解説

ナス科植物の自家不和合性ユビキチン化を介した自他識別

Self-Incompatibility in the Solanaceae: Ubiquitination-Mediated Self-/Non-Self-Discrimination

円谷 徹之

Tetsuyuki Entani

奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究科 ◇ 〒630-0192 奈良県生駒市高山町8916番地の5

Graduate School of Biological Sciences, Nara Institute of Science and Technology ◇ Takayama-cho 8916-5, Ikoma-shi, Nara 630-0192, Japan

久保 健一

Ken-ichi Kubo

奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究科 ◇ 〒630-0192 奈良県生駒市高山町8916番地の5

Graduate School of Biological Sciences, Nara Institute of Science and Technology ◇ Takayama-cho 8916-5, Ikoma-shi, Nara 630-0192, Japan

高山 誠司

Seiji Takayama

奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究科 ◇ 〒630-0192 奈良県生駒市高山町8916番地の5

Graduate School of Biological Sciences, Nara Institute of Science and Technology ◇ Takayama-cho 8916-5, Ikoma-shi, Nara 630-0192, Japan

Published: 2015-11-20

自家不和合性は,遺伝的に制御された植物の自殖を防ぐ機構である.多様な植物がさまざまな仕組みの自家不和合性を進化させてきたことが明らかになってきている.われわれは,ナス科植物のペチュニアを材料に,自家不和合性の仕組みを分子レベルで明らかにすることを目指してきた.この植物では,雌ずい側因子としてRNA分解酵素(S-RNase)が,雄ずい側因子として多数のF-boxタンパク質群(SLFs)が,自家不和合性における自他識別にかかわっていることが明らかにされてきた.さらに最近われわれは,SLFsを含むユビキチンリガーゼ複合体が非自己S-RNaseをユビキチン化し,プロテアソームによる分解を誘導することで,非自己花粉管の伸長停止を回避していることを明らかにした.本稿では,最近の生化学的知見を中心に解説する.

はじめに

多くの被子植物は,雄性配偶子である花粉を放出する雄ずい(おしべ)と花粉を受容する雌ずい(めしべ)が一つの花に同居する両性花をつける.この花の構造は,自家受粉を起こしやすいが,自殖すると一般に子孫に虚弱な形質(自殖弱勢)が生じやすく,またこれが何世代も繰り返されると,集団内での遺伝的多様性が失われ,変動する環境下で有益な遺伝子を集団内に速やかに配布することも困難となる.こうした状況を回避するため,多くの植物は,自家不和合性という自殖を妨げる機構を獲得してきた.この機構により,昆虫や風によって運ばれてきた遺伝的バックグラウンドの異なる他個体由来の花粉による受精(他殖)が優先的に起こる(1,2)1) S. Takayama & A. Isogai: Annu. Rev. Plant Biol., 56, 467 (2005).2) M. Iwano & S. Takayama: Curr. Opin. Plant Biol., 15, 78 (2012).

自家不和合性は,多くの場合,複数のハプロタイプ(Sハプロタイプ)をもつ単一遺伝子座(S遺伝子座)によって制御される.各Sハプロタイプは少なくとも2種類の複対立遺伝子より構成され,これらは自他識別の特異性を決定する多型性の雌ずい側因子(雌性S決定因子)と雄ずい側因子(雄性S決定因子)をコードしていると想定されている.これらが受粉時に出会い,相互作用することにより,自己花粉を拒絶し非自己花粉を受け入れる反応を引き起こすと考えられている(1,2)1) S. Takayama & A. Isogai: Annu. Rev. Plant Biol., 56, 467 (2005).2) M. Iwano & S. Takayama: Curr. Opin. Plant Biol., 15, 78 (2012)..これまでに,さまざまな種において雌性および雄性S決定因子が同定され,植物が多様な自家不和合性機構を獲得してきた実態が明らかになってきている.詳しくはほかの総説をご覧いただきたい(1~4)1) S. Takayama & A. Isogai: Annu. Rev. Plant Biol., 56, 467 (2005).2) M. Iwano & S. Takayama: Curr. Opin. Plant Biol., 15, 78 (2012).3) 掛田克行,佐々英徳,土屋 亨,相井城太郎:育種学研究,16, 53-60 (2014).4) H. Sawada, M. Morita & M. Iwano: Biochem. Biophys. Res. Commun., 450, 1142 (2014).

