巻頭言

科学研究と社会

Vol.51 No.10 Page. 655 - 655 (published date : 2013年10月1日)
杉山 達夫

冒頭文

「生きる」,「食べる」,「暮らす」の向上は科学技術が抱える今世紀の大きな社会的課題である.20世紀には,物理学や化学を柱に科学技術革新が進み,自動車,エレクトロニクス,化学製品などの産業が発展し,生活は大きな利便に浴した.反面,その規模が拡大するにつれて,環境の破壊が加速・深化し,生き物も適応への時間的余裕を欠き始めている.この人類活動の帰結とも言うべき状況の理解が深まり,人々のタックスペイヤーとしての意識は高まってきた.こうした状況への社会的関心が増すにつれ,生命科学を基盤にしたバイオテクノロジーへの期待が高まり,研究者の意気込みも高揚している.

リファレンス



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