解説

2-オキソグルタル酸依存性ジオキシゲナーゼの多様性と進化

Diversity and Evolution of 2-Oxoglutarate Dependent Dioxygenase

Yosuke Kawai

河合 洋介

東北大学東北メディカル・メガバンク機構

Eiichiro Ono

小埜 栄一郎

東北大学東北メディカル・メガバンク機構

Masaharu Mizutani

水谷 正治

東北大学東北メディカル・メガバンク機構

Published: 2016-08-20

2-オキソグルタル酸依存性ジオキシゲナーゼ(2OGD)は二価鉄を含む水溶性のジオキシゲナーゼであり,低分子化合物からタンパク質やDNAまで様々な生体分子に対して水酸化や脱メチル化など多彩な酸化反応を触媒する.2OGDは細菌から植物,動物まで広く存在しており,ヒトには約60個,各植物種のゲノムには0.5%を占める2OGD遺伝子が存在しているが,進化系統解析に基づく分類命名法は確立されていない.本解説では,生物界全体の2OGDを比較解析し,2OGDの進化と多様性,および代謝活性の有用性について考察する.

はじめに

微生物や植物は膨大な種類の生物活性物質を生合成する能力を有しており,その構造の複雑性と多様性は生合成経路を構成するさまざまな代謝酵素の多様な触媒反応に起因している.分子状酸素の酸素原子を基質に結合する反応を触媒する酸素添加酵素(オキシゲナーゼ)は有機化合物の構造に多様性をもたらす重要な酵素であり,その多くはシトクロムP450(P450)と2-オキソグルタル酸依存性ジオキシゲナーゼ(2OGD)である.P450はヘム鉄を含む膜タンパク質であるのに対し,2OGDは二価鉄を補欠分子族として含む水溶性タンパク質であり,O2の2つの酸素原子のうち,一方を基質と結合させ水酸化し,他方を共基質である2-オキソグルタル酸(2OG)に取り込ませてコハク酸のカルボキシ基として放出し同時に二酸化炭素を生成するジオキシゲナーゼである(図1A図1■2OGDによる二原子酸素添加反応).2OGDの活性中心はH-X-D/E-(X)n-Hからなる2-His-1-carboxylate保存モチーフを含む2本鎖βヘリックスフォールド(Jelly-roll, CupinあるいはJmjCフォールドと呼ばれる)からなり,この触媒三残基に二価鉄が結合している(図1B図1■2OGDによる二原子酸素添加反応).2OGDは水酸化以外にも不飽和化,脱メチル化,エポキシ化,酸化的C–Cカップリング,ハロゲン化など多彩な酸化反応を触媒することができる.一方,2OGDは細菌から動物まで広く分布しているが相同性の低い複数のグループが存在しているため,進化系統解析に基づく分類命名法は確立していない.筆者らは最近,モデル植物の2OGDを包括的に解析し,植物2OGD遺伝子は植物ゲノムの約0.5%を占めておりP450に匹敵する酵素ファミリーであることを報告し,さらに進化系統解析に基づく植物2OGDの分類命名法を報告した(1)1) Y. Kawai, E. Ono & M. Mizutani: Plant J., 78, 328 (2014)..一方,動物や微生物の2OGDについては個別に解析した例がいくつか報告されているが(2~7)2) R. P. Hausinger: Crit. Rev. Biochem. Mol. Biol., 39, 21 (2004).7) F. P. Guengerich: J. Biol. Chem., 290, 20700 (2015).,生物界全体の2OGDを比較解析した例は少ない.そこで本解説では,植物由来2OGDの多様性と進化について解説し,さらに,生物界全体の2OGDを比較解析し2OGDの進化と多様性を考察する.

図1■2OGDによる二原子酸素添加反応

A: 2OGDの反応スキーム,B: 2OGDの反応機構

植物の2OGDの多様性と進化

2OGDには前述の2-His-1-carboxlyateモチーフを含む特徴的なアミノ酸配列モチーフ(2OG-FeII_Oxy: Pfam PF03171)が共通して存在する.そこでタンパク質配列データベースUniprotで2OG-FeII_Oxyモチーフを含む配列を検索し6つのモデル植物の2OGDを包括的に解析した.その結果,シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana,双子葉),イネ(Oriza sativa,単子葉),オウシュウトウヒ(Picea abies,裸子植物)イヌカタヒバ(Selaginella moellendorffii,シダ植物),ヒメツリガネゴケ(Physcomitrella patens,コケ植物),クラミドモナス(Chlamydomonas reinhardtii,緑藻)の全2OGD配列の分類と進化系統解析を行い,2OGDの命名法を提案した(1)1) Y. Kawai, E. Ono & M. Mizutani: Plant J., 78, 328 (2014)..植物2OGDは互いに配列相同性が非常に低い3つのクラス(DOXA class:核酸類の水酸化;DOXB class:プロリンなどのアミノ酸の水酸化;DOXC class:植物二次代謝産物の水酸化)と機能未知(unclassified)に分類された(図2図2■植物2OGD(DOXA, DOXB, DOXC, unclassified)の各クラスの遺伝子数).図2図2■植物2OGD(DOXA, DOXB, DOXC, unclassified)の各クラスの遺伝子数に示すように,植物ではDOXCが陸上植物の進化の過程で著しく増加し,多種多様な二次代謝産物を生合成するように進化したと考えられる.