われわれはナス科植物のペチュニア(Petunia hybrida)を材料に,自家不和合性機構の解明を目指してきた.そして,S遺伝子座には雌性および雄性S決定因子として,それぞれ一つの分泌型RNA分解酵素(S-RNase)と多数のF-boxタンパク質群(S-locus F-box; SLF)がコードされていることを明らかにした(1,2,5)1) S. Takayama & A. Isogai: Annu. Rev. Plant Biol., 56, 467 (2005).2) M. Iwano & S. Takayama: Curr. Opin. Plant Biol., 15, 78 (2012).5) K.-i. Kubo, T. Entani, A. Takara, N. Wang, A. M. Fields, Z. Hua, M. Toyoda, S. Kawashima, T. Ando, A. Isogai et al.: Science, 330, 796 (2010)..S-RNaseは,雌ずいで発現し,雌ずい内を伸長する自己花粉管に侵入し,花粉管内のRNAを分解して花粉管伸長停止に至らしめる細胞毒として機能していると考えられている.われわれは,花粉トランスクリプトームの網羅的な解析によって,それぞれのSハプロタイプのS遺伝子座領域には,16から20個のSLF遺伝子が含まれていることを明らかにした(6)6) K.-i. Kubo, T. Paape, M. Hatakeyama, T. Entani, A. Takara, K. Kajihara, M. Tsukahara, R. Shimizu-Inatsugi, K. K. Shimizu & S. Takayama: Nat. Plants, 1, 14005 (2015)..同様の結果はほかのグループからも報告されている(7)7) J. S. Williams, J. P. Der, C. W. de Pamphilis & T.-h. Kao: Plant Cell, 26, 2873 (2014)..SLFsの系統学的な解析から,SLFsには少なくとも18種類のタイプが存在することを示し,それぞれをタイプ1~18 SLFsと名づけた(5~7)5) K.-i. Kubo, T. Entani, A. Takara, N. Wang, A. M. Fields, Z. Hua, M. Toyoda, S. Kawashima, T. Ando, A. Isogai et al.: Science, 330, 796 (2010).6) K.-i. Kubo, T. Paape, M. Hatakeyama, T. Entani, A. Takara, K. Kajihara, M. Tsukahara, R. Shimizu-Inatsugi, K. K. Shimizu & S. Takayama: Nat. Plants, 1, 14005 (2015).7) J. S. Williams, J. P. Der, C. W. de Pamphilis & T.-h. Kao: Plant Cell, 26, 2873 (2014).図1図1■SLFとS-RNaseの系統樹).さらに,それぞれのタイプのSLFタンパク質は,非自己S-RNaseの異なる部分集合を認識し,全体として一つのSハプロタイプのすべてのSLFsが協調してすべての非自己S-RNaseを認識して不活性化,解毒することを明らかにし,「協調的非自己認識システム」と名づけた(5,8,9)5) K.-i. Kubo, T. Entani, A. Takara, N. Wang, A. M. Fields, Z. Hua, M. Toyoda, S. Kawashima, T. Ando, A. Isogai et al.: Science, 330, 796 (2010).8) 久保健一,円谷徹之,高山誠司:S-RNase型の自家不和合性における協調的な非自己認識系.ライフサイエンス新着論文レビュー,http://first.lifesciencedb.jp/archives/1561#more-1561 (2010).9) 久保健一,円谷徹之,高山誠司:化学と生物,51, 7 (2013).図2図2■複数のSLFsによる協調的非自己認識システム).

図1■SLFとS-RNaseの系統樹

SLFとS-RNaseのアミノ酸配列を近接接合法によって作成した系統樹を同縮尺で示す.SLFは,各タイプの対立遺伝子間の比較では低い多型性しか示さないが,タイプ間ではS-RNaseに比肩する高い多型性を示す.なお,タイプ1,2,3 SLFs以外のSLFsのクレードは,誌面の関係上省略して表記しているが.完全な系統樹は文献6を参照のこと.本研究で用いたS7-SLF2を四角で囲んだ.Bar=0.05アミノ酸置換/サイト.

図2■複数のSLFsによる協調的非自己認識システム

SハプロタイプのS遺伝子座領域には,一つのS-RNase(四角)と多数のSLFs(楕円)がコードされている.SLFsには18のタイプが存在するが,一部重複および欠失(×印)があるため,Sハプロタイプあたり16~20のSLFsがコードされている.それぞれのSLFは一つないし数個の非自己S-RNaseを認識,不活性化する(図4図4■雄側S決定因子導入形質転換体を用いたin vivo機能アッセイに示した方法で実験的に証明された標的S-RNasesを矢印で示した).しかし,どのSLFsも,自己S-RNaseは認識できない(5,6)5) K.-i. Kubo, T. Entani, A. Takara, N. Wang, A. M. Fields, Z. Hua, M. Toyoda, S. Kawashima, T. Ando, A. Isogai et al.: Science, 330, 796 (2010).6) K.-i. Kubo, T. Paape, M. Hatakeyama, T. Entani, A. Takara, K. Kajihara, M. Tsukahara, R. Shimizu-Inatsugi, K. K. Shimizu & S. Takayama: Nat. Plants, 1, 14005 (2015).

