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コーヒーの免疫調節活性を評価する
食品機能性の検討の難しさと消化吸収経路の重要性
Vol.49 No.9 Page. 598 - 600 (published date : 2011年9月1日)
後藤 真生1
- 農業・食品産業技術総合研究機構食品総合研究所
概要原稿
我が国では花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患患者数は増加し続けており,国民の36%が何らかのアレルギー様症状を自覚しているといわれている.アレルギーは,アレルゲン特異的なT細胞がアレルゲンの刺激によってTh2細胞に分化してインターロイキン4(IL-4)を産生し,B細胞にIgE抗体の産生を誘導して成立する.マスト細胞上に結合したアレルゲン特異的IgEに,再度体内に侵入したアレルゲンが結合すると,マスト細胞はヒスタミンなどのケミカルメディエーターを放出することで,近接する組織での血流量や血管透過性を亢進させ,即時型アレルギー症状が惹起される.この機序についてはほぼ証明されているが,アレルギーのそもそもの罹患原因については未だ未解明である.
リファレンス
- 1) H. Li & S. B. Willingham : J. Immunol., 181, 17 (2008).
- 2) J. A. Baker : J. Nutr., 136(1), 166 (2006).
- 3) M. Goto, K. Yamaki, H. Shinmoto & Y. Takano-Ishikawa : Biosci. Biotechnol. Biochem., 73, 2439 (2009).
- 4) M. Goto, Y. Takano-Ishikawa & H. Shinmoto : Biosci. Biotechnol. Biochem., 75, 393 (2011).
- 5) E. K. Bekedam, M. P. De Laat, H. A. Schols, M. A. Van Boekel & G. J. Smit : Agric. Food. Chem., 55, 761 (2007).
- 6) J. A. Rufian-Henares & F. J. Morales : J. Agric. Food. Chem., 55, 10016 (2007).
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