図2■植物2OGD(DOXA, DOXB, DOXC, unclassified)の各クラスの遺伝子数

1. DOXAとDOXB

DOXAは大腸菌由来AlkBの相同遺伝子として分類されるグループである.AlkBはアルキル化試薬に対する耐性遺伝子として単離同定された2OGDであり,N-メチル化されたDNAのメチル基水酸化および脱メチル化を触媒する(8)8) H. Kataoka, Y. Yamamoto & M. Sekiguchi: J. Bacteriol., 153, 1301 (1983).図3A図3■植物2OGDの代表的な酵素反応).各モデル植物には5~10個のAlkBホモログが存在し,DOXAはすべての生物で保存されたグループであることから2OGDのプロトタイプであると推定され,脱アルキル化によるDNAの修復機構にかかわると推定される.

図3■植物2OGDの代表的な酵素反応

DOXBはプロリン4位水酸化酵素(P4H)として分類されるグループである.P4Hは植物では細胞壁の構成タンパク質であるhydroxyproline-rich O-glycoproteins(HRGP)(エクステンシン,アラビノガラクタンなど)の生成に関与しており,タンパク質の翻訳後修飾として機能し,高分子タンパク質中のプロリンを基質として4位水酸化を触媒する(9)9) R. Hieta & J. Myllyharju: J. Biol. Chem., 277, 23965 (2002).図3B図3■植物2OGDの代表的な酵素反応).DOXBのP4Hは緑藻からすべての陸上植物でよく保存されていることから,HRGPsは細胞壁多糖類と相互作用することにより細胞壁の構造と機能の維持に関与すると推定されるが,その詳細は不明である.

2. DOXC

DOXCは植物二次代謝および植物ホルモンの生合成と不活性化にかかわる多種多様な2OGDからなるクラスである(1)1) Y. Kawai, E. Ono & M. Mizutani: Plant J., 78, 328 (2014)..DOXAおよびDOXBの遺伝子数は各モデル植物で差がないのに対して,DOXC遺伝子の数は,緑藻からコケ植物へと陸上に進出する過程と,さらにシダ植物から種子植物へ進化する過程で著しく増加しており(図2図2■植物2OGD(DOXA, DOXB, DOXC, unclassified)の各クラスの遺伝子数),多種多様な二次代謝産物を生合成するように進化したと考えられる.分子系統解析から植物DOXCはDOXC1-57の57のクレードに分類され,さらに6つのモデル植物内での進化的分布から次の4つのグループI)~IV)に分類した.I)陸上植物で保存されているクレードには3つのクレードが分類されるが機能は不明である.II)維管束植物で保存されているクレードにはジテルペン型植物ホルモンであるジベレリンの生合成にかかわる3β位水酸化と20位酸化を触媒する2OGDが分類され(10)10) S. Yamaguchi: Annu. Rev. Plant Biol., 59, 225 (2008).,ジベレリン生合成が維管束植物で保存されていることを示している(図3C図3■植物2OGDの代表的な酵素反応).III)種子植物に保存されているクレードには,ジベレリン不活性化にかかわる2位水酸化酵素(11)11) S. G. Thomas, A. L. Phillips & P. Hedden: Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 96, 4698 (1999).図3C図3■植物2OGDの代表的な酵素反応),フラボノイド生合成にかかわるフラバノン3位水酸化酵素(F3H)(12)12) L. Britsch, B. Ruhnau-Brich & G. Forkmann: J. Biochem., 267, 5380 (1992).とフラボノ−ル合成酵素(FLS)(13)13) T. A. Holton, F. Brugliera & Y. Tanaka: Plant J., 4, 1003 (1993).とアントシアニジン合成酵素(ANS)(14)14) K. Saito, M. Kobayashi, Z. Gong, Y. Tanaka & M. Yamazaki: Plant J., 17, 181 (1999).図3D図3■植物2OGDの代表的な酵素反応),植物ホルモンであるエチレン生合成の最終段階を触媒する1-aminocyclopropane carboxylic acid oxidase(ACCO)(図3E図3■植物2OGDの代表的な酵素反応)が分類される(15)15) A. J. Hamilton, M. Bouzayen & D. Grierson: Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 88, 7434 (1991)..特に,ACCOはユニークな2OGDであり,2OGの代わりにアスコルビン酸を共基質として利用する.IV)被子植物に保存されているクレードには植物種特異的な2OGD遺伝子が分類され,それぞれの植物種に特有な二次代謝産物を生合成するように独自に進化した2OGD遺伝子である.詳細は近著を参照されたい(1)1) Y. Kawai, E. Ono & M. Mizutani: Plant J., 78, 328 (2014).

