学界の動き

JST「日中女性科学者シンポジウム2016 in Japan」見聞録

丸山 如江

Yukie Maruyama

摂南大学理工学部

向井 理恵

Rie Mukai

徳島大学生物資源産業学研究部

吉永 直子

Naoko Yoshinaga

京都大学大学院農学研究科

裏出 令子

Reiko Urade

京都大学大学院農学研究科

Published: 2016-09-20

はじめに

満開の桜が美しい春爛漫の4月6日,国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)東京本部別館でJST/日本女性科学者交流会の主催による「日中女性科学者シンポジウム2016 in Japan」が開催されました.本シンポジウムは,「男女共同参画社会」の実現を目的に,1992年以来4回開催されており,今年は6年ぶり5回目の開催でした.今回は「日中女性研究者の更なる飛躍に向けて」がテーマとして掲げられ生命科学分野が取り上げられたため,日本からは「日本分子生物学会」「日本農芸化学会」「日本薬学会」「日本生化学会」「日本癌学会」から優れた研究業績を有する40歳以下の女性研究者17名が招聘されました.日本農芸化学会からは,卓越した研究業績をあげておられる3名の新進気鋭の女性研究者(吉永直子博士,丸山如江博士,向井理恵博士)を推薦し参加していただきました.今回,農芸化学会から初めてこのシンポジウムに参加者を派遣することができたことは画期的であり,たいへん喜ばしいことでした.これまでの過去のシンポジウムを通して,日中両国の女性科学者の相互理解が深められるとともに,研究環境の向上に向けた提言が行われてきたとのことです.参加していただいた3名の方々には,生命科学分野でさまざまな研究を行っている日中の旬の女性研究者と“科学”という共通言語を通して出会うことにより,将来にわたり継続する研究交流や人的交流の芽を育んでいただいたことと確信しています.

(男女共同参画委員会委員長 裏出令子)

見聞録

1. 基調講演

交流会初日の4月6日,「日中女性科学者シンポジウム2016 in Japan」が東京都千代田区のJST東京本部別館で開かれました.日中両国から若手女性研究者がそれぞれ20名近く招聘された会場には,オープンシンポジウムだったこともあって多数の一般参加者も見受けられ,皆一様に同時通訳の音声ガイドに耳を傾けました.午前の部は2題の基調講演で,日中における女性研究者を巡る現状が紹介され,午後のトピックス4題は,両国を代表する女性研究者によるご自身の研究紹介が行われました.

