セミナー室

アンチフロリゲンの発見と光周性花成を基礎としたキクの周年生産

Tamotsu Hisamatsu

久松

農業・食品産業技術総合研究機構野菜花き研究部門

Published: 2016-06-20

はじめに

多くの植物は季節を感知して適切な時期に花を咲かせることで,自らの生存・繁栄を最適化している.また,特定の季節に咲く花は人々を楽しませ,人々に豊かな実りをもたらす.植物の営みの理解は,自然を理解しようとする立場のみならず,農業など産業の発展の側面からも重要であり,“植物が花を咲かせる仕組みはどうなっているのか?”という疑問に対して古くから多くの研究が行われてきた.2007年に存在の提唱から70年もの間「幻の植物ホルモン」と呼ばれていた花成促進物質(フロリゲン)の分子実体が明らかになり(1, 2)1) L. Corbesier, C. Vincent, S. Jang, F. Fornara, Q. Fan, I. Searle, A. Giakountis, S. Farrona, L. Gissot, C. Turnbull et al.: Science, 316, 1030 (2007).2) S. Tamaki, S. Matsuo, H. L. Wong, S. Yokoi & K. Shimamoto: Science, 316, 1033 (2007).,2013年にはキクを実験材料に花成に不適当な光周期条件の葉で合成されて花成を抑制する情報伝達物質(アンチフロリゲン)の分子実体が明らかになった(3)3) Y. Higuchi, T. Narumi, A. Oda, Y. Nakano, K. Sumitomo, S. Fukai & T. Hisamatsu: Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 110, 17137 (2013)..1930年代以降,膨大な生理学的研究の成果を基礎とした日長調節,温度処理,植物成長調節剤を利用した開花調節技術が開発され,花き生産などの場面において実用化されてきた.生産技術の発達と生産施設の高度化によって,出荷期の拡大と生産の効率化,安定化が図られ,安定的に高品質な花き類を手頃な価格帯で消費者に供給できるようになった.開花生理の研究成果を社会実装し,その恩恵を存分に享受している産業が花き産業であろう.なお,われわれが対象としている「花き」とは,「観賞の用に供される植物」,「花き産業」とは,「花きの生産,流通,販売または新品種の育成の事業」と定義(花きの振興に関する法律)されている.

花芽分化と花成

種子が発芽して,茎頂の成長点で茎葉の分化を続けるのが栄養成長期である.その茎頂の成長点が変化し,形態的に認識できる花の原基(花芽)ができることを花芽分化という.花成とは花芽形成の略語であり,花芽をつくりはじめることを指す.植物は花芽分化・発達の特性から,①ある程度の大きさに成長すると花芽分化するもの,②日の長さが短くなる(短日)あるいは長くなる(長日)と花芽分化するもの,③一定期間低温や高温にあうことで花芽分化するものに大別できる.植物は光,温度,湿度,栄養条件など,さまざまな外界の環境に適応して進化してきたので,花芽分化・発達を制御する要因も多様である.これら環境要因の中で日長の変化は年次変動のない環境要因であり,植物が日長で季節の変化を感知するのは理にかなった選択である.植物が日長の変化を感知して季節を判断し,開花時期や休眠の導入時期などを決定する反応を光周性という.

フロリゲンとアンチフロリゲンの存在

100年以上も前から多くの研究者によって植物の花を咲かせる仕組みについて,膨大な研究が行われてきた.多くの研究成果のうちGarnerとAllard(1920)による光周性の発見(4)4) W. W. Garner & H. A. Allard: J. Agric. Res., 18, 553 (1920).とエレガントな接ぎ木実験の結果提唱されたChailakhyan(1937)のフロリゲン説(5)5) M. K. Chailakhyan: Dokl. Akad. Nauk SSSR, 13, 79 (1936).はメルクマールであろう.フロリゲン説とは,花成の起こる光周期条件において植物が葉で日長を感知して花成を誘導するホルモン様物質(フロリゲン)を合成し,それが茎頂部へと長距離移動して花芽分化を誘導するという仮説である.フロリゲンを同定しようとする膨大な生理学的研究の成果と近年の分子遺伝学的研究の進展によってフロリゲン説から70年後の2007年,長日植物シロイヌナズナのFLOWERING LOCUS TFT)遺伝子,短日植物イネのHeading date 3aHd3a)遺伝子の翻訳産物,FTタンパク質とHd3aタンパク質が実際の情報伝達物質の正体であることが明らかにされた(1, 2)1) L. Corbesier, C. Vincent, S. Jang, F. Fornara, Q. Fan, I. Searle, A. Giakountis, S. Farrona, L. Gissot, C. Turnbull et al.: Science, 316, 1030 (2007).2) S. Tamaki, S. Matsuo, H. L. Wong, S. Yokoi & K. Shimamoto: Science, 316, 1033 (2007).

