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シアンこそがいもち病菌の増殖を抑えるイネの重要な防御物質である
抵抗性遺伝子導入系統の解析からフラボノイドと協調した呼吸の阻害が判明

Vol.49 No.11 Page. 734 - 736 (published date : 2011年11月1日)
瀬尾 茂美1, 光原 一朗1, 大橋 祐子1
  1. (独)農業生物資源研究所

概要原稿

エチレン(C2H4)は最初に見つかった気体の植物ホルモンであり,発生や成長,老化,果実の成熟,ストレス応答などの様々な生理現象の調節を司っている.植物体内におけるこのホルモンの生合成経路については,古くより多くの研究者の興味を引きつけて詳細な研究がなされている.まず,メチオニンを出発物質として S-アデノシルメチオニン(SAM)がつくられ,次にSAMが 1-アミノシクロプロパン-1-カルボン酸(ACC)合成酵素(ACS)の働きによりACCに変換され,ACCからACC酸化酵素(ACO)によりエチレンができる(1).この際に,エチレンと等モルのシアン化水素(HCN ; 以下,シアンと略す)が生成する

リファレンス

  1. 1) A. B. Bleecker & H. Kende : Ann. Rev. Cell Dev. Biol., 16, 1 (2000).
  2. 2) G. D. Peiser, T. T. Wang, N. E. Hoffman, S. F. Yang, H.-W. Liu & C. T. Walsh : Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 81, 3059 (1984).
  3. 3) G. E. Isom & J. L. Way : Taxicol. Appl. Pharm., 15, 57 (1984).
  4. 4) T. Solomos : Plant Physiol., 28, 279 (1977).
  5. 5) J. M. Miller & E. E. Conn : Plant Physiol., 65, 1199 (1980).
  6. 6) J. L. Dangl & J. D. Jones : Nature, 411, 826 (2001).
  7. 7) T. Iwai, A. Miyasaka, S. Seo & Y. Ohashi : Plant Physiol., 142, 1202 (2006).
  8. 8) S. Seo, I. Mitsuhara, J. Feng, T. Iwai, M. Hasegawa & Y. Ohashi : Plant Physiol., 155, 502 (2011).
  9. 9) O. Kodama, J. Miyakawa, T. Akatsuka & S. Kiyosawa : Phytopathology, 31, 3807 (1992).


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