一般にF-boxタンパク質は,タンパク質のポリユビキチン化を触媒する酵素,ユビキチンリガーゼ(E3)の一種,SCF(S-phase kinase-associated protein 1 (SKP1)-Cullin 1 (CUL1)-F-box-RING box 1 (RBX1))複合体の構成因子の一つとして,基質タンパク質の認識にかかわっている.F-boxタンパク質を介してSCF複合体に特異的に認識された基質タンパク質は,ポリユビキチン化修飾を受け,26Sプロテアソームに認識されて分解される(10)10) Z. Hua & R. D. Vierstra: Annu. Rev. Plant Biol., 62, 299 (2011)..すなわち,F-boxタンパク質は細胞内でのタンパク質分解の特異性を制御している.F-box遺伝子群は,植物において最も大きな遺伝子ファミリーの一つであり,最近の研究では,たとえばシロイヌナズナでは897個,イネでは971個ものF-box遺伝子がそれぞれのゲノムにおいて検出されている(10)10) Z. Hua & R. D. Vierstra: Annu. Rev. Plant Biol., 62, 299 (2011)..一部のF-boxタンパク質については,ホルモンの受容,光受容,光周性の制御などにおいて,シグナル伝達に関係するタンパク質の特異的分解制御に関係することがわかってきているが(10)10) Z. Hua & R. D. Vierstra: Annu. Rev. Plant Biol., 62, 299 (2011).,ほとんどのF-boxタンパク質は特異的基質がわかっていない.雄性S決定因子としてSLFsが同定されてきたことから,非自己S-RNaseは,SLFを含むSCF複合体(SCFSLFs)の特異的基質として,ポリユビキチン化,分解されると考えられるようになり,その複合体の分子実体の探索が盛んに行われるようになった.われわれが得た最近の結果を中心に解説する(11)11) T. Entani, K.-i. Kubo, S. Isogai, Y. Fukao, M. Shirakawa, A. Isogai & S. Takayama: Plant J., 78, 1014 (2014).

SCFSLF複合体の同定

これまで,SLFsを含むタンパク質複合体としては,2つの仮説が提案されていた.初めに,SBP1(S-RNase binding protein 1)というRINGフィンガータンパク質を含む,典型的なSCFとは異なるタイプの複合体が提唱された(12)12) Z. Hua & T.- Kao: Plant Cell, 18, 2531 (2006).図3A図3■SLFsを含むE3複合体のモデル).後に別のグループによって,CUL1-GおよびSSK1(SLF-interacting SKP1-like1)を含む典型的なSCF複合体が提唱された(13)13) L. Zhao, J. Huang, Z. Zhao, Q. Li, T. L. Sims & Y. Xue: Plant J., 62, 52 (2010).図3B図3■SLFsを含むE3複合体のモデル).これらの仮説は,いずれも非植物細胞において発現させた組換えタンパク質を用いたin vitro結合アッセイか,あるいは酵母2-ハイブリッドアッセイの結果に基づいており,花粉細胞内の本来の複合体を反映していない可能性が疑われた.そこでわれわれは,花粉からSLFsを含む複合体の単離を試みた.

図3■SLFsを含むE3複合体のモデル

いずれのモデルも,SLFによってリクルートされた非自己S-RNaseに対し,E2からユビキチン(Ub)を転移することで,ポリユビキチン化を触媒する.(A)非典型SCF複合体モデル.SBP1はRbx1よりも大きなRINGフィンガータンパク質であり,このモデルでは典型的SCF複合体のSkp1とRbx1の両方の役割を代替すると提唱されていた(12)12) Z. Hua & T.- Kao: Plant Cell, 18, 2531 (2006)..(B)典型的SCF複合体モデル.CUL1タンパク質として,初期の研究ではPhCUL1(=CUL1-G)タンパク質が提唱されていたが(13)13) L. Zhao, J. Huang, Z. Zhao, Q. Li, T. L. Sims & Y. Xue: Plant J., 62, 52 (2010).,われわれの研究ではCUL1-Pが含まれることが示された(11)11) T. Entani, K.-i. Kubo, S. Isogai, Y. Fukao, M. Shirakawa, A. Isogai & S. Takayama: Plant J., 78, 1014 (2014).

