セミナー室

新たなステージに入ったアサガオ研究高精度なゲノム解読と幻の黄色いアサガオの再現

Atsushi Hoshino

星野

基礎生物学研究所

Eiji Nitasaka

仁田坂 英二

九州大学大学院理学研究院

Vasanthan Jayakumar

慶應義塾大学理工学部

Yasubumi Sakakibara

榊原 康文

慶應義塾大学理工学部

Published: 2017-12-20

はじめに

アサガオ(Ipomoea nil)は,古くから日本人に愛されている夏の花.江戸時代後期にあたる約200年前から,園芸植物として発展してきた(1, 2)1) 米田芳秋:ビオストーリー,16, 38 (2012).2) 仁田坂英二:“変化朝顔図鑑”,化学同人,2014..原種系の花は青く小ぶりだが,園芸種は色もかたちも変化に富む(図1図1■アサガオの多種多彩な花).アサガオがみせる千変万化は突然変異によるもので,その美しさの源泉である.なかには,アサガオとは思えないかたちをした花もある(図1j–o図1■アサガオの多種多彩な花).これらは,変化アサガオと呼ばれ,奇妙な見た目を愛でる爛熟した江戸文化のなごりだ(図2図2■江戸時代の図譜).