3. ゲノム重複による植物2OGDの進化(図4図4■植物の二次代謝関連酵素遺伝子の進化・多様化の模式図

図4■植物の二次代謝関連酵素遺伝子の進化・多様化の模式図

植物の二次代謝系では2OGD以外にもP450やUDP糖依存性糖転移酵素(UGT)が関与しており,これらは種子植物では100コピーを超える多重酵素遺伝子ファミリーを形成している.これら3種の多重酵素遺伝子の数を植物系統間で比較した結果,P450とUGTの遺伝子数は2OGDと同様に系統特異的に増加しており,その増加は全ゲノム重複(whole genome duplication; WGD)に起因することが推察された(16)16) Y. Kawai, E. Ono & M. Mizutani: Plant Biotechnol., 31, 579 (2014)..P450は2OGDやUGTに比べ進化的に早くから増加する傾向があり,コピー数も多い.二次代謝経路は疎水性化合物から水酸化や配糖体化を経て親水性化合物へフローするが,この代謝フローの上流で膜局在性P450は疎水性基質を水酸化し,その下流で水溶性酵素の2OGDやUGTがP450の生成物を専ら基質とし代謝物の水溶性と構造多様性を高めるという重要な役割を担っている.この酵素群の反応序列は代謝経路が異なっても保存されており(1)1) Y. Kawai, E. Ono & M. Mizutani: Plant J., 78, 328 (2014).,多重酵素遺伝子群の出現時期が代謝反応序列におおよそ反映されていると解釈できる.WGDにより増加した代謝酵素遺伝子は植物系統ごとに局所的縦列重複(local tandem duplication; LTD)によってさらに増加し,その結果として系統特異的な遺伝子クラスターを形成する.実際に植物二次代謝にかかわる遺伝子群はそのほかの遺伝子群に比べLTDにより増えたものに偏っており共発現する傾向にある(17)17) L. Chae, T. Kim, R. Nilo-Poyanco & S. Y. Rhee: Science, 344, 510 (2014)..このように増加した酵素遺伝子群がすでに細胞内に生じている系統特異的な二次代謝物に適応すること(機能分化)で多様な植物二次代謝系が拡大進化していったと推察される.

生物界全体に分布する2OGD

上記のように,各植物種には100個を超える20GD遺伝子が存在するが,ヒトにも約60個の2ODG遺伝子が存在している.図5図5■生物界全体に分布する2OGDのアミノ酸配列の類似性に基づいたクラスタリング図はこれまでに報告された2OGD遺伝子を中心に植物,菌類,細菌,ヒトの関係を図示したものである.文献で報告されている2OGDのアミノ酸配列とタンパク質データベースSwissProtから取得したアミノ酸配列の類似性に基づきクラスタリングを行ったものである.図中の点は植物(緑)・細菌(赤)・菌類(紫)・ヒト(青)で色分けされた個々の2OGDを表し,灰色の線はBLASTのe-valueが1e−5以下の2OGDの組み合わせを表している.線で結ばれる2OGDは進化的な類縁関係が示唆され,このような2OGDの集合を赤い楕円で囲いクラスターと呼ぶことにする.水酸化する基質をもとに,図5図5■生物界全体に分布する2OGDのアミノ酸配列の類似性に基づいたクラスタリング図中の14個のクラスターを以下の3つのグループ(1:アミノ酸水酸化,2:核酸代謝,3:二次代謝)に分けて解説する.

図5■生物界全体に分布する2OGDのアミノ酸配列の類似性に基づいたクラスタリング図

図中の点は植物(緑)・細菌(赤)・菌類(紫)・ヒト(青)で色分けされた個々の2OGDを表し,灰色の線はBLASTのe-valueが1e−5以下の2OGDの組み合わせを表している.

1. アミノ酸水酸化

アミノ酸水酸化2OGDはいくつかの機能クラスターに分けることができる.特定の生物系統に限られたクラスターもあれば,クラスター内にヒトと菌類,植物が同時に存在しているものもあり,進化的な起源はそれぞれ古いものだと考えられる(4)4) S. Markolovic, S. E. Wilkins & C. J. Schofield: J. Biol. Chem., 290, 20712 (2015)..基質を元に分類すると,構造タンパク質(コラーゲンなど)を基質とするグループ(A-C),ヒストンやリボソームなどを基質とするグループ(D-G),細菌特異的PKHD-type hydroxylase(H),遊離アミノ酸を基質とするグループ(I)に分類され,以下に各グループについて概略を解説する.

