セミナー室

フロリゲンFTタンパク質の関連分子と相互作用因子

Nozomi Kawamoto

川本

京都大学生命科学研究科

Masaki Niwa

丹羽 優喜

京都大学生命科学研究科

Araki Takashi

荒木

京都大学生命科学研究科

Published: 2016-03-20

はじめに

植物は,周囲の環境に応じて適切な時期に花を咲かせ,種子を形成する.花成と呼ばれる,葉を作る栄養成長相から花芽を形成する生殖成長相への転換のタイミングは日長,気温などのさまざまな環境要因によって制御されている.そのなかでも日長(光周期)は重要であり,多くの植物は日長応答性のタイプにより,長日植物,短日植物,中性植物などに分類される.花成研究における重要なモデル植物であるシロイヌナズナは長日植物,イネは短日植物である.

1937年にロシアの植物学者M. Kh. Chailakhyanは,日長を感知するのは葉であり,葉で作られた何らかの物質が茎頂へと運ばれて花成を誘導すると考え,この物質に対して花成ホルモン(フロリゲン)という名称を提唱した(1)1) 滝本 敦:“花を咲かせるものは何か―花成ホルモンを求めて”,中央公論社,1998..1999年にシロイヌナズナにおいてFLOWERING LOCUS TFT)遺伝子が同定され,その後,FT遺伝子は長日条件依存的に葉の維管束篩部で特異的に発現することが明らかになった.さらに,2005年には茎頂部特異的に発現する塩基性ロイシンジッパー(bZIP)型の転写因子FDがFTタンパク質と複合体を形成し,この複合体が花成を促進することが明らかとなった.こうした研究から,葉において日長に応答して産生されたFTタンパク質が茎頂へと輸送されることで花成が誘導される可能性が示され,FTタンパク質こそがフロリゲンの実体ではないかと考えられた.2007年から2008年にかけて,シロイヌナズナやイネのみならず,短日性のカボチャ(Cucurbita moschata)において,FT相同タンパク質(イネではHeading date 3a; Hd3a)が葉から茎頂へと輸送されることが相次いで報告され,FTタンパク質がフロリゲンの分子的な実体であることが広く受け入れられるようになった.

さらに近年,FT相同タンパク質が,花成を制御するとともに,分枝,塊茎形成,気孔の開口など,花成とは異なるさまざまな発生・生理現象にもかかわることが明らかになってきた(2)2) 平岡和久,大門靖史,荒木 崇:Plant Morphology, 19, 3 (2008)..そうしたことを踏まえ,本稿では,まずFTタンパク質について概説し,フロリゲン複合体の構成因子や形成調節因子をはじめとする,フロリゲン相互作用因子や関連分子について解説する.併せて,今後の研究課題についても取り上げる.

フロリゲンFTタンパク質の機能上重要なドメインとアミノ酸残基

FTはホスファチジルエタノールアミン結合タンパク質(phosphatidylethanolamine binding protein; PEBP)ファミリーに属している.PEBPはウシの脳からホスファチジルエタノールアミン(PE)に結合するタンパク質として単離された.PEBPファミリータンパク質は原核生物から真核生物まで広く保存されていることが知られており,動物においては,主にRaf-1キナーゼ阻害タンパク質(Raf-1 kinase inhibitor protein; RKIP)として解析が進められている.シロイヌナズナのゲノムにはFTのパラログであるTWIN SISTER OF FT(TSF),および花成の負の制御因子(花成抑制因子)であるTERMINAL FLOWER 1(TFL1)など,6種のPEBPファミリータンパク質をコードする遺伝子が含まれる(3)3) Y. Kobayashi, H. Kaya, K. Goto, M. Iwabuchi & T. Araki: Science, 286, 1960 (1999)..PEBPファミリータンパク質は分子量およそ20 kDaの球状タンパク質であり,DNA結合ドメインなどの明瞭な機能ドメインをもたないため,ほかの分子との相互作用を介してその機能が発揮されると考えられている.RKIPはそのリン酸化状態に応じて異なったタンパク質と相互作用し,細胞内シグナル伝達や細胞周期の制御など,さまざまな役割をもつことが明らかになっている(4)4) J. J. Skinner & M. R. Rosner: Crit. Rev. Oncog., 19, 483 (2014).

