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微小管ダイナミクスはエンドソームの成熟を制御している
新規微小管ダイナミクス阻害剤の発見と利用

Vol.52 No.8 Page. 499 - 501 (published date : 2014年8月1日 advanced publication : 2014年7月20日)
知念 拓実1, 臼井 健郎1
  1. 筑波大学大学院生命環境科学研究科

概要原稿

真核生物の細胞骨格の一つである微小管はα/βチューブリンヘテロダイマーが重合して形成される繊維状の構造体であり,細胞分裂時の紡錘体形成や細胞内シグナル伝達,細胞遊走,細胞内オルガネラの位置決定などのさまざまな細胞内機能にかかわっている.微小管の特筆すべき性質として重合・脱重合を絶えず繰り返す動的不安定性(微小管ダイナミクス)が挙げられる.微小管ダイナミクスはβチューブリンに結合しているGTPの加水分解によってα/βチューブリンヘテロダイマーの構造変化が誘起されることにより起こる脱重合反応(カタストロフ)や,カタストロフから再度重合に移行するレスキュー,また重合・脱重合ともに停止したポーズの状態に分けられる.

リファレンス

  1. 1) C. Dumontet & M. A. Jordan : Nat. Rev. Drug Descov., 9, 790 (2010).
  2. 2) A. Yokosuka, M. Haraguchi, T. Usui, S. Kazami, H. Osada, T. Yamori & Y. Mimaki : Bioorg. Med. Chem. Lett., 17, 3091 (2007).
  3. 3) T. Chinen, S. Kazami, Y. Nagumo, I. Hayakawa, A. Ikedo, M. Takagi, A. Yokosuka, N. Imamoto, Y. Mimaki, H. Kigoshi et al. : ACS Chem. Biol., 8, 884 (2013).
  4. 4) M. Anitei & B. Hoflack : Nat. Cell Biol., 14, 11 (2012).
  5. 5) M. Kitano, M. Nakaya, T. Nakamura, S. Nagata & M. Matsuda : Nature, 453, 241 (2008).
  6. 6) H. Li, Z. W. Daun, P. Xie, Y. R. Liu, W. C. Wang, S. X. Dou & P. Y. Wang : PLoS One, e45465 (2012).
  7. 7) Y. Yoshimoto & M. Imoto : Exp. Cell Res., 279, 118 (2002).
  8. 8) J. S. Rush, L. M. Quinalty, L. Engelman, D. M. Sherry & B. P. Ceresa : J. Biol. Chem., 287, 712 (2012).


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