われわれは以前,S7ハプロタイプのタイプ2 SLF(S7-SLF2)にFLAGタグを融合し(FLAG-S7-SLF2),花粉で過剰発現させるためのコンストラクトを作製し,ペチュニアに導入した(5)5) K.-i. Kubo, T. Entani, A. Takara, N. Wang, A. M. Fields, Z. Hua, M. Toyoda, S. Kawashima, T. Ando, A. Isogai et al.: Science, 330, 796 (2010)..導入したSLF遺伝子が雄性S因子として機能するか,またどのSハプロタイプのS-RNaseの認識・分解にかかわっているかの判定は,図4図4■雄側S決定因子導入形質転換体を用いたin vivo機能アッセイに示すin vivo機能アッセイによって行った.たとえば,S5あるいはS9ハプロタイプの花粉は自己のS5-RNaseあるいはS9-RNaseを認識・分解できないため自己の雌ずいの中を伸長していけないと考えられる.これらの花粉にFLAG-S7-SLF2を導入したところ,S5ハプロタイプの花粉は自家不和合性のままであったが,S9ハプロタイプの花粉に導入した場合は,自家和合性を示すようになり,自己のS9雌ずいのなかを伸長できるようになった.この結果は,導入したFLAG-S7-SLF2が,雄性S決定因子として機能し,S9-RNaseの不活性化に関与していることを示唆している(5)5) K.-i. Kubo, T. Entani, A. Takara, N. Wang, A. M. Fields, Z. Hua, M. Toyoda, S. Kawashima, T. Ando, A. Isogai et al.: Science, 330, 796 (2010)..このような形質転換実験を繰り返すことにより,S7-SLF2はS9-RNase,S11-RNaseおよびS19-RNaseの認識・無毒化に特異的にかかわっていることがわかった(図2図2■複数のSLFsによる協調的非自己認識システム).さらに,免疫沈降によって精製したFLAG-S7-SLF2を用いたin vitro結合実験を行い,S5S7S9およびS11ハプロタイプのS-RNaseとの物理的相互作用を確認したところ,S9-RNaseおよびS11-RNaseとは結合するが,S5-RNaseおよびS7-RNaseとは結合しないことが示され,S7-SLF2がS9-およびS11-RNaseを認識する因子として機能することがタンパク質結合レベルでも証明された(5)5) K.-i. Kubo, T. Entani, A. Takara, N. Wang, A. M. Fields, Z. Hua, M. Toyoda, S. Kawashima, T. Ando, A. Isogai et al.: Science, 330, 796 (2010).

図4■雄側S決定因子導入形質転換体を用いたin vivo機能アッセイ

(A)野生型およびS7-SLF2を導入したS5花粉は,いずれもS5雌しべにおいて伸長を阻害される.よってS7-SLF2は,S5-RNaseを不活性化できないと判断される.(B)野生型S9花粉は,S9雌しべにおいて伸長を阻害されるが,S7-SLF2を導入したS9花粉は自家和合性を示した.よって,S7-SLF2はS9-RNaseを認識,不活性化することができると判断される.

次に,抗FLAG抗体を用いた免疫沈降実験によって,形質転換体の花粉抽出物からFLAG-S7-SLF2を含むタンパク質複合体を回収した.これをSDS-PAGEにより解析したところ,15,25,45,80 kDaの4つのタンパク質バンドが認められた(図5図5■免疫沈降法によるSCFS7-SLF2の精製と構成因子の同定).各タンパク質バンドをゲル内トリプシン消化し,液体クロマトグラフィー-タンデムマススペクトロメトリー(LC-MS/MS)による構造解析を行った.結果,15,25,45,80 kDaのタンパク質として,それぞれRBX1,SSK1,導入したFLAG-S7-SLF2,CUL1-Pを同定した(11)11) T. Entani, K.-i. Kubo, S. Isogai, Y. Fukao, M. Shirakawa, A. Isogai & S. Takayama: Plant J., 78, 1014 (2014).図3B図3■SLFsを含むE3複合体のモデル図5図5■免疫沈降法によるSCFS7-SLF2の精製と構成因子の同定).一方で,複合体構成因子の候補として先に提唱されていたSBP1およびCUL1-G(図3A, B図3■SLFsを含むE3複合体のモデル)は,われわれが精製した複合体には含まれていなかった.以下に,SCFSLF複合体の構成因子として同定された3つのタンパク質について解説する.

図5■免疫沈降法によるSCFS7-SLF2の精製と構成因子の同定

野生型花粉と,FLAG-S7-SLF2を発現する形質転換花粉の抽出物を用いて,抗FLAG抗体による免疫沈降を行った.形質転換花粉の免疫沈降物特異的なタンパク質バンドが検出されたので,これらをLC-MS/MSによって構造解析したところ,CUL1-P,FLAG-S7-SLF2,SSK1,RBX1と同定された(11)11) T. Entani, K.-i. Kubo, S. Isogai, Y. Fukao, M. Shirakawa, A. Isogai & S. Takayama: Plant J., 78, 1014 (2014).Plant Journal誌(onlinelibrary.wiley.com/journal/10.1111/(ISSN)1365-313X)より許諾を得て転載(T. Entani, K.-i. Kubo, S. Isogai, Y. Fukao, M. Shirakawa, A. Isogai & S. Takayama: Plant J., 78, 1014 (2014)).