植物においては,FTおよび花成抑制因子であるTFL1について,その機能上の差異に重要なアミノ酸残基の探索が複数の研究グループによって進められた結果,アニオン結合ポケットを構成するFTの85番目のチロシン残基(Y85,以下のアミノ酸残基についても同様に示す.TFL1ではH88に相当する)と,カルボキシル末端側に存在するセグメントBと呼ばれる14アミノ酸残基(TFL1では15アミノ酸残基)からなる外縁ループ領域が両タンパク質の差異を決定づける重要な領域であることが明らかになった(5, 6)5) Y. Hanzawa, T. Money & D. Bradley: Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 102, 7748 (2005).6) J. H. Ahn, D. Miller, V. J. Winter, M. J. Banfield, J. H. Lee, S. Y. Yoo, S. R. Henz, R. L. Brady & D. Weigel: EMBO J., 25, 605 (2006)..また,シロイヌナズナやトマト,ダイズにおけるFTないしはTFL1相同遺伝子のミスセンス変異による機能喪失アレルの知見から,たとえば,FTにおいてR62, T66, P94, G102, R130に相当するような,14-3-3タンパク質との相互作用に重要なアミノ酸残基が機能上必須であることがわかっている(後述).さらに,シロイヌナズナとカボチャを用いた解析から,V70, S76, R83を含むアミノ酸残基がFTタンパク質の細胞間移行に重要である可能性が示唆されている(7)7) S.-C. Yoo, C. Chen, M. Rojas, Y. Daimon, B.-K. Ham, T. Araki & W. J. Lucas: Plant J., 75, 456 (2013)..また,D17, V18も長距離輸送に重要である可能性が示唆されている(8)8) W. W. H. Ho & D. Weigel: Plant Cell, 26, 552 (2014)..FTの機能は,これらの領域を介してほかの分子と相互作用することで発揮または調節される可能性が高いと考えられる.では具体的にどのような因子がFTと結合し,FTの機能にかかわっているのであろうか.

哺乳類のRKIPにおいては,アニオン結合ポケットにはリン脂質のリン酸基が結合すると考えられている.RKIPと相同性をもつFTと脂質とのかかわりは長らく不明であったが,近年の中村らの報告(9)9) Y. Nakamura, F. Andrés, K. Kanehara, Y. Liu, P. Dörmann & G. Coupland: Nat. Commun., 5, 3553 (2014).では,PEではなくホスファチジルコリン(PC)がFTに特異的に結合し,植物体内におけるPEとPCの量比がFTおよびTSF遺伝子依存的に花成時期に影響を与えることが示されている.FTやTSFと脂質との結合がどのように花成に影響を及ぼすのか,次章のフロリゲン複合体形成への関与の可能性を含めて詳細な分子的作用メカニズムの解明が待たれる.