フロリゲン説の提唱と同時期から,ヒヨス(6)6) A. Lang & G. Melchers: Planta, 33, 653 (1943).,イチゴ(7)7) C. G. Guttridge: Ann. Bot., 23, 612 (1959).,ドクムギ(8)8) L. T. Evans: Aust. J. Biol. Sci., 13, 429 (1960).,キク(9, 10)9) A. H. Weise & J. G. Seeley: Proc. Amer. Soc. Hort. Sci., 85, 574 (1964).10) T. Tanaka: J. Jpn. Soc. Hortic. Sci., 36, 77 (1967).,タバコ(11)11) A. Lang, M. K. Chailakhyan & I. A. Frolova: Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 74, 2412 (1977).,アサガオ(12)12) Y. Ogawa & R. W. King: Plant Cell Physiol., 31, 129 (1990).などさまざまな植物で花成に不適当な光周期条件の葉で花成を抑制する物質が合成されていることを示唆する結果が次々と示された.たとえば,キクの場合,茎先端部の日長条件にかかわらず,すべての葉を短日条件におくと花芽分化するが,上位葉を暗期中断すると花芽分化が抑制される(図1図1■日長感受部位と開花促進物質と抑制物質の存在).また,タバコでは,短日条件でも花芽分化する中性系統に長日条件でのみ花芽分化する長日系統を接ぎ木して短日条件で栽培すると中性系統の花芽分化が抑制された(11)11) A. Lang, M. K. Chailakhyan & I. A. Frolova: Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 74, 2412 (1977)..これらのことから,花成非誘導条件の葉で花成抑制物質(アンチフロリゲン)が合成されると想定された.しかし,アンチフロリゲンの正体はフロリゲンの正体と同様,長い間謎のままだった.

図1■日長感受部位と開花促進物質と抑制物質の存在

(Higuchiら,2013を改変)

アンチフロリゲンの存在を巡る逸話にEvans博士(1927~2015)とLang博士(1913~1996)の議論がある.1930~60年代,フロリゲンの存在と正体を明らかにしようと膨大な生理学的な研究が行われた.Evans博士は長日植物のドクムギを用いた研究から長日条件で合成される開花促進物質の存在とともに,短日条件で合成される阻害物質の存在を示唆した(8)8) L. T. Evans: Aust. J. Biol. Sci., 13, 429 (1960)..これに対して親交の深かったLang博士は批判的であったそうである.15年後,Evans博士にLang博士から届いたカードには“In hindsight I should have done the anti-florigen grafts at the same time as we did the pro-florigen grafts.”と記されていたそうだ.その後,接ぎ木実験によって花成非誘導条件の葉で合成され,長距離移動して花芽分化を抑制するアンチフロリゲンの存在を示唆したLang博士の論文が発表された(11)11) A. Lang, M. K. Chailakhyan & I. A. Frolova: Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 74, 2412 (1977).

花成抑制因子:TFL1はアンチフロリゲンか?

1990年代にシロイヌナズナのFTと同じフォスファチジルエタノールアミン結合タンパク質(PEBP)ファミリーに属するTERMINAL FLOWER1(TFL1)が花成抑制的に機能することが示された(13)13) D. Bradley, O. Ratcliffe, C. Vincent, R. Carpenter & E. Coen: Science, 275, 80 (1997)..また,TFL1はFTと同様にbZIP型の転写制御因子FDと複合体を形成することからFTと拮抗的に働くと考えられた(14~16).これらの結果からTFL1をアンチフロリゲンと呼ぶ機運があったが,近距離の細胞間移動を示す(17)17) L. Conti & D. Bradley: Plant Cell, 19, 767 (2007).ものの,多くの生理学的研究成果で示唆された日長応答や葉から茎頂部への長距離移動といったアンチフロリゲンの条件を満たすものではなかった.シロイヌナズナでは,TFL1遺伝子が生殖成長期の花序分裂組織で強く発現していること,tfl1変異体の表現型が有限花序を示すことから,総状花序(無限花序)の分裂組織維持に重要な役割を担い花序分裂組織がすべて花芽に転換することを抑制し,花序構造を司っていると考えられている(18)18) K. Baumann, J. Venail, A. Berbel, M. J. Domenech, T. Money, L. Conti, Y. Hanzawa, F. Madueno & D. Bradley: J. Exp. Bot., doi: 10.1093/jxb/erv247 (2015).

