農芸化学@HighSchool

雑草が農作物に及ぼす影響について

Vol.61 No.10 Page. 516 - 519 (published date : 2023年10月1日)
増尾 諒一1
  1. 東京大学教育学部附属中等教育学校

概要原稿

雑草であるシロツメクサ(Trifolium repens)が,農作物であるトウモロコシ(Zea mays)に与える発芽・発育作用を検証することで,雑草が農作物に与える影響について評価した.シロツメクサは繁殖力が大きいことからトウモロコシの発芽・生長を大いに阻害するとの仮説を立てた.しかし,屋内外でシロツメクサの有無によるトウモロコシの生長の差異を比較する実験を行ったところ,発芽率・茎の太さに大きな違いはみられず,草丈には生長促進,乾燥重量や種子数には生長阻害がみられた.今回の実験結果をベースとし,実験方法に改善を重ねることで,農薬等を用いない持続可能な農業への応用が期待できる.

リファレンス

  1. 1) 農林水産省:雑草防除技術開発の現状,2016.
  2. 2) 農林水産省:より持続性の高い農法への転換に向けて,2022.
  3. 3) 黒川俊二:学術の動向,21, 11 (2016).
  4. 4) 荻本 宏:雑草研究,46, 56 (2001).
  5. 5) 農山漁村文化協会:現代農業,87, 180 (2008).
  6. 6) 山尾 僚,向井裕美:academist Journal, https://academist-cf.com/journal, 2017.
  7. 7) 川崎哲郎,杉山英治,河内博文,佐藤晃一:農業土木学会論文集,199, 137 (1999).
  8. 8) M. Asai, M. Ito & T. Kusanagi: Weed Res., 40, 194 (1995).
  9. 9) 農業環境技術研究所:“環境保全型農業と生物機能の利用”,2006, pp.48-55.
  10. 10) E. L. Rice: “アレロパシー”,学会出版センター,1991, pp.12-45, pp.70-77, pp.267-277, pp.399-422.
  11. 11) 農山漁村文化協会:現代農業,88, 90 (2009).
  12. 12) 種生物学会:“外来生物の生態学”,2010, pp.277-287.
  13. 13) 寺島一郎:“植物の生態 -生理機能を中心に-”,裳華房,2013, pp.195-198.


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