フロリゲン複合体

1. bZIP型転写因子FD

FD遺伝子は1991年にKoornneefらによって報告された遅咲き変異体fdの原因遺伝子であり(10)10) M. Koornneef, C. J. Hanhart & J. H. van der Veen: Mol. Gen. Genet., 229, 57 (1991).,2005年に筆者らのグループがFT過剰発現体によるごく早咲き表現型を抑圧する変異体の原因遺伝子として,WeigelらのグループがFTと相互作用するタンパク質をコードする遺伝子のホモログとしてクローニングした(11, 12)11) M. Abe, Y. Kobayashi, S. Yamamoto, Y. Daimon, A. Yamaguchi, Y. Ikeda, H. Ichinoki, M. Notaguchi, K. Goto & T. Araki: Science, 309, 1052 (2005).12) P. A. Wigge, M. C. Kim, K. E. Jaeger, W. Busch, M. Schmid, J. U. Lohmann & D. Weigel: Science, 309, 1056 (2005)..FDは植物ホルモンであるアブシジン酸(ABA)応答にかかわる転写因子群ABA-responsive element binding proteins(AREBs)/ABA-responsive element binding factors(ABFs)やABA-insensitive 5(ABI5)が主要な構成メンバーであるグループAのbZIP型転写因子に分類されている.FDは茎頂分裂組織および根端分裂組織において特異的に発現しており,茎頂分裂組織でFTと相互作用することで花成の制御および花芽の形態形成に関与することが示されている(11, 12)11) M. Abe, Y. Kobayashi, S. Yamamoto, Y. Daimon, A. Yamaguchi, Y. Ikeda, H. Ichinoki, M. Notaguchi, K. Goto & T. Araki: Science, 309, 1052 (2005).12) P. A. Wigge, M. C. Kim, K. E. Jaeger, W. Busch, M. Schmid, J. U. Lohmann & D. Weigel: Science, 309, 1056 (2005)..FDはまた,TFL1とも複合体を形成し(11, 12)11) M. Abe, Y. Kobayashi, S. Yamamoto, Y. Daimon, A. Yamaguchi, Y. Ikeda, H. Ichinoki, M. Notaguchi, K. Goto & T. Araki: Science, 309, 1052 (2005).12) P. A. Wigge, M. C. Kim, K. E. Jaeger, W. Busch, M. Schmid, J. U. Lohmann & D. Weigel: Science, 309, 1056 (2005).,この複合体は花成の抑制および花芽・花序の形態形成において機能することが知られている(13)13) S. Hanano & K. Goto: Plant Cell, 23, 3172 (2011)..FDには転写活性化型の転写因子においてしばしば見いだされる酸性アミノ酸に富む領域,グルタミン残基あるいはプロリン残基に富むドメインが見られない.こうしたことから,FDはFTあるいはTFL1を介して,転写共役因子と複合体を形成することで転写制御を行っていると考えられる.また,後述する筆者らの研究からFDは複数箇所のリン酸化を受けることが明らかとなっており,AREBs/ABFsに見られる複数箇所のリン酸化による転写活性化能の調節と同様に,FT(あるいはTFL1)–FD複合体もFDの複数箇所のリン酸化によって転写活性化能が調節されるのかもしれない.FD相同遺伝子はシロイヌナズナのみならず,さまざまな植物種のゲノム中にも見いだされており(14)14) H. Tsuji, H. Nakamura, K. Taoka & K. Shimamoto: Plant Cell Physiol., 54, 385 (2013).,花成の制御,花芽・花序の形態形成への関与が報告されているものだけでもトウモロコシ(DLF1),イネ(OsFD1),コムギ(FDL2),キウィ(AcFD),バラ(RoFD),トマト(SPGB/SSP),ポプラ(FDL1),エンドウ(VEG2)があり,FD相同遺伝子もFT/TFL1相同遺伝子と同様に植物に広く保存された機能を有していると考えられている.興味深いことに,イネにおいては,3つあるFD相同遺伝子のひとつOsFD2は葉の発生にかかわることが示唆されている(14)14) H. Tsuji, H. Nakamura, K. Taoka & K. Shimamoto: Plant Cell Physiol., 54, 385 (2013)..また,多年生の樹木であるポプラにおいて,FDL1はFTとともに花成の制御にかかわる一方で,FTとは独立に低温適応にかかわる遺伝子の発現を制御することが報告された(15)15) S. Tylewicz, H. Tsuji, P. Miskolczi, A. Petterle, A. Azeez, K. Jonsson, K. Shimamoto & R. P. Bhalerao: Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 112, 3150 (2015)..トマトにおいてはFT, TFL1, FD遺伝子を遺伝的に操作することで,花序の形態を変化させ,収量を上げる試みがなされている(16)16) S. J. Park, K. Jiang, L. Tal, Y. Yichie, O. Gar, D. Zamir, Y. Eshed & Z. B. Lippman: Nat. Genet., 46, 1337 (2014)..トマトの例に見られるように,FTとFDを含むフロリゲン複合体形成の制御機構の理解は,基礎科学的な重要性のみならず,作物の増収など農業上の応用においてもその意義が大きいと期待される.

