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キノコの不凍タンパク質の分子構造と不凍機能のメカニズム
氷結晶と強く結合する新しい分子構造

Vol.52 No.1 Page. 10 - 12 (published date : 2014年1月1日)
近藤 英昌1, 津田 栄2
  1. 産業技術総合研究所生物プロセス研究部門
  2. 北海道大学大学院生命科学院

概要原稿

氷は水溶液のなかにできた小さな氷結晶に水の分子が次々と付着することによって成長する.氷結晶は成長しながら集合し,やがて氷塊となる.この凍結のプロセスにおいて,水以外の溶質は氷から排除され非凍結の部分に濃縮されていく.この現象は凍結濃縮と呼ばれ,凍結によって水を含む物質の構造が不可逆的に破壊される原因の一つである.また,氷塊内の氷結晶の粒は時間の経過とともに徐々に大きくなっていく.これは氷の再結晶化と呼ばれ,凍結濃縮と同様に凍結物の劣化を引き起こす.

リファレンス

  1. 1) T. Hoshino, M. Kiriaki, S. Ohgiya, M. Fujiwara, H. Kondo, Y. Nishimiya, I. Yumoto & S. Tsuda : Can. J. Bot., 81, 1175 (2003).
  2. 2) H. Kondo, Y. Hanada, T. Hoshino, C. P. Garnham, P. L. Davies & S. Tsuda : Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 109, 9360 (2012).


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