今日の話題

ウロコから眼
さかなのウロコのコラーゲンを利用して人工角膜をつくる

Vol.49 No.3 Page. 156 - 158 (published date : 2011年3月1日)
都木 靖彰1
  1. 北海道大学大学院水産科学研究院

概要原稿

コラーゲンは食品 たとえばコラーゲンを変性させたゼラチンや健康食品 やバイオテクノロジー研究に用いられる細胞培養用器材など 様々な分野で利用されるタンパク質である これまでウシやブタ由来のものが利用されてきたが ウシ海綿状脳症 BSE の発症以降は魚類由来のコラーゲンが注目され 化粧品や健康食品の原料としての利用が進んでいる 1 その理由は ヒトから進化的に遠く離れた下等脊椎動物である魚類にはヒトと共通の感染症が発見されておらず 哺乳類コラーゲンに比べて魚類コラーゲンは安全性が高いからである 2 東京工業大学の田中順三教授はこの点に注目し 魚類コラーゲンを医療用に有効利用することを目的に「さかなコラーゲン研究会」を立ち上げた 筆者らは魚類生理学研究の専門家として研究会に参加し 多くの共同研究者とともに研究を進めている ここでは その研究の背景と進展状況を紹介する

リファレンス

  1. 1) 水田尚志:日本水産学会誌,71, 667 (2005).
  2. 2) 吉水 守:マテリアル インテグレーション,23(2), 62 (2010).
  3. 3) 日本整形外科学会・再生医療委員会:日整会誌,80, 469 (2006).
  4. 4) 生駒俊之,竹口雅樹:マテリアル インテグレーション,23(2), 6 (2010).


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