2. 14-3-3タンパク質

FDにおいて,FTとの相互作用に必要な配列はカルボキシル末端に存在しており,この配列中にあるリン酸化が予想される282番目のスレオニン残基(T282)をアラニン残基に置換したものや,この配列を欠く変異型FDはFTと相互作用することができないことが報告されていた(11)11) M. Abe, Y. Kobayashi, S. Yamamoto, Y. Daimon, A. Yamaguchi, Y. Ikeda, H. Ichinoki, M. Notaguchi, K. Goto & T. Araki: Science, 309, 1052 (2005)..こうしたことから,FTはFDのT282のリン酸化に依存して複合体を形成すると考えられてきた.この可能性を支持するように,イネを用いた研究から,リン酸化タンパク質に特異的に結合することが知られている14-3-3タンパク質が細胞質でHd3aと相互作用し,その後,核へと移行しOsFD1と複合体を形成するというモデルが示された(17)17) K. Taoka, I. Ohki, H. Tsuji, K. Furuita, K. Hayashi, T. Yanase, M. Yamaguchi, C. Nakashima, Y. A. Purwestri, S. Tamaki et al.: Nature, 476, 332 (2011)..このモデルは,FTTFL1やそれらの相同遺伝子において見いだされていた複数のミスセンス変異が,同様のアミノ酸置換を導入したFTやTFL1と14-3-3タンパク質との相互作用を損なわせるものであることからも強く支持される.14-3-3タンパク質遺伝子はシロイヌナズナには13種存在しているが,いくつかの14-3-3タンパク質はFTおよびFDの双方と相互作用することが確認されており(8)8) W. W. H. Ho & D. Weigel: Plant Cell, 26, 552 (2014).,シロイヌナズナにおいても14-3-3タンパク質がFTとFDの相互作用を仲介し,3者からなるフロリゲン複合体が形成されると考えられる.このように,14-3-3タンパク質はフロリゲン複合体の重要な構成因子であるが,機能喪失変異体などの解析を通して花成への寄与を積極的に示す研究は十分にはなされていない.今後の課題のひとつである.

3. bZIP型転写因子FDをリン酸化するCPK

前項に述べたように,フロリゲン複合体の形成においては,FDのT282のリン酸化が重要であると考えられてきた.筆者らはこのリン酸化を実証するとともに,関与するタンパク質キナーゼの探索を行った.まずその生化学的な特性を調べたところ,花成前の茎頂に存在するカルシウムに依存した活性を示すタンパク質キナーゼがFDのリン酸化を担うことが明らかとなった.さらに,T282残基周辺に変異を導入したFDあるいはFDペプチド断片を用いたfd変異体の相補実験およびリン酸化実験から,calcium-dependent protein kinase(CDPK)がFDのT282をリン酸化することでFTとの複合体形成を可能にしていることが示唆された.そして,シロイヌナズナがもつ34個のCDPKの中から当該のタンパク質キナーゼとしてCPK33とCPK6の2つのCDPKを同定した.これらはともに基質であるFDと同様に茎頂分裂組織において発現し,核内に存在しており,FDと直接相互作用し,FDのT282を効率的にリン酸化することができた.さらに,これらの機能喪失変異体は花成遅延表現型を示した(18)18) N. Kawamoto, M. Sasabe, M. Endo, Y. Machida & T. Araki: Sci. Rep., 5, 8341 (2015)..CPK33については,FDとの結合能を保持しつつキナーゼ活性を失わせたドミナントネガティブ型(CPK33D197N)を茎頂部特異的に発現させることで,花成が遅延した(19)19) N. Kawamoto, M. Endo & T. Araki: Plant Signal. Behav., 10, e1086856 (2015)..加えて,cpk33変異体は花芽形成のマスター制御因子として知られるLEAFYLFY)の変異体との二重変異体cpk33 lfyにおいて,ft lfyあるいはfd lfyに見られるのと同様に,lfy表現型に対する著しい亢進作用を示した.LFYとフロリゲン複合体は,異なる経路において冗長的に,花芽形態形成の要となる花芽分裂組織決定遺伝子APETALA1AP1)の発現を促進することで,正常な花芽の形成を可能にしている.CPK33遺伝子の機能喪失によってフロリゲン複合体の形成が阻害された結果,lfy変異における花芽の形態形成不全がより顕著に現れたと考えられる.これらの結果は,CPK33がFDをリン酸化することでフロリゲン複合体を形成することを可能にし,花成の制御,花芽・花序の形態形成を制御することを強く支持している(18, 19)18) N. Kawamoto, M. Sasabe, M. Endo, Y. Machida & T. Araki: Sci. Rep., 5, 8341 (2015).19) N. Kawamoto, M. Endo & T. Araki: Plant Signal. Behav., 10, e1086856 (2015).図1図1■CPK33によるフロリゲン複合体形成の制御).

図1■CPK33によるフロリゲン複合体形成の制御

(1)茎頂分裂組織においてカルシウム依存性のタンパク質キナーゼCPK33によってbZIP型の転写因子FDのT282がリン酸化される.(2)日長に応答して葉で転写・翻訳されたFTタンパク質は茎頂分裂組織に輸送され,細胞質において14-3-3と結合する.(3)リン酸化されたFDが14-3-3によって認識され,FTはFDのリン酸化に依存して14-3-3をアダプターとした3者複合体を形成し,AP1などの花芽形成にかかわる遺伝子群の発現を制御する.