1. PhSSK1

25 kDのタンパク質は,PhSSK1(P. hybrida SLF-interacting SKP1-like1)と名づけられたSKP1ファミリーに属するタンパク質であった.SKP1ファミリーは,F-boxとCUL1を連結するアダプタータンパク質である(10)10) Z. Hua & R. D. Vierstra: Annu. Rev. Plant Biol., 62, 299 (2011)..PhSSK1は,ペチュニアの花粉で特異的に発現し,少なくともタイプ1~4のSLFsと相互作用することが示された(11,13,14)11) T. Entani, K.-i. Kubo, S. Isogai, Y. Fukao, M. Shirakawa, A. Isogai & S. Takayama: Plant J., 78, 1014 (2014).13) L. Zhao, J. Huang, Z. Zhao, Q. Li, T. L. Sims & Y. Xue: Plant J., 62, 52 (2010).14) S. Li, P. Sun, J. S. Williams & T.-h. Kao: Plant Reprod., 27, 31 (2014)..PhSSK1をノックダウンした形質転換体の花粉は,他家受粉における稔性の低下を示した.加えて,この形質転換体はそのほかの顕著な表現型の変化を示さないことから,PhSSK1はS-RNaseの不活性化にのみ機能するSKP1ファミリーのメンバーであることが示唆された(13)13) L. Zhao, J. Huang, Z. Zhao, Q. Li, T. L. Sims & Y. Xue: Plant J., 62, 52 (2010).

2. CUL1-P

80 kDのタンパク質は,新規のCUL1タンパク質であることが判明し,これをCUL1-Pと名づけた(11,14)11) T. Entani, K.-i. Kubo, S. Isogai, Y. Fukao, M. Shirakawa, A. Isogai & S. Takayama: Plant J., 78, 1014 (2014).14) S. Li, P. Sun, J. S. Williams & T.-h. Kao: Plant Reprod., 27, 31 (2014)..CUL1はN末端側にF-box-Skp1を,C-末端側に後述のRbx1-E2を結合して,SCF複合体中での足場タンパク質としての役割をもつ.CUL1-Pは,ナス科植物トマトの自家不和合性野生種Solanum pennelliiの,主に花粉で発現するSpCUL1のオーソログであるらしい(15)15) W. Li & R. T. Chetelat: Science, 330, 1827 (2010)..この遺伝子の機能欠損株は,Sハプロタイプによらず機能的なS-RNaseを発現する雌ずいに対して花粉稔性の低下を示すことから,SpCUL1タンパク質はS-RNaseの不活性化に必要であることが示唆されている(15,16)15) W. Li & R. T. Chetelat: Science, 330, 1827 (2010).16) W. Li & R. T. Chetelat: Genetics, 196, 439 (2013).

シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)は唯一のCUL1AtCUL1)をもち,その機能欠損変異体は,初期胚発生段階で発育不全に陥る(17)17) W. H. Shen, Y. Parmentier, H. Hellmann, E. Lechner, A. Dong, J. Masson, F. Granier, L. Lepiniec, M. Estelle & P. Genschik: Mol. Biol. Cell, 13, 1916 (2002).SpCUL1変異体は花粉稔性の低下以外の重篤な表現型を示さないことから(15)15) W. Li & R. T. Chetelat: Science, 330, 1827 (2010).SpCUL1AtCUL1のオーソログではなく,PhSSK1と同様,S-RNaseの不活性化においてのみ機能していると考えられる.図6図6■ナス科植物とシロイヌナズナのCUL1タンパク質の系統樹に,これまでに報告された,ナス科植物とシロイヌナズナのCUL1タンパク質の系統樹を示す.ペチュニアCUL1-P(PhCUL1-P),ペチュニア野生種(Petunia inflata)のオーソログPiCUL1-P(14)14) S. Li, P. Sun, J. S. Williams & T.-h. Kao: Plant Reprod., 27, 31 (2014).,およびSpCUL1は,ほかのCUL1とは離れた独立したクレードを形成することから,独自の進化をしてきたらしい.

図6■ナス科植物とシロイヌナズナのCUL1タンパク質の系統樹

CUL1sのアミノ酸配列をもとに近接結合法によって作成した系統樹.S-RNaseのユビキチン化にかかわるCUL1タンパク質群(丸で囲った部分)は,そのほかのCUL1タンパク質群とは離れたクレードをなす.At: Arabidopsis thaliana(シロイヌナズナ),Nt: Nicotiana tabacum(タバコ),Ph: Petunia hybrida(ペチュニア),Pi: Petunia inflata(ペチュニア野生種),Sp: Solanum pennellii(トマト野生種).Bar=0.1アミノ酸置換/サイト.