シロイヌナズナのTFL1はアンチフロリゲンの条件を満たさないものの,TFL1遺伝子のホモログが多年生植物の開花の季節性や幼若期間の決定における重要な因子であることが示されている.ノイバラの開花が春にのみ見られるようにバラの野生種の多くは一季咲き性を示すが,現代のバラ園芸品種の多くは四季咲き性を示す.現代の栽培バラの四季咲き性は,中国古来の四季咲き性のコウシンバラの形質が導入されたものとされている.このコウシンバラの四季咲き性の原因が,TFL1相同遺伝子(KSN)にトランスポゾンが挿入し,KSNの機能が欠損したためであることが示された(19)19) H. Iwata, A. Gaston, A. Remay, T. Thouroude, J. Jeauffre, K. Kawamura, L. H.-S. Oyant, T. Araki, B. Denoyes & F. Foucher: Plant J., 69, 116 (2012)..また,同じバラ科の一季咲き性を示す野生イチゴ(Fragaria vesca)の四季咲き性を示す変異体でもTFL1相同遺伝子のコーディング領域に2bpの欠損によるフレームシフトが見つかっている(19)19) H. Iwata, A. Gaston, A. Remay, T. Thouroude, J. Jeauffre, K. Kawamura, L. H.-S. Oyant, T. Araki, B. Denoyes & F. Foucher: Plant J., 69, 116 (2012)..果樹などの木本生植物では「桃栗三年柿八年」といわれるように発芽から数年間は開花しないことが知られている.このいかなる条件でも花芽分化が誘起されない生育段階を幼若相という.草本,木本にかかわらずTFL1が幼若期間に影響することが示されている.リンゴの事例では対照の非形質転換体培養植物由来の芽は台木に接ぎ木して温室移動後,6年近く経っても開花しないものの,TFL1遺伝子の発現を抑制した形質転換体培養植物由来の芽は台木に接ぎ木して温室移動後,早い系統では温室移動後8カ月程度で開花することが示された(20)20) N. Kotoda, H. Iwanami, S. Takahashi & K. Abe: J. Am. Soc. Hortic. Sci., 131, 74 (2006)..シロイヌナズナは発芽直後から花成に必要な低温に感応するが,近縁種の多年生草本Arabis alpinaは,は種後5週齢まで花成に必要な低温に感応しない.この幼若期の維持にTFL1が重要な役割を担っていることが示された(21)21) R. Wang, M. C. Albani, C. Vincent, S. Bergonzi, M. Luan, Y. Bai, C. Kiefer, R. Castillo & G. Coupland: Plant Cell, 23, 1307 (2011)..このように多年生植物の花成にTFL1が重要な役割を担うことが示されている.

アンチフロリゲンの発見

栽培ギクは同質6倍体(2n=6x=54)で高次倍数性を有し,また自家不和合性が強く遺伝的なヘテロ性が高い.そのため,われわれはキク2倍体野生種,キクタニギク(Chrysanthemum seticuspe f. boreale)を実験材料として,発現遺伝子情報の集積,マイクロアレイの整備,形質転換体作出効率の向上などキクの分子生物学的解析の基盤を整備し,これらの基盤と生理学的解析を駆使して質的な短日性を示すキクの光周性花成の仕組みの解明を目指した.まず,フロリゲンをコードするFT相同遺伝子に注目し,3種類のFT相同遺伝子(CsFTL1–3)を単離した.なかでもCsFTL3の発現は短日条件の葉で高く,また,この遺伝子を過剰発現する形質転換体は長日条件でも開花すること(図2図2■キクのフロリゲンとアンチフロリゲン遺伝子の発見),さらに,過剰発現体と野生型の接ぎ木実験からCsFTL3遺伝子産物がキクのフロリゲンであることを示した(22)22) A. Oda, T. Narumi, T. Li, T. Kando, Y. Higuchi, K. Sumitomo, S. Fukai & T. Hisamatsu: J. Exp. Bot., 63, 1461 (2012).CsFTL3の発現は1回の短日処理では速やかな発現上昇がみられず繰り返しの短日処理によって徐々に発現が高まった(23)23) Y. Nakano, Y. Higuchi, K. Sumitomo & T. Hisamatsu: J. Exp. Bot., 64, 909 (2013)..このCsFTL3の発現パターンは,キクが花芽分化・発達するために繰り返しの短日処理を必要とすることと一致した.さらなる解析を進めると,CsFTL3の発現は長日条件においても比較的多量に発現していること,FTパラログの一つCsFTL1の発現が,CsFTL3と反対に花成非誘導日長条件(長日あるいは暗期中断条件)の葉において発現が高まり,その遺伝子産物は弱い花成誘導活性をもつことが明らかになった(3)3) Y. Higuchi, T. Narumi, A. Oda, Y. Nakano, K. Sumitomo, S. Fukai & T. Hisamatsu: Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 110, 17137 (2013)..これらのことから,CsFTL3CsFTL1の発現動態のみでは質的なキクの花成反応を説明できず,花成非誘導条件で栄養成長を維持する積極的な花成抑制のしくみを想定する必要があると考えられた.前述のとおり,キクを使った局所的な光処理実験から,花成非誘導日長条件(長日あるいは暗期中断条件)の葉で花成抑制物質が合成されていることが示唆されていた(9, 10)9) A. H. Weise & J. G. Seeley: Proc. Amer. Soc. Hort. Sci., 85, 574 (1964).10) T. Tanaka: J. Jpn. Soc. Hortic. Sci., 36, 77 (1967)..そこで,花成誘導条件と花成非誘導条件の葉における遺伝子発現をマイクロアレイによって網羅的に解析した.結果,FTと類似の遺伝子配列をもちながら花成抑制活性をもつTFL1とよく似たタンパク質をコードする遺伝子が花成非誘導条件で特異的に発現が高くなることを見いだした.この遺伝子をAnti-florigenic FT/TFL1 family proteinAFT)と名づけ,さらなる機能解析を進めた.キクタニギクAFT遺伝子(CsAFT)を過剰発現するキク形質転換体は短日条件でも開花せず(図2図2■キクのフロリゲンとアンチフロリゲン遺伝子の発見),反対にCsAFTの機能を抑制した形質転換体は暗期中断条件でも発らいが確認された.そして,過剰発現体と野生型の接ぎ木実験からCsAFT遺伝子産物が長距離移動して花成を抑制することを示すとともに,キクと異なる日長反応を示す長日植物シロイヌナズナの花成も抑制する機能をもつことを示した(3)3) Y. Higuchi, T. Narumi, A. Oda, Y. Nakano, K. Sumitomo, S. Fukai & T. Hisamatsu: Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 110, 17137 (2013)..シロイヌナズナにおいてFT(フロリゲン)は茎頂で発現するbZIP転写因子であるFDと相互作用し,花芽分裂組織遺伝子であるFRUITFULLFULL)遺伝子やAPETALA1AP1)遺伝子といった下流の遺伝子発現を誘導することが知られている.そこで,CsAFTがCsFTL3と拮抗的に花成抑制に作用するかを調べるため,まず,キクタニギクから2種類のFD様遺伝子(CsFDL1, CsFDL2)を単離した.そのうちCsFDL1機能抑制体は短日条件で不開花となり,花成に関与する機能をもつことが示された.さらに,CsFDL1とCsFTL3およびCsAFTのタンパク質間相互作用を解析した結果,CsFTL3およびCsAFTは共にCsFDL1と複合体を形成することが示された(図3図3■キクのフロリゲンとアンチフロリゲンによる花成のしくみ).また,キクタニギクのプロトプラストにおける一過的遺伝子発現系を用いた解析から,CsFTL3–CsFDL1複合体形成によりキクタニギクの花芽分裂組織遺伝子であるAP1/FULL様遺伝子の発現が誘導されること,CsAFTはCsFTL3–CsFDL1複合体形成を阻害してAP1/FULL様遺伝子の発現を抑制することが示された.これらの結果から,キクタニギクから発見されたCsAFTタンパク質が花成非誘導条件の葉で合成され,葉から茎頂部への長距離移行性をもつ花成抑制物質「アンチフロリゲン」の分子実体であることが明らかになった.