フロリゲン相互作用因子の探索

1. 酵母2ハイブリッドスクリーニングにより得られた因子

これまでFT/TFL1相同タンパク質の相互作用因子の探索は,主にcDNAライブラリを用いた酵母2ハイブリッド法により行われてきた(20)20) K. Taoka, I. Ohki, H. Tsuji, C. Kojima & K. Shimamoto: Trends Plant Sci., 18, 287 (2013)..前述のように,遺伝学的解析とは独立に,FTをベイトとしたスクリーニングによってFDとそのパラログであるFDPが得られた(11, 12)11) M. Abe, Y. Kobayashi, S. Yamamoto, Y. Daimon, A. Yamaguchi, Y. Ikeda, H. Ichinoki, M. Notaguchi, K. Goto & T. Araki: Science, 309, 1052 (2005).12) P. A. Wigge, M. C. Kim, K. E. Jaeger, W. Busch, M. Schmid, J. U. Lohmann & D. Weigel: Science, 309, 1056 (2005)..さらに,これらとは独立のスクリーニングから,FTと相互作用する因子としてFT-INTERACTING PROTEIN1(FTIP1)が得られている(21)21) L. Liu, C. Liu, X. Hou, W. Xi, L. Shen, Z. Tao, Y. Wang & H. Yu: PLoS Biol., 10, e1001313 (2012)..これについては次項で述べる.このスクリーニングでは同時に,14-3-3, bZIP型転写因子のほかに植物固有の転写因子であるTCP転写因子やジンクフィンガーホメオドメイン転写因子などが得られている.

シロイヌナズナ以外の植物種においてもFT/TFL1相同タンパク質をベイトとした酵母2ハイブリッドスクリーニングが行われている.トマトのSPを用いたスクリーニングからは,14-3-3やbZIP型転写因子SPGBのほかに,NIMA-likeタンパク質キナーゼであるSPAK,機能未知の約10 kDaのタンパク質SIP4が得られている(22)22) L. Pnueli, T. Gutfinger, D. Hareven, O. Ben-Naim, N. Ron, N. Adir & E. Lifschitz: Plant Cell, 13, 2687 (2001)..イネのHd3aを用いたスクリーニングからはやはり14-3-3, OsFD1に加えて,OsKANADI1やOsBIP116bが,リンゴ(Malus×domestica)のMdFT1を用いたスクリーニングからはTCP転写因子やVOZ転写因子などが得られている(17, 23)17) K. Taoka, I. Ohki, H. Tsuji, K. Furuita, K. Hayashi, T. Yanase, M. Yamaguchi, C. Nakashima, Y. A. Purwestri, S. Tamaki et al.: Nature, 476, 332 (2011).23) N. Mimida, S.-I. Kidou, H. Iwanami, S. Moriya, K. Abe, C. Voogd, E. Varkonyi-Gasic & N. Kotoda: Tree Physiol., 31, 555 (2011).

筆者らのグループは,FTが転写制御にかかわることに注目し,新たに転写因子ライブラリを用いてFTの相互作用因子の探索を行った(24)24) M. Niwa, Y. Daimon, K. Kurotani, A. Higo, J. L. Pruneda-Paz, G. Breton, N. Mitsuda, S. A. Kay, M. Ohme-Takagi, M. Endo et al.: Plant Cell, 25, 1228 (2013)..転写因子をコードする遺伝子は相対的にmRNAの発現量が低いものも多く,またその発現は顕著な組織特異性を示すことが多い.そのため,従来のcDNAライブラリを用いたスクリーニングでは,転写因子を含むクローンが相対的に少数であり,また,そもそもライブラリ中に含まれない転写因子が多数存在するという欠点があった.これに対して,シロイヌナズナのゲノムに存在する転写因子の大部分をクローニングした転写因子ライブラリを用いることで,FTタンパク質と相互作用しうる転写因子を網羅的に探索することが可能になった.筆者らのスクリーニングの結果,FDが含まれるbZIP型転写因子をはじめ,Myb様転写因子やTCP転写因子,VOZ転写因子,Hsf転写因子など複数のグループに属する転写因子とFTタンパク質が相互作用する可能性が明らかになった.なかでもTCP転写因子やVOZ転写因子は植物種を超えた複数のスクリーニングから得られており,興味深い候補であると考えられる.

