今日の話題

抗生物質が引き起こす哺乳動物細胞セレンタンパク質生合成異常
「セレンって何?」から,「セレンってなんだか面白そう!」への変化に期待を込めて

Vol.52 No.4 Page. 210 - 213 (published date : 2014年4月1日)
戸部 隆太1
  1. National Institutes of Health, National Cancer Institute

概要原稿

がん,心疾患,脳疾患,これらは近年多くの先進国において上位に挙げられる死亡原因である(2013年World Health Organization の調査報告による).本稿で対象とするセレン (Selenium) は,これら疾病の発生率減少に寄与する重要な栄養素である.セレンは,鉄や亜鉛などと同様に哺乳類における必須元素であり,酸素や硫黄と同じ第16族に属する.高い抗酸化作用からがんやほかの疾患の発生率を減少させるだけでなく,老化やウィルス感染,精子運動能,免疫システムにも重要な役割を果たしている(1).セレンは,日本ではまだあまり馴染みがないが,欧米の国々でサプリメントとして一般的に販売されており,その有効性が注目されている.

リファレンス

  1. 1) D. L. Hatfield et al. : “Selenium : Its molecular biology and role in human health,” Springer Science+Business Media, 2011.
  2. 2) G. V. Kryukov et al. : Science, 300, 1439 (2003).
  3. 3) D. T. Lincoln et al. : Anticancer Res., 23, 2425 (2003).
  4. 4) V. Gandin et al. : Biochem. Pharmacol., 79, 90 (2010).
  5. 5) C. Yan et al. : Mol. Pharmacl., 76, 163 (2009).
  6. 6) R. Tobe et al. : Biochem. J., 445, 423 (2012).
  7. 7) L. K. Tan : Singapore Med. J., 40, 445 (1999).
  8. 8) R. Tobe et al. : J. Biol. Chem., 288, 14709 (2013).
  9. 9) M. A. Kohanski et al. : Nat. Rev. Microbiol., 8, 423 (2010).
  10. 10) L. S. McCoy et al. : Wiley Interdiscip. Rev. RNA, 2, 209 (2011).


本文はトップページからログインをして頂くと表示されます。