今日の話題
臓器創出への挑戦
細胞から臓器へ
Vol.51 No.11 Page. 730 - 732 (published date : 2013年11月1日)
概要原稿
「臓器を創り出す」,近代医学の最も大きな挑戦とも言える,この試みが現実味を帯びてきた.臓器不全症という病態をご存じだろうか.病気や事故などによって臓器が不可逆的に機能不全に陥る致死的な病態であり,多くの疾病の終末像といえる.一度,臓器不全症を罹患すると,医学が進歩した現在でもなお,有効な治療法は存在しない.しかし,例外的な治療が一つだけ存在する.これが1963年に Thomas Starzl らによって切り拓かれた,臓器移植に基づく臓器置換術である.臓器移植とは,第三者の善意による「臓器の提供」を受け,機能不全に陥った臓器と入れ替える(置換する)方法である.
リファレンス
- 1) K. Matsumoto, H. Yoshitomi, J. Rossant & K. S. Zaret : Science, 294, 559 (2001).
- 2) T. Takebe, K. Sekine, Y. Suzuki, M. Enomura, S. Tanaka, Y. Ueno, Y.-W. Zheng & H. Taniguchi : Transplant Proc., 44, 1018 (2012).
- 3) T. Takebe, N. Koike, K. Sekine, M. Enomura, Y. Chiba, Y. Ueno, Y. W. Zheng & H. Taniguchi : Transplant Proc., 44, 1130 (2012).
- 4) T. Takebe et al. : Nature, 499, 481 (2013).
- 5) R. Langer & J. P. Vacanti : Science, 260, 920 (1993).
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