今日の話題
防御から共生へ
共生シグナルを認識するNodファクター受容体は,キチン受容体から進化した!?
Vol.49 No.10 Page. 660 - 662 (published date : 2011年10月1日)
概要原稿
一般に,植物は微生物の侵入を感知すると,活性酸素種の生成や抗菌物質であるファイトアレキシンの合成などを行なって排除を試みる.また,これらの基本的な抵抗性を回避するような深刻な病原菌に対して,植物は自らの組織の一部を犠牲にした過敏感細胞死などの手段を用いて対抗する.このように,植物は高度に発達させた複合的な防御メカニズムを備えており,侵入してくる病原菌を徹底的に排除することが知られている.一方で,自然環境中には植物に害をなす微生物だけでなく,植物に有益な微生物も存在しており,その一部は植物の組織内,さらには細胞内に受け入れられて相利共生を営む.このような“共生菌”が植物の防御機構により排除されずに受容される仕組みについては,現在のところほとんどわかっていない.
リファレンス
- 1) H.Kouchi et al. : Plant Cell Physiol., 51, 1381 (2010).
- 2) A. Miya et al. : Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 104, 19613 (2007).
- 3) S. Radutoiu et al. : Nature, 425, 585 (2003).
- 4) T.Nakagawa et al. : Plant J., 65, 169 (2011).
- 5) H. Zhu et al. : Genetics, 172, 2491 (2006).
- 6) E. Velazquez et al. : Mol. Plant-Microbe Interact., 18, 1325 (2005).
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