1.1 P4H

このクラスターにはヒトと陸上植物のプロリン4位水酸化酵素(P4H)が含まれており,植物2OGDの分子系統解析でDOXBと分類としたものである(1)1) Y. Kawai, E. Ono & M. Mizutani: Plant J., 78, 328 (2014)..コラーゲンの生合成系にはプロリン4位水酸化(1.1),プロリン3位水酸化(1.2),リジン5位水酸化(1.3)の3種の2OGDが関与しているが,図5図5■生物界全体に分布する2OGDのアミノ酸配列の類似性に基づいたクラスタリング図に示すように分子系統的には別クラスターに分類される.ヒトのP4Hは小胞体においてコラーゲンの前駆体の中のポリペプチド中の(-Gly-X-Pro-)モチーフのプロリン残基に対して行われ(図6A図6■アミノ酸水酸化2OGDの代表的な酵素反応),コラーゲン繊維の三重螺旋構造の形成を維持することでコラーゲン高分子の安定化に寄与している(4)4) S. Markolovic, S. E. Wilkins & C. J. Schofield: J. Biol. Chem., 290, 20712 (2015).

図6■アミノ酸水酸化2OGDの代表的な酵素反応

1.2 P3H

ヒトのLeprecan-like 1(LEPREL1)に代表されるこのクラスターはコラーゲンの特異的なアミノ酸配列(-Gly-Pro-4Hyp-)中のプロリン3位水酸化(P3H)を触媒する(18)18) S. Mordechai, L. Gradstein, A. Pasanen, R. Ofir, K. El Amour, J. Levy, N. Belfair, T. Lifshitz, S. Joshua, G. Narkis et al.: Am. J. Hum. Genet., 89, 438 (2011).図6B図6■アミノ酸水酸化2OGDの代表的な酵素反応).P3Hは上述のP4Hによるプロリン4位水酸化よりは低頻度だが,コラーゲン繊維の代謝(脱安定化)に寄与すると考えられる.少なくとも今回の解析ではP3HはP4Hと独立したクラスターを形成しており(図5図5■生物界全体に分布する2OGDのアミノ酸配列の類似性に基づいたクラスタリング図),水酸化部位の異なるコラーゲン水酸化酵素がどのように生じたのか分子進化の観点からも興味深い.

1.3 PLOD

このクラスターに属する2OGDのProcollagen-lysine, 2-oxoglutarate 5-dioxygenase(PLOD)はコラーゲンの特異的なアミノ酸配列(-Gly-X-Lys-)中のリシン5位水酸化を行う(19)19) T. Hautala, M. G. Byers, R. L. Eddy, T. B. Shows, K. I. Kivirikko & R. Myllylä: Genomics, 13, 62 (1992).図6C図6■アミノ酸水酸化2OGDの代表的な酵素反応).水酸化リシンは近傍のタンパク質のメチオニン残基との間でSulflimine結合(–S=N–)を形成し(20)20) R. Vanacore, A. J. Ham, M. Voehler, C. R. Sanders, T. P. Conrads, T. D. Veenstra, K. B. Sharpless, P. E. Dawson & B. G. Hudson: Science, 325, 1230 (2009).,また,水酸化リシンはO-配糖化されることから(21)21) M. Terajima, I. Perdivara, M. Sricholpech, Y. Deguchi, N. Pleshko, K. B. Tomer & M. Yamauchi: J. Biol. Chem., 289, 22636 (2014).,翻訳後修飾によるコラーゲン繊維構造へ何らかの影響を及ぼしていると推察される.分子系統的には前述のP3HおよびP4Hとは明らかに異なるクラスターを形成する.

1.4 P3,4H

このクラスターに属するヒトの2-oxoglutarate and Fe(II)-dependent oxygenase domain-containing protein 1(OGFOD1)はプロコラーゲンではなくリボソームタンパク質RPS23のプロリンの3位を水酸化する(22)22) R. S. Singleton, P. Liu-Yi, F. Formenti, W. Ge, R. Sekirnik, R. Fischer, J. Adam, P. J. Pollard, A. Wolf, A. Thalhammer et al.: Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 111, 4031 (2014).図6B図6■アミノ酸水酸化2OGDの代表的な酵素反応).分子系統的にも前述のP3HやP4Hとは独立したグループである.OGFOD1と相同な遺伝子は真核生物内で保存されており,出芽酵母の2OGD(TPA1)はリボソームタンパク質Rps23pのプロリンを特異的に水酸化し,TPA1は3位だけでなく連続して4位も水酸化することができる(23)23) C. Loenarz, R. Sekirnik, A. Thalhammer, W. Ge, E. Spivakovsky, M. M. Mackeen, M. A. McDonough, M. E. Cockman, B. M. Kessler, P. J. Ratcliffe et al.: Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 111, 4019 (2014).図6A図6■アミノ酸水酸化2OGDの代表的な酵素反応).これらのP(3),4Hによるリボソームタンパク質の翻訳後修飾は正確な終止コドンの認識に必要である(24)24) J. Henri, D. Rispal, E. Bayart, H. van Tilbeurgh, B. Seraphin & M. Graille: J. Biol. Chem., 285, 30767 (2010).