2. FTタンパク質の輸送にかかわるFTIP1

酵母2ハイブリッドスクリーニングにより得られたFT相互作用因子の中で,その機能が明らかになっているものとしてFTIP1がある.FTIP1は,小胞体膜に局在するC2ドメインをもつタンパク質で,篩部伴細胞で発現する.免疫電子顕微鏡法により,FTIP1が篩部伴細胞と篩管要素をつなぐプラズモデスマータにも存在することが示されている.ftip1変異体では篩管要素内に見られるFTが顕著に減少すること,花成遅延表現型が見られることが示されており,FTIP1はFTの発現部位である篩部伴細胞から篩管要素への積み込みにかかわると考えられている(21)21) L. Liu, C. Liu, X. Hou, W. Xi, L. Shen, Z. Tao, Y. Wang & H. Yu: PLoS Biol., 10, e1001313 (2012)..興味深いことに,最近になって阿部らにより同定された花成時期遺伝子FEは,以前からALTERED PHLOEM DEVELOPMENT(APL)として知られていたMyb様転写因子をコードしており,FT遺伝子(フロリゲン遺伝子)とFTIP遺伝子(フロリゲン輸送因子遺伝子)の両方の転写をともに促進する因子であることが示された(25)25) M. Abe, H. Kaya, A. Watanabe-Taneda, M. Shibuta, A. Yamaguchi, T. Sakamoto, T. Kurata, I. Ausin, T. Araki & C. Alonso-Blanco: Plant J., 83, 1059 (2015)..FTの輸送機構に関する理解は遅れており,FTIP1以外の輸送因子の同定は今後の重要な課題である(7, 20)7) S.-C. Yoo, C. Chen, M. Rojas, Y. Daimon, B.-K. Ham, T. Araki & W. J. Lucas: Plant J., 75, 456 (2013).20) K. Taoka, I. Ohki, H. Tsuji, C. Kojima & K. Shimamoto: Trends Plant Sci., 18, 287 (2013).

3. 相互作用における14-3-3タンパク質介在の有無

これらのスクリーニングで得られた相互作用因子は,FDと同様に14-3-3を介してFT/TFL1相同タンパク質と相互作用するのであろうか.FTIP1を含む多くの因子については,FT/TFL1相同タンパク質との相互作用における14-3-3依存性は直接的には調べられていない.しかし,トマトのSPAKおよびSIP4では,14-3-3との相互作用が失われるようなSPのアミノ酸残基の置換によって相互作用が見られなくなることから,14-3-3を介してSPと相互作用している可能性が高いと考えられる(22)22) L. Pnueli, T. Gutfinger, D. Hareven, O. Ben-Naim, N. Ron, N. Adir & E. Lifschitz: Plant Cell, 13, 2687 (2001)..また,イネのOsKANADI1とOsBIP116bについては,OsFD1と同様に推定的14-3-3結合配列をもっており,このうちリン酸化されると考えられるセリン残基をアラニン置換することでHd3aとの相互作用が失われるため,14-3-3を介してHd3aと相互作用することが強く示唆されている(17)17) K. Taoka, I. Ohki, H. Tsuji, K. Furuita, K. Hayashi, T. Yanase, M. Yamaguchi, C. Nakashima, Y. A. Purwestri, S. Tamaki et al.: Nature, 476, 332 (2011)..筆者らのスクリーニングから得られたFT相互作用因子については,bZIP30が14-3-3依存的にFTと相互作用することを示唆する結果が得られている(24)24) M. Niwa, Y. Daimon, K. Kurotani, A. Higo, J. L. Pruneda-Paz, G. Breton, N. Mitsuda, S. A. Kay, M. Ohme-Takagi, M. Endo et al.: Plant Cell, 25, 1228 (2013)..これらの因子は,FDに代わってFT-14-3-3と相互作用し,複合体を形成している可能性が考えられる(図2A図2■FTを含む複合体の推定される様式).

図2■FTを含む複合体の推定される様式

(A)14-3-3依存的にFTと相互作用する因子を含む複合体のモデル.FTとFDは14-3-3を介して複合体を形成する.14-3-3を介してFTと相互作用する転写因子Xは,FDの代わりに14-3-3と相互作用することで同様の複合体を形成することができると考えられる.トマトのSPAKやSIP4といった因子Yは14-3-3を介してFT相同タンパク質と相互作用すると考えられるが,これらの複合体の機能は明らかになっていない.(B)14-3-3非依存的にFTと相互作用する因子を含む複合体のモデル.FT-14-3-3-X複合体上に結合する因子ZはFTを含む複合体の機能発揮・調節を担うと考えられる.また,FTの輸送にかかわるFTIP1などは,転写因子とは独立の複合体を形成していると予想される.