基調講演一人目は中国科学院大学公共政策・管理学院院長を務める方新(Fang Xin)教授.飾らない人柄と柔和な表情が印象的な方教授の略歴を拝見すると,前中国科学院副書記,中国科学院共産党学校校長,第三世界婦人科学組織主席,と錚々たる肩書きが並びます.行政・教育の立場から,近年の中国女性科学者育成に深く携わった人物ならではの視点で紹介される中国女性科学者の現状に関するデータには,興味深い点がいくつかありました.講演内容の詳細は,JSTのホームページ(1)1) 科学技術振興機構:日中女性科学者シンポジウム2016 in Japan—開催報告,http://www.spc.jst.go.jp/event/symposium_reports/conf160406.html, 2016.を参照いただくとして,ここでは筆者らが特に関心をもった点について詳述させていただきます.まず,女性科学者の割合が少ないこと,キャリアや年齢が上がるほどその傾向が強まる点など,日中両国で共通する問題があるのは予想どおりでした.その一方で,中国では研究開発にかかわる科学技術者300万人のうち40%を女性の科学技術者が占めるという事実はいくらか衝撃的で,この直後に日本側の紹介で黒田玲子教授の示された(日本の女性研究者の割合)14.4%という数字と比べても違いは明瞭でした(単純に比較していい数字かどうかはわかりませんが).アジアで開催される国際学会にいくと,必ずといっていいほど,中国人の女性研究者が多数参加している点に気づいてはいましたが,数字で示されると改めて感心します.なるほどと思ったのは,毛沢東時代の1950年代に中国は一度は男女平等を実現していたという点でした.その話を聞いて,文革時代を生き抜いた女性三代のノンフィクション「ワイルド・スワン」を思い出しましたが,そのなかでも,女性に纏足が課せられていた祖母の時代から一足飛びに母の時代では男女平等のスローガンが国を席巻していました(ちなみに,方教授は著者ユン・チアンと同世代のようです).一度は性差のない社会になった後で,なぜ,再び女性科学者としての進路が狭まってしまったのか.この疑問はずっと心に残っていて,後のフリータイムに方教授に個人的に聞いてみました.女性の科学への進出,ビジネスへの進出が減ったのは経済格差が出てきてからで,女性自身が働くよりも,稼ぎのいい男性に働いてもらって分業するほうが出産・子育てなどに有利だったから,家庭に入ることを女性自身が選んだから,とのことでした.女性のほうが能力的に劣っているという偏見からではなく,あくまで出産・子育てというオプションを客観的に判断してのこと,と明言されていました.ただ,男女の脳の処理能力に差がないという認識・科学的根拠を認めているにしても,社会的要因に関係なく女性の割合が自ずと少ない分野があり,それが工学・数学だそうです.この点について方教授の考え方は斬新で,この分野に女性が向いていないからではなく,女性向けの教育のしかたをもっと工夫すれば(たとえば女性が女性を教育するなど)改善できる可能性があり,とにかく教育が何より大事だとのご意見でした.また,女性が男性より能力的に劣っているという考え方が中国で皆無というわけでもないようで,講演のなかでも,そうした偏見を否定する科学的根拠に言及する場面がありました.上の世代にはこうした女性軽視の発想がなく,「『男にできることは女にもできる』という考え方が広まっていた」という発言からも,偏見が再び中国国内で生まれつつある様子がうかがえます.ただ,講演中に再三強調されていたのは,あくまで女性側の出産・子育てにまつわるハンデを補償する国の制度拡充の必要性であり,女性自身の科学に対する興味とイノベーションへの気概,それを育てる教育に力を入れていくというハード面での対策の重要性でした.そのために,女性用の研究基金の準備,女性の権利を守るための女性研究者組織の設立,学会のリーダーに女性を登用する働きかけ,と法的に具体的に平等を担保する政策提案を掲げるだけでなく,その対象は少数民族など中国国内に限らず,発展途上国の女性研究者育成を目指しているそうです.挑戦的な提案ですが,すでに女性研究者の割合がある程度高く,女性研究者の現状(地位,役割,貢献,阻害要因)について詳細な研究を国単位で進めており,最新の数字でいくつか大きな改善点を挙げているのを拝見すると,建前や宣伝目的の発言ではなく,着実かつ冷静な展望である印象を受けました.

つづいて,国際科学会議(ICSU)副理事や国連事務総長科学諮問委員会委員を歴任された東京大学名誉教授で東京理科大学研究推進機構総合研究院の黒田玲子教授による基調講演がありました(こちらも上記ウェブサイトに詳録があるのでご参照ください).NHKの朝ドラ「あさが来た」のモデル広岡浅子に始まり,明治期の偉大な女性たちの紹介,つづいて,安倍内閣の「すべての女性が輝く社会づくり推進室」設立と2020年には指導的地位に女性が占める割合を少なくとも30%程度になるよう期待するという202030という目標が紹介されました.客観的な数値としては,女性研究者の数が2003年時に9万人だったのが10年間で13万人近く増えたグラフや,「女性新入社員の53%が課長以上の管理職を,2%が社長を目指す」という明治生命のアンケートなど,もう少し明るい数字が欲しいところですが,個人の雑感としてはこんなものかというところです.講演後半ではご自身の学生時代を振り返り,指導教官が見合い話をもってこられて,「こんなところにいたのでは研究はできない」とイギリスに渡った経緯に触れられ,「もし自分が男性だったら,研究室にとどまって,言われた仕事をこなすだけで英語を話せるようにもならなかった.そういう意味で海外に出る決心をさせてくれた教官に感謝している」と会場の笑いを誘われました.ロンドン大学キングス・カレッジ在任時代の経験や,どうしても固体状態のキラリティーを観測したくて装置開発にまでかかわったお話,そしてご自身が提唱されたカイロモルフォロジー(chiromorphology)研究の中心となった巻貝研究(2)2) R. Kuroda, B. Endo, M. Abe & M. Shimizu: Nature, 462, 790 (2009).の概要を,巻貝の飼育法確立に苦戦したところから,さまざまなエピソードを交えて紹介されました.遺伝子で決められている巻貝の右巻きと左巻きが,培養胚をガラス棒の先でそっと変形させるだけで逆巻きになるという,遊びのようなシンプルな実験がブレークスルーにつながったお話が印象的でした.「わくわくすること,教科書を書きかえるような発見をすること,その楽しさを味わってみませんか」と呼びかけて,講演を締められました.このメッセージは,方教授の「生活安定のためではなく,イノベーティブな役割を(女性科学者が)もっと果たすべき」,「大事なのは科学に対する興味があるかどうか,またどれだけ努力できるかで,そういう視点での教育が必要」という発言に呼応するように聞こえ,後輩の女性科学者に向けた温かい激励を感じました.