1.5 PHD

ヒト2OGDで特に研究が進んでいるのは低酸素応答性の分子種である(25)25) A. Ozer & R. K. Bruick: Nat. Chem. Biol., 3, 144 (2007)..αβサブユニットからなるHypoxia-Inducible transcription Factor(HIF)は低酸素化でさまざまな下流の遺伝子発現を調節する転写因子であり,αサブユニットは通常,Prolyl Hydroxylase Domain酵素(PHD)と呼ばれる2OGDによってN末とC末の2カ所のプロリン4位を水酸化される(図6A図6■アミノ酸水酸化2OGDの代表的な酵素反応).この水酸化はE3ユビキチンリガーゼ複合体との親和性を高め,速やかにHIF-αタンパク質が分解される.低酸素化ではPHDの活性が低下し,HIF-α発現誘導されることで低酸素応答が誘導される(26)26) M. Ivan, K. Kondo, H. Yang, W. Kim, J. Valiando, M. Ohh, A. Salic, J. M. Asara, W. S. Lane & W. G. Kaelin Jr.: Science, 292, 464 (2001)..PHDはPseudomonas属にも見つかっており,原核生物起源だと考えられている(27)27) J. S. Scotti, I. K. Leung, W. Ge, M. A. Bentley, J. Paps, H. B. Kramer, J. Lee, W. Aik, H. Choi, S. M. Paulsen et al.: Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 111, 13331 (2014).

1.6 JmjCとROXA

JmjCクラスターはJumonji C(JmjC)ドメインを含む2OGDであり,真核生物に保存されており,ヒストン脱メチル化や転写翻訳装置などさまざまなタンパク質を水酸化する複数のグループから構成される.ヒストンのアミノ末端のリジン残基のメチル化はクロマチン構造に影響して遺伝子発現を制御するエピジェネティックな機構であり,JMJDはこのメチル化されたヒストンのリジン残基の脱メチル化を触媒する(28)28) Y. I. Tsukada, J. Fang, H. Erdjument-Bromage, M. E. Warren, C. H. Borchers, P. Tempst & Y. Zhang: Nature, 439, 811 (2006).図6D図6■アミノ酸水酸化2OGDの代表的な酵素反応).また,前述のPHD以外に,低酸素応答にかかわる2OGDとしてJmjCドメインをもつFactor Inhibiting HIF(FIH)はHIF-αのC末転写活性化ドメインのアスパラギン残基の3位を水酸化する(29)29) D. Lando, D. J. Peet, J. J. Gorman, D. A. Whelan, M. L. Whitelaw & R. K. Bruick: Genes Dev., 16, 1466 (2002).図6E図6■アミノ酸水酸化2OGDの代表的な酵素反応).

ROXAクラスターに分類される2OGDもJmjCドメインをもつリボソームタンパク質を水酸化する酵素であり,ヒトから大腸菌まで保存されている.ヒトのMINA53やNO66はRpl27aとRpl8のヒスチジン残基の3位をそれぞれ水酸化し(図6F図6■アミノ酸水酸化2OGDの代表的な酵素反応),大腸菌のycfD遺伝子はL-16のアルギニン残基の3位の水酸化を介して翻訳効率を制御している(30, 31)30) W. Ge, A. Wolf, T. Feng, C. H. Ho, A. Zayer, N. Granatino et al.: Nat. Chem. Biol., 8, 960 (2012).31) L. M. van Staalduinen, S. K. Novakowski & Z. Jia: J. Mol. Biol., 426, 1898 (2014).図6G図6■アミノ酸水酸化2OGDの代表的な酵素反応).このようにJmjCドメインをもつ2OGDは低酸素応答HIF-α転写因子の水酸化を通して細胞内の酸素センサーとして機能し,あるいは翻訳装置を構成するタンパク質の水酸化を介して,基本的な細胞の営みにかかわっていることが明らかになりつつある.

