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スポーツ医学的観点からのアミノ酸機能
分岐鎖アミノ酸(BCAA)を中心として

Vol.52 No.3 Page. 143 - 144 (published date : 2014年3月1日)
下村 吉治1, 北浦 靖之1
  1. 名古屋大学大学院生命農学研究科

概要原稿

ヒトが運動するとエネルギー代謝が著しく亢進する.このエネルギー代謝は酸素消費量に反映され(1),健康な成人の酸素消費量は運動により安静時(およそ250 mL/分)の10倍にも増加する.さらに,よくトレーニングされたアスリートでは20倍にも増加することが知られている.エネルギー代謝の基質としては,糖質と脂質が中心的に利用されるが,亢進したエネルギー代謝ではその生理状態に応じて全エネルギーの3x{301c}18%がタンパク質やアミノ酸から供給されるようである(2).したがって,アミノ酸も重要なエネルギー源である.エネルギー源になりやすく筋肉で直接代謝されるアミノ酸としては,タンパク質合成に必要な20種類のアミノ酸のうち,ロイシン,イソロイシン,そしてバリンの分岐鎖アミノ酸 (Branched-chain amino acids;BCAA) が知られている.

リファレンス

  1. 1) 宮村実晴:“健康運動指導マニュアル”,文光堂,2008,p. 48.
  2. 2) J. R. Poortmans : Medicine and Sport Science, 27, 164 (1988).
  3. 3) Y. Shimomura, H. Kobayashi, K. Mawatari, K. Akita, A. Inaguma, S. Watanabe, G. Bajotto & J. Sato : J. Nutr. Sci. Vitaminol., 55, 288 (2009).
  4. 4) P. She, Y. Zhou, Z. Zhang, K. Griffin, K. Gowda & C. J. Lynch : J. Appl. Physiol., 108, 941 (2010).
  5. 5) 下村吉治:“スポーツと健康の栄養学[第3版]”,ナップ,2010, p. 3.
  6. 6) M. J. Drummond, H. C. Dreyer, C. S. Fry, E. L. Glynn & B. B. Rasmussen : J. Appl. Physiol., 106, 1374 (2009).
  7. 7) C. S. Katsanos, H. Kobayashi, M. Sheffield-Moore, A. Aarsland & R. R. Wolfe : Am. J. Physiol. Endocrinol. Metab., 291, E381 (2006).
  8. 8) 下村吉治:“サプリメントのほんととウソ”,ナップ,2013,p. 9.


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