農芸化学@HighSchool

雄と雌のミトコンドリアCO1を用いたカラスガイ族の交雑種の検出

Vol.60 No.10 Page. 544 - 547 (published date : 2022年10月1日)
築根 遼1, 中野 律久1, 菅谷 亮介1
  1. 埼玉県立松山高等学校生物部

概要原稿

淡水二枚貝であるカラスガイ族のミトコンドリアの両性遺伝を利用し,交雑種が検出できないかを研究した.各地の雄のサンプルを用いて,精子から雄ミトコンドリアのDNAを,体細胞から雌ミトコンドリアのDNAを抽出し,CO1領域の塩基配列を決定し雌雄の系統樹を作成した.この系統樹において,雌雄で異なる種として同定された割合は約26%(5/19)であった.これらは交雑種であり,種間や属間で交雑が起きていることが実証できた.

リファレンス

  1. 1) 佐久間幹大,鳥屋太志:日本産イシガイ類の分子系統解析.埼玉県立松山高等学校生物部,2015.
  2. 2) 石川春樹,砂村遥平:両性遺伝するドブガイ類の雄ミトコンドリアの分子系統解析.埼玉県立松山高等学校生物部,2016.
  3. 3) 草野侑巳,星野直樹,熊木日向:日本産ドブガイ類の種分化.埼玉県立松山高等学校生物部,2017.
  4. 4) M. Lopes-Lima, A. Hattori, T. Kondo, J. Hee Lee, S. Ki Kim, A. Shirai, H. Hayashi, T. Usui, K. Sakuma, T. Toriya et al.: Mol. Phylogenet. Evol., 146, 106755 (2020).
  5. 5) 白井亮久:ちりぼたん,39,25 (2008).
  6. 6) A. Shirai, T. Kondo & T. Kajita: Venus, 68, 151 (2010).
  7. 7) M. Soroka: Folia Biol., 56, 91 (2008).
  8. 8) 田部雅昭,福原修一,長田芳和:貝類学雑誌,53, 29 (1994).


本文はトップページからログインをして頂くと表示されます。