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Streptococcus mutans 由来グルカンスクラーゼの立体構造解析
虫歯予防食品開発への分子基盤
Vol.49 No.10 Page. 665 - 667 (published date : 2011年10月1日)
伊藤 圭祐1,
伊藤 創平1
- 静岡県立大学食品栄養科学部
概要原稿
糖質は生物にとって欠くことのできない重要なエネルギー源であるが,その過剰摂取にはう蝕,肥満,糖尿病などの健康障害リスクが伴う.中でも,う蝕は全世界人口の7割,日本人の9割が患っている最も身近な生活習慣病であり,スクロース摂取が原因となって発症する.う蝕進行に伴い,痛みや歯を失うだけにとどまらず,長期間の放置によって敗血症をひき起こして死亡する例も報告されており,また,う蝕前段階において発生する歯垢(プラーク)は口臭や歯周病の原因ともなる.このように,う蝕発症リスクの低減はQuality of Lifeの向上のみならず,予防医学的観点からも重要である.
リファレンス
- 1) S. Hamada & H. D. Slade : Microbiol. Rev., 44, 331 (1980).
- 2) H. Koo et al. : Antimicrob. Agents Chemother., 46, 1302 (2002).
- 3) M. Tamesada et al. : J. Dent. Res., 83, 874 (2004).
- 4) K. Ito et al. : J. Mol. Biol., 408, 177 (2011).
- 5) A. Shimamura et al. : J. Bacteriol., 176, 4845 (1994).
- 6) A. Vujicic-Zagar et al. : Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 107, 21406 (2010).
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