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自己免疫寛容を誘導する胸腺内シグナル制御機構
“自己と非自己の識別”を制御する胸腺髄質上皮細胞分化の分子機構に迫る
Vol.49 No.1 Page. 2 - 4 (published date : 2011年1月1日)
秋山 泰身1,
新澤 未穂2
- 東京大学医科学研究所
- 東京大学大学院新領域創成科学研究科
概要原稿
「自己と非自己を識別する」 これは 精巧な免疫機構の根幹を表わす言葉ではないだろうか 現在 日本国民の多くは 花粉症などのアレルギーや関節リウマチなどの自己免疫疾患を含めた いわゆる難治性の免疫疾患に罹患しているといわれる これらの難治性免疫疾患は ヒトの体に備わる防御システムである免疫機構の異常が原因と考えられている 通常 免疫機構は細菌やウイルスなどの有害な外敵を排除するために働き 無害な物質や自身の組織に対しては反応しない仕組み 免疫寛容 になっている ところが 免疫寛容が異常になり 本来は反応しないはずの自己組織などに対して免疫応答が起きてしまうと 自己免疫疾患などの難治性免疫疾患の発症につながると考えられる
リファレンス
- 1) M. H. Cheng et al. : Trends Immunol., 28, 321 (2007).
- 2) M. S. Anderson et al. : Science, 298, 1395 (2002).
- 3) K. A. Hogquist et al. : Nature Rev. Immunol., 5, 772 (2005).
- 4) T. Akiyama et al. : Science, 308, 248 (2005).
- 5) T. Akiyama et al. : Immunity, 29, 423 (2008).
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