2. トピックス講演

シンポジウム午後の部最初の演者は中国科学技術大学の謝毅(Xie Yi)教授で,超薄型半導体について講演されました.電子構造や格子構造を変化させ,光触媒活性をもたせることにより,二酸化炭素の還元や汚染物質の除去など,幅広い応用が可能とのことでした.次に,東京大学大学院農学生命科学研究科の中西友子教授が,中性子線やリアルタイムRIイメージングシステムによる植物中の水やミネラルの循環に関する研究を紹介されました.つづいての中国科学院生物物理研究所の閻鍚蘊(Yan Xiyun)教授のご講演では,ペルオキシダーゼ様の活性をもつ磁性ナノ粒子(ナノザイム)の発見とその応用研究について,お話がありました.最後に,お茶の水大学の室伏きみ子学長が,ヒト血液中に含まれる生理活性脂質の一種である環状ホスファチジン酸(cPA)の生理機能と,多発性硬化症や変形性ヒザ関節症治療などの医療への応用の可能性を紹介されました.

最先端の科学研究を拝聴し,第一線で活躍される女性研究者のお話に感銘を受けるとともに,専門外の中国の先生方の講演を,しかも同時通訳という恵まれた条件で聞く機会をいただいたことを,たいへんありがたく感じました.特に,3番目の演者である閻教授のお話は,生物学的にも化学的にも不活性であると思われている磁性ナノ粒子(マグネタイト:Fe3O4)に,内在的な酵素様活性が見られるということで,印象的でした.ナノ粒子という言葉に,最初は生命科学とは関係の薄い話題かと思いましたが,身近な分野で使われていることに気づかされます.金ナノ粒子は電子顕微鏡を用いた免疫反応の可視化に使われますし,マグネタイトと言えば,走磁性細菌の細胞内にナノ粒子として存在し,磁気の感知に機能することが知られています.また,マグネタイトナノ粒子は,抗体や結合タンパク質を固定化することによりタンパク質のアフィニティ精製に利用されたり,薬剤を担持して外部磁場で誘導することにより薬剤を患部に運ぶドラッグデリバリーに利用されたりと,さまざまな用途で用いられています.マグネタイトナノ粒子の内在性酵素様活性は,元々はネガティブコントロールとして実験に用いた抗体分子未固定のナノ粒子から偶然発見されたとのこと.2007年にその発見が発表されて以来(3)3) L. Gao, J. Zhuang, L. Nie, J. Zhang, Y. Zhang, N. Gu, T. Wang, J. Feng, D. Yang, S. Perrett et al.: Nat. Nanotechnol., 2, 577 (2007).,従来の使用方法による活性(固定化された分子による性質)にマグネタイトのもつ内在性のペルオキシダーゼ様活性が加わったことにより,ナノザイムを用いた高精度かつ迅速なウイルス検出や腫瘍診断,感染症の局所部位の特定など,幅広い応用研究が展開されており(4, 5)4) K. Fan, C. Cao, Y. Pan, D. Lu, D. Yang, J. Feng, L. Song, M. Liang & X. Yan: Nat. Nanotechnol., 7, 459 (2012).5) D. Duan, K. Fan, D. Zhang, S. Tan, M. Liang, Y. Liu, J. Zhang, P. Zhang, W. Liu, X. Qiu et al.: Biosens. Bioelectron., 74, 134 (2015).,講演ではその内容についても紹介していただきました.

