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ホスファチジルセリンはエンドソームを介した物質輸送に必須である
リン脂質の新規機能

Vol.51 No.4 Page. 208 - 210 (published date : 2013年4月1日)
田口 友彦1
  1. 東京大学大学院薬学系研究科

概要原稿

ホスファチジルセリン （phosphatidylserine;PS） は極性頭部にセリン残基をもつグリセロリン脂質である（図1A）．真核細胞の膜の5～10%を構成し，特に細胞膜の細胞質側に濃縮して存在することが知られている．細胞膜におけるPSの機能として，（1） 細胞死に伴い細胞外に露出し，死細胞の貪食を誘起する “eat-me” シグナルとして機能すること，（2） カルシウムイオン，ジアシルグリセロールと協調してプロテインキナーゼCを細胞膜へ移行・活性化すること，などがよく知られている（1）．

リファレンス

  1. 1) P. A. Leventis & S. Grinstein :Annu. Rev. Biophys.,39, 407 (2010).
  2. 2) T. Yeung, G. E. Gilbert, J. Shi, J. Silvius, A. Kapus & S. Grinstein :Science,319, 210 (2008).
  3. 3) G. D. Fairn, N. L. Schieber, N. Ariotti, S. Murphy, L. Kuerschner, R. I. Webb, S. Grinstein & R. G. Parton :J. Cell Biol.,194, 257 (2011).
  4. 4) Y. Uchida, J. Hasegawa, D. Chinnapen, T. Inoue, S. Okazaki, R. Kato, S. Wakatsuki, R. Misaki, M. Koike, Y. Uchiyamaet al.:Proc. Natl. Acad. Sci. USA,108, 15846 (2011).
  5. 5) S. Lee, Y. Uchida, K. Emoto, M. Umeda, O. Kuge, T. Taguchi & H. Arai :Genes Cells,17, 728 (2012).
  6. 6) G. D. Fairn, M. Hermansson, P. Somerharju & S. Grinstein :Nat. Cell Biol.,13, 1424 (2011).


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