3. RBX1

15 kDのタンパク質は,RBX1と同定された(11)11) T. Entani, K.-i. Kubo, S. Isogai, Y. Fukao, M. Shirakawa, A. Isogai & S. Takayama: Plant J., 78, 1014 (2014)..RBX1は,C末端側にReally interesting new gene(RING)フィンガーモチーフという,RING型ユビキチンリガーゼに特有の構造を有し,この部分でユビキチン結合酵素(E2)と相互作用する.また,N末端側ではCUL1を含むCullinファミリータンパク質群と相互作用することが知られている(10)10) Z. Hua & R. D. Vierstra: Annu. Rev. Plant Biol., 62, 299 (2011).

SCFSLF構成因子の自家不和合性に特異的な機能分化

シロイヌナズナは一つのCUL1をもつ(18)18) E. P. Risseeuw, T. E. Daskalchuk, T. W. Banks, E. Liu, J. Cotelesage, H. Hellmann, M. Estelle, D. E. Somers & W. L. Crosby: Plant J., 34, 753 (2003).のに対し,ペチュニアはCUL1-G-C-Pの少なくとも3つのCUL1sを花粉で発現している(11~14)11) T. Entani, K.-i. Kubo, S. Isogai, Y. Fukao, M. Shirakawa, A. Isogai & S. Takayama: Plant J., 78, 1014 (2014).12) Z. Hua & T.- Kao: Plant Cell, 18, 2531 (2006).13) L. Zhao, J. Huang, Z. Zhao, Q. Li, T. L. Sims & Y. Xue: Plant J., 62, 52 (2010).14) S. Li, P. Sun, J. S. Williams & T.-h. Kao: Plant Reprod., 27, 31 (2014)..しかしながら,CUL1-PのみがSCFSLFの構成因子として選択的に検出された.一方,SKP1ファミリーに関しては,シロイヌナズナのゲノム中には21種類のSKP1様タンパク質がコードされている(19)19) H. Kong, L. L. Landherr, M. W. Frohlich, J. Leebens-Mack, H. Ma & C. W. de Pamphilis: Plant J., 50, 873 (2007)..これらの分子種には,発現パターンの違いや,異なるF-boxタンパク質との結合選択性に違いがあり,SKP1-様タンパク質間での機能的な使い分けが進化してきたと推察されている(18,20,21)18) E. P. Risseeuw, T. E. Daskalchuk, T. W. Banks, E. Liu, J. Cotelesage, H. Hellmann, M. Estelle, D. E. Somers & W. L. Crosby: Plant J., 34, 753 (2003).20) K. Marrocco, A. Lecureuil, P. Nicolas & P. Guerche: Plant Mol. Biol., 52, 715 (2003).21) N. Takahashi, H. Kuroda, T. Kuromori, T. Hirayama, M. Seki, K. Shinozaki, H. Shimada & M. Matsui: Plant Cell Physiol., 45, 83 (2004)..SCFSLFの構成因子として同定されたSSK1とオーソロガスなSKP1様遺伝子は,S-RNase型自家不和合性をもつナス科,バラ科,オオバコ科には見られるものの,シロイヌナズナなどのゲノムには見られない(22)22) C. Xu, M. Li, J. Wu, H. Guo, Q. Li, Y. Zhang, J. Chai, T. Li & Y. Xue: Plant Mol. Biol., 81, 245 (2013)..同様に,F-box遺伝子群の系統学的解析から,SLFsはS-RNase型自家不和合性をもつ科においてのみ見いだされている(6)6) K.-i. Kubo, T. Paape, M. Hatakeyama, T. Entani, A. Takara, K. Kajihara, M. Tsukahara, R. Shimizu-Inatsugi, K. K. Shimizu & S. Takayama: Nat. Plants, 1, 14005 (2015)..これらの事実は,CUL1-PおよびSSK1が,SLFsとともに,自家不和合性機構の構成因子としてほかのSCF構成因子から機能分化してきた遺伝子であることを示唆している.

野生ペチュニアの1種(Petunia inflata)においても,花粉に発現させたGFP-SSK1融合タンパク質を抗GFP抗体で免疫沈降することによって,SSK1を含む複合体の同定が試みられた(14)14) S. Li, P. Sun, J. S. Williams & T.-h. Kao: Plant Reprod., 27, 31 (2014)..その結果,CUL1-P,RBX1のほか,タイプ3とタイプ4のSLFsが共免疫沈降した.さらに,タイプ1 SLFをGFP融合タンパク質として花粉に発現し,同様の免疫沈降が行われた結果,タイプ1 SLFもSSK1と相互作用することが証明された(14)14) S. Li, P. Sun, J. S. Williams & T.-h. Kao: Plant Reprod., 27, 31 (2014)..われわれの結果と合わせると,SSK1は複数のSLFs,少なくともタイプ1~4SLFsとCUL1-Pをつなぐアダプターとして機能していることを実験的に示している.