3. 交流会

シンポジウム終了後は大型バスで東京を後にし,晴れ渡った富士山と河口湖が眼前に広がる山梨県の有隣園にて,手作りの郷土料理と獲れたての川魚に日中双方が舌鼓を打つ交流会となりました(写真1, 2写真1■河口湖畔から望む富士山と筆者ら(左から向井,丸山,吉永)写真2■セミナーハウス有隣園での記念写真).また,翌朝には参加者全員が英語で2分間スピーチを行い,簡単な略歴,研究内容,趣味や関心事など自己紹介を行いました.中国語の歌を独唱した日本側の参加者や,民族舞踊を披露した中国側の参加者もいて,和やかな雰囲気で交流が進んだように思います.昼食時には近くのオルゴールの森に場所を変え,比較的近い分野の研究者で班分けされたグループでコースランチをいただきながらのランチミーティングとなりました(写真3写真3■ランチミーティング(左から向井,陳暢教授,方新教授)).化学,生化学,環境学などの研究分野から参加していたこともあり,個々の研究課題というよりは,まずそれぞれの国における女性研究者の活動状況や就業状況に関する意見交換が行われました.一日目午前の講演で聞かれたような,社会的な役割と家庭での役割の両立は両国にとっての課題であることを認識しました.引き続いて,研究分野の近い参加者と研究の議論も行いました.中国科学院大学生命科学院の陳暢(Chen Chang)教授は,細胞生物学の手法を用いてNO産生などのレドックス制御を研究されています.特にタンパク質の酸化修飾を専門とし,それに対する天然物(主に食品や生薬成分)の酸化抑制効果についても評価されています.天然物の由来植物は中国の固有植物を利用することで独自性を高めているということでした.陳教授は研究費を獲得することで5名の研究スタッフを雇って研究を進めているそうです.また,在籍している9名の大学院生へ支払うティーチングアシスタント費用についても,主宰研究者が責任をもって獲得する必要があるということでした.話を伺っていると多額の研究費が必要だろうと感じましたが,中国においては研究費が得られやすい環境になってきて,その費用を使って国外との共同研究を積極的に進めていけるということでした.陳教授を含め今回お会いした研究者の多くは中国国外での研究経験があり,ご自身の研究環境を整えるために必要な行動力を備えた方々であると感じました.中国においては,人口増加と教育レベルの上昇により,国外での学位取得や留学のみでは大学や研究所などのポストを得るのが難しい状況になっているそうです.つまり,海外経験に加えて自分の強みを見つけることが重要になってくるということでした.日本においては,海外留学などの機会はあるものの,その後のポストのことを考えるとなかなか積極的に活用できない状況もあるのではないかと感じています.教育の素地が異なっている日本と中国とを単純に比較することはできませんが,日本人研究者も外国へ積極的に出ることができる制度と帰国後のポスト獲得の機会が拡充することで,積極性のある研究者を育てる地盤になるのではないかと感じました.

写真1■河口湖畔から望む富士山と筆者ら(左から向井,丸山,吉永)

写真2■セミナーハウス有隣園での記念写真

写真3■ランチミーティング(左から向井,陳暢教授,方新教授)

今回の交流を通じて,両国の共通点や相違点を知ることができました.このような機会を得ることで,今後の研究の励みや参考になることも多くありました.研究者によって感じ方はさまざまかと思いますが,自身の研究環境や研究生活を俯瞰する良い機会になったことは間違いありません.また,研究とは直接関係ないですが,中国側の参加者はあらかじめ手土産を用意されている方が多く,大学紹介のパンフレットや大学グッズ,なかには郷土の銘品など,きれいに包装したものを手渡されました.招待された側と歓待した側というスタンスの違いによるものかもしれませんが,こうしたものを用意していた日本側の参加者はほとんどおらず,かくいう筆者もオルゴール美術館の売店で慌てて御礼の品を購入する羽目になり,いい教訓になりました.

最後になりましたが,両国研究者の交流と今後の関係発展のために心を砕いたプログラムを企画し,招待くださったJSTならびに日本女性科学者交流会と世話人の方々,そして貴重な機会を与えてくださった日本農芸化学会にこの場を借りて御礼申し上げます (丸山如江,向井理恵,吉永直子).

さくらサイエンスプラン

今回の交流会は,JSTの支援する日本・アジア青少年サイエンス交流計画(さくらサイエンスプラン)の枠組みの下,中国の若手女性研究者を日本に招聘するという形で開催されました.筆者らとの交流は2日間だけでしたが,中国からの一行は一週間にわたり日本に滞在し,日本の研究施設の見学などが予定されているとのことでした.さくらサイエンスプランとは,「産学官の緊密な連携により,優秀なアジア地域の青少年が日本を短期に訪問し,未来を担うアジア地域と日本の青少年が科学技術の分野で交流を深めること」,そして「アジア地域の青少年の日本の最先端の科学技術への関心を高め,日本の大学・研究機関や企業が必要とする海外からの優秀な人材の育成を進め,もってアジア地域と日本の科学技術の発展に貢献することを目的」(ホームページ(6)6) 科学技術振興機構:日本・アジア青少年サイエンス交流事業 さくらサイエンスプラン,http://www.ssp.jst.go.jp/, 2016.より抜粋)としたJSTの取り組みで,原則として日本に初めて滞在することになる40歳以下の高校生,大学生,大学院生,ポスドクなどの若者を日本に招聘し,かかる費用をJSTが支援するというものです(図1図1■さくらサイエンスプランの流れ(ホームページ6より許可を得て転載)).プラン開始から3年目となる平成28年度は,バングラデシュ人民共和国,ブータン王国などの35の国・地域から約5千人の招聘支援が予定されているとのことでした.プランの交流形態には「科学技術体験コース」,「共同研究活動コース」,「科学技術研修コース」の3種が用意されており,たとえば「共同研究活動コース」は,来日するアジアの大学生,大学院生やポスドクが,日本の学校や企業などの受入れ機関において日本の研究者と短期の共同研究活動などを行うもので,滞在期間としては3週間が限度とされています.特定の研究テーマについて,受入れ機関が先方の機関と共同でセミナーやシンポジウムを開催したいというような場合もこのコースに該当します.ホームページ(6)6) 科学技術振興機構:日本・アジア青少年サイエンス交流事業 さくらサイエンスプラン,http://www.ssp.jst.go.jp/, 2016.には,これまでの2年間に行われた活動報告が寄せられており,非常に多くの大学・高校などが受入れ機関としてさくらサイエンスプランを利用し,アジア各国との交流を行ってきたことがうかがえます.交流会二日目の開始に先立つ沖村憲樹先生(JST特別顧問)の挨拶では,さくらサイエンスプランの目的や成り立ちの説明とともに,日中の女性研究者の交流を深め,長期にわたる共同研究の関係を築いて欲しいとのお話がありました.今回の交流会参加者が40歳以下に限定された理由を理解したと同時に,さくらサイエンスプランに興味をもった参加者も多く,近い将来,新たな日中交流が始まることが予感されました(丸山如江).

図1■さくらサイエンスプランの流れ(ホームページ6より許可を得て転載)

Reference

1) 科学技術振興機構:日中女性科学者シンポジウム2016 in Japan—開催報告,http://www.spc.jst.go.jp/event/symposium_reports/conf160406.html, 2016.

2) R. Kuroda, B. Endo, M. Abe & M. Shimizu: Nature, 462, 790 (2009).

3) L. Gao, J. Zhuang, L. Nie, J. Zhang, Y. Zhang, N. Gu, T. Wang, J. Feng, D. Yang, S. Perrett et al.: Nat. Nanotechnol., 2, 577 (2007).

4) K. Fan, C. Cao, Y. Pan, D. Lu, D. Yang, J. Feng, L. Song, M. Liang & X. Yan: Nat. Nanotechnol., 7, 459 (2012).

5) D. Duan, K. Fan, D. Zhang, S. Tan, M. Liang, Y. Liu, J. Zhang, P. Zhang, W. Liu, X. Qiu et al.: Biosens. Bioelectron., 74, 134 (2015).

6) 科学技術振興機構:日本・アジア青少年サイエンス交流事業 さくらサイエンスプラン,http://www.ssp.jst.go.jp/, 2016.