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プロシアニジンの新たな生体機能調節
プロシアニジンの肥満・高血糖予防効果

Vol.52 No.8 Page. 493 - 495 (published date : 2014年8月1日 advanced publication : 2014年7月20日)
山下 陽子1, 芦田 均1
  1. 神戸大学大学院農学研究科

概要原稿

近年,ヒトの健康維持・増進に有効とされる機能性食品成分に関する研究が注目され,抗酸化能をはじめ,生活習慣病予防・改善,抗がん,免疫促進,抗アレルギー,血流促進など,さまざまな効果が報告されている.本稿で取り上げるプロシアニジン類は,カカオや黒大豆,シナモン,アップル,グレープシードなどの食品に多く含まれており,エピカテキンあるいはカテキンが縮合したオリゴマーで,2~15量体として存在する.水酸基による抗酸化能に着目すれば,オリゴマーであるプロシアニジンは抗酸化性が高いと期待できる.しかし,重合度の高い高分子化合物は,モノマーと比べると腸管からほとんど吸収されない.また,これまでの研究で,ポリフェノール類はわずかな構造の違いによって,機能やその作用機構が異なるということが報告されており,プロシアニジン類も重合度や結合形態によって生体での働きが異なると考えられるが,その詳細は明らかとなっていない.そこで本稿では,重合度の異なるプロシアニジン類の機能性と作用機構の一例として,私たちがこれまでに解明した肥満や高血糖予防効果を紹介する.

リファレンス

  1. 1) S. Baba, N. Osakabe, Y. Kato, M. Natsume, A. Yasuda, T. Kido, K. Fukuda, Y. Muto & K. Kondo : Am. J. Clin. Nutr., 85, 709 (2007).
  2. 2) N. J. Bryan, R. Govers & D. E. James : Nat. Rev. Mol. Cell Biol., 3, 267 (2002).
  3. 3) Y. Yamashita, M. Okabe, M. Natsume & H. Ashida : J. Food Drug Anal., 20, 283 (2012).
  4. 4) Y. Yamashita, M. Okabe, M. Natsume & H. Ashida : Arch. Biochem. Biophys., 527, 95 (2012).


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