図2■キクのフロリゲンとアンチフロリゲン遺伝子の発見

Odaら(2012),Higuchiら(2013)を改変フロリゲン遺伝子(FTL3)を過剰発現する遺伝子組換え体は,長日条件でも開花する.一方,アンチフロリゲン遺伝子(AFT)を過剰発現する遺伝子組換え体は,短日条件でも開花しない.

図3■キクのフロリゲンとアンチフロリゲンによる花成のしくみ

(Higuchiら,2013を改変)短日(SD)条件では,FTL3(フロリゲン)遺伝子の発現誘導およびAFT(アンチフロリゲン)遺伝子の発現抑制によって花成誘導される.一方,長日(LD)あるいは暗期中断(NB)条件では,短日条件とは逆にFTL3遺伝子の発現抑制およびAFT遺伝子の発現誘導によって栄養成長が維持される.

キクタニギクでは,CsAFT遺伝子以外に花成抑制的に機能するCsTFL1の存在が確認されている.CsTFL1の発現は日長条件にかかわらず茎先端部で高く,葉では非常に低い.さらに,過剰発現体は短日条件で開花遅延を示す.CsTFL1もCsAFT同様,CsFTL3–CsFDL1複合体形成を阻害してAP1/FULL様遺伝子の発現を抑制することが示された(24)24) Y. Higuchi & T. Hisamatsu: Plant Sci., 237, 1 (2015)..これらのことから,キクは日長に応答して葉で合成されるアンチフロリゲン(CsAFT)と茎頂近傍で恒常的に合成される花成抑制因子(CsTFL1)による二重の開花抑制機構をもつことが示された.

日本人の生活とキク

キクはわれわれ日本人にとって非常に馴染み深いものである.キクの栽培の歴史は,2千年以上前に中国で薬用として栽培されたのが最初と考えられている.明確ではないものの栽培ギクの原型は唐代に中国で生まれ,日本への渡来は,奈良時代末から平安時代とされている.平安時代には重陽の節句を祝うため,キクを観賞し,菊酒を楽しんだとの記録がある.菊紋「十六弁八重表菊紋」が公式に皇室の御紋とされたのは明治2(1869)年の太政官布告195号によるが,鎌倉時代に後鳥羽天皇がことのほか菊を愛し,菊紋をお使いになったのがはじまりとされている.江戸時代には庶民の間でもキク栽培が流行し新花を競う品評会も盛んに行われていた.こうした長い歴史を経て現在の栽培品種がある.