1.7 ASPH

ASPH(Aspartyl/asparaginyl β-hydroxylase)は独立したクラスターを形成する2OGDであり,ヒトのASPHは上皮成長因子(EGF)ドメインタンパク質のアスパラギン・アスパラギン酸の3位水酸化を触媒する(32)32) F. Korioth, C. Gieffers & J. Frey: Gene, 150, 395 (1994).図6E図6■アミノ酸水酸化2OGDの代表的な酵素反応).また,このクラスターにはバクテリアの2OGDも分類され,そのうち,Mesorhizobium loti由来のMlP4HとSinophyzobium meliloti由来のSmP4Hは遊離のプロリンを基質とするcis-4位水酸化酵素として同定されている(33)33) R. Hara & K. Kino: Biochem. Biophys. Res. Commun., 379, 882 (2009).

1.8 PKHD

このクラスターはPKHD(Pro/Lys hydroxylase)と呼ばれ,細菌特異的なクラスターを形成している(図5図5■生物界全体に分布する2OGDのアミノ酸配列の類似性に基づいたクラスタリング図).分子系統的にはDOXBを含むプロリン水酸化酵素群と後述する二次代謝にかかわるDOXCをつなぐハブ的な位置を占めており,2OGDの分子進化を考えるうえで重要なグループと推察されるが,生化学的な機能はまだよくわかっていない.Pseudomonas属の2OGDであるpiuC遺伝子の機能欠損株は鉄キレート性抗生物質のBAL30072に対して耐性を示すことから,シデロフォアの取り込みあるいは代謝にかかわっていると推察された(34)34) C. Van Delden, M. G. Page & T. Köhler: Antimicrob. Agents Chemother., 57, 2095 (2013)..また,水生菌CaulobacterのPKHD-type Hydroxylase(CCNA_0027)は,鉄欠乏や鉄取り込み阻害因子の欠損株で遺伝子発現が上昇する(35)35) J. F. da Silva Neto, R. F. Lourenço & M. V. Marques: BMC Genomics, 14, 549 (2013)..これらのことからバクテリアのPKHDの機能の一つとしてシデロフォアを介した細胞外物質の取り込みへの関与が推察されるが,酵素機能は不明である.

1.9 IDO

IDO(l-isoleucine 4-hydroxylase)はBacillus thuringiensisにおけるイソロイシン代謝経路中に新規に見つかった2OGDであり,Ile 4位水酸化を触媒する(36)36) J. Ogawa, T. Kodera, S. V. Smirnov, M. Hibi, N. N. Samsonova, R. Koyama, H. Yamanaka, J. Mano, T. Kawashima, K. Yokozeki et al.: Appl. Microbiol. Biotechnol., 89, 1929 (2011).図6H図6■アミノ酸水酸化2OGDの代表的な酵素反応).IDOはIle以外にもさまざまな脂肪族アミノ酸に対する水酸化活性を示し,含硫アミノ酸のスルホキシド化活性も有する.微生物にはIDOホモログが存在し,同様にアミノ酸水酸化およびスルホキシド化活性を有する(37)37) M. Hibi & J. Ogawa: Appl. Microbiol. Biotechnol., 98, 3869 (2014)..IDOクラスターはほかの2OGDとは進化系統的な関連は見いだされずユニークなグループを形成している.また,シアノバクテリアであるNostoc punctiformeの生理活性ペプチドであるノストペプトリドの生合成遺伝子クラスター中に見いだされるLdoAはL-leu 5位水酸化活性を有するユニークな2OGDである(38)38) M. Hibi, T. Kawashima, P. M. Sokolov, S. V. Smirnov, T. Kodera, S. Sugiyama, S. Shimizu, K. Yokozeki & J. Ogawa: Appl. Microbiol. Biotechnol., 97, 2467 (2012).図6I図6■アミノ酸水酸化2OGDの代表的な酵素反応).このように,微生物からさまざまな新規2OGDが見いだされており,いずれも遊離の脂肪族アミノ酸に対して立体選択的な水酸化活性を有することから,これらの2OGDを活用した酵素工学や代謝工学により水酸化アミノ酸およびその誘導体の生産技術への応用が期待される.

2. 核酸代謝:DOXAとTET

植物の項で述べたように,DOXAは大腸菌AlkBのホモログからなるグループであり,メチル化された核酸を酸化的脱メチル化することによりDNAを修復する役割を果たしている(5, 39, 40)5) B. I. Fedeles, V. Singh, J. C. Delaney, D. Li & J. M. Essigmann: J. Biol. Chem., 290, 20734 (2015).39) P. Ø. Falnes, R. F. Johansen & E. Seeberg: Nature, 419, 178 (2002).40) S. C. Trewick, T. F. Henshaw, R. P. Hausinger, T. Lindahl & B. Sedgwick: Nature, 419, 174 (2002)..DOXAは植物ウイルスから動物まで全生物で保存されている.各生物には複数の基質特異性の広いDOXAタイプが存在しDNAだけではなくRNAやtRNAの脱メチル化を触媒することから,2OGDのプロトタイプであると考えられる.

