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真菌選択的ミトコンドリア阻害薬 - T-2307 -
真菌ミトコンドリアは,抗真菌剤の標的になりえるのか?
Vol.51 No.10 Page. 656 - 658 (published date : 2013年10月1日)
概要原稿
「カビ」や「酵母」と呼ばれる微生物である真菌は自然界に広く存在し,チーズや酒などの醗酵食品の生産や,ペニシリンをはじめとして,その二次代謝産物が医薬品にも利用されている.真菌の大多数は人間に対して無害であるが,ある種の真菌は人間に感染し真菌症を発症させることが知られている.真菌症については,その感染部位により表在性真菌症と深在性真菌症に分けられる.前者は主に皮膚,粘膜または爪などに感染し,主要なものとしては,「水虫」などが知られている.後者については,抗がん剤による治療,エイズなどで免疫力の低下した宿主の血液ならびに肺,肝臓,腎臓,脳など,体の深部に真菌が侵入し感染を起こす疾患であり,多くの場合,重篤で急速に症状が悪化する.
リファレンス
- 1) J. Mitsuyama et al. : Antimicrob. Agents Chemother., 52, 1318 (2008).
- 2) E. Yamada et al. : Antimicrob. Agents Chemother., 54, 3630 (2010).
- 3) A. Kimura et al. : Antimicrob. Agents Chemother., 56, 2191 (2012).
- 4) T. Shibata et al. : Antimicrob. Agents Chemother., 56, 5892 (2012).
- 5) H. Nishikawa et al. : J. Antimicrob. Chemother., 65, 1681 (2010).
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