農芸化学@HighSchool
三年子らっきょうの特長
なぜ三倍もの時間をかけるのか
Vol.60 No.11 Page. 611 - 615 (published date : 2022年11月1日)
概要原稿
一年で収穫ができるものを三年かけて収穫する「三年子らっきょう」は,一年のものと比べて繊維が細かく巻きがしっかりしており,歯切れ,味,香りも良いことから,高値で取引されている.しかし,一年で収穫したものと三年で収穫したものとの科学的な差異は証明されていない.本研究ではこれら二種のらっきょうの成分,味,歯ごたえ・食感,香りの差異を検証した.その結果,三年子らっきょうは一年らっきょうと比べて食物繊維が多く含まれ,歯ごたえがしっかりしているとともに,甘味および旨味成分の含有量が多く,雑味が少ない点やらっきょう特有の香りが強いことが明らかとなった.
リファレンス
- 1) 農畜産業振興機構:今月の野菜 産地紹介,福井県 三里浜特産農協 -全国で唯一,「三年子らっきょう」を生産-,https://vegetable.alic.go.jp/yasaijoho/santi1905_santi1
- 2) 藤山咲子,坂手美絵,藤井わか子:日本調理科学会大会 研究発表要旨集,16, 2C-p8 (2004).
- 3) 吉井文子:別府大学紀要,58, (2017).
- 4) 大渡康夫,杉山万里,牧野正知,松林和彦,田畑光正:島根県産業技術センター研究報告,56, 13 (2020).
- 5) 二宮くみ子:YAKUGAKU ZASSHI, 136, 1327 (2016).
- 6) 堀内かおるほか:“家庭基礎”,実教出版,2022, p.97.
- 7) 小林恭一,渕上小百合,松下ひろみ,西川清文,稲木幸夫:福井県農業試験場研究報告 福井県農業試験場,35, 23 (1998).
- 8) 匂坂勝之助:化学と生物,21, 294 (1983).
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