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光周期による花成ホルモンFTの発現メカニズム
植物はどのように季節変化を感じるのか

Vol.51 No.12 Page. 782 - 784 (published date : 2013年12月1日)
伊藤 照悟1
  1. 名古屋大学大学院生命農学研究科

概要原稿

光周期による花成ホルモンFTの発現メカニズム植物はどのように季節変化を感じるのか 高等植物は,さまざまな外環境を感知し,同種の各個体が同じタイミングで最適な時期に花を咲かせ,効率良く次世代へと種子を残すことを可能にしている.植物が栄養成長から生殖成長へと成長相を移行させる現象を花成と呼び,特に日長(日照時間)の変化によって花成が誘導される現象を光周性花成と呼ぶ.季節変化に伴う日長の変化は一貫性があり毎年繰り返されるため,多くの生物は,この最も信頼性の高い日長の情報を主に用いて,来たる季節変化を予知し,最も好ましいタイミングで花芽形成を行っているのである.

リファレンス

  1. 1) F. Andrés & G. Coupland : Nat. Rev. Genet., 13, 627 (2012).
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  5. 5) S. Ito, Y. H. Song, A. R. Josephson-Day et al. : Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 109, 3582 (2012).
  6. 6) M. Piñeiro & J. A. Jarillo : Plant Sci., 198, 98 (2013).
  7. 7) Y. H. Song, R. W. Smith, B. J. To et al. : Science, 336, 1045 (2012).


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