農芸化学@HighSchool

乳酸菌チョコレートは肥満マウスに体重の減少効果!

Vol.60 No.2 Page. 95 - 98 (published date : 2022年2月1日)
稲田 未来1
  1. 山村学園山村国際高等学校生物部

概要原稿

チョコレート(以下,チョコ)は,若い世代で最も人気のある菓子であるが,一般的に高カロリーで糖質が多い.一方,乳酸桿菌(以下,乳酸菌)の摂取は腸内フローラの改善作用により体重減少効果が報告されている.そこで本研究では,20 週齢(ヒトであれば10 代の若い世代に相当)の肥満マウスに乳酸菌チョコを30 日間投与する実験を行なった.その結果,高脂肪飼料のみを摂取した肥満マウスと比較し,高脂肪飼料と乳酸菌チョコを摂取した肥満マウスにおいて腸内フローラが改善されると共に,体重の有意な減少が認められた(- 13%).このことから,肥満マウスにおいて乳酸菌チョコの投与は体重の減少効果がある可能性が示された.

リファレンス

  1. 1) 山村国際高等学校生物部:天然食品「マヌカハニー」の絶大な抗菌効果,第13回神奈川大学全国高校生理科・科学論文大賞(神奈川大学),2015.
  2. 2) 山村国際高等学校生物部:マウス腸内フローラから観察したマヌカハニーの機能性,第6回高校生バイオサミットin鶴岡慶應義塾大学先端生命科学研究所鶴岡市(農林水産大臣賞受賞),2016.
  3. 3) 山村国際高等学校生物部:化学と生物,55, 68(2017).
  4. 4) 山村国際高等学校生物部:マウス腸内フローラから健康食品の機能性を探る,第7回高校生バイオサミットin鶴岡慶應義塾大学先端生命科学研究所鶴岡市(審査員特別賞受賞),2017.
  5. 5) 山村国際高等学校生物部:マウス潰瘍性大腸炎モデルから観察したマヌカハニーの機能性,第8回高校生バイオサミットin鶴岡慶應義塾大学先端生命科学研究所鶴岡市(審査員特別賞受賞),2018.
  6. 6) 10代男女1005名を対象にお菓子に関する調査,estee.co/teens-snacks, 2017.
  7. 7) 大野博司,服部正平編:常在細菌叢が操るヒトの健康と疾患,実験医学(増刊),32(5),羊土社,2014.
  8. 8) もう1つの臓器~腸内細菌叢の機能に迫る~:太陽エージェンシー,2017.
  9. 9) 安藤 朗編:“別冊・医学のあゆみ 腸内細菌と臨床医学”,医歯薬出版,2018.
  10. 10) 米島靖記,久 景子,松原由以子:化学と生物,56, 47 (2018).
  11. 11) 森永製菓(株):たべる乳酸菌シリーズ,morinaga.co.jp
  12. 12) P. J. Turnbaugh, R. E. Ley, M. A. Mahowald, V. Magrini, E. R. Mardis & J. I. Gordon: Nature, 444, 1027 (2006).
  13. 13) 光岡知足:“人の健康は腸内細菌で決まる!”,技術評論社,2011.


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