一方で,複数のTCP転写因子やMyb様転写因子,VOZ転写因子は,14-3-3との相互作用が失われるアミノ酸置換型FTとも相互作用能を示したため,14-3-3非依存的にFTと相互作用すると考えられる(24)24) M. Niwa, Y. Daimon, K. Kurotani, A. Higo, J. L. Pruneda-Paz, G. Breton, N. Mitsuda, S. A. Kay, M. Ohme-Takagi, M. Endo et al.: Plant Cell, 25, 1228 (2013)..これらの因子はフロリゲン複合体とは異なる複合体をFTと形成しているか,フロリゲン複合体中のFTに結合することでさらに巨大な複合体を形成する可能性があると考えられる(図2B図2■FTを含む複合体の推定される様式).次項では,14-3-3を介さずにFTと相互作用する因子の例として,TCP転写因子であるBRC1の解析例を紹介する.

4. 相互作用に14-3-3タンパク質が介在しないTCP転写因子BRC1

筆者らは,スクリーニングで得られた候補をもとに,TCP転写因子のひとつBRC1に注目して解析を進めた(24)24) M. Niwa, Y. Daimon, K. Kurotani, A. Higo, J. L. Pruneda-Paz, G. Breton, N. Mitsuda, S. A. Kay, M. Ohme-Takagi, M. Endo et al.: Plant Cell, 25, 1228 (2013)..BRC1のカルボキシル末端側には14-3-3が認識するとされるアミノ酸配列R/K-X-X-S/T-X-Pに相当するアミノ酸配列が存在するが,リン酸化されて14-3-3に認識されることが予想されるセリン残基をアラニン残基に置換した改変型BRC1でもFTとの相互作用を示したことから,このアミノ酸配列は両者の結合には必要でないことが明らかになった.さらに,FTに対するアラニンスキャンによりBRC1との相互作用に重要なアミノ酸残基を特定したところ,14-3-3との相互作用に必要なアミノ酸残基の置換によってはBRC1との相互作用能は喪失しない一方で,その他の領域でのアミノ酸残基の置換によってBRC1との相互作用能が失われた.以上の結果は,BRC1がFDとは全く異なる様式でFTと相互作用することを示すものであった.

BRC1遺伝子は側芽発生の諸過程において抑制的にかかわっており,少なくとも①側芽メリステム形成,②側芽の発達,③側枝伸長の3つの過程を抑制するとされていた(26)26) J. A. Aguilar-Martínez, C. Poza-Carrión & P. Cubas: Plant Cell, 19, 458 (2007).ft変異体およびbrc1変異体を用いた遺伝学的な解析や形質転換体を用いた解析から,側芽の発達に関連して,FTは側芽の成長相転換,すなわち花成を促進していること,BRC1はFTとの相互作用を介してこの相転換を抑制していることが明らかになった.BRC1遺伝子は将来側芽が形成される葉腋および発達中の側芽で特異的に発現することが示されているが,FD遺伝子のプロモーターを用いてBRC1遺伝子を主軸の茎頂分裂組織において異所的に発現させることで,BRC1が主軸の相転換(花成)を遅らせる能力をもつことも示された.これらのことは,FTの機能がBRC1によって側芽で特異的に抑制されていることを示している.BRC1との結合に重要なアミノ酸残基は,FTの立体構造モデル上の14-3-3との結合領域とは異なる表面上に存在しており,FT–14-3-3–FD複合体に対してBRC1が外側から結合しうると考えられた.遺伝的な解析の結果と併せて,何らかの機構でBRC1がFT–14-3-3–FD複合体の活性または形成そのものを阻害していると考えられる.頂芽優勢といえば,植物ホルモンであるオーキシン,サイトカイニンやストリゴラクトンを介した側枝の伸長制御がよく知られているが,以上の結果は,シロイヌナズナでは,花成シグナルに対する応答性についても頂芽を優先させるシステムが存在することを示唆している.また筆者らのグループは,FTおよびそのパラログTSFが側芽メリステムの形成および側枝伸長に対しても促進的にかかわることも報告しており(27, 28)27) K. Hiraoka, A. Yamaguchi, M. Abe & T. Araki: Plant Cell Physiol., 54, 352 (2013).28) M. Niwa, M. Endo & T. Araki: Plant Signal. Behav., 8, e27167 (2013).,側芽形成および側枝伸長においてもフロリゲンと側芽発生抑制因子BRC1とのかかわりが示唆される.BRC1の例は,14-3-3を介さないタンパク質間相互作用によってもFT機能の調節がなされる例を示すものであり,植物におけるPEBPファミリータンパク質も動物のRKIPと同様に,多様な複合体を形成しうることを示唆している.

