のherbivore-associated molecular pattern(HAMP)によりherbivore-triggered immunity(HTI)が誘導されるが,HAMP受容体については詳しくはわかっていない(14)14) M. Erb, S. Meldau & G. A. Howe: Trends Plant Sci., 17, 250 (2012)..昆虫が分泌するfatty acid–amino acid conjugates(FACs)やglucose oxidase(GOX)は,植物に対しHAMPとして種々の防御応答を誘導するエリシター活性を示す一方,エフェクターとしても機能する(17,18)17) F. Consales, F. Schweizer, M. Erb, C. Gouhier-Darimont, N. Bodenhausen, F. Bruessow, I. Sobhy & P. Reymond: J. Exp. Bot., 63, 727 (2012).18) C. Diezel, C. C. von Dahl, E. Gaquerel & I. T. Baldwin: Plant Physiol., 150, 1576 (2009)..昆虫が分泌するエフェクターによって植物体はeffector-triggered immunity(ETI)を誘導する一方,WIRとHTIは抑制されると考えられる(14)14) M. Erb, S. Meldau & G. A. Howe: Trends Plant Sci., 17, 250 (2012)..昆虫もpolygalacturonase(PG)を分泌し,病原菌のPGと同様に機能すると考えられる(5)5) S. Ferrari, D. V. Savatin, F. Sicilia, G. Gramegna, F. Cervone & G. D. Lorenzo: Front. Plant Sci., 4, 49 (2013).

線虫は植物への感染時に口針を用いて直接植物体に傷害を与える一方,エフェクターとしてβ-1,4-エンドグルカナーゼ,ペクテートリアーゼ,PG,キシラナーゼ,アラビノガラクタンエンド-1,4-β-ガラクトシダーゼ,アラビナーゼなどのCWDEsを分泌している.これらのCWDEsはすべてその相同性の高さから,細菌や菌類からの遺伝子の水平伝播によって獲得されたと考えられている(21)21) A. Haegeman, S. Joseph & G. Gheysen: Mol. Biochem. Parasitol., 178, 7 (2011)..また,細胞壁分解活性をもたないが,細胞壁に作用して感染を容易にする働きをもつエフェクターとして,エクスパンシン(EXP),セルロース結合タンパク質,ペプチダーゼ,プロテアーゼなども分泌している(15)15) A. Haegeman, S. Mantelin, J. T. Jones & G. Gheysen: Gene, 492, 19 (2012).図5図5■線虫の植物への感染機構).線虫感染はカロース蓄積,ROS産生,細胞壁の肥厚というよく知られた一連の防御応答を誘導するが,これまでのところ明確にPTI誘導活性をもつ線虫由来PAMPの報告はない(15)15) A. Haegeman, S. Mantelin, J. T. Jones & G. Gheysen: Gene, 492, 19 (2012)..さらに線虫は,植物ホルモンであるCLEペプチドをエフェクターとして分泌し,植物の細胞分裂や分化を制御し,餌場となる食細胞を維持している.植物のCLEペプチドは細胞膜に存在する受容体様キナーゼ(leucine-rich repeat receptor protein kinase; LRR-RPK)によって認識されるが,ダイズシストセンチュウのCLEペプチドも宿主細胞の細胞質からアポプラストに輸送され,植物のCLE受容体により受容されることが示唆されている(22)22) J. Wang, C. Lee, A. Replogle, S. Joshi, D. Korkin, R. Hussey, T. J. Baum, E. L. Davis, X. Wang & M. G. Mitchum: New Phytol., 187, 1003 (2010).図4図4■病害虫の食害による植物防御応答の誘導).

図5■線虫の植物への感染機構

線虫は感染時に種々のエフェクタータンパク質を口針より分泌する.種々の細胞壁分解酵素(cell wall degrading enzymes; CWDEs)エクスパンシン(EXP),セルロース結合タンパク質,ペプチダーゼ,プロテアーゼ,CLEペプチドなどを分泌している.シストセンチュウのCLEペプチドはいったん細胞質内に放出された後,アポプラスト領域に輸送されることで膜受容体leucine-rich repeat receptor protein kinase(LRR-RPK)に認識され,シンシチウム形成に伴う植物の細胞分裂や分化を制御していると考えられている(22)22) J. Wang, C. Lee, A. Replogle, S. Joshi, D. Korkin, R. Hussey, T. J. Baum, E. L. Davis, X. Wang & M. G. Mitchum: New Phytol., 187, 1003 (2010)..線虫感染はカロース蓄積,ROS産生,細胞壁の肥厚などの防御応答を誘導するが,線虫由来のPAMPについてはまだよくわかっていない(15)15) A. Haegeman, S. Mantelin, J. T. Jones & G. Gheysen: Gene, 492, 19 (2012).

