巻頭言
論文に見る化学構造の誤り
Vol.52 No.9 Page. 559 - 559 (published date : 2014年9月1日 advanced publication : 2014年8月20日)
冒頭文
昨年3月に大学を定年退職するまでの三十余年,筆者は天然物化学の領域で教育研究に従事してきた.学生のころ,天然物化学は化合物の精製および構造決定を行う「物取り屋」と目的物質を化学合成する「合成屋」とからなると言われていた.天然物化学は両者が車の両輪として発展し,今日ではさらに,生合成経路,特に生合成酵素遺伝子群の解析を行う「生合成屋」と生理活性物質の活性発現機構を解き明かす「生理屋」からなる四輪駆動車として力強く前進している.天然物化学の入り口である構造決定を行う物取り屋と合成屋が生理活性天然物化学を牽引していると筆者は今でも思っており,論文に載る化学構造には特に注目してきた.
リファレンス
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