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二酸化チタン粒子の生物学的応用
無機ナノ粒子への外部刺激による活性酸素生成の生物学的利用
Vol.53 No.1 Page. 9 - 11 (published date : 2014年12月20日)
概要原稿
二酸化チタン(TiO2)は,390nm以下の紫外線(3.2eV以上のエネルギー)を照射されることで活性酸素種を生成することが明らかとされており,その特性から光触媒として広く認知されている.その活性酸素種の発生メカニズムは次のとおりである.TiO2の価電子帯の電子が紫外線で伝導帯に励起されると,還元力の強い電子と非常に酸化力の強い正孔が生成する.これらの電子と正孔が水などと反応して生成する種々の活性酸素種は非常に強い酸化力を示し,化学薬品やバクテリアなどに対して分解作用を示すために,有害物質の分解などにも適用されている.
リファレンス
- 1) A. Fujishima & K. Honda: Nature, 238, 37 (1972).
- 2) C. Ogino, K. Kanehira, R. Sasai, S. Sonezaki & N. Shimizu: J. Bioeng. Biosci., 104, 339 (2007).
- 3) N. Shimizu, C. Ogino, F. D. Mahmoud, K. Ninomiya, A. Fujihira & K. Sakiyama: Ultrason. Sonochem., 15, 988 (2008).
- 4) K. Matsui, M. Karasaki, M. Segawa, S. Y. Hwang, T. Tanaka, C. Ogino & A. Kondo: Med. Chem. Commun., 1, 209 (2010).
- 5) C. Ogino, N. Shibata, R. Sasai, K. Takaki, Y. Miyachi, S. Kuroda, K. Ninomiya & N. Shimizu: Med. Chem. Lett., 20, 5320 (2010).
- 6) K. Ninomiya, C. Ogino, S. Oshima, S. Sonoke, S. Kuroda & N. Shimizu: Ultrason. Sonochem., 19, 607 (2012).
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