非生物的ストレスに対する細胞壁を介した防御応答

非生物的ストレスとは,物理的・化学的要因によるストレスのことである.植物体が傷害により物理的損傷を受けると,DAMPが放出され,そのシグナルを受容体が認識することでWIRが誘導される.また,植物細胞への機械的なストレス刺激は細胞膜上のメカノレセプター(MCA)によって受容される.MCAはCa2+透過性のチャネルとして機能する.刺激を受容すると,細胞内にCa2+が流入し細胞内Ca2+濃度が上昇する.イネやシロイヌナズナにおいて,機械的刺激や浸透圧ストレスを与えると,MCAに依存した細胞内Ca2+濃度の上昇,およびNADPH酸化酵素であるRbohによるROSの生成が誘導される.RbohはN末端領域のEFハンドモチーフへのCa2+の結合とリン酸化によって活性化される(23)23) T. Kurusu, H. Iida & K. Kuchitsu: Plant Signal. Behav., 7, 796 (2012)..そこで,非生物的ストレスの受容と応答の機構について,図6図6■非生物的ストレスによる植物の防御応答の分子機構に示すようなモデルが考えられている.

図6■非生物的ストレスによる植物の防御応答の分子機構

傷害によって放出されたDAMPは下流においてWIRを誘導する.機械的刺激や浸透圧ストレスなどの情報がMCAに伝達されると,細胞外のカルシウムイオンがMCAを介して細胞内に流入する.カルシウムイオンはRbohに結合することでRbohのリン酸化による活性化を促し,ROSの生成が誘導されると考えられている(23)23) T. Kurusu, H. Iida & K. Kuchitsu: Plant Signal. Behav., 7, 796 (2012).

非生物的ストレス(傷害)および生物的ストレス(食害)への応答の分子機構には共通している部分もあるが,ストレス特異的な機構もある.チョウ目の幼虫に食害されたシロイヌナズナでは,機械的に傷害を与えただけの植物よりもいくつかのストレス応答性遺伝子発現の誘導が少なかったことが報告されている.これは,機械的な障害と昆虫の食害による組織の損傷が植物体に誘起する防御応答は同程度であるが,昆虫の口内分泌物中の成分が防御応答を抑制し,相殺する機能をもつためと考えられている(17)17) F. Consales, F. Schweizer, M. Erb, C. Gouhier-Darimont, N. Bodenhausen, F. Bruessow, I. Sobhy & P. Reymond: J. Exp. Bot., 63, 727 (2012).

化学的要因によるストレスは塩濃度,温度,乾燥,紫外線,浸透圧など環境要因によるストレスであることが多い.環境ストレスにさらされた植物体では,細胞壁構成成分が変化することが知られている(24)24) 西谷和彦,梅澤俊明:“植物細胞壁”,講談社,2013, p. 181..たとえば,乾燥,浸透圧,低温ストレスなどによって細胞壁中のペクチンやヘミセルロース量の増減や,それらの化学組成の変化が観察されている.また,低温,乾燥,光,紫外線ストレスによって,リグニン前駆体の蓄積やリグニン前駆体合成酵素の活性亢進によるリグニン量の増加が誘導される.しかし,環境ストレスによるこのような細胞壁組成変化のストレス耐性への寄与や,リグニン増加を誘導するメカニズムの詳細はほとんどわかっていない.また,環境ストレスは,細胞壁修飾タンパク質を介して細胞壁性質を変化させる.たとえば,湛水回避,避陰反応,乾燥や低温処理などで誘導される細胞壁進展性の変化に,エクスパンシン,エンド型キシログルカン転移酵素/加水分解酵素(XTH),エンドグルカナーゼファミリー(EGase),ペクチンメチルトランスフェラーゼ(PME)が関与している(25)25) R. Sasidharan, L. A. C. J. Voesenek & R. Pierik: Crit. Rev. Plant Sci., 30, 548 (2011).

まとめ

外界からのシグナルに最初に接する器官である細胞壁の役割に焦点を当て,生物的ストレスと非生物的ストレスにまたがるシグナル伝達機構を概説した.各種生物由来リガンドや機械刺激や温度などの物理・化学的刺激が各レセプターによって受容されることで,シグナルが細胞膜を通過し細胞内の情報伝達系が動き出す.

基本的な分子機構は真核生物で共通する部分も多いと考えられる.しかし,各生物界に特徴づける構成成分や機構が必ず存在し,植物界でも多くの知見が蓄積されつつある.植物の外界シグナルへの応答機構の研究は農作物のストレス防御能の亢進,ひいては食糧・資源増産の道へと直結するため,非常に重要な分野である.ここに紹介した知見の拡充が人間社会へ及ぼす利益は大きい.

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21) A. Haegeman, S. Joseph & G. Gheysen: Mol. Biochem. Parasitol., 178, 7 (2011).

22) J. Wang, C. Lee, A. Replogle, S. Joshi, D. Korkin, R. Hussey, T. J. Baum, E. L. Davis, X. Wang & M. G. Mitchum: New Phytol., 187, 1003 (2010).

23) T. Kurusu, H. Iida & K. Kuchitsu: Plant Signal. Behav., 7, 796 (2012).

24) 西谷和彦,梅澤俊明:“植物細胞壁”,講談社,2013, p. 181.

25) R. Sasidharan, L. A. C. J. Voesenek & R. Pierik: Crit. Rev. Plant Sci., 30, 548 (2011).