化学の窓

有機化合物の純度をはかる
核磁気共鳴法(NMR)を用いたSI(国際単位系)トレーサブルな定量分析技術

Vol.52 No.7 Page. 473 - 477 (published date : 2014年7月1日 advanced publication : 2014年6月20日)
末松 孝子1
  1. 株式会社 JEOL RESONANCE ソリューションマーケティング部

概要原稿

最近,「トレーサビリティ」という言葉をよく耳にする.主に食品の流通履歴(履歴管理)を指し,消費者が生産者や原料をたどることのできるという意味を指している.「食の安全・安心」は常に関心の高いトピックスであり,これを通じて,「トレーサビリティ」という言葉が世間一般に用いられるようになったわけである.一方,分析化学の世界でも「トレーサビリティ」は注目されている言葉である.これは分析結果の信頼性を確保するために重要なポイントであり,食品の流通履歴を表す「トレーサビリティ」と区別するために「計量トレーサビリティ」と呼ばれている.ここでは,この「計量トレーサビリティ」に関係した近年注目されている分析技術とこの分析技術がもたらす,これからの定量分析について紹介したいと思う.

リファレンス

  1. 1) 井原俊英,齋藤 剛:日本電子News, 44, 1 (2012).
  2. 2) 杉本直樹:日薬理誌,137, 232 (2011).
  3. 3) 田原麻衣子,杉本直樹,大槻 崇,多田敦子,穐山 浩,合田幸広,西村哲治:環境化学,22, 33 (2012).
  4. 4) 田原麻衣子,中嶋晋也,杉本直樹,有薗幸司,西村哲治:水道協会雑誌,81, 10 (2012).
  5. 5) 杉本直樹,田原麻衣子,末松孝子,三浦 亨:食品衛生学会誌,53, J228 (2012).
  6. 6) 細江潤子,杉本直樹,末松孝子,山田裕子,早川昌子,勝原孝雄,西村浩明,合田幸広:医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス,43, 182 (2012).
  7. 7) 細江潤子,杉本直樹,末松孝子,山田裕子,早川昌子,鈴木裕樹,勝原孝雄,西村浩明,合田幸広:医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス,in press.
  8. 8) 経済産業省産業技術環境知的基盤課:平成21年度成果報告書 基準認証研究開発事業「一対多型校正技術の研究開発」.
  9. 9) 杉本直樹,多田敦子,末松孝子,有福和紀,齋藤 剛,井原俊英,吉田雄一,久保田領志,田原麻衣子,清水久美子ほか:食品衛生誌,51, 19 (2010).
  10. 10) 杉本直樹,多田敦子,末松孝子,有福和紀,齋藤 剛,井原俊英,吉田雄一,田原麻衣子,久保田領志,清水久美子ほか:日本食品化学学会雑誌,17, 179 (2010).
  11. 11) T. Yoshida, K. Terasaka, S. Kato, F. Bai, N. Sugimoto, H. Akiyama, T. Yamazaki & H. Mizukami : Chem. Pharm. Bull., 61, 1264 (2013).
  12. 12) T. Ohtsuki, K. Sato, N. Furusho, H. Kubota, N. Sugimoto & H. Akiyama : Food Chemistry, 141, 1322 (2013).


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