以上のことから,SLFs,SSK1,CUL1-Pは,S-RNaseをユビキチン化する機能を維持するため,三者間での親和性を保ちながら,ほかのSCF構成因子とは異なる共進化経路をたどってきたと推察される.今後,自家不和合性機構の分子進化を知るうえでも,タイプ1~4以外のSLFsもSSK1,CUL1-Pと選択的に相互作用するのか,あるいは異なる分子種のSKP1,CUL1タンパク質とも相互作用するのか,検証していく必要があるだろう.

S-RNaseのユビキチン化およびプロテアソーム依存的分解

雄側S決定因子SLFsが典型的なSCF複合体を形成することが示されたことから,これが雌側S決定因子S-RNaseの非自己特異的なユビキチン化を触媒していると考えられた.そこで,精製SCFS7-SLF2を用い,S-RNaseに対するユビキチン化活性を検討した(11)11) T. Entani, K.-i. Kubo, S. Isogai, Y. Fukao, M. Shirakawa, A. Isogai & S. Takayama: Plant J., 78, 1014 (2014).

抗FLAG抗体を用い,免疫沈降によって上述の形質転換花粉からSCFFLAG-S7-SLF2を精製し,酵素反応を行った.基質として,4種類のペチュニア雌ずいから精製したS5S7S9S11ハプロタイプのS-RNaseを用いた.ユビキチン化反応には,ユビキチン活性化酵素(E1),E2,E3が必要である.本実験では,E1,E2としてそれぞれヒト由来のUBE1,UBCh5cを用いた.その結果,形質転換実験において,FLAG-S7-SLF2によって不活化されることが示された非自己S9-,S11-RNaseは実際にポリユビキチン化され,不活化されないことが示された非自己S5-RNaseと自己S7-RNaseはポリユビキチン化されなかった(11)11) T. Entani, K.-i. Kubo, S. Isogai, Y. Fukao, M. Shirakawa, A. Isogai & S. Takayama: Plant J., 78, 1014 (2014).図7図7■SCFSLFのS-RNaseに対するユビキチン化活性の検出).

図7■SCFSLFのS-RNaseに対するユビキチン化活性の検出

SCFS7-SLF2による,4つのS-RNasesに対するユビキチン化を活性を検出した.抗FLAG抗体によって精製した形質転換花粉由来SCFFLAG-S7-SLF2,S-RNase,ヒトE1,E2,ユビキチンを反応させ,イムノブロットによりS-RNaseを検出した.1: 未反応S-RNase,2: SCFFLAG-S7-SLF2を含まない反応,3: SCFFLAG-S7-SLF2を含む反応.SCFS7-SLF2は,非自己S9-(C)およびS11-RNase(D)をポリユビキチン化するが,非自己S5-RNase(A)および自己S7-RNase(B)はユビキチン化しない(11)11) T. Entani, K.-i. Kubo, S. Isogai, Y. Fukao, M. Shirakawa, A. Isogai & S. Takayama: Plant J., 78, 1014 (2014).Plant Journal誌(onlinelibrary.wiley.com/journal/10.1111/(ISSN)1365-313X)より許諾を得て転載(T. Entani, K.-i. Kubo, S. Isogai, Y. Fukao, M. Shirakawa, A. Isogai & S. Takayama: Plant J., 78, 1014 (2014)).

次に,ユビキチン化されたS-RNaseが26Sプロテアソーム依存的に分解されるか検討した.上述のin vitro系でユビキチン化したS9-RNaseを花粉抽出物と混和すると,ポリユビキチン化S9-RNaseが消失した.この消失は,プロテアソーム阻害剤であるMG132を加えることによって遅延した(図8図8■ポリユビキチン化されたS-RNaseのプロテアソーム依存的な分解).この結果は,ポリユビキチン化S-RNaseが,花粉に含まれる26Sプロテアソーム依存的に分解を受けることを示唆している(11)11) T. Entani, K.-i. Kubo, S. Isogai, Y. Fukao, M. Shirakawa, A. Isogai & S. Takayama: Plant J., 78, 1014 (2014).

図8■ポリユビキチン化されたS-RNaseのプロテアソーム依存的な分解

ポリユビキチン化S9-RNase(レーン左)は,花粉抽出物と混和して28°Cで反応させると消失する(レーン中)が,この消失はプロテアソームの特異的阻害剤(MG132)を加えることによって遅延した(レーン右).このことは,ポリユビキチン化したS9-RNaseが26Sプロテアソーム依存的に分解されることを示している(11)11) T. Entani, K.-i. Kubo, S. Isogai, Y. Fukao, M. Shirakawa, A. Isogai & S. Takayama: Plant J., 78, 1014 (2014).Plant Journal誌(onlinelibrary.wiley.com/journal/10.1111/(ISSN) 1365-313X)より許諾を得て転載(T. Entani, K.-i. Kubo, S. Isogai, Y. Fukao, M. Shirakawa, A. Isogai & S. Takayama: Plant J., 78, 1014 (2014)).

