農芸化学@HighSchool

藻類を活用した福島の汚染水処理システムを考える

Vol.59 No.12 Page. 631 - 634 (published date : 2021年12月1日)
神村 美妃1, 根本 佳祐1
  1. 福島成蹊学園福島成蹊高等学校

概要原稿

私たちは,現在,学校近くの茶屋沼にて採集した藻類を活用して,福島第一原発敷地内に保管されていて,さらに現在も毎日,原子炉建屋内から出てくる高濃度の放射性物質を含む汚染水を減らしたいと考えている.乾燥状態のイシクラゲは水を吸収し,その水が蒸発することによって時間とともに元の乾燥状態のイシクラゲに戻っていくことから,イシクラゲが吸収した水を大気中へ放出する条件がわかれば,敷地内に大量にある汚染水をイシクラゲの能力で減らすことができる.その際,汚染水中に含まれる放射性ストロンチウム(Sr),放射性セシウム(Cs)は,イシクラゲに吸収させて回収できると期待できる.そこでイシクラゲにSr・Cs混合溶液を吸収させて,さらに青色LEDを照射して,イシクラゲの有無によるSr・Cs混合水溶液量の減少量の違いを調べた.その結果,イシクラゲによりSr・Cs混合水溶液の減少量が増加することが明らかとなった.

リファレンス

  1. 1) 東京電力:処理水ポータルサイト,https://www.tepco.co.jp/decommission/progress/watertreatment/index-j.html
  2. 2) M. R. Krejci, B. Wasserman, L. Finney, I. Mcnulty, D. Legnini, S. Vogt & D. Joester: J. Struct. Biol., 176, 192 (2011).
  3. 3) 福島成蹊学園福島成蹊高等学校:化学と生物,55, 719 (2017).
  4. 4) H. Sasaki, H. Tamaoki, Y. Nakata, K. Sato, Y. Yamaguchi & H. Takenaka: Algal Res., 9, 87 (2016).
  5. 5) Fraunhofer RESEARCH NEWS February 2017 II: https://www.fraunhofer.de/en/press/research-news/2017/february/algae-survive-heat--cold-and-cosmic-radiation.html


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