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アミノ基結合型キャリアタンパク質を介したリジン・アルギニン生合成の発見
リジン・アルギニン生合成の進化

Vol.52 No.12 Page. 787 - 789 (published date : 2014年12月1日 advanced publication : 2014年11月20日)
西山 真1
  1. 東京大学生物生産工学研究センター

概要原稿

リジンは必須アミノ酸の一つであり,人間などの高等生物は生合成することはできないが,植物,微生物はリジンを生合成するシステムを有している.リジンの生合成経路は2種類に大別される.一つはアスパラギン酸を初発の化合物としてジアミノピメリン酸(DAP)を経由するDAP経路,そしてもう一つはα-ケトグルタル酸を出発物質としてα-アミノアジピン酸(AAA)を経由するAAA経路である.DAP経路は植物,微生物に見られるリジン生合成経路として,AAA経路は微生物の中でもカビだけに見られるリジン生合成経路として知られており,この両経路は全く独立した起源をもち,独自に進化してきたと考えられてきた.

リファレンス

  1. 1) N. Kobashi, M. Nishiyama & M. Tanokura : J. Bacteriol., 181, 1713 (1999).
  2. 2) H. Nishida, M. Nishiyama, N. Kobashi, T. Kosuge, T. Hoshino & H. Yamane : Genome Res., 9, 1175 (1999).
  3. 3) A. Horie, T. Tomita, A. Saiki, H. Kono, H. Taka, R. Mineki, T. Fujimura, C. Nishiyama, T. Kuzuyama & M. Nishiyama : Nat. Chem. Biol., 5, 673 (2009).
  4. 4) T. Ouchi, T. Tomita, A. Horie, A. Yoshida, K. Takahashi, H. Nishida, K. Lassak, H. Taka, R. Mineki, T. Fujimura et al. : Nat. Chem. Biol., 9, 277 (2013).
  5. 5) M. Fondi, M. Brilli, G. Emiliani, D. Paffetti & R. Fani : BMC Evol. Biol., 7(Suppl. 2), S3 (2007).
  6. 6) R. A. Jensen : Annu. Rev. Microbiol., 30, 409 (1976).


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