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転写因子によるRNAポリメラーゼの制御のメカニズム
細菌の転写を阻害する新たな仕組み
Vol.49 No.11 Page. 732 - 734 (published date : 2011年11月1日)
関根 俊一1,2,
田上 俊輔2,
横山 茂之1,2
- 東京大学大学院理学系研究科
- 理化学研究所
概要原稿
遺伝子の発現は,あらゆる生命活動を支える基盤である.この普遍的なプロセスは,まずDNAの塩基配列の一部が転写され,RNAが合成されることから始まる.これにより,タンパク質をコードするメッセンジャーRNAや,固有の構造や機能をもった非コードRNAが合成される.この転写を担う必須の酵素であるRNAポリメラーゼは,複数のタンパク質が組み合わさってできた分子量40万~50万の巨大な複合体である.膨大な遺伝情報の中から,必要な情報を,適切なタイミングで転写することにより,生命を支えている.今世紀初頭に,酵母や細菌のRNAポリメラーゼの結晶構造が報告され,RNA合成の仕組みを立体構造に基づいて論じることができるようになった
リファレンス
- 1) G. Zhang et al. : Cell, 98, 811 (1999).
- 2) P. Cramer et al. : Science, 292, 1863 (2001).
- 3) A. L. Gnatt et al. : Science, 292, 1876 (2001).
- 4) S. Tagami et al. : Nature, 468, 978 (2010).
- 5) P. Villain-Guillot et al. : Drug Disc. Today, 12, 200 (2007).
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