TET(ten-eleven translocation)はDOXAとは異なるユニークな2OGDに分類され,エピゲネティックなDNA修飾であるシトシンの5位メチル基を酸化的に取り除く(41~43)41) M. Tahiliani, K. P. Koh, Y. Shen, W. A. Pastor, H. Bandukwala, Y. Brudno, S. Agarwal, L. M. Iyer, D. R. Liu, L. Aravind et al.: Science, 324, 930 (2009).42) S. Ito, L. Shen, Q. Dai, S. C. Wu, L. B. Collins, J. A. Swenberg, C. He & Y. Zhang: Science, 333, 1300 (2011).43) Y. F. He, B. Z. Li, Z. Li, P. Liu, Y. Wang, Q. Tang, J. Ding, Y. Jia, Z. Chen, L. Li et al.: Science, 333, 1303 (2011).図7A図7■核酸代謝および二次代謝にかかわる2OGDの代表的な酵素反応).TETホモログは真核生物に広く保存されており,ヒトには機能重複する3つのTET遺伝子が存在し,胚発生時の遺伝子発現の制御にかかわっている(44)44) J. Kang, M. Lienhard, W. A. Pastor, A. Chawla, M. Novotny, A. Tsagaratou, R. S. Lasken, E. C. Thompson, M. A. Surani, S. B. Koralov et al.: Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 112, 4236 (2015).

図7■核酸代謝および二次代謝にかかわる2OGDの代表的な酵素反応

3. 二次代謝

3.1 DOXC

筆者らの先行研究で陸上植物の2OGDの大部分はこのクラスターに属することを明らかにしたが,興味深いことに放線菌などのバクテリアや真菌類また植物病原菌もDOXCをもっており抗生物質やエチレンなどの生合成に利用している.ペニシリンやセファロスポリン生合成系のisopenicillin N synthase(IPNS)は2環性のisopenicillin Nを生成する反応を触媒するが(45)45) S. M. Samson, R. Belagaje, D. T. Blankenship, J. L. Chapman, D. Perry, P. L. Skatrud, R. M. VanFrank, E. P. Abraham, J. E. Baldwin, S. W. Queener et al.: Nature, 318, 191 (1985).図7B図7■核酸代謝および二次代謝にかかわる2OGDの代表的な酵素反応),興味深いことにIPNSは2OGを共基質として利用しない(46)46) C. J. Schofield & Z. Zhang: Curr. Opin. Struct. Biol., 9, 722 (1999)..同様に,β-ラクタム系抗生物質を生産するさまざまな細菌,放線菌,カビからIPNSホモログが単離同定されている.また,植物病原菌であるPseudomonas syringaeにはエチレン生合成能をもつものが存在し,2OGDであるエチレン生合成酵素(EFE)を保持している(47)47) H. Fukuda, T. Ogawa, M. Tazaki, K. Nagahama, T. Fujii, S. Tanase & Y. Morino: Biochem. Biophys. Res. Commun., 188, 483 (1992).図7C図7■核酸代謝および二次代謝にかかわる2OGDの代表的な酵素反応).植物のエチレン合成酵素(ACCO)は1-aminocyclopropane carboxylic acidを基質とし2OGではなくアスコルビン酸を共基質として利用してエチレンを生成するが(図3E図3■植物2OGDの代表的な酵素反応),微生物のEFEでは2OGと酸素からエチレンとCO2と水を生じる反応を触媒し,植物のACCOとは全く異なる.細菌や菌類のDOXCはその近縁種にしか見つからないことを考慮すると,これらのDOXC関連遺伝子は遺伝子の水平転移などにより派生的に獲得されたものである可能性が高い.特に,P. syringaeEFE遺伝子は常在性プラスミドに存在することから,EFE遺伝子を水平転移により獲得し病原性を高めていると推定される(48)48) H. Weingart, B. Völksch & M. S. Ullrich: Phytopathology, 89, 360 (1999).