上述のとおり植物におけるSCF複合体の特異的基質が判明している例は少数であるため,そのユビキチン化および分解誘導を検出した例は少なく,そのほとんどすべてがin vivoにおける反応を検出したものである(23~25)23) J. M. Gange, J. Smalle, D. J. Gingerich, J. M. Walker, S.-D. Yoo, S. Yanagisawa & R. D. Vierstra: Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 101, 6803 (2004).24) J. Stuttmann, E. Lechner, R. Guérois, J. E. Parker, L. Nussaume, P. Genschik & L. D. Noël: J. Biol. Chem., 284, 7920 (2009).25) F. S. Maraschin, J. Memelink & R. Offringa: Plant J., 59, 100 (2009)..本研究のように,SCF複合体による特異的基質のユビキチン化および26Sプロテアソームによる分解誘導をin vitroで再現できた例はほとんどないことから,今後の植物におけるユビキチン・プロテアソーム経路の研究への良い前例となるだろう.

おわりに

これまでの結果をまとめると,一つのS遺伝子座上にコードされる16~20個のSLFsのそれぞれが,自家不和合性機能に合わせ機能分化したCUL1-P,SSK1とともにSCFSLF複合体を形成し,それぞれの複合体に含まれるSLFの認識特異性に応じて非自己S-RNaseを協調的に認識し,ユビキチン化,26Sプロテアソームによる分解を介して,不活性化していると考えられる(11)11) T. Entani, K.-i. Kubo, S. Isogai, Y. Fukao, M. Shirakawa, A. Isogai & S. Takayama: Plant J., 78, 1014 (2014).図9図9■ユビキチン化を介した非自己認識モデル).最近のほかのグループからの報告によると,ペチュニアの雌ずいを伸長中の非自己花粉管中から,ユビキチン化S-RNaseが検出されたが,自己花粉管中からは検出されなかったという(26)26) W. Liu, J. Fan, J. Li, Y. Song, Q. Li, Y. Zhang & Y. Xue: Front. Genet., 5, 228 (2014)..また,ナス科植物のジャガイモ野生種(Solanum chacoense)において,雌ずいを伸長中の自己花粉管中では,非自己花粉管中よりもS-RNaseの量が少ないことが観察された(27)27) N. Boivin, D. Morse & M. Cappadocia: J. Cell Sci., 127, 4123 (2014)..これらの結果は,ユビキチン・26Sプロテアソーム経路依存的なS-RNaseの分解を裏づけるものである.

図9■ユビキチン化を介した非自己認識モデル

花粉管細胞質には,一つのSハプロタイプにコードされた16~20個のSLFsタンパク質が発現しており,これらは共通の構成因子(SSK, CUL1-P, Rbx1)とともにSCFSLF複合体群を形成する.それぞれの複合体は,ある特定の非自己S-RNaseを認識してユビキチン化する.たとえば,S7花粉管中のS7-SLF2は,S11-RNaseを認識してユビキチン化する(左).全体として,S7花粉管中のすべてのSCFSLFは,40種類以上あるとされるすべての非自己S-RNaseを協調的にユビキチン化すると考えられる.ユビキチン化されたS-RNaseは,26Sプロテアソームで分解されるため,花粉管RNAは分解を免れ,花粉管は伸長を持続することができる.一方,自家受粉の場合,S7花粉管中のどのSLFも,自己S7-RNaseを認識,ユビキチン化できない.よってS7-RNaseはS7花粉管中のRNAを分解し,花粉管伸長を停止させる(右).

われわれの研究では,SCFSLF複合体の構造を,共免疫沈降とLC-MS/MSによって明らかにすることができた(11)11) T. Entani, K.-i. Kubo, S. Isogai, Y. Fukao, M. Shirakawa, A. Isogai & S. Takayama: Plant J., 78, 1014 (2014)..ナス科と同じS-RNase型自家不和合性はバラ科においても見られるが,バラ科のナシ,リンゴがペチュニアと同様の非自己認識型機構をもつと考えられているのに対し,同じバラ科のウメ,オウトウなどでは全く逆の自己認識型の機構が提唱されている(28)28) R. Tao & A. F. Iezzoni: Sci. Hortic. (Amsterdam), 124, 423 (2010)..本研究で用いられた解析手法を用いた場合,ウメ,オウトウなどではどのような複合体が同定されうるのか,興味深いところである.

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