キクの生態的特性

わが国のキク品種は休眠や開花について幅広い生態的特性を示す.1950年代に,まず日長,温度に対する開花反応に基づいた秋ギク,寒ギク,夏ギク,8月咲きギク,9月咲きギクおよび岡山平和型の6群の生態的分類が岡田によって提唱された(25)25) 岡田正順:園学雑,26, 59 (1957)..この分類はわが国独自のキク切り花周年供給体制を支える基礎となった.1980年代に,これまで日長に対して中性であるとされていた7~9月に開花する品種のうち,7月咲き品種の約半数と8月,9月咲き品種の大部分が限界日長をもち,秋ギク同様,質的短日植物であることが明らかにされ,夏ギク,夏秋ギク,秋ギクおよび寒ギクの4群とする新しい生態的分類が川田と船越によって提唱された(26)26) 川田穣一,船越桂市:農及園,63, 985 (1988)..この分類では,日長反応について,質的,量的反応という概念が導入され,限界日長と適日長限界によって品種が区分された.適日長限界とは切り花生産を想定した開花が著しく促進あるいは抑制される限界の日長を指す.また,温度反応についても,従来の花芽分化温度の違いを示すのではなく,相的発育の概念を新たに導入した特性が分類の指標とされた.新しく提唱された分類は,日長,温度に対する反応と自然開花期との関係を理解しやすくしたばかりでなく,日本独自の秋ギクと夏秋ギクを用いた同一施設での周年生産体系の確立に大きく貢献した.

キクの周年生産

キクは世界三大花きの一つであり,光周性花成の理解をベースに人為的な日長調節が最も広く普及している経済品目である.日本では切り花生産量の約40%を占める最も重要な品目である.キクは短日植物であるため,切り花生産では開花時期の調節と草丈確保のために定植からしばらくの間は長日条件で栽培され,その後,短日条件において開花させることが基本となっている.現在,日本では長日処理として夜間に暗期を分断するように人工光を照射(電照)する暗期中断が行われている.キクの電照栽培では午前0時を中心に4~5時間程度の電照が行われているケースが多い.1940年代に欧米では秋ギクの日長操作による周年生産体系が確立され,わが国にも導入されたが,夏季に高温による開花遅延と切り花品質の低下が起こり,同一施設における周年生産体系は確立できなかった.そこで,11~4月の生産は暖地での季咲きあるいは電照(暗期中断)栽培,7~10月の生産は冷涼地でのシェード(短日処理)栽培,4~7月は夏ギクの促成あるいは季咲き栽培というように地域による出荷時期の季節分担と生態特性の異なる品種の利用により周年供給体系が確立された.しかし,年次変動が大きく計画出荷のうえで問題が残されていた.1970年代になって社会的基盤の充実とともに本格的な周年生産体系の確立を目指した技術開発が進展した.まず,1968年に豊川用水が通水し渥美半島に大規模な生産基盤の整備が進み,温室団地などが造成され,加温栽培が可能な施設が普及して電照栽培による冬季の生産が増加した.夏の課題克服に前述の自然開花期の異なる品種の日長,温度反応の解析(27)27) 川田穣一,豊田 努,宇田昌義,沖村 誠,柴田道夫,亀野 貞,天野正之,中村幸男,松田建雄:野菜・茶業試験場報告,A1, 187 (1987).によって明らかにされた夏秋ギクと称される品種群が貢献した.夏秋ギクは,高温下でも開花遅延や切り花品質の低下が小さい特性をもつとともにその限界日長が日本の夏至の日長より長いため,短日処理なしに電照による花芽分化抑制のみで開花調節が可能である.これらの知見をベースとして1980年代後半に,暗期中断処理により花成を抑制できる夏秋ギク品種を選定することで7~9月に電照によって開花調節できることが示され(28)28) 福田正夫,西尾譲一:愛知農総試研報,16, 178 (1984).,秋ギクと夏秋ギクを組み合わせた日本独自の同一施設での周年生産体系が確立された.周年生産の安定化とともにキク類は,葬儀などの仏花需要が急速に拡大し,現在では年間20億本近い切り花が国内で消費されている.