3.2 CAS/TauD

このクラスターは抗生物質生合成あるいはタウリン生合成にかかわる2OGDが分類され,生物界に広く保存されている.放線菌の生産する抗生物質であるクラブラン酸生合成にかかわるクラバミン酸合成酵素(CAS)(49)49) J. W. Janc, L. A. Egan & C. A. Townsend: J. Biol. Chem., 270, 5399 (1995).図7D図7■核酸代謝および二次代謝にかかわる2OGDの代表的な酵素反応)や,細菌やカビのペプチド性抗生物質生合成にかかわるさまざまな2OGDがこのクラスターに分類される.一方,大腸菌においてタウリンの分解にかかわるTauDもここに分類される(50)50) E. Eichhorn, J. R. van der Ploeg, M. A. Kertesz & T. Leisinger: J. Biol. Chem., 272, 23031 (1997)..TauDはタウリンを酸化して亜硫酸を脱離しアミノアセトアルデヒドを生成する反応を触媒する2OGDである(図7E図7■核酸代謝および二次代謝にかかわる2OGDの代表的な酵素反応).酵母にもTauDホモログYLL057cが存在し,スルホン酸の代謝にかかわることが示されている(51)51) D. A. Hogan, T. A. Auchtung & R. P. Hausinger: J. Bacteriol., 181, 5876 (1991)..放線菌の核酸系抗生物質A-90289の生合成遺伝子クラスターにはLipL遺伝子が存在し,uridine-monophosphateからuridine-5′-aldehydeを生成する反応を触媒する(52)52) Z. Yang, X. Chi, M. Funabashi, S. Baba, K. Nonaka, P. Pahari, J. Unrine, J. M. Jacobsen, G. I. Elliott, J. Rohr et al.: J. Biol. Chem., 286, 7885 (2011)..ヒトにもCAS/TauDに分類される遺伝子が2つ存在し,脂質代謝にかかわるビタミン様物質であるカルニチン生合成酵素であるN-Trimethyllysine hydroxylase(TMLD)(53)53) F. M. Vaz, R. Ofman, K. Westinga, J. W. Back & R. J. Wanders: J. Biol. Chem., 276, 33512 (2001).およびγ-butyrobetaine hydroxylase(BBD)(54)54) F. M. Vaz, S. van Gool, R. Ofman, L. Ijlst & R. J. Wanders: Biochem. Biophys. Res. Commun., 250, 506 (1998).をコードしている(図7F図7■核酸代謝および二次代謝にかかわる2OGDの代表的な酵素反応).植物ゲノム中にもCAS/TauDに分類される遺伝子が1~2個存在するが,その機能が不明である.

3.3 PhyH

このクラスターには,分枝鎖脂肪酸であるフィタン酸のα酸化を行うための重要な酵素であるphytanoyl-CoA 2-hydroxylaseが分類される(55)55) G. A. Jansen, R. Oftnan, S. Ferdinandusse, L. Ijlst, A. O. Muijsers, O. H. Skjeldal, O. Stokke, C. Jakobs, G. T. N. Besley, J. E. Wraith et al.: Nat. Genet., 17, 190 (1997).図7G図7■核酸代謝および二次代謝にかかわる2OGDの代表的な酵素反応).バクテリアにもPhyHに分類されるEctD遺伝子があり,浸透圧ストレスの適応溶質であるectoineの5位水酸化を触媒するectoine hydroxylaseであり(56)56) J. Bursy, A. U. Kuhlmann, M. Pittelkow, H. Hartmann, M. Jebbar, A. J. Pierik & E. Bremer: Appl. Environ. Microbiol., 74, 7286 (2008).図7H図7■核酸代謝および二次代謝にかかわる2OGDの代表的な酵素反応),放線菌ではセスキテルペン抗生物質あるペンタレンラクトン生合成酵素の一つPtlHがここに含まれる(57)57) Z. You, S. Omura, H. Ikeda & D. E. Cane: J. Am. Chem. Soc., 128, 6566 (2006)..また,Aspergillus fumigatusが生産するマイコトキシンであるFumitremorginの生合成にかかわるVerruculogen synthaseもPhyHクラスに分類される(58)58) N. Kato, H. Suzuki, H. Takagi, M. Uramoto, S. Takahashi & H. Osada: ChemBioChem, 212, 711 (2011).

まとめと展望

ここまで紹介してきたように,2OGDは低分子化合物からタンパク質やDNAまでさまざまな生体分子に対して酸素添加反応を触媒し,エピジェネティクスから生体防御機構までさまざまな生理機能に関与しており,一括りに2OGDとしてまとめて扱うのが難しい酵素である.次世代シークエンサーによってゲノム解析がハイスループット化され,膨大な数の2OGDが日々見つかってきているが,酵素機能が明らかにされている分子は限られており,2OGDの遺伝学的および生化学的な機能解析のハイスループット化が大きな技術課題である.2OGDは酵素反応が非常に速く,高価な補酵素(NADPH)を必要とせず,水溶性化合物を水酸化できるなど,同じ酸素添加酵素であるP450と比べると利点は多い.2OGDはさまざまな有機化合物に対して多様な酸素添加活性を示すことから,生物活性物質の物質生産を行ううえで有用な酵素遺伝子資源であり,2OGDを利用した酵素工学や代謝工学により新規で多様な生物活性物質を生産することができると期待される.

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