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好アルカリ性細菌のK+/Rb+駆動型べん毛モーター
第三のイオンで働くナノマシンの発見

Vol.52 No.12 Page. 793 - 795 (published date : 2014年12月1日 advanced publication : 2014年11月20日)
伊藤 政博1
  1. 東洋大学生命科学部生命科学科

概要原稿

好アルカリ性細菌は,pH 10付近の高アルカリ性環境で良好に生育し,一般にナトリウムイオン(Na+)を要求する”.この説明は,今から25年前に筆者が東京工業大学の掘越弘毅先生の研究室に入り,好アルカリ性細菌の研究を始めたころから現在に至るまで教科書や専門書などでよく見かける文章だ.その当時,好アルカリ性細菌が生産する菌体外酵素は,すでに洗濯物の汚れ落とし効果を向上させるために洗剤に添加されていたり,安価なデンプン原料からの付加価値のあるサイクロデキストリンの大量生産に利用されていたりと工業的に有用であると注目されていた.

リファレンス

  1. 1) N. Hirota & Y. Imae : J. Biol. Chem., 258, 10577 (1983).
  2. 2) M. Ito, D. B. Hicks, T. M. Henkin, A. A. Guffanti, B. D. Powers, L. Zvi, K. Uematsu & T. A. Krulwich : Mol. Microbiol., 53, 1035 (2004).
  3. 3) R. Aono & K. Horikoshi : J. Gen. Microbiol., 129, 1083 (1983).
  4. 4) N. Terahara, M. Sano & M. Ito : PLoS ONE, 7, e46248 (2012).


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