5. FTとのみ相互作用するFWA

FT/TFL1相同タンパク質の相互作用因子の探索から見つかったものではないが,相互作用因子として極めて特異なものに,クラスIVホメオボックス-ロイシンジッパー(HD-ZIP)タンパク質FWAがある.FWAは,もともとKoornneefらによって単離された優性の遅咲き変異体fwaによって知られていたもので(10)10) M. Koornneef, C. J. Hanhart & J. H. van der Veen: Mol. Gen. Genet., 229, 57 (1991).,この優性変異は,FWA遺伝子のプロモーター領域の低メチル化による(塩基配列の変化は伴わない)エピジェネティックな変異であることが明らかになった.この低メチル化によって,異所発現したFWAタンパク質がFTと結合してその機能を阻害することで花成の遅延が起こる(29)29) Y. Ikeda, Y. Kobayashi, A. Yamaguchi, M. Abe & T. Araki: Plant Cell Physiol., 48, 205 (2007)..興味深いことに,FWAタンパク質はFTとは相互作用するが,TFL1や,FTと極めて高い相同性(82%の残基が同一)をもつTSFとは相互作用しない(29)29) Y. Ikeda, Y. Kobayashi, A. Yamaguchi, M. Abe & T. Araki: Plant Cell Physiol., 48, 205 (2007)..このように極めて特異性が高い相互作用能をもつ因子であるが,胚嚢の中央細胞と種子の胚乳細胞でのみ発現するFWAタンパク質が,植物体内でFTと相互作用する可能性は考えにくい(29)29) Y. Ikeda, Y. Kobayashi, A. Yamaguchi, M. Abe & T. Araki: Plant Cell Physiol., 48, 205 (2007).

6. 花成促進(FT)と花成抑制(TFL1)の違いを規定する因子は何か

FT(花成促進)とTFL1(花成抑制)の機能の違いを規定する因子については,いまだ謎に包まれている.VP16の転写活性化ドメインおよび人工転写抑制ドメインSRDXを融合させたタンパク質を用いた解析から,FTとTFL1は,FDとの複合体形成を介して,花成制御においてはそれぞれ転写活性化と転写抑制を介して働くことが示唆されている(6, 13)6) J. H. Ahn, D. Miller, V. J. Winter, M. J. Banfield, J. H. Lee, S. Y. Yoo, S. R. Henz, R. L. Brady & D. Weigel: EMBO J., 25, 605 (2006).13) S. Hanano & K. Goto: Plant Cell, 23, 3172 (2011)..しかしながら,このFTとTFL1の機能の差異に決定的な役割を果たすと考えられるセグメントBに結合して機能する因子は報告されておらず,転写制御能の違いを生み出す分子メカニズムは解明されていない.そもそも,FT/TFL1相同タンパク質の相互作用因子として報告されたもの(上述)の中で,FTグループあるいはTFL1グループのいずれか一方とのみ相互作用することが示されているのは,前項のFWAを除けば,筆者らが報告したBRC1のみである.FTとTFL1の機能的差異を決定する因子の同定は,フロリゲンFTの機能発揮メカニズムの理解のために残された最も重要な課題であると言える.加えて,最近の報告では,FTは種子におけるタンニンの蓄積にFD非依存的にかかわっている可能性が示唆されている(30)30) M. Chen, D. R. MacGregor, A. Dave, H. Florance, K. Moore, K. Paszkiewicz, N. Smirnoff, I. A. Graham & S. Penfield: Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 111, 18787 (2014)..このような知見を含め,さまざまな植物種において,FT/TFL1相同タンパク質が花成以外の発生現象にかかわることが明らかにされているが(2)2) 平岡和久,大門靖史,荒木 崇:Plant Morphology, 19, 3 (2008).,そうした場合にもフロリゲン複合体に相当するような複合体が形成されているのか,さらに,FD非依存的に機能が発揮される場合にはどのような相互作用因子を介しているのかについては不明のままである.それぞれの現象に対しての解析が待たれる.

Reference

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