暗期中断を認識する光センサー

キクの周年生産では暗期中断による開花調節が鍵の一つであるが,この暗期中断の光はどう認識されているのだろうか.キクの花成抑制は赤色(R)光による抑制効果が高く,その効果はR光照射直後の遠赤色(FR)光照射によって部分的に打ち消される(29)29) H. M. Cathey & H. A. Borthwick: Bot. Gaz., 119, 71 (1957).ことから,II型フィトクロムの関与が示唆されてきた.そこで,キクタニギクのPHYB遺伝子(CsPHYB)に着目して解析に取り組んだ.CsPHYBの発現を抑制した形質転換体は暗期中断に低感受となり早期開花した.鍵になる2つの遺伝子の発現を調べると,暗期中断条件下でCsPHYB発現抑制体は野生型に比較してCsFTL3の発現が高く,CsAFTの発現が低くなっていた.このことからCsPHYBが暗期中断時にR光を感受し,花成を抑制する主な光センサーであること,暗期中断時にはCsPHYBを介してフロリゲン合成を抑制し,反対にアンチフロリゲン合成を促進していることが明らかになった(3)3) Y. Higuchi, T. Narumi, A. Oda, Y. Nakano, K. Sumitomo, S. Fukai & T. Hisamatsu: Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 110, 17137 (2013)..また,LED光源などを用いた解析から暗期中断によるキクの花芽分化抑制における分光感度が示されている(30, 31)30) K. Sumitomo, Y. Higuchi, K. Aoki, H. Miyamae, A. Oda, M. Ishiwata, M. Yamada, M. Nakayama & T. Hisamatsu: J. Hortic. Sci. Biotechnol., 87, 461 (2012).31) 白山竜次,永吉実孝:園学研,12, 173 (2013)..興味深いことに,暗期中断で最も効果の高い波長域がフィトクロム(Pr型)の光吸収ピークの660 nm付近よりも短波長側(600~640 nm)にシフトしていた.この原因として,フィトクロムの活性型(Pfr型)と不活性型(Pr型)との光平衡状態(Pfr/Pr+Pfr)とともに緑色植物の葉に多量に存在するクロロフィルなどの化合物とフィトクロムの光吸収スペクトルが重なることが影響すると考えられる.

電照による開花抑制の鍵はアンチフロリゲン遺伝子の発現調節

栽培ギクのモデルに位置づけているキクタニギクでは,CsFTL1, CsFTL2, CsFTL3, CsAFT, CsTFL1の5種類のFT/TFL1様遺伝子の存在が確認されている.これら因子のうち,キクの光照射による開花調節では花成のアクセル役のCsFTL3とブレーキ役のCsAFTの発現調節が鍵となっている.このうち開花抑制の鍵であるAFT遺伝子の発現調節の仕組みはたいへん興味深いものであった.暗期のうちR光照射によるCsAFTの発現誘導に効果的な時間帯を解析したところ,長日条件で育成した植物も短日条件で育成した植物も同様に暗期開始から一定時間後にR光を感知してCsAFTの発現を誘導できる時間帯(光感受相)が現れた(図4図4■アンチフロリゲン(AFT)遺伝子発現誘導のゲート効果).この時間帯は花成抑制に効果の高い光照射の時間帯と一致していた.つまり,キクは明期の長さにかかわらず,暗期開始から一定時間後から数時間,CsAFT遺伝子を誘導するための光感受相をもっており,この光感受相に光を受ける長日条件や暗期中断条件でのみCsAFT遺伝子が強く誘導される積極的な花成抑制のしくみをもっていた.一日のうち特定の時間だけ環境刺激の影響を受ける転写制御機構をゲート効果といい,体内時計によって調節されていると考えられている.

図4■アンチフロリゲン(AFT)遺伝子発現誘導のゲート効果

AFT遺伝子の発現は,体内時計によって調節された特定の時間だけ光刺激の影響を受ける転写制御機構(ゲート効果)をもち,暗期開始から一定時間後の赤色光照射によって誘導される

野生型のキクを24時間の明暗周期においた場合,明期が暗期より短い日長条件で開花する典型的な短日性を示す.ところが24時間以外の明暗周期におくと,明期が暗期より長くても十分な長さの暗期があれば花芽分化する.非24時間周期でのCsFTL3CsAFTの発現解析の結果,やはり,明期と暗期の長さの比でなく,絶対的な暗期の長さを認識していることが示された.この結果は,キクは暗期開始からスタートする体内時計で夜の長さを計測し,CsFTL3CsAFTの発現を調節して開花時期を決めていることを示唆した(3)3) Y. Higuchi, T. Narumi, A. Oda, Y. Nakano, K. Sumitomo, S. Fukai & T. Hisamatsu: Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 110, 17137 (2013)..つまり,キクの光周性花成では,植物は暗期開始からの時間を体内時計で計測し,特定の時間帯に赤色光が届いているかどうかを葉で感知して日長を認識し,フロリゲンとアンチフロリゲンの合成量を調節して開花時期を決めていると考えられた(図5図5■日長条件によるキクの開花調節のしくみ).この日没(暗期開始)から一定時間後に光感受相が現れるという発見は,実際栽培において電照の時間帯を最適化するために重要な基盤となる.異なる限界日長をもつ栽培ギクを供試して電照の時間帯と花成抑制効果の関係を詳細に検討したところ,秋ギク品種では,花成抑制効果の最も高い時間帯は明期の長さにかかわらず暗期開始から一定時間後(このケースでは9~10時間後)に現れ,秋ギク品種に比較して限界日長が長い(限界暗期が短い)夏秋ギク品種では,暗期開始から電照効果の高い時間帯までの経過時間が秋ギク品種に比較して短い傾向が示された(32, 33)32) 白山竜次,郡山啓作:園学研,12, 427 (2013).33) 白山竜次,郡山啓作:園学研,13, 357 (2014)..このことは品種間の限界日長の違いに体内時計による暗期計測のずれが関与している可能性を示唆している.また,生産現場では,栽培それぞれの品種の特性とこれら品種が栽培されている時期の日没時間を基準に,日没からの経過時間を考慮して電照の時間帯の最適化を図る必要性を示している.

図5■日長条件によるキクの開花調節のしくみ

暗期開始から一定時間後にAFT遺伝子の光誘導相が出現する.この誘導相に光を受ける長日(LD)条件や暗期中断(NB)条件でのみAFT遺伝子が強く誘導される.

高温開花遅延とフロリゲン

栽培ギクの開花における温度反応については,品種間差が知られていた(34)34) H. M. Cathey: Proc. Amer. Soc. Hort. Sci., 64, 492 (1954)..日本で栽培される秋ギク型品種の多くは高温で開花遅延するサーモネガティブタイプに分類される.サーモネガティブタイプは,比較的高い温度でも花芽分化するが,その発達は高温で抑制される.暗期中断など光照射による開花抑制は質的に作用するが,高温は量的に作用する.最近,この現象の仕組みについても解析が進んだ(23, 35)23) Y. Nakano, Y. Higuchi, K. Sumitomo & T. Hisamatsu: J. Exp. Bot., 64, 909 (2013).35) Y. Nakano, Y. Higuchi, K. Sumitomo, A. Oda, T. Hisamatsu & Naro: J. Hortic. Sci. Biotechnol., 90, 143 (2015)..キクタニギクを短日・高温(30°C)栽培した場合,適温(20°C)で栽培した場合と比較して分化した花芽の著しい発達抑制による開花遅延が観察される.この時,高温条件下の葉でのCsFTL3(フロリゲン)の発現が適温条件下に比較して抑制されること,同時に茎頂部での花芽分裂組織遺伝子の発現が抑制されていることが見いだされた(23)23) Y. Nakano, Y. Higuchi, K. Sumitomo & T. Hisamatsu: J. Exp. Bot., 64, 909 (2013)..また,栽培ギクを用いた試験で高温開花遅延程度の大きい品種では小さい品種に比較してFTL3遺伝子の発現抑制程度が大きいことが示された(23)23) Y. Nakano, Y. Higuchi, K. Sumitomo & T. Hisamatsu: J. Exp. Bot., 64, 909 (2013)..さらに,台木を高温開花遅延程度の大きい品種,穂木を高温開花遅延程度の小さい品種とする場合と,台木と穂木を逆にする場合を設けた接ぎ木実験で台木の特性が高温開花性に寄与することが示された.これらのことから,高温による葉でのFTL3の発現抑制によって下流の花芽分裂組織遺伝子の発現が抑制され,小花の分化や発達が抑制されることがキクの高温開花遅延の原因であると考えられた.また,日周期の温度の影響を調査した結果,CsFTL3の発現および開花遅延には明期の高温に比較して暗期の高温の影響が大きく,暗期のうちでも暗期の後半の影響が大きいことが示された(35)35) Y. Nakano, Y. Higuchi, K. Sumitomo, A. Oda, T. Hisamatsu & Naro: J. Hortic. Sci. Biotechnol., 90, 143 (2015).

おわりに

先達や自身のこれまでの取り組みを振り返り実用技術開発の難しさを痛感しているが,懲りずに役に立つ技術の開発につながり基礎科学としても価値のある発見を目指していきたいと考えている.GarnerとAllardによる光周性花成の発見(1920年)は,農業分野の発展の基礎となる重要な発見であっただけでなく,基礎科学として動物の季節性の繁殖行動などへ一般化され,社会の発展に大きく貢献した.園芸分野での事例について振り返ると,科学的根拠に基づいた実用技術の開発は「現象の発見」だけでは困難であり,関連分野における「概念の構築」と「社会的基盤の充実」が必要であるといえる.日本での電照栽培の実用化の事例では,光周性花成の発見以降,園芸品目の光周性に関する研究が行われ概念の構築が進んだが,本格的な実用化に至ったのは1960年代後半であり,光周性発見の報告から40年以上の時を経てからであった.これだけの時間を必要とした制限要因は,日長延長のための白熱電球の普及と電力供給網の整備,ハウス栽培施設の普及,短日処理を行うためのプラスチックフィルムの農業分野への普及といった社会的基盤の充実であった.フロリゲン/アンチフロリゲンの分子実体が分子量約20 kDaの高分子であることが明らかになり,多くの人々が夢見たであろう花咲ホルモン(フロリゲン)をそのままのかたちで植物成長調節剤として利用することは現実的でなくなった.多くの研究者を魅了したフロリゲン/アンチフロリゲンの発見が実用技術の開発に結びつくのは何年後でどんなかたちでくるのだろうか.フロリゲン受容体,活性化複合体の解析が進展していることから,複合体の活性を制御する低分子化合物の探索やデザインによって生産現場に貢献できる開花調節剤の開発も夢ではないだろう.今後も多くの方々と協力関係を構築し,科学的根拠に基づいた技術開発に携わり関連分野に貢献していきたいと思う.

Reference

1) L. Corbesier, C. Vincent, S. Jang, F. Fornara, Q. Fan, I. Searle, A. Giakountis, S. Farrona, L. Gissot, C. Turnbull et al.: Science, 316, 1030 (2007).

2) S. Tamaki, S. Matsuo, H. L. Wong, S. Yokoi & K. Shimamoto: Science, 316, 1033 (2007).

3) Y. Higuchi, T. Narumi, A. Oda, Y. Nakano, K. Sumitomo, S. Fukai & T. Hisamatsu: Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 110, 17137 (2013).

4) W. W. Garner & H. A. Allard: J. Agric. Res., 18, 553 (1920).

5) M. K. Chailakhyan: Dokl. Akad. Nauk SSSR, 13, 79 (1936).

6) A. Lang & G. Melchers: Planta, 33, 653 (1943).

7) C. G. Guttridge: Ann. Bot., 23, 612 (1959).

8) L. T. Evans: Aust. J. Biol. Sci., 13, 429 (1960).

9) A. H. Weise & J. G. Seeley: Proc. Amer. Soc. Hort. Sci., 85, 574 (1964).

10) T. Tanaka: J. Jpn. Soc. Hortic. Sci., 36, 77 (1967).

11) A. Lang, M. K. Chailakhyan & I. A. Frolova: Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 74, 2412 (1977).

12) Y. Ogawa & R. W. King: Plant Cell Physiol., 31, 129 (1990).

13) D. Bradley, O. Ratcliffe, C. Vincent, R. Carpenter & E. Coen: Science, 275, 80 (1997).

14) M. Abe, Y. Kobayashi, S. Yamamoto, Y. Daimon, A. Yamaguchi, Y. Ikeda, H. Ichinoki, M. Notaguchi, K. Goto & T. Araki: Science, 309, 1052 (2005).

15) P. A. Wigge, M. C. Kim, K. E. Jaeger, W. Busch, M. Schmid, M. Lohmann & D. Weigel: Science, 309, 1056 (2005).

16) S. Hanano & K. Goto: Plant Cell, 23, 3172 (2011).

17) L. Conti & D. Bradley: Plant Cell, 19, 767 (2007).

18) K. Baumann, J. Venail, A. Berbel, M. J. Domenech, T. Money, L. Conti, Y. Hanzawa, F. Madueno & D. Bradley: J. Exp. Bot., doi: 10.1093/jxb/erv247 (2015).

19) H. Iwata, A. Gaston, A. Remay, T. Thouroude, J. Jeauffre, K. Kawamura, L. H.-S. Oyant, T. Araki, B. Denoyes & F. Foucher: Plant J., 69, 116 (2012).

20) N. Kotoda, H. Iwanami, S. Takahashi & K. Abe: J. Am. Soc. Hortic. Sci., 131, 74 (2006).

21) R. Wang, M. C. Albani, C. Vincent, S. Bergonzi, M. Luan, Y. Bai, C. Kiefer, R. Castillo & G. Coupland: Plant Cell, 23, 1307 (2011).

22) A. Oda, T. Narumi, T. Li, T. Kando, Y. Higuchi, K. Sumitomo, S. Fukai & T. Hisamatsu: J. Exp. Bot., 63, 1461 (2012).

23) Y. Nakano, Y. Higuchi, K. Sumitomo & T. Hisamatsu: J. Exp. Bot., 64, 909 (2013).

24) Y. Higuchi & T. Hisamatsu: Plant Sci., 237, 1 (2015).

25) 岡田正順:園学雑,26, 59 (1957).

26) 川田穣一,船越桂市:農及園,63, 985 (1988).

27) 川田穣一,豊田 努,宇田昌義,沖村 誠,柴田道夫,亀野 貞,天野正之,中村幸男,松田建雄:野菜・茶業試験場報告,A1, 187 (1987).

28) 福田正夫,西尾譲一:愛知農総試研報,16, 178 (1984).

29) H. M. Cathey & H. A. Borthwick: Bot. Gaz., 119, 71 (1957).

30) K. Sumitomo, Y. Higuchi, K. Aoki, H. Miyamae, A. Oda, M. Ishiwata, M. Yamada, M. Nakayama & T. Hisamatsu: J. Hortic. Sci. Biotechnol., 87, 461 (2012).

31) 白山竜次,永吉実孝:園学研,12, 173 (2013).

32) 白山竜次,郡山啓作:園学研,12, 427 (2013).

33) 白山竜次,郡山啓作:園学研,13, 357 (2014).

34) H. M. Cathey: Proc. Amer. Soc. Hort. Sci., 64, 492 (1954).

35) Y. Nakano, Y. Higuchi, K. Sumitomo, A. Oda, T. Hisamatsu & Naro: J. Hortic. Sci. Biotechnol., 90, 143 (2015).