Kagaku to Seibutsu 56(1): 39-46 (2018)
セミナー室
新たなステージに入ったアサガオ研究高精度なゲノム解読と幻の黄色いアサガオの再現
Published: 2017-12-20
© 2018 Japan Society for Bioscience, Biotechnology, and Agrochemistry
© 2018 公益社団法人日本農芸化学会
アサガオ(Ipomoea nil)は,古くから日本人に愛されている夏の花.江戸時代後期にあたる約200年前から,園芸植物として発展してきた(1, 2)1) 米田芳秋:ビオストーリー,16, 38 (2012).2) 仁田坂英二:“変化朝顔図鑑”,化学同人,2014..原種系の花は青く小ぶりだが,園芸種は色もかたちも変化に富む(図1図1■アサガオの多種多彩な花).アサガオがみせる千変万化は突然変異によるもので,その美しさの源泉である.なかには,アサガオとは思えないかたちをした花もある(図1j–o図1■アサガオの多種多彩な花).これらは,変化アサガオと呼ばれ,奇妙な見た目を愛でる爛熟した江戸文化のなごりだ(図2図2■江戸時代の図譜).