セミナー室
/ 土壌圏における窒素循環と微生物 -N2Oの動態を中心として-
農耕地土壌起源のN2O排出量算定方法
Vol.49 No.6 Page. 415 - 419 (published date : 2011年6月1日)
澤本 卓治1,
秋山 博子2
- 酪農学園大学酪農学部
- (独)農業環境技術研究所
概要原稿
一酸化二窒素(亜酸化窒素:N2O)は現在大気中に約320 ppb(10億分の320)の濃度で存在する強力な温室効果ガスであり,オゾン層破壊にも寄与している.本セミナー室の第1回では,生物圏の窒素循環のなかで微生物のはたらき(主に硝化と脱窒)によってN2Oが生成しており,産業革命以降の大気中のN2O濃度の増加は農業〔施肥土壌および家畜排せつ物の処理過程(堆肥化など)〕とそれに関係する土地利用変化によって生じていることが示された.さらに,農耕地土壌からのN2O排出モニタリング手法や排出実態,その削減方法について解説された.今回は,農耕地土壌からのN2Oの排出量の算定方法を中心に紹介する.
リファレンス
- 1) 温室効果ガスインベントリオフィス (GIO)編,環境省地球環境局地球温暖化対策課 監修:“日本国温室効果ガスインベントリ報告書2010年4月”,独立行政法人国立環境研究所,2010.
- 2) 八木一行:“続・環境負荷を予測する”,波多野隆介,犬伏和之 編,博友社,2005, p. 323.
- 3) H. Akiyama, X. Yan & K. Yagi : Soil Sci. Plant Nutr., 52, 774 (2006).
- 4) K. Inubushi, K. Sakamoto & T. Sawamoto : Soil Sci. Plant